Gaiaxは、フリー・フラット・オープンの精神を大切にしています。
そして、そこには様々なライフスタイルを持ち、さまざまなことをしている人々がいます。石川潤さんは、adishや複数にわたる現在上場している企業の海外事業・会社の立ち上げに関わってこられた方です。
「お金を稼ぐために生きる」ということに疑問を持ち、「幸せに生きること」を追求するため、現在島根県の隠岐諸島である海士町にお子さんとパートナーのさやかさんとお住まいです。
ガイアックスの事業に関わり合いながら、潤さんが求める幸せのあり方を日記のようにブログ公開している「幸せのあり方シリーズ」、ご覧ください!

※本シリーズの前回のブログはこちらからご覧いただけます

Ishikawa-Jun

突然ですが、7月の1ヵ月間「やさしい生活作りをゴールに置くこと」をお休みしようと思います。というのも、幸せな生活を送ろうと思ってやっているはずの「自然に、他人に、自分にやさしいモデル探求」に対して、いつの間にか“やらなければいけない”という感覚が芽生え、イライラしていることが多い日々が続いていたからです。詳しくは、いつものようにインタビュー形式でまとめていますので、どうぞご覧ください。

一度休暇をとらないとダメだと思ったんです

潤:今回は告白をしなければならないことがありまして・・・。

香庄:突然何なんだろう・・・

潤:実は休暇をとろうと思っていて・・・

香庄:そうなんですね。

潤:はい。万物にやさしいモデルを探求していると、日々の生活そのものが仕事になっていて、常に気持ちが張り詰めた感じなんですね。例えば、家のホワイトボードにある検討リストが見えると何とかしないといけないと思ったり、土日もできる限りエネルギーを使わないように意識したり。

香庄:前回のインタビューでは、どうしても意識をし過ぎてしまう自分と上手く付き合うために、いくつかのルールや習慣を設定したりしましたが、それらがあまり機能していないという感じなのでしょうか?

潤:そうですね。例えば土日にしても、そういった意識と上手く切り離せていると思っていたんですけど、結局はどこかで意識をしてしまっていて、たとえゴールはなくても、ないからこそ気になってしまったり。加えて、今色んなことが同時にサブプロジェクトでも走り始め、モデル探求だけに集中仕切れない状態も影響していると思います。

そんな中で、“やりたくて”始めたはずのモデル探求に対して、いつの間にか“やらなければいけない”という感覚が出てきて、幸せな生活を送ろうと思ってやっているのにイライラしたりで・・・。そんな自分に疲れているとここ1週間くらい気づき、そこで一度休暇とらないとダメだと思ったんです。

香庄:今日話してくれていることは、モデル探求にとって大事なポイントになりそうですね。ここ1週間くらいでそう思うようになってきたということですが、そう思うようになった境目といいますか、もう少しその辺りのことを詳しく聞かせてもらってもいいですか?

潤:とにかく6月から色んなことがスタートしているんですね。朝起きる時間も、ニワトリの餌やりを毎朝するようになって4時45分くらいに自然と起きるようになりました。餌やりのほか、畑の水やりや苗を植えたりして、8時半に戻ってきて朝ご飯を食べるといった流れです。

それに加えて高校生に対するゼミも始まり、それがなかなか上手く進行していないんですが、すると、畑をしながらそのことばかりを考えてしまったり。そこに空き家がもらえることになったからその手続きにも追われて・・・

香庄:色んなことが増えたというだけではなく、どうやら1つ1つのプロジェクトが大きいということもありそうですね。

潤:そうですね。6月に入ってからこれらの波が重なって忙しくなり、ある時、「あれっ、幸せのためにやっているんじゃなかったっけ」って。

香庄:そうすると、プロジェクトの量や1つひとつの規模が大きいという物理的なことが一番の原因なのでしょうか?

潤:それもありますが、あとは先程も少し話した“意識をし過ぎる”ということについてですね。以前のインタビューでオンとオフを作ろうという話をして、ゴールの有無がきっとそのオンとオフになるだろうだと自分としては思っていたんですけど、実際にやってみるとゴールの有無に関わらず、隙あれば何かをやってしまっていたんですね。休みの日も畑をやっていたり。

日々の記録をしていますが、先日それを読み返した時に、「朝起きると、ほぼ自動的に外の水やりを始めるという習慣になっている。これを待ってくれている植物がいて、やらないと枯れてしまう。この行動に流れていってしまう自分がいる」とあって、負担なんだなあって気づいたんですね。

香庄:潤さんにどんなことが起こっているのか、少しずつですが理解ができてきました。一旦ここまでを整理してみると、今回のことが起こった要因はどうやら、潤さんが元々持っている“ゴールを意識し過ぎてしまうというストイックさ”に、6月から増えたプロジェクトという物理的な要因が合わさったから、といった感じでしょうか。

潤:概ねそんなところだと思います。

jun_ishikawa
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「何も気にせず、ただ目の前のことを楽しむ」という幸せ

潤:少し話が変わりますが、先日、娘の幼稚園(森の幼稚園)のある会で、子供たちが先生役になって、大人たちが子供役になるというワークショップがあったんです。子供役だから本当に何でも自由で、いきなり山に向かって走り出したり、木に登ったら登ったで何か言われるまでそればかりやっていたり。

何が言いたいかというと、普段僕はゴールに縛られて、計画に縛られて生きていて、もちろんだからこそ、やりたいことが絞れたり達成できたりします。でもこの時は、そうでない役割を演じてみて、純粋にこれっていいなあと思ったんです。

香庄:面白いですね。

潤:そうなんです。そして、もう1つ気付きがあったのがその後で、その気持ちのまま畑に行ったんですね。幼稚園の子供役のまま、“やっていることをただ楽しもう”って。すると、いつものように茄子をここまで植えるとか目標を持って行う場合と、同じ畑の作業をしているはずなのにすごく違うなあって感じて、何よりとても幸せだったんです。

翌日、その日の出来事を改めて思い返してみると、最近は無理をして畑をしているなあとか、畑をしながら〇〇さんに言われたことばかり考えているなあとか、そんなことがどんどん湧き出てきたんですね。これって普段やっている僕の生活が、幸せの方向に進んでいないんじゃないかあって思いました。

香庄:それで一度休暇をとろうと思ったんですね。

潤:はい。そうして考えついたことが、さっきの畑の話みたいに、一度ゴールから離れてみることが必要なのかなあということだったんです。ここまでやれたとかやれないとかではなく、純粋に目の前のことを楽しむ時間を過ごしてみたないあって。

香庄:いいですね。その上でもう少し詳しく聞いてみたいのですが、今回の幼稚園では、いつものような“やらねば”を手放して、“今この瞬間を楽しもう”という状態を体験できたと思うんですが、そこではなぜそうなれたんでしょうか?ある意味、“子供の役をやらねば”という意識になる可能性もあったのかなあと。

潤:そうですね。それについては2つあると思います。1つは単純にその場を自分が仕切っていないからだと思います。先生役の子供たちに「今日何したいの?」って聞かれて、何も考えず、ただ「木登り!」って言っちゃいましたから(笑)。

もう1つは、普段であれば気にしているような、社会のこうしなければならないといった事柄、例えば、困っている人がいれば助けないととか、人にどう見られたいとか、そのために何か行動しないととか、そういったものをいつもより意識せずに過ごせたからだと思います。それを僕だけなら難しかかったかもしれませんが、子供役の大人たちが同じように無邪気に周りで振舞っていたから、そこに僕も自然と入れたし、集団でそのような状態になれたことも理由としてあったと思います。

香庄:それを伺ってさらに聞いてみたくなったことは、“やらねば”から抜け出せる要因の1つに“自分で仕切らない”ということがあったときに、このモデル探求において、例えば、さやかさんが決めたことに潤さんが従って取り組むというパターンもあったりはしないのかなあって思ったんですね。

潤:その点でいうと、今は、さやかが僕に合わせて協力してくれている側面が大きくて、例えば、畑にしても「手伝うよ」とは言ってくれるものの、「手伝って」と僕から言って始めて協力してくれるという感じなので、そのパターンはまだないですね。それに、話したことはないですが、乗り気じゃないだろうなあって思っている自分がいるんだと思います。

香庄:前回の二人の対談で、潤さんがやりたいことの中に、共通してさやかさんもやりたいことはあるけれども、ただ、やり方が違うと話していました。仮に潤さんが望む目標達成を100%としたときに、さやかさんのやり方では数%しか達成できないけれど、さやかさんが決めたことに潤さんがサポートするような取り組みがあってもいいのかなと。そうすれば、その取り組みにおいては潤さんも少しは“やらねば”を感じなくてよくて、かつ、プロジェクトの進展にも少しは寄与できるしいいのかなあと、ふと思ったんですね。

jun_ishikawa
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「ゴールを意識したり、記録をしたり」しないことを試したい

香庄:さて、ここからはさやかさんにも加わってもらって、話を聞いていきたいと思います。まずは、今回潤さんから「一度休憩してもいいかな」という話を受けて、率直にどんなことを感じているのか聞かせてもらっていいですか?

さやか:ストイック過ぎるんですよ。それが潤の持ち味であることは知っているし、ブレイクスルーに繋がるのはそこだと思っているし、私にはできないことだからすごいなあとも思ってはいるのだけど、「何のためにやっているのか?」、そうすることが幸せに繋がるからやっていたはずで、もし休まないといけないんだったら、それは幸せに繋がることではないんだろうなあって(笑)。

香庄:ここ最近の潤さんを見ていて、イライラしているなあとか、疲れているなあって感じていましたか?

さやか:この数週間が特にということではなく、基本、常に何か焦っているし、何かイライラしているなあって感じています。ただ、朝起きるのが早くなって、だからといって別に夜早く寝るわけでも、昼寝をするわけでもないから疲れるだろうなあって思っています。お百姓さんみたいに自然とともに生きる人って、朝は早くても、その分、しっかり休みはとっていたはずなのになあって。

香庄:お百姓さんは確かにそうですね。日中の暑い時間は休んでいたりしますね。「もうちょっと上手く調整できたらいいのにね」といったような会話とかはするんですか?さやかさんは潤さんがストイック過ぎることをよく知っているだろうから。

さやか:ストイック過ぎる点についてはそんなに話していないけれど、睡眠時間が足りないことについては少し話しています。というのは、以前にバンコクで仕事をしていたときにも感じていたんですけど、肉体疲労がたまっている時に頭を使うことってとても大変なんですね。なので頭も使うのであれば、体を動かす量をある程度抑えないとなあって思うんです。

あと最近ちょっと思うのは、好きにやってて、私関係ないからって、放置しているように潤に映っていないかなあって思ってます。潤には言ったことないけど・・・

香庄:もう少し詳しく聞いてもいいですか?

さやか:一人で大変そうだなあって思うけど、私がやりたいやり方ではなくて、そういう意味で関わりづらく、手が出しづらい感じなんです。かつ、私の生活も畑仕事をするというカタチで組み立ててはいないから、「この作業をちょっと手伝ってくれない」といきなり言われると、「いや、ちょっと待ってよ」ってなったり。

だから、もし畑仕事をするならするで、仕事の調整も含めた生活時間全体の使い方というか、畑があるという前提で、家族みんなでもう一回考えた方がいいのかなあと思いつつ、潤からその申し出がないことにかまけて放置している感じかな。

香庄:潤さんはここまで聞いてみてどうですか?

潤:そうですね。時間的に確かに重荷にはなっているけれど、畑そのものはそんなに重荷ではないですね。それに放置されているとも感じていないです。そんなこと思っていたんだってくらいで・・・。

香庄:そうすると、今のかたちで潤さんとしてはいい感じだと?さやかさんが話してくれたように、畑を一緒にすると決めるなら仕事も調整するというような提案もしてくれたけど、あんまりそんなことは求めていない?

潤:どうなんだろう。ただ色んなものが同時に発生しているから本当にやりたいことに時間を使えてないなっていう気がしていて、だから畑だけがどうという問題ではない気がするんですね。むしろ畑にひたすら集中できる1週間だったら嬉しいなあって思っているくらいだから。

さやか:そうなんだあ。じゃ、だとしたら、潤がお休みしたい理由や意味をちゃんとわかっていないかも・・・

潤:お休みをしたい理由としては、全体的にいっぱいいっぱいだというのは確かにあるんだよね。今は色んなことが同時にスタートしていて、かつ、スタートしたものが上手くいかないこともあったり。でも、理由が畑ではない気がしていて、こないだの幼稚園のワークショップのあとの畑のように、目標を持たずやってみたらとても幸せだったからね。

今回改めて一つひとつ振り返ってみると、畑の量が問題ではなくて、色んな要素が一日の中にたくさんあることが問題なんだろなあって思ってね。畑をやって、これもやって、あれもやってというように。さらに、そのそれぞれに対してゴールや目標を設定し、それらを意識して考えながらやっているから大変なんだろなあって。

さやか:それが問題だとして、お休みの間は具体的にどうするの?

潤:人と関わりをもってやっていることは必要最低限やる。あとはゴールを設定せず、毎日流れにまかせてやっていく感じなのかなあ。畑を今週までにここまで植えようとか、さやかと話してホワイトボードを使った対策を考えようとか、家の中で火をどうやって使っていけるかを試そうとか、それぞれの行動に対して全てゴールがあって、そういう1つ1つがプレッシャーになっていたから、そのゴール設定をやめてみる。

さやか:聞いていると、休むというよりは別のアプローチの模索なのかなあって。もしそうだとすると、潤にとってゴールを設定することがこれまでの経験上、自分の幸せに繋がっていることもあるんだろうけど、それをどこまでどういうかたちでやれば自分にあっているのかを考えなおしてもいいかもしれないって思ったかな。

潤:ううん・・・、どうなんだろう。ゴールを一度やめようとしているので、それを考え始めると、そのこと自体がゴール設定になってしまいそうで(笑)。

香庄:そうですね。ただ、さやかさんの意見も確かにそうで、ゴールや目標、毎週のテーマ設定や、日々のメモや記録を一斉やめたとしても、プロジェクトがある以上どこまで意識をせずにやれるかはわかりません。まぁ、とりあえず7月からの1ヵ月間試してみましょう。8月を楽しみにしています。

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石川潤の幸せな生き方へのフォーカス旅日記
1. 幸せで有意義な人生のために、万物にやさしい生活モデルの探求はじめました。
2. 人口二千人の離島、隠岐海士町でスタートした『万物にやさしい生活モデル探求』
3. 『万物にやさしい生活モデル探求』、背景にある体験と大切にしている考え方
4. 「生活モデルの探求」圏外で感じる葛藤
5. 僕がやりたいのは持続可能な社会ではないことが見えてきた
6. 「やさしい」について、マインドフルネスの荻野淳也さんと話してみました。
7. 1年後のゴールを公開します。(現状、自然にやさしい生活が絶望的な状況であることが判明)
8. 自然にやさしい生活について、伴侶・さやかと話しました
9. 「やさしい生活づくり」目標再設定して2ヶ月、進捗と思っていること
10. 1ヵ月間、「やさしい生活作り」をお休みします
11. 休暇を1ヵ月とってみて、気づいたこと
12. 自然の循環の中で生きることを達成して、僕は幸せになれるんだろうか
13. 「やさしい生活づくり」を楽しむ自分と迷う自分、その狭間で
14. 社内コーチ宇田川さんとのコーチングセッションを、記事にしてみました。
15. 「やさしさ」について、tiny peace kitchenの荒井智子さんと話してみました
16. しばらくブログをお休みします。
17. 「自然の循環の中のワイン」と「自然の循環に乗り、幸せな生活を広める活動」
18. 「自然の循環にのること」と「生活を楽しむこと」
石川 潤

石川 潤

ガイアックス歴8年8ヶ月。そのうち、8年7ヶ月を海外での会社、チーム、事業立ち上げをリード。さやか(伴侶)、悠(4歳の子供)と海士町に引っ越し。Type-A Breakfast オーガナイザー。