今回インタビューしたのは、技術開発部の前田桜花(まえだ・おうか)さん。
大学時代からビジネスに関わり、ガイアックス入社後もエンジニアとして仕事を全うしながらもいくつものプロジェクトを掛け持つ前田さん。どんな未来を描き、現在はどんな仕事をしているのか、前田さんの魅力に迫ります!
「起業」の概念が覆ったガイアックスとの出会い
ー ガイアックスとの出会いを教えてください。
とにかく小さい頃から常にやりたいことがたくさんあり、中学生ぐらいから将来起業したいと考えていました。大学3年に就活が始まったタイミングで、どんな道に進むかを考えている中でたまたま参加した逆求人イベントでガイアックスと出会ったのが最初でした。その時に聞いたガイアックスの会社紹介の内容が衝撃的で、後に人事担当の方と話をする機会が設定されました。
ー ガイアックスのどんなところが「衝撃的」と感じたのでしょうか?
卒業生の6割が起業していることと、社内で事業を立ち上げることができ、会社が独立することを支援しているということです。この話を聞いただけではまだ半信半疑の状態だったのですが、気になっていたので選考を進め、ガイアックスが学生向けに企画していたピッチイベントFuture Proof Bootcampに参加しました。イベントは学生が事業アイデアをピッチし、レビューをもらったり、高評価を得た場合は事業検証に進めたりするもので、このイベントに参加して起業に対する考え方が変わりました。
それまで起業というものは、自分一人で開発したアプリをリリースして、結果が出たら資金を投入して拡大させていくことをイメージしていました。一方、ガイアックスが提唱するスタートアップスタジオの概念は、最初から資金を集めて、会社に支援してもらいながら事業検証などを行って起業するという方法でした。スタートアップスタジオの存在を知って、起業に対する見方が変わりました。
ー 入社の決め手は何だったのでしょうか?
起業について知れることと、自由度の高さです。もともと幼い頃から、大人に縛られることが嫌いで、人それぞれの自由を問い直す場所に身を置きたいと考えていました。入社前にインターンとして関わった時に、自分自身で仕事の時間配分を決められたり、「自由とは何か」を追い求めているカルチャーがあると感じました。業務環境も自分に合っていると感じ、最後は「ガイアックスがいい」と思い入社を決めました。
技術学習と現場経験でエンジニアとしてのスキルを磨く
ー インターン時代から今までのお仕事の経歴について教えていただけますか。
大学3年の夏にガイアックスと出会い、その年の冬にインターンとして働き始めました。始めの2週間はガイアックスのオフィスであるNagatacho GRiDにて週5日フルで働き、その後入社の2ヶ月前までは稼働頻度を週2〜3日にして働いていました。
インターン時代は、Future Proof Bootcampで僕がピッチしたサービスと近かったことから、ブロックチェーンを使ったアプリのcheerforの開発に携わりました。マネージャーの荒夢さんから技術選定ごと任せてもらえて、Nuxt.jsというフレームワークを使用した開発が始まりました。
入社してからは、エンジニアの研修は主に技術学習と現場経験の2つがありました。技術学習は、スマホアプリとWebアプリを2つずつ作ることとLinuxについて勉強しました。現場経験は、aini(旧:TABICA)のスマホ用アプリの開発に携わりました。
研修以外では、ノーコードでMVPの開発に携わったり、シェア用物件が見つかるキュレーションメディア「ShareRO」にて新規事業を立ち上げたり、母校である会津大学を中心に東北向けの学生起業イベントを、社内のエンジニア向けに個人開発に関わるイベントを進めています。
ー まさに「やりたいことがたくさんある!」という感じですね。仕事で煮詰まったときに、メンターはどのようなサポートをしてくれますか?
僕のメンターである荒夢さんは自力で解決できるようになるためのアドバイスをくれます。答えを教えてくれるスタンスではなく、思考プロセスのどの部分で詰まっているのかを聞いてくれます。
ガイアックスは、チームで開発するよりも少人数や一人で開発することが多いため、誰かに頼るのではなく自力で問題解決力を付けていく必要性を感じます。目の前の課題に対して自分はどう解決しようとしているのか、解決したのかを伝え、それに対する客観的な意見・アドバイスをもらうことが多いです。
個人的には荒夢さんのことを神みたいなメンターだなと思っていて、これ以上求めるものが浮かびません(笑)。
生粋のプロジェクトマネージャー気質を生かして事業に関わる
ー ご自身のエンジニアのタイプを次の2つに分けたときにどちらだと思いますか?「PM(プロジェクトマネージャー)タイプ」or「ハッカータイプ」?
まだ実務経歴はそこまでないですが、大学時代にやっていたことや僕の特性を考えると圧倒的にPMタイプだと思います。自分のタスクを管理して手を動かすよりも、プロジェクト全体のタスクを管理する方がはるかに好きです。
可能であればあらゆるタスクを人にお願いしたいと思っていて、渡せるものは全部渡したいという感性で生きています(笑)。優秀な人の話で出てくる、「全部自分でやってしまって部下に渡せない」ということは一切ないですね。
ー もう少し詳しく前田さんのタイプをお聞きしたいのですが、3つのことについて教えてください。
[ コミュニケーション能力 ]
高いかどうかは別として、好きです。手を動かすよりも、口を動かしていたいです。
[ マネジメント力:実装力 ]
スキルというより好き嫌いですが、10:0でマネジメント力ですね。
みんなのタスク管理してみんなが手を動かしてくれて、そんなありがたいことはないですね(笑)。ストレングスファインダーの上位に指令性があるからか、人に指示を出すことに苦手意識がありません。
ただ、必要であれば自分が手を動かすつもりで、事業をガンガン生み出してきたいので、今後自分がやらざるを得ないシーンはあると思っています。その時のために、実装力は上げていこうと思っています。
[ 専門性(深い):雑食力(浅い) ]
1:9で雑食力です。
ー 生粋のPM気質ですね!前田さんのPMとしての能力はどんな場面で生かされていると感じますか?
現在関わっているサービスではPMとしては参画していないのですが、PMに似た動きができるタスクを担当するようにしています。具体的には、自分が管理されるタスクは基本的に受けずに、自分で判断して動けたり、管理できるような仕事を取るようにしています。
例えば、最近関わるようになったShareROでは、事業戦略について創業者と議論しています。事業全体を考えた時に、事業を前進させていく一つの手段として開発があると捉えていて、必要であれば手を動かしますし、開発以外に必要なものがあればどんなこともやっていきたいです。将来的にはエンジニアとして手を動かして開発する日が来るかもしれませんが、何に対して手を動かすのか、開発する前提までも取り払って、本当に作りたい世界観やサービスを突き詰めています。
僕はエンジニアではありますが、開発を仕事にするということにこだわりは持っていません。あくまでも、作りたい世界観ありきで自分の仕事を決めたいと考えています。
裁量権のある環境だからこそ、結果にこだわりたい
ー ガイアックスでの働き方について伺っていきたいのですが、裁量権を持っていると感じますか?
めちゃくちゃ持てていると感じます。僕は裁量権のないタスクを進めるのは無理で、上から指示が降りてきて手を動かすということ自体が苦手です。
ー 仕事の領域はマネージャーと握っていますか?
握ってないですね(笑)。
僕「こんなイベントやりたいと思っているんですが、いいですよね?」
マネージャー「いいよ」
僕「ありがとうございます。では、○月○日に登壇お願いします。」
という感じで仕事を進めていて、「勝手に結果を出してね」と任せてもらえていると感じています。結果の出し方まで指定されてしまうと僕にとって単なる作業になってしまうので、手段を自分で選択することができるのは、本当にありがたい環境だと思っています。
ー 裁量権を持って仕事を進めている前田さんにはナンセンスな質問かもしれませんが、今の仕事に満足していますか?
会社にはめちゃくちゃ満足していますが、結果には満足していないです。もっとできたなとか、こうしたらよかったなということを自分で振り返って反省しています。結果が出ない時、どこを改善したらいいかを振り返りを求められることもなく自分で考えられるように放っておいてくれて、「もっと結果出してほしい、期待している」とだけ言ってくれます。自分が結果を出すと約束したことが守れなかったら、突っ込みが入り、約束したこと以上のことをしたら褒められる。理不尽さを1ミリも感じない環境が好きです。
スタートアップスタジオの責任者の佐々木さんも会社に対する貢献を考えながらも個人の意思を尊重して応援してくれていて、質問すれば時間を取ってアドバイスをくれるし、付かず離れずの距離感で見守ってくれているのがうれしいです。僕の場合は、ガイアックスのカルチャーや、マネージャーやメンバーとの距離感が自分の好みとフィットしているんですよね。
ー これからどんなことに挑戦していきたいですか?
僕は世の中に対して不満を持っているタイプで、「もっとこうあるべきでは?」と思うことがたくさんあります。最終的には、サービスや事業など手段は問わずに、自分が作りたい世界観を生み出していきたいと考えています。その世界観を形作るための一つの手段として事業というものがあり、ガイアックスでは事業領域で実践しています。常に考えられる選択肢を増やし、自分の作りたい世界観を体現していきたいです。
インタビュー・ライティング 樗木亜子