skip to Main Content

会社づくりもデザインの一環、漫画家の道から起業家へ

  • 最終更新: 2021年9月15日

これまでガイアックスは多くの起業家を輩出してきており、現在ではその組織自体がスタートアップスタジオとして機能しています。起業を企てる起業家やその候補者が入社や投資を受けるために集まっており、また、それらの起業をサポートできるプロフェッショナルも多数、在籍しています。

ガイアックスのスタートアップスタジオでは、ビジネスアイディアの相談を随時実施しています。
優れた事業案には200万円を出資。
相談者の年齢関係なく、暖かく相談にのってくれるので、以下から気軽に問い合わせをしてみてください。
» スタートアップカフェに参加する

今回インタビューしたのは、ガイアックスの卒業生でもある、株式会社TRUSTDOCK代表取締役の千葉孝浩(ちば たかひろ)さん。千葉さんは大学では建築を学び、卒業後は漫画家の道(!)へと進み、ガイアックスへ転職されたというユニークな経歴の持ち主です。本ブログでは、千葉さんの学生時代のお話や、ガイアックスで経験したことについてお届けします。

Takahiro.Chiba

千葉 孝浩

株式会社TRUSTDOCK代表取締役

株式会社ガイアックスでR&D「シェアリングエコノミー×ブロックチェーン」でのデジタルID研究の結果を基に、日本初のe-KYC/本人確認API「TRUSTDOCK」を事業展開、そして公的個人認証とeKYCに両対応したデジタル身分証アプリと、各種法規制に対応したKYC業務のAPIインフラを提供するKYCの専門機関として独立。フィンテックやシェアサービスのeKYCをはじめ、行政手続きや公営ギャンブルなど、あらゆる業界業種のKYCを、24時間365日運用しているクラウド型KYCサービス。さらには本人確認だけでなく、銀行口座確認や、法人在籍確認、マイナンバー取得など、社会のデジタル化に必要なプロセスも全て提供し、デジタル・ガバメント構築を民間から支援している。経産省のオンラインでの身元確認の研究会での委員や、金融庁主催イベントにて、デジタルIDでの登壇など、KYC・デジタルアイデンティティ分野での登壇・講演活動多数。

手に職をつける。2足の草鞋を履いて夢を追う

ー まずは自己紹介をお願いします。

株式会社TRUSTDOCK代表取締役の千葉孝浩です。TRUSTDOCKはeKYC(electronic Know Your Customer)・本人確認を行う会社として始まり、現在は様々な確認業務のプロセスをAPI(*1)として提供しています。2021年6月に13億円の資金調達を実施し、現在持続的な社会インフラとしての体制構築を強化しています。
この事業の種自体は、ガイアックスに在籍した2006年〜2017年の間で見つけたものでした。

(*1)Application Programming Interfaceの略。ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにしてくれるもの。

ー 千葉さんはどのような学生時代を過ごしていましたか?

中高生時代は柔道をやっていました。柔道部の部長や運動会の応援団長をやったりと、けっこう体育会系だったんですよ。一方で、絵を描くのも好きで図工や美術も得意だったので、大学は建築学科に入りました。建築は技術と芸術の両立が必要な分野で、その両方のバランスがいいなという考えをもっていたんです。

大学生時代は友達とDJイベントをしたり、いろんなことをやっていましたね。大学の研究室では、みんなクリエイターで建築学科なので、Adobe製品も使えるし動画制作やCADで3DCGもできる人も多かったので、DVDのオーサリングや3DCG制作、印刷物やWEBサイトのデザインの仕事など、周りと一緒に、色々なバイトを経験していました。

ー 卒業後も、建築の道に進むという選択肢もあったのですか?

実は私は小さい頃から漫画家になるという夢があり、大学を卒業したら漫画家にチャレンジしようと思っていたんです(笑)

妄想の世界においては、絵と文字で表現する漫画が最高のクリエイティブだと思っていて、現実の世界においては、技術と芸術のバランスがとれた建築がいいなと思って、大学では建築を学ぶことにしました。建築というリアルな方をやりながら、妄想の世界のことにもチャレンジしようと思ったんですよね。

私が大学を卒業した2000年当時はちょうど就職氷河期のピークでしたが、建築学科の人たちは建築家になりたい人が中心でした。そのため、私の周りでは就活の悲壮感は感じなかったし、「やりたいことやろうぜ」という空気。それに私の実家は自営業をしているので、サラリーマンになるという感覚が我が家にもなかったんですよね。手に職をつけて自分で食い扶持を稼ぐという考え方の方が馴染み深いものでした。

大学を卒業してからも就職はせず、個人でデザイン制作などを請け負って仕事をしていました。ポスターやパンフレットを作ったり、Web制作をしたり内装を手伝ったりですね。個人での仕事もしながら漫画家のアシスタントをしたり、自分の描いた漫画を応募して賞をもらったこともあります。

takahiro.chiba

商人としてのスキルを求めてガイアックスへ

ー ガイアックスへの入社はどのような経緯で決めましたか?

個人で仕事をしながら漫画を描く生活を4年くらい続けていましたが、なかなか連載には至りませんでした。両親からも「そろそろ…」と声をかけられるようになり、就職活動をすることに。インターネットならグローバルでレバレッジが効くなという考えもありましたし、新しい物が好きで自分で作ることも好きだったので、中途採用をしているIT企業をいくつか受けてみることにしたんです。その中の1つだったガイアックスに2004年に入社しました。26歳でした。

ー ガイアックスを選んだ決め手は何でしたか?

当時はいくつか内定をいただいていましたが、私は面白くて、かつ自分自身にないものを持っている人と仕事をしたかったんです。

私の実家は町工場を営んでいて、僕自身も漫画を描いていたので職人の気質が強かったです。なので、商人に対して憧れを持っていましたし、商人としてのスキルを身につけたいと考えていました。
ガイアックスの選考で話した人たちは、職人気質もありながら営業能力の高い面白い方々が多かったんです。この二面性を持っている人にはなかなか会えることがなかったので、とても感動したのを覚えています。

そしていざ入社してみたら、他にもいい意味で変人が多かったですね(笑)
約11年間在籍していたのでたくさんの出会いがありましたが、例えば同世代には佐別当さん(現株式会社アドレス 代表取締役社長)や小高さん(現株式会社Tokyo Otaku Mode 代表取締役社長)や肥後さん(現株式会社TRUSTDOCK 取締役)がいたり、新卒で江戸さん(現アディッシュ株式会社 代表取締役)が入ってきたり、面白い人がたくさんいました。

ー 11年間在籍される間に、どのような経験をされましたか?

ガイアックスの上場前からいたので長いですよね。
一番最初はゲームのオンラインコミュニティのアバター制作のディレクションなどをしていました。
今、ガイアックスのブランディングを手掛けているナターシャが、当時、社内デザイナーだった頃に、彼女によくデザインを発注していました。そこから受託開発のプロジェクトにアサインされて、サービスの企画プランニングから外部設計、いわゆるフロントエンド(WebサービスやWebアプリケーションで直接ユーザーの目に触れる部分)の設計に携わるようになって。他にも、Facebookが日本に入ってくるときにみんなで書籍を書いたり、FacebookのAPIを使ったASPなビジネスや運用もしたりしていました。今でもガイアックスのソーシャルメディアラボとして続いていますよね。

その後、会社として新規事業開発に注力するようになり、私は2011年頃からは新規事業開発に専念することになりました。2013〜2014年頃からは若手のエンジニアと組んで新規事業チームという形になり、本社オフィスに私の席が完全になくなりました。

その後、フォトシンスを創業することになるエンジニアメンバー達と、恵比寿のOpen Network Labや目黒のHUB tokyoに行ったり、転々としながらリーンなプロセスで新規事業の立ち上げを繰り返したりしていました。
出し惜しみせず、余力を残さない。新規事業開発で試行錯誤を繰り返す

ー 新規事業開発では数多くの試行錯誤があったのではないでしょうか?

まず、巷にある色々な新規事業開発のフレームワークやメソッドを素直に全て使ってみるというチームにしました。それなりにキャリアや経験があると、いろいろな書籍やノウハウを学んでも、つい我流でやりたくなってしまいますが、わかったふりをせずにちゃんと先人のノウハウを運用してみることを重視しました。

事業を立ち上げようとするとき、チームの誰かしらに課題感があることが重要になると思います。誰かがその課題を解決したい思いがなければ新規事業は立ち上げられないですからね。なので、当時のメンバー4人で1人100個くらいの生活の課題と事業案を出して、みんなで「そもそも、その課題がありそうか、あるとしたら自分が解決するだけのヤル気があるのか」を話し合っていったんです。

そして10個くらいを検証フェーズへ回していきました。これは、その内の1個が次のフェーズへ行くかどうかの確率のものなんです。
事業を作るにあたり、リーンスタートアップ(*2)という、フェーズごとのKPIを越えないものは終了するという撤退基準を設けていて、例えば、シニアのセカンドライフ問題に焦点を当てて業務委託で企業とマッチングさせる仕組みは半年くらいで見切りをつけましたし、もっと手前のインタビューフェーズで終わったサービスもあります。

2014〜2016年の2年間で10個くらいの課題の仮説検証を行い、実際にMVPなプロダクトまで作ったのは2事業くらいですね。
毎回「これでいく!この課題を解決する大きなビジネスをするぞ!」という気持ちでやっているので、撤退時は、気持ちの部分で後ろ髪を引かれることも多かったですけど、ちゃんとKPIのモデルに沿ってビジネスとして社会に価値を提供できるのか、ドライに撤退の判断をしていくという感覚でやり続けていました。ビジネスには冷静と情熱の両方が必要で、それを養っていた期間でもあります。

(*2)リーンスタートアップについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Takahiro.Chiba

ー 2年間でどのような学びがありましたか?

企業の中での新規事業は、失敗が多いですし、作ってはクローズすることを繰り返しているので、一見何も会社に貢献していないと思ってしまうんですよね。穀潰し的な。
私は漫画家稼業をしている時に、漫画の持ち込みで千本ノックをしていたので基本的には鉄のメンタルではあります(笑)
それでもネガティブなことが続くとメンタルは落ち込むので、「結果が思い通りに出ない時の向き合い方」を学びました。

失敗も見方を変えれば次へのステップです。「これは道の途中だから」とひたすら言い聞かせて、その空気感をチームでも共有していました。

当時は組織の中で、他部署のメンバーが上げている利益を使っていて申し訳ない気持ちが半分と、もう半分は皆さんに還元するためにやっているという両方の感覚が同居していました。でも、だからこそ全力でチャレンジするんですよね。出し惜しみしないことだけは決めて、余力を残さず、手癖や惰性でやらないというのが新規事業においては重要だと考えています。

ー ありがとうございました!次回は、TRUSTDOCKがガイアックスを巣立った後のストーリーをお聴きしていきます。

インタビュー:荒井智子
ライティング:黒岩麻衣

記事後半
≫全力の挫折経験が直感力を磨き、TRUSTDOCKという勝負への道を切り拓いた

編集後記
まず、千葉さんが元漫画家だということに驚きました。ちなみに、ドラゴンボールの作者である鳥山明さんみたいになりたいと思っていたそうです。漫画でもビジネスでも何をするにしても、「出し惜しみしない」ということがキーワードになりそうです。後半もお楽しみに!

このインタビュー記事の動画も是非ご覧ください


Vision Notes Episode 6 – 株式会社TRUSTDOCK 代表取締役 千葉孝浩
『漫画家志望からベンチャーに転職し、社長になった人の物語』

オンライン座談会

ガイアックスは、「自由すぎる企業」と呼ばれることがあります。
給料は自分で交渉して決める、裁量権に縛られない、退職者の6割が起業する、などのユニークな働き方を取り入れています。
ガイアックスで働くことに興味がある人は、オンライン座談会で、メンバーへ気軽に疑問をぶつけてみませんか?

投資先経営者
1. 「やりたいことがなかった」私が、上場ベンチャーの女性役員になるまでのファーストキャリア
2. 悩んで、向き合い続けたからこそ切り開けた、上場ベンチャーの女性役員というキャリア
3. 上場を経験したからこそできる、「身近な社外の女性役員」という役割
4. 研究者の道を捨てた僕は、カオス真っ只中のベンチャーで、自分の道を切り拓いてきた
5. 「関係の質が成果の質を生む」仕事は人生の大事な一部だから、人と向き合い、チームを大切にする
6. 27歳にして上場ITベンチャー企業の取締役になった人の、新人時代の話
7. 27歳で取締役としてベンチャー企業の上場を経験して見えた景色
8. 情熱が成長曲線を左右する。意図を持つことで働き方は変わる
9. 人間は、人間らしく働こう。 情熱を持って“自分の”ど真ん中を走り続ける
10. 都内7.4%が導入するスマートロックを生んだ男|起業までの道のり
11. “キーレス社会”を実現する|70億円調達、会社を率いた6年半
12. 会社づくりもデザインの一環、漫画家の道から起業家へ
13. 全力の挫折経験が直感力を磨き、TRUSTDOCKという勝負への道を切り拓いた
Takahiro.Chiba
株式会社ガイアックスでR&D「シェアリングエコノミー×ブロックチェーン」でのデジタルID研究の結果を基に、日本初のe-KYC/本人確認API「TRUSTDOCK」を事業展開、そして公的個人認証とeKYCに両対応したデジタル身分証アプリと、各種法規制に対応したKYC業務のAPIインフラを提供するKYCの専門機関として独立。フィンテックやシェアサービスのeKYCをはじめ、行政手続きや公営ギャンブルなど、あらゆる業界業種のKYCを、24時間365日運用しているクラウド型KYCサービス。さらには本人確認だけでなく、銀行口座確認や、法人在籍確認、マイナンバー取得など、社会のデジタル化に必要なプロセスも全て提供し、デジタル・ガバメント構築を民間から支援している。経産省のオンラインでの身元確認の研究会での委員や、金融庁主催イベントにて、デジタルIDでの登壇など、KYC・デジタルアイデンティティ分野での登壇・講演活動多数。
e-KYCTRUSTDOCKVision Notes投資先経営者
関連記事
  • 最終更新: 2021年9月15日

これまでガイアックスは多くの起業家を輩出してきており、現在ではその組織自体がスタートアップスタジオとして機能しています。起業を企てる起業家やその候補者が入社や投資を受けるために集まっており、また、それらの起業をサポートできるプロフェッショナルも多数、在籍しています。

ガイアックスのスタートアップスタジオでは、ビジネスアイディアの相談を随時実施しています。
優れた事業案には200万円を出資。
相談者の年齢関係なく、暖かく相談にのってくれるので、以下から気軽に問い合わせをしてみてください。
» スタートアップカフェに参加する

今回インタビューしたのは、ガイアックスの卒業生でもある、株式会社TRUSTDOCK代表取締役の千葉孝浩(ちば たかひろ)さん。千葉さんは大学では建築を学び、卒業後は漫画家の道(!)へと進み、ガイアックスへ転職されたというユニークな経歴の持ち主です。本ブログでは、千葉さんの学生時代のお話や、ガイアックスで経験したことについてお届けします。

Takahiro.Chiba

千葉 孝浩

株式会社TRUSTDOCK代表取締役

株式会社ガイアックスでR&D「シェアリングエコノミー×ブロックチェーン」でのデジタルID研究の結果を基に、日本初のe-KYC/本人確認API「TRUSTDOCK」を事業展開、そして公的個人認証とeKYCに両対応したデジタル身分証アプリと、各種法規制に対応したKYC業務のAPIインフラを提供するKYCの専門機関として独立。フィンテックやシェアサービスのeKYCをはじめ、行政手続きや公営ギャンブルなど、あらゆる業界業種のKYCを、24時間365日運用しているクラウド型KYCサービス。さらには本人確認だけでなく、銀行口座確認や、法人在籍確認、マイナンバー取得など、社会のデジタル化に必要なプロセスも全て提供し、デジタル・ガバメント構築を民間から支援している。経産省のオンラインでの身元確認の研究会での委員や、金融庁主催イベントにて、デジタルIDでの登壇など、KYC・デジタルアイデンティティ分野での登壇・講演活動多数。

手に職をつける。2足の草鞋を履いて夢を追う

ー まずは自己紹介をお願いします。

株式会社TRUSTDOCK代表取締役の千葉孝浩です。TRUSTDOCKはeKYC(electronic Know Your Customer)・本人確認を行う会社として始まり、現在は様々な確認業務のプロセスをAPI(*1)として提供しています。2021年6月に13億円の資金調達を実施し、現在持続的な社会インフラとしての体制構築を強化しています。
この事業の種自体は、ガイアックスに在籍した2006年〜2017年の間で見つけたものでした。

(*1)Application Programming Interfaceの略。ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにしてくれるもの。

ー 千葉さんはどのような学生時代を過ごしていましたか?

中高生時代は柔道をやっていました。柔道部の部長や運動会の応援団長をやったりと、けっこう体育会系だったんですよ。一方で、絵を描くのも好きで図工や美術も得意だったので、大学は建築学科に入りました。建築は技術と芸術の両立が必要な分野で、その両方のバランスがいいなという考えをもっていたんです。

大学生時代は友達とDJイベントをしたり、いろんなことをやっていましたね。大学の研究室では、みんなクリエイターで建築学科なので、Adobe製品も使えるし動画制作やCADで3DCGもできる人も多かったので、DVDのオーサリングや3DCG制作、印刷物やWEBサイトのデザインの仕事など、周りと一緒に、色々なバイトを経験していました。

ー 卒業後も、建築の道に進むという選択肢もあったのですか?

実は私は小さい頃から漫画家になるという夢があり、大学を卒業したら漫画家にチャレンジしようと思っていたんです(笑)

妄想の世界においては、絵と文字で表現する漫画が最高のクリエイティブだと思っていて、現実の世界においては、技術と芸術のバランスがとれた建築がいいなと思って、大学では建築を学ぶことにしました。建築というリアルな方をやりながら、妄想の世界のことにもチャレンジしようと思ったんですよね。

私が大学を卒業した2000年当時はちょうど就職氷河期のピークでしたが、建築学科の人たちは建築家になりたい人が中心でした。そのため、私の周りでは就活の悲壮感は感じなかったし、「やりたいことやろうぜ」という空気。それに私の実家は自営業をしているので、サラリーマンになるという感覚が我が家にもなかったんですよね。手に職をつけて自分で食い扶持を稼ぐという考え方の方が馴染み深いものでした。

大学を卒業してからも就職はせず、個人でデザイン制作などを請け負って仕事をしていました。ポスターやパンフレットを作ったり、Web制作をしたり内装を手伝ったりですね。個人での仕事もしながら漫画家のアシスタントをしたり、自分の描いた漫画を応募して賞をもらったこともあります。

takahiro.chiba

商人としてのスキルを求めてガイアックスへ

ー ガイアックスへの入社はどのような経緯で決めましたか?

個人で仕事をしながら漫画を描く生活を4年くらい続けていましたが、なかなか連載には至りませんでした。両親からも「そろそろ…」と声をかけられるようになり、就職活動をすることに。インターネットならグローバルでレバレッジが効くなという考えもありましたし、新しい物が好きで自分で作ることも好きだったので、中途採用をしているIT企業をいくつか受けてみることにしたんです。その中の1つだったガイアックスに2004年に入社しました。26歳でした。

ー ガイアックスを選んだ決め手は何でしたか?

当時はいくつか内定をいただいていましたが、私は面白くて、かつ自分自身にないものを持っている人と仕事をしたかったんです。

私の実家は町工場を営んでいて、僕自身も漫画を描いていたので職人の気質が強かったです。なので、商人に対して憧れを持っていましたし、商人としてのスキルを身につけたいと考えていました。
ガイアックスの選考で話した人たちは、職人気質もありながら営業能力の高い面白い方々が多かったんです。この二面性を持っている人にはなかなか会えることがなかったので、とても感動したのを覚えています。

そしていざ入社してみたら、他にもいい意味で変人が多かったですね(笑)
約11年間在籍していたのでたくさんの出会いがありましたが、例えば同世代には佐別当さん(現株式会社アドレス 代表取締役社長)や小高さん(現株式会社Tokyo Otaku Mode 代表取締役社長)や肥後さん(現株式会社TRUSTDOCK 取締役)がいたり、新卒で江戸さん(現アディッシュ株式会社 代表取締役)が入ってきたり、面白い人がたくさんいました。

ー 11年間在籍される間に、どのような経験をされましたか?

ガイアックスの上場前からいたので長いですよね。
一番最初はゲームのオンラインコミュニティのアバター制作のディレクションなどをしていました。
今、ガイアックスのブランディングを手掛けているナターシャが、当時、社内デザイナーだった頃に、彼女によくデザインを発注していました。そこから受託開発のプロジェクトにアサインされて、サービスの企画プランニングから外部設計、いわゆるフロントエンド(WebサービスやWebアプリケーションで直接ユーザーの目に触れる部分)の設計に携わるようになって。他にも、Facebookが日本に入ってくるときにみんなで書籍を書いたり、FacebookのAPIを使ったASPなビジネスや運用もしたりしていました。今でもガイアックスのソーシャルメディアラボとして続いていますよね。

その後、会社として新規事業開発に注力するようになり、私は2011年頃からは新規事業開発に専念することになりました。2013〜2014年頃からは若手のエンジニアと組んで新規事業チームという形になり、本社オフィスに私の席が完全になくなりました。

その後、フォトシンスを創業することになるエンジニアメンバー達と、恵比寿のOpen Network Labや目黒のHUB tokyoに行ったり、転々としながらリーンなプロセスで新規事業の立ち上げを繰り返したりしていました。
出し惜しみせず、余力を残さない。新規事業開発で試行錯誤を繰り返す

ー 新規事業開発では数多くの試行錯誤があったのではないでしょうか?

まず、巷にある色々な新規事業開発のフレームワークやメソッドを素直に全て使ってみるというチームにしました。それなりにキャリアや経験があると、いろいろな書籍やノウハウを学んでも、つい我流でやりたくなってしまいますが、わかったふりをせずにちゃんと先人のノウハウを運用してみることを重視しました。

事業を立ち上げようとするとき、チームの誰かしらに課題感があることが重要になると思います。誰かがその課題を解決したい思いがなければ新規事業は立ち上げられないですからね。なので、当時のメンバー4人で1人100個くらいの生活の課題と事業案を出して、みんなで「そもそも、その課題がありそうか、あるとしたら自分が解決するだけのヤル気があるのか」を話し合っていったんです。

そして10個くらいを検証フェーズへ回していきました。これは、その内の1個が次のフェーズへ行くかどうかの確率のものなんです。
事業を作るにあたり、リーンスタートアップ(*2)という、フェーズごとのKPIを越えないものは終了するという撤退基準を設けていて、例えば、シニアのセカンドライフ問題に焦点を当てて業務委託で企業とマッチングさせる仕組みは半年くらいで見切りをつけましたし、もっと手前のインタビューフェーズで終わったサービスもあります。

2014〜2016年の2年間で10個くらいの課題の仮説検証を行い、実際にMVPなプロダクトまで作ったのは2事業くらいですね。
毎回「これでいく!この課題を解決する大きなビジネスをするぞ!」という気持ちでやっているので、撤退時は、気持ちの部分で後ろ髪を引かれることも多かったですけど、ちゃんとKPIのモデルに沿ってビジネスとして社会に価値を提供できるのか、ドライに撤退の判断をしていくという感覚でやり続けていました。ビジネスには冷静と情熱の両方が必要で、それを養っていた期間でもあります。

(*2)リーンスタートアップについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Takahiro.Chiba

ー 2年間でどのような学びがありましたか?

企業の中での新規事業は、失敗が多いですし、作ってはクローズすることを繰り返しているので、一見何も会社に貢献していないと思ってしまうんですよね。穀潰し的な。
私は漫画家稼業をしている時に、漫画の持ち込みで千本ノックをしていたので基本的には鉄のメンタルではあります(笑)
それでもネガティブなことが続くとメンタルは落ち込むので、「結果が思い通りに出ない時の向き合い方」を学びました。

失敗も見方を変えれば次へのステップです。「これは道の途中だから」とひたすら言い聞かせて、その空気感をチームでも共有していました。

当時は組織の中で、他部署のメンバーが上げている利益を使っていて申し訳ない気持ちが半分と、もう半分は皆さんに還元するためにやっているという両方の感覚が同居していました。でも、だからこそ全力でチャレンジするんですよね。出し惜しみしないことだけは決めて、余力を残さず、手癖や惰性でやらないというのが新規事業においては重要だと考えています。

ー ありがとうございました!次回は、TRUSTDOCKがガイアックスを巣立った後のストーリーをお聴きしていきます。

インタビュー:荒井智子
ライティング:黒岩麻衣

記事後半
≫全力の挫折経験が直感力を磨き、TRUSTDOCKという勝負への道を切り拓いた

編集後記
まず、千葉さんが元漫画家だということに驚きました。ちなみに、ドラゴンボールの作者である鳥山明さんみたいになりたいと思っていたそうです。漫画でもビジネスでも何をするにしても、「出し惜しみしない」ということがキーワードになりそうです。後半もお楽しみに!

このインタビュー記事の動画も是非ご覧ください


Vision Notes Episode 6 – 株式会社TRUSTDOCK 代表取締役 千葉孝浩
『漫画家志望からベンチャーに転職し、社長になった人の物語』

オンライン座談会

ガイアックスは、「自由すぎる企業」と呼ばれることがあります。
給料は自分で交渉して決める、裁量権に縛られない、退職者の6割が起業する、などのユニークな働き方を取り入れています。
ガイアックスで働くことに興味がある人は、オンライン座談会で、メンバーへ気軽に疑問をぶつけてみませんか?

投資先経営者
1. 「やりたいことがなかった」私が、上場ベンチャーの女性役員になるまでのファーストキャリア
2. 悩んで、向き合い続けたからこそ切り開けた、上場ベンチャーの女性役員というキャリア
3. 上場を経験したからこそできる、「身近な社外の女性役員」という役割
4. 研究者の道を捨てた僕は、カオス真っ只中のベンチャーで、自分の道を切り拓いてきた
5. 「関係の質が成果の質を生む」仕事は人生の大事な一部だから、人と向き合い、チームを大切にする
6. 27歳にして上場ITベンチャー企業の取締役になった人の、新人時代の話
7. 27歳で取締役としてベンチャー企業の上場を経験して見えた景色
8. 情熱が成長曲線を左右する。意図を持つことで働き方は変わる
9. 人間は、人間らしく働こう。 情熱を持って“自分の”ど真ん中を走り続ける
10. 都内7.4%が導入するスマートロックを生んだ男|起業までの道のり
11. “キーレス社会”を実現する|70億円調達、会社を率いた6年半
12. 会社づくりもデザインの一環、漫画家の道から起業家へ
13. 全力の挫折経験が直感力を磨き、TRUSTDOCKという勝負への道を切り拓いた
Takahiro.Chiba
株式会社ガイアックスでR&D「シェアリングエコノミー×ブロックチェーン」でのデジタルID研究の結果を基に、日本初のe-KYC/本人確認API「TRUSTDOCK」を事業展開、そして公的個人認証とeKYCに両対応したデジタル身分証アプリと、各種法規制に対応したKYC業務のAPIインフラを提供するKYCの専門機関として独立。フィンテックやシェアサービスのeKYCをはじめ、行政手続きや公営ギャンブルなど、あらゆる業界業種のKYCを、24時間365日運用しているクラウド型KYCサービス。さらには本人確認だけでなく、銀行口座確認や、法人在籍確認、マイナンバー取得など、社会のデジタル化に必要なプロセスも全て提供し、デジタル・ガバメント構築を民間から支援している。経産省のオンラインでの身元確認の研究会での委員や、金融庁主催イベントにて、デジタルIDでの登壇など、KYC・デジタルアイデンティティ分野での登壇・講演活動多数。
e-KYCTRUSTDOCKVision Notes投資先経営者
関連記事
Back To Top