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ティール組織とは?意味から事例、注意点まで実際に導入しているGaiaxが解説

  • 最終更新: 2023年11月10日

次世代の組織のあり方として注目を集めている「ティール組織」。
「聞いたことはあるけれど、具体的にどのような組織なのかわからない」「そもそも、本当に実現できるのだろうか」…そのように感じる方も多いのではないでしょうか。Gaiaxも会社組織のあり方をティール組織と例えられることもあり、2019年には書籍「ティール組織」の著者フレデリック・ラルー氏が来日された際のイベントにて、ガイアックス代表の上田が、サイボウズ青野社長とともに、対談を行っております。
≫個人をないがしろにする組織はもう生き残れない──ティール組織 フレデリック・ラルー×上田祐司×青野慶久
≫サイボウズ青野氏、ガイアックス上田氏が『ティール組織』著者と語る、“弱さ”を認めるリーダーの経営変革また、「個人のライフプラン」を大切にし、メンバーにマネジメントや制限を課すことなく、それぞれのメンバーがライフワークやライフプランの実現に向けて、自律的かつガイアックスと対等の立場で社会にインパクトを出すための活動も行なっています。そこで、本記事では組織改革を検討している方に向け、ティール組織の特徴からメリット・デメリット、導入時の注意点について、ガイアックスでの事例も交えながら詳しく解説していきます。

ティール組織とは?

ティール組織とは、ベルギー人の著者フレデリック・ラルー氏が、原著である『Reinventing Organizations』の中で提唱した新しい組織理論の1つであり、世界中の組織を調査した結果、最近出現してきている新しい組織形態のことです。
これまでの旧来型の組織とは異なり、上司から部下への一方的な指示系統は存在しません。組織がまるで1つの生命体のようになり、「目的に向かって、組織の全メンバーがそれぞれ自己決定を行う自律的組織」という位置付けとなっています。

ティール組織の特徴

ティール組織には明確な定義やモデルはありませんが、根幹となる3つの要素があると言われています。

  • セルフマネジメント(自主経営)
  • ホールネス(全体性)
  • エボリューショナリーパーパス(存在意義)

それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

メンバー自身がセルフマネジメントを徹底している

ティール組織では、上司からのマイクロマネジメントが存在せず、メンバー自身がセルフマネジメントを行う必要があります。ヒエラルキーの意識を手放し、個々のメンバーが独自のルールや仕組みを工夫しながら、一人一人が意思決定できるフラットに近い組織構造を持ちます。
上司からの一方的な指示系統が存在しないため、常にメンバー自身が持つ知識やスキルを周りのメンバーと共有できる環境を創り上げられるでしょう。それを実現するためには、組織内の情報が透明化されている必要があります。

ホールネスに従い、組織の多様性が尊重される

ティール組織では、メンバーの多様性が尊重されることも大きな特徴です。
多様性を認めることで、個々の才能やスキルを最大限に発揮できる環境が整います。メンバーそれぞれが得意とする分野で活躍してもらえば、組織の生産性を効率よく高められるでしょう。

社会の変化に合わせて存在意義が柔軟に変化する

従来型の組織では、組織のビジョンや存在意義は固定化されていました。
一方で、ティール組織では社会の変化や市場のニーズに合わせて、組織の存在意義を柔軟に変化させることができます。
変化の激しい現代社会において、常に社会から求められる組織であり続けるには、存在意義を定期的に見直し、日々の活動に反映させることが大切です。

ティール組織とヒエラルキー組織の違い

ティール組織とヒエラルキー組織の大きな違いには、「統治原理」があります。

従来型のヒエラルキー組織では、組織内で明確な上下関係が存在しており、指示命令系統が上意下達の方向で行われます。また、経営に関しても、各従業員に決定権が存在するわけではなく、経営層のみで決定されるのが一般的です。

一方で、ティール組織では、組織のビジョンが反映されたルールやポリシーに沿った行動が優先されます。
つまり、トップの経営層の考えが下位に属する従業員によって実現されるのではなく、組織の理念に共感した各メンバー自身が体現していくのがティール組織のあり方です。

ティール組織は、上長からの命令や管理は基本的に存在せず、組織の理念に沿って各メンバーの得意分野を最大限に発揮して実行する「自律型の組織運営」が特徴です。

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ガイアックスにおける「フリー・フラット・オープン」な環境づくり

ガイアックスは「ティール組織になること」を目指してきたわけではありませんが、「使命で動く」ということをフィロソフィーに掲げ、仕事の環境をつくっています。
一人一人が自分自身の使命を掲げて、その使命を実現するべく、周りと協調しながら世の中を変えていくことを大切にしているのです。
そして、フィロソフィーを実現するために「フリー・フラット・オープン」であることを大切にしています。

代表の上田がガイアックスについて語る動画シリーズ『LEADER INSIGHT』の中では、ガイアックスの「フリー・フラット・オープン」な環境づくりについて、以下のように語られています。

会社の中では経営層がいろいろな改正を行い、包み隠さず議事録という形で全社員に共有しています。これは会社の状況や他部署で取り上げている内容を直接的に理解して、一人一人が動きやすいようにするためです。
また多くの権限をできる限り各現場が持てるようにしようと、常に思っています。
例えば事業単位でチームや事業部が存在しますが、そのチームや事業部を別の会社にしたいという希望があれば、経営サイドの判断を待たず組織にすることができます。
新しくできた会社の株式の一部、少なくとも3分の1は、その経営チームが所有することができ、ガイアックスが持ち分の株式に関わる議決権も、場合によっては放棄することができます。チームが最も大切にすることを、チームで判断し、情報を自由にアクセスしながら推進することができるということです。
そのように「フリー・フラット・オープン」な環境をつくることで、ひとりひとりが活躍しやすく、成果を出すために自分自身で判断しやすい環境をつくっています。

» LEADER INSIGHT – ガイアックスのフィロソフィー

また、人事総務部長の流(ながれ)は、インタビューの中でこのように語っています。

最終的には、ガイアックス本体は管理部機能と技術開発機能しか持たなくなるのかもしれません。ガイアックスの周辺で、ビジョンに向けてそれぞれがやりたい事業を運営する、ゆるやかなコミュニティになっていくと思います。その根底には、「同じ志や覚悟を持っている人には、トップダウンで指示を出すのではなく、各々に好きなスタイルで頑張ってもらった方が大きなインパクトを起こせる」という思想があるんです。

» 「ガイアックス」もはや企業ではない、概念だ。

あなたらしいキャリアをつくりませんか?

ガイアックスでは新卒・中途採用の他、学生の長期インターンシップを行っています。フルリモートで海外や地方で働くメンバーや、新卒1年目から事業責任者になるメンバーも少なくありません。様々な関わり方ができるガイアックスをのぞいてみませんか。

ティール組織に至るまでの5つの組織段階

世の中には数多くの企業が存在しますが、基本的には「レッド・アンバー・オレンジ・グリーン・青緑」の5色に分類できると言われています。この色は、組織のイメージカラーではなく、組織形態の特徴を表しており、自社の組織形態を把握するのに便利です。

具体的には、個人の力によって支配的に組織を運営する「レッド」色から、上長や管理職からの指示系統は存在せず、各メンバーが自律的にビジョン実現に向けて遂行する「青緑」色まであります。

今回ご紹介するティール組織やホラクラシー組織は「青緑」色の組織に分類されますね。

より詳しい内容は「ティール組織の色とは?他4つの組織との違いも解説します」にて解説しています。

ティール組織に対する誤解

ティール組織は新しい概念のため事例も少なく、誤解されることもあります。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  •  メンバーが自分勝手に行動してしまう
  • 情報漏洩が発生しやすい
  • ベンチャーやスタートアップでしか導入できない

それぞれ詳しく解説していきます。

メンバーが自分勝手に行動してしまう

ティール組織は、各メンバーに裁量権が分散されていることから、自由度が高い組織形態と言えます。しかし、「自由=統治がなされていない」というわけでは決してありません。

一般的に、自由度を高めると統率力がなくなり組織としてのパフォーマンスが下がるイメージを持つと思いますが、自由度が高くてもパフォーマンスが担保されているのが本物のティール組織と言えます。

例えばガイアックスでは、自由を持ち合わせながらメンバー全員が「責任」を持って仕事に取り組み、約束したパフォーマンスを出せるように動いています。

≫ ガイアックスの「自由と責任」

一見すると自由で気楽な集団と思われることもありますが、実際はメンバーの一人一人に自律と責任感が求められる厳しい組織であるとも言えるのです。

ティール組織はメンバー構成が非常に重要です。
採用時は慎重に人選を行うことが大切になります。

情報漏洩が発生しやすい

ティール組織は情報漏洩しやすいという点に関しても正しいとは言えません。

確かに、ティール組織ではメンバーの間で「情報の非対称性」が発生しないよう、業務に必要な限りの情報はフラットに開示します。しかし、「個人情報」や「企業秘密」に関しては、従来型の企業と同様に厳密な管理が求められるでしょう。

ベンチャーやスタートアップでしか導入できない

ティール組織と聞くと、「規模の小さいベンチャーやスタートアップだから導入できるのではないか」と思うかもしれません。確かに、組織自体が小規模である場合、変化を起こしやすいという側面はあるでしょう。

結論から言うと、どのような企業でもティール組織を導入できる可能性はあります。

大規模な組織ではより中長期の視点で組織の改革に挑戦する覚悟が必要となりますが、組織の存在目的を見つめ直し、改革をする際に、ティール組織のような次世代型の組織のあり方は大きなヒントとなるかもしれません。

実際に、ティール組織を導入している企業には、数百名〜数万人規模の社員数を抱える企業も存在します。また、業界・業種に問わず、さまざまな企業でティール的な取り組みが実施されているのです。

ティール組織を導入している企業が全て同じ組織運営をしているわけではなく、その組織に適した組織運営を行うことが大切です。

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ティール組織のメリット

ティール組織のメリットは、主に下記の4つが挙げられます。

  •  メンバーの主体性やライフスタイルを尊重できる
  • 常に変化に対応し続けられる組織づくりができる
  • 管理や評価などの業務削減&効率化を図れる
  • 上下関係がフラットになりメンタルヘルスの向上につながる

それぞれ詳しく解説していきます。

 メンバーの主体性やライフスタイルを尊重できる

ティール組織なら、企業の目的を達成するためであれば、メンバーのライフスタイルや主体性を最大限に尊重できます。ライフスタイルに関して、具体的にはフレックスタイム制度やリモートワーク制度など、メンバーの私生活に合わせた働き方が実現しやすいでしょう。

また、ティール組織では上司からの指示ではなく、チーム内で意思決定をしながらメンバー自身の得意分野を活かして業務を遂行します。メンバーは自分の得意分野で能力を最大限に発揮できるため、仕事にやりがいを感じやすくモチベーションアップが期待できるでしょう。

メンバーのライフスタイルや主体性を尊重することで、社員は自律性を持って働くようになり、結果的には企業に多くの利益をもたらしてくれるはずです。

≫26歳でガイアックス 最年少事業部長。次はオランダへ。独自のキャリアをいく軸と視点とは。

≫日本初の”ダブル正社員”を実現──働き方さえ自らつくれた、私のキャリア観

≫「総合職」×「世界一周」!? なぜ会社はそのような働き方を許容するのか?その実態に迫る。

なお、ガイアックスにおいても、メンバー自身に大きな裁量を与えており、働く場所や時間、部署やメンバーのやりたい仕事に従って、メンバーが自由に決定できます。従来の企業の報酬形態「時間単価」で算出するのではなく、アウトプットを重視して自分で報酬を決定する仕組みです。

≫『裁量権なんて意識しない。自分ごとの範囲を広げ、困難な仕事に挑み続ける』流 拓巳

 常に変化に対応し続けられる組織づくりができる

ティール組織では、メンバーの一人一人が当事者意識を持って業務を遂行するため、不測の事態や緊急度が高い業務が発生した場合でも、すぐに対応できるメリットがあります。

従来までの組織形態では、上司の顔色をうかがって意見を言い出せない場面も非常に多いですが、ティール組織ならメンバー同士がフラットな関係なので柔軟で多様な意見が生まれやすいでしょう。

企業が受け継いできた様式やあるべき形に縛られず、良い意味で柔軟に変化できるため、時代の変化や社会のニーズにも対応し続けられる組織づくりが可能です。

実際に、ガイアックスでは前例のない「オンライン株主総会」を準備期間1日で開催した実績があります。

ティール組織のメリットを発揮して、日常的にメンバー同士で目的意識を持ってコミュニケーションを図り、お互いの強みを理解していたからこそ実現できたと感じています。

» 株主総会のオンライン化を1日で達成?!当たり前を疑うカルチャーにより実現

管理や評価などの業務削減&効率化を図れる

「オレンジ色」と呼ばれる従来型の組織では、計画を立てる管理職と、計画を実行する現場スタッフに分かれているため、スピード感が損なわれ、社員の力量も伸ばしづらい環境と言えるでしょう。

また、業務の進行具合を確認するための日報や稟議申請、評価面談やそれに伴う打ち合わせなど、本来取り組むべき業務以外の雑務が発生します。

一方で、ティール組織では一方的な指示系統が存在せず、それぞれのメンバーが組織の目的のために任務を遂行するので、業務がより円滑に進み、生産性の向上が期待できます。

さらに、メンバーの管理や評価などの業務を削減できるため、本当に必要な業務に注力できるメリットがあります。

ティール組織なら、他の組織形態と異なり「本来やるべき業務」のみに絞られるので、企業の成長促進につながりやすいのです。

ガイアックスには、「マイルストーンセッション」という独自の目標設定・評価制度があります。それは、自分の人生のゴールを基軸に自分の仕事内容・報酬について考え、チームの責任者や経営陣に話すの場・時間のこと。

基本的には、四半期に1回のセッションという形で実施され、いくつかのケース、たとえば、ベストケース、ノーマルケース、ワーストケースで設計しておき、報酬についてもその成果に紐付ける形で設計します。そして、四半期終了後、自分の待遇や報酬について、誰も評価を行うことなく、事前に宣言しておいた内容と実際の成果を照らし合わせて、自動的に報酬を決めるという仕組みです。

≫報酬も仕事内容も自分で決める ガイアックスの目標設定・評価制度「マイルストーンセッション」

上下関係がフラットになりメンタルヘルスの向上につながる

ティール組織のメリットとして、上下関係によるストレスの軽減が挙げられます。

階層構造であるヒエラルキー型組織などとは異なり、ティール組織はフラットな組織形態なので、上下関係や上司からの理不尽な指示命令によるストレスを抱えることは少ないと言われています。

また、裁量権がメンバー自身に与えられていたり、場所や時間に縛られなかったりと、働き方に対する自由度が非常に高いため、働きやすい環境でメンバーの能力を最大限に引き出せるでしょう。

働き方Tipsの一つとして、メンタルヘルスを保つためのリーダー達の秘策「レジリエンス」についてもシリーズでお伝えしています。レジリエンスとは、困難なことがあっても、状況に合わせて柔軟に立ち直る「しなやかな強さ」のこと。変化やストレスの多い現代社会にうまく適応し、精神の健康を保ち、どのように回復しているのかをご紹介しています。

≫レジリエンス〜心が折れないための習慣〜

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ティール組織のデメリット

一方で、ティール組織のデメリットは主に下記の3つが挙げられます。

  •  メンバーのセルフマネジメント能力によって組織が左右される
  • 各メンバーの状況を把握しづらい
  • 組織のリスク管理が難しくなる可能性がある

それぞれ詳しく解説していきます。

メンバーのセルフマネジメント能力によって組織が左右される

ティール組織は、働き方に対する自由度が高い反面、組織のビジョンを実現するにはメンバー自身のセルフマネジメント能力が問われるでしょう。

ティール組織をうまく機能させるには、「セルフマネジメント」「ホールネス」「エボリューショナリーパーパス」の3つが重要な要素になってきます。この要素の1つであるセルフマネジメントができないメンバーが組織に存在すると、組織全体の生産性が低下し、組織が成り立たなくなる恐れがあります。

 各メンバーの状況を把握しづらい

ティール組織は、基本的に上司から部下への明確な指示系統が存在しません。

管理職などの役職もないため、業務は全てメンバーの裁量に任されています。もちろん、ミーティングを通じて情報の共有は可能ですが、メンバー自身を管理する体制はティール組織にはありません。

そのため、各メンバーの現状を把握しづらく、責務を果たしているのか確認できないというデメリットがあります。また、「組織がメンバーに対してどのようなサポートをするべきか」の判断が難しく、問題が発生したときの対応が遅れてしまう危険性も考えられます。

 組織のリスク管理が難しくなる可能性がある

ティール組織を運営する上で、組織のリスク管理には細心の注意を払わなくてはいけません。

ティール組織では、メンバー間で情報の非対称性が起こらないよう、業務に必要な限りの情報は平等に開示する必要があります。一方で、組織内の機密情報や個人情報など、重要な情報の管理は特に注意しましょう。

業務に必要のない情報の制限や、情報管理のルールを徹底するなどの対策が有効です。

また、ティール組織では「承認」に関するリスク管理の問題が起こり得ます。

従来の組織形態では、プロジェクトを行う上でチーフや上司など複数人の承認を経て、業務に関するコストの妥当性の検討や、リスクの回避を行うのが一般的です。しかし、ティール組織では承認段階を踏むことがないため、メンバーを信頼して任せるしかありません。

ティール組織をうまく機能させるには、メンバーとの信頼関係(エンゲージメント)が重要なカギになるでしょう。

そのほか、ティール組織のメリット・デメリットのもう少しこまかいところやリスク回避の方法に関しては、「ティール組織とは?メリットとデメリットを解説【回避する方法もご紹介】」にて解説しています。

ティール組織の事例をご紹介

ここからは、実際にティール組織を採用している企業の事例をご紹介します。

ティール組織の海外における事例

日本に先駆けて、海外ではティール組織を導入した事例が数多く存在します。
今回はティール組織で成功した海外企業「ビュートゾルフ」の事例をご紹介します。
ビュートゾルフは「在宅介護支援」を中心に行う、オランダの非営利団体です。

ティール的な特徴として、下記の点が挙げられます。

  •  チーム毎に独自の教育予算を設定している
  • マネージャーの存在しない「850の組織」がそれぞれ意思決定を行う
  • 「裁量と責任は全てのチームに分け与える」などの6つの独自方針がある
  • 組織内の教育環境が充実しており、メンバーの70%が看護師資格・50%が学士を取得している

ビュートゾルフでは、チームや個人に最大限の裁量を与えられるように、組織としてのルールや制約は最小限に抑えられているのです。

ティール組織の日本における事例

続いて日本における事例をご紹介します。まだまだ数は少ないものの、ティール組織を採用し、成功させている企業はいくつか存在します。
今回は「株式会社ヤッホーブルーイング」の事例をご紹介します。

株式会社ヤッホーブルーイングは、長野県の軽井沢市に本社を構えるビール製造メーカーです。日本のビールに新たな文化を創るべく、「ビールに味を!人生に幸せを!」というミッションのもと活動しています。

ティール的な特徴として、下記の点が挙げられます。

  • 社員全員で意見を出しあい、顧客志向を目指す「頑張れヤッホー文化」という組織文化が定着
  • 社員同士の関係がフラットになっているため「縦横無尽なコミュニケーション」が飛び交う
  • 社員が複数の仕事に関われるため「こんな仕事もあるんだ」と、一人ひとりの価値観が広がる

社員の関係をフラットにしたことで、「若手が発言しにくい」という雰囲気を打ちこわし、社員の価値観を広げるキッカケにもなった事例です。

【参照】日経ビジネス | [報告] ヤッホーの出射社長に聞くティール組織の作り方

また、ティール組織の国内外の事例に関しては、「ティール組織の事例紹介。日本と海外の3社と変化の過程を解説」にてまとめていますので、合わせてご覧ください。

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ガイアックスの事業部における組織変革の事例

フラットな組織、挑戦の邪魔をしないカルチャーのガイアックスでは、それぞれの事業部が裁量を持ち、自主自律的な組織づくりに取り組んでいます。中でも、ソーシャルメディアマーケティング事業部(以下、SOC)はガイアックスの中の1つの事業部でありながら、いち早く働き方をシフトし、自主自律的な組織づくりを進めてきました。

今回は、SOCにおける取り組みの事例をご紹介します。

  • 2015年からクラウドソーシングの活用、リモートワークの推進など働き方の多様化を積極的に進める
  • プロのファシリテーターの方に入ってもらい、コントロールを手放したチームセッション(ロングミーティング)を行う
  • 「経営陣とそれ以外のメンバー」の境界線をなくし、経営陣も参加者の一人としてチームセッションに参加したことで、メンバーからも多種多様な意見が出た

タイムスケジュールや話す内容を手放し、メンバーに委ねたチームセッションを行ったことが大きな転機となったようです。

» 対話による自主自律型組織へ – 全ての始まりはあのチームセッション

ティール組織に興味を持った経営者の方は

組織の変革に伴走します

今回はティール組織についてご紹介してきましたが、冒頭でもお伝えしたように、ティール組織に明確な定義やビジネスモデルはありません。ティールは組織における発達段階の理論なので、目指してなるものではなく、結果的になるものであり、組織の「あり方」であるとも言えます。

しかし、この記事をご覧いただいた方は、組織変化に興味があり、既存の組織のあり方を変えたいとお考えなのではないでしょうか。
いざ組織の変革をするとなると、大変なエネルギーが必要になります。

どこを目指したらいいのかわからないという状況で、一体何から始めたらいいのでしょう?そう感じている方もいらっしゃると思います。

そこで株式会社ガイアックスでは、株式会社はぐくむと共同で自主自律型組織への変革に伴走するコンサルティングサービスを立ち上げました。

上場企業として自主自律型の組織運営をしてきたガイアックスと、国内外の企業において自主自律型への組織変革をサポートしてきたはぐくむの経験が手を取り合い、自主自律型組織への変革に伴走します。

担当コンサルタント/ファシリテーターには、株式会社はぐくむ代表取締役の小寺毅さんをお招きしております。小寺さんはこれまでにUber、DeNA、Gaiaxなど国内外の企業において自主自律型への組織変革をサポートしており、書籍『奇跡の経営』で知られ、『ティール』でも触れられているブラジルのセムコ社が、自社の経営スタイルを広めるために運営している「セムコスタイル・インスティチュート」が認定している日本には数人しかいない認定コンサルタントでもあります。

コンサルティングサービス以外にも、ミーティングへのファシリテーター派遣や社内コーチの育成・導入についてなど、各種ご相談を受け付けております。まずは、お気軽にご相談ください。

ライター:齋藤 遥、黒岩 麻衣
構成/編集:廣山 晃也、遠藤 桂視子


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