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ギグエコノミー時代の雇用 ー SHARE SUMMIT2020 Co-Society ガイアックスCEO 上田祐司 登壇レポート Vol.3

  • 最終更新: 2021年5月12日

コロナ禍で激変した、私たちの生活や社会のあり方。
これからの時代を、新しい時流であるシェアリングエコノミーによって我々はどう迎えるのか。

11月16日に一般社団法人シェアリングエコノミー協会主催で開催されたシェアサミット2020。シェアリングエコノミーの事業者や参入に興味のある法人・個人を対象とし、例年の有料でのオフライン開催を本年度はオンラインとし、無料での開催が実現しました。

本記事では、一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事 兼 当社代表執行役社長の上田が登壇したシェアサミット2020のオープニングトークの一部分と上田がファシリテーターをしました「プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜」でのセッションの様子を全三部にわたり、ご紹介いたします。

第三部は、「プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜」のセッション内で議論があった「ギグエコノミーによる働き方の未来/プラットフォーム環境の未来」をご紹介します。

シェアリングエコノミーの影響によって、どのように働き方が日本で変化していくべきなのか、プラットフォーマーは今何をすべきなのか。

引き続き、一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事 兼 当社代表執行役社長の上田がファシリテーターを担当し、株式会社TRUSTDOCKの千葉 孝浩代表、株式会社タイミーの小川 嶺代表、日本経済新聞社の村山 恵一氏を迎え、お話しいただいたセッションの様子をお伝えします。

第一部 シェアエコは人類の「分断」を乗り越える ー SHARE SUMMIT2020 Co-Society  ガイアックスCEO 上田 登壇レポート Vol.1は、こちらから

第二部「次世代日本 「信用評価」の未来 ー SHARE SUMMIT2020 Co-Society ガイアックスCEO 上田 登壇レポートVol.2」は、こちらから

Yuji Ueda

上田 祐司

株式会社ガイアックス 代表執行役社長
1974年大阪府生まれ、1997年同志社大学経済学部卒業。大学卒業後は起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、24歳で起業。30歳で上場を果たす。ガイアックスでは、「人と人をつなげる」のミッションの実現のため、これまでのソーシャルメディア事業に加え、シェアリングエコノミー事業や関連する企業への投資を強化している。一般社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事を務める。

プラットフォーム環境の未来 〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜

本第三部では、プラットフォーマーが安全に事業をするにはどうすべきなのか?を軸に、ギグエコノミーによる働き方の未来とプラットフォーム環境の未来について、ディスカッションがもたれました。

第二部のセッションからの続きをご紹介いたします。

ギグエコノミーによる働き方の未来

上田:さて、信用の蓄積の次は、「プラットフォームの未来」について伺っていきます。村山さん、今何に興味がありますか?

村山:サービスを受ける側と働く側の、安全安心は重要だと思っています。働きがい含めて、様々な価値がある中で、働く側が落ち着いて、安心して仕事ができる部分がないとシェアエコが永続的に続かないと思います。その点で関心があるのは、カリフォルニア州の住民投票で決まった住民立法案「Proposition(プロポジション) 22」の話で、UberやLyftのようなギグエコノミーの会社がギグワーカーの人を個人事業主として働かせるべきだと住民投票で着地したという話がありました。この投票は6:4で、従業員ではなく、個人事業主へと投票の結果が導かれました。ただ、Uberのようなプラットフォーマーが「個人事業主が相手だから、うちはうちで成長します」という姿勢でいるのではなく、どういう風にすればいいのか、様々なアイディアを出して働き手が安心して取り組める制度があるといいと思います。

上田:働く側のセーフティーネットが重要という話ですね。アメリカなどでは一般的ですが日本ではシェアリングエコノミーを通して働くということはまだまだ珍しいことかと思います。シェアエコ事業で働いたことのない人は、是非一度働いてみて欲しいなと思いますね。タイミーでは、例えば今夜働くこともできるんですか?

小川:今晩や明日でも働けます。例えば、今晩であれば飲食店での業務、日中であれば倉庫内でピッキング作業など、雇用側の人手が必要なタイミングでいろいろなお仕事が掲載されています。

上田:今日のシェアサミットから話を思い浮かべていただいて、スペースマーケットで部屋をシェアしてもいいし、時代の流れとしても、参加者のみなさんにシェアエコで実際働いて、複数個のシェアエコサービスを体感して欲しいなと思います。
働く方のセイフティーについて、先ほどお話にあった「Proposition(プロポジション) 22」について、従業員であるべきか、業務委託であるべきか、会場の皆さんはシェアエコのプラットフォームで働く人は、従業員であるべきか、業務委託であるべきかどう思われるのでしょう。

小川:どちらでもいいと思っているかもしれませんね。ただ、保険、労災、社法などは従業員であれば保証されますが、業務委託だとそうではありません。実はタイミーも最初は業務委託で、その後、雇用型へ移行しました。、保険も全て効きますし、アルバイトと同じ待遇を受けられるようになりました。タイミーのような直接雇用のギグワークは珍しいですが、その形はいいなと思います。オンライン業務でこういった働き方は難しいと思うので、プラットフォーマーによって意見が分かれる部分だと思います。例えば、労働中に事故にあった場合、業務委託だと個人負担になる。プラットフォーマーとして、こういった部分はどこまで責任を持つかという議論になりますね。

上田:なるほど。ちなみにアメリカの「Proposition(プロポジション) 22」の動きを見て、小川さんはどう思いましたか?

小川:例えば、ウーバーは待ち時間も多く、個人事業主でなく従業員になってしまうとビジネスモデルとして崩壊する側面があります。ウーバーが運営出来ないと生活に支障をきたす人が出て、住民投票が6:4という結果になったのではと思います。利用者だけを絞ってみた際に本当はどうなるのかという部分は気になりました。

村山:ウーバーのドライバーはニュータイプの働き方だと思うので、必ずしも従業員か個人事業主かで、今ある雇用形態に当てはめないといけないというわけではないと思います。中間なのか雇用型のギグワーカーなのか、全く新しいカテゴリーを増やすような話だと思います。いざというときに、きちんと保証があって路頭に迷わないようにするにはどうしたらいいのかを考えるべきで、従業員にすべきなのか個人事業主なのかの二元論でやる必要はなく、新しいカテゴリを作るくらいの変化がシェアエコ関連で起こっているのだと思う。その意味ではカリフォルニアの事例も何かこれで結論が出てこうなったという話よりも、ここをスタート地点として知恵を出し、みんなのコンセンサスがよりよく得られるにはどうすべきか、という話が続いていくのではと思います。

千葉:シャアサービスで働いた経歴が、単に個人事業主というひと括りの経歴ではなく、履歴書や職歴に上手く表現出来るといいなと思います。

小川:この点について、タイミーではグレードという制度を作ろうとしています。「物流のピッキングのプロ」などのバッチを取れるようにスコアリングして履歴書として出せるようにして、学生が就活に使えるようにしたいと考えています。

上田:「労災?や保険?が不安になります」とコメントいただいています(オンラインのコメント欄より)。この部分、日本はどうあるべきなのでしょうか。皆さんはどう思われますか?

小川:新しい制度を作る中で、「働いている人のためになっているかどうか?」が重要になってきます。新しいサービスうがどんどん出てくる中で、今の時代に即した制度の変革に国としても取り組んで欲しいと思いますね。そしてこの点は、国とスタートアップが力を合わせて取り組むべき課題なのだと思います。

千葉:シェアエコ問わず、複業、パラレルキャリアなどの多様な生き方が出てきています。法規制はいつも後追いなので、働き方の変化に合わせて、労災や保険が変化していかないといけないと思います。そして、それは遅かれ早かれそうなるのでは。

上田:我が社でも副業が自由で、正社員を週3日ということもあり得る話で、認められています。さらに新しい生き方や働き方が出てくると、わからないことが山積みだと思うので、皆さんのわかりやすい制度を作るという話には、同感ですね。

千葉:いずれ、勤怠管理は企業側でなく、個人側に紐づく気がしますね。

上田:村山さん、頷かれていますが、いかがでしょう?

村山:そうなんじゃないかなと思いますね。時代が変化していくので、個人が学ばないといけないスキルも変化していきます。私は30年近く同じ会社一筋で勤めてきました。だけれど、現代では名刺交換をする人も2〜3枚の名刺を持っている方が当たり前の世の中になって、キャリア形成の考え方も変わるようになりました。ある程度個人が主体的に自分を磨きながら、ブロックチェーン技術も相まって、それが信用にフィードバックされる仕組みが社会全体として広まるべきだと思っています。その情報によって多様な働き方も実現していかれるべきだと思いますし、これから、時間や場所に縛られない報酬や働き方もどんどん発生すると思います。そのため、千葉さんの仰る個人に勤怠管理が紐付く方向感には同意です。

上田:シェアエコをはじめとして、働き方は全く違います。UberやAirbnb、土地を貸しているのか、実際は労働を提供しているのか、両方重なってわからないということもあり、数十年前に作られた「雇用」という考え方一本で整理していくのは厳しいかと思いましたね。

小川:タイミーで実際にあったお話をします。カフェを開きたいと思って、色々なカフェ100店舗で働いて、自分のカフェをオープンした人がいました。様々なカフェでバイトが出来ないとそれは出来なかった。学びながら移動できる、縛られない。そんなメリットがギグエコノミーにはあります。その方は、タイミーで働いた中で仲良くなった店長から開業権を頂いて、自身のカフェをオープンするという話でした。1箇所でしか働くことができなかったらそれはできなかったな、と思いますね。

千葉:それって、起業家のプラットフォームですね。

小川:まさに。それをサポートしたいという気持ちもタイミーとしてあります。これから、そういった事業に投資もしていきたいなと思いますね。

上田:新しいキャリアの積み方ですね。素晴らしい。

KYCの話について、コメントがきています(オンラインの参加者コメントより)。「KYCで身元情報が取れている場合、その他の信用情報は必要でしょうか?」というご意見ですね。千葉さん、こちらはいかがでしょうか。
※KYC (Know Your Customer):会員登録や口座開設や取引などの際に要求される本人確認のための確認手続きの総称

千葉:本来であれば、どちらかというと信用情報が重要だと思います。例えば、ライドシェアサービスを利用する際には、運転手は運転が上手いかどうかや、家事代行の場合は家事が上手いかが重要という様に、各トランザクション毎にいろいろな信用があり、それを各社が蓄積していくべきかなと思います。

上田:プラスのスパイラルが働きそうですね。

プラットフォーム環境の未来

上田:最後に、ご自身のこれからの意気込みと紐付けて「プラットフォーム環境の未来」へ期待することについて、お話をお願いします。

千葉:当社はKYC・本人確認を行っているので、身元確認のインフラを整備して、色々なプラットフォームに対して、シェアサービスを思いついたら、すぐ提供できるように縁の下の力持ちになりたいと思っています。ただ、自社単体では出来ないことなので、いろいろな個人情報の流通網をみなさんと作っていきたいと思います。

村山:個人、一人一人が「こんな特技あって、役に立つのかな?」という部分があると思うのですが、シェアエコを中心に世の中を見るとマッチングの力が進化していて、そういった力が役に立つ世界になっていると思います。挑戦できるプラットフォームがあり、いいサービスであれば、それが評価され、信用に繋がる。頑張った人が報われ、輝いて生きることができる未来が来るといいなと思いました。そして、それに向かって取り組む企業があるといいなと思いますし、これから取材していきたいと思います。

小川:タイミーはスキマ時間で働くマッチングサイトですが、実は僕らの競合はAirbnb、 Youtube、Netflixだと思っています。つまりどれも余暇時間の奪い合いという部分で一緒なのです。この部分をどう競うのか。暇な時に開いていれば時間が豊かになるということが大事で、いかに時間を有効活用できるのかが求められ、それにはシェアエコが欠かせません。この領域で、これからも頑張っていきたいと思います。

上田:以上、プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜についてお話させていただきました。

シェアリングエコノミーについて、プラットフォーマーが利益を吸い上げることが議論に上がりますが、プラットフォーマーは、単にプラットフォーマーが稼げばいいとは思っていません。本当に社会全体が豊かになるべきだと思って活動しています。みなさんも是非、一緒に素晴らしい未来を作っていきましょう。
皆さん、本日はありがとうございました。

各界トップによる未来に希望を感じるスピーチからスタートし、ディスカッションでは、「働き方」についても議論が波及しました。

現代では、複業やパラレルワークなど新しい働き方が進み、「Proposition(プロポジション) 22」の動きから、シェアリングエコノミーやギグエコノミーは、この「雇用」といった価値観をさらに前進させ、変革させるきっかけとなるのかもしれません。

日本のシェアサービスのプラットフォーマー達が力を合わせ、働く側の立場に立って新しい「働き方」の制度を整備していく時、もしかしたら、それは世界に波及し、より社会全体・世界全体が豊かになるのかもしれない、そんな予感がしたディスカッションでした。

ガイアックスでは、定額住み放題の多拠点生活プラットフォームADDressや、ライドシェアサービスnottecoなど、様々なシェアサービスを展開/事業投資しております。
その中でも簡単にご利用いただけるのが、地元の暮らしを楽しく体験できるシェアサービスTABICAです。

シェアサービスをまだ使ったことがない方、TABICAをまだ使ったことがない方、働き手にも利用者にも楽しく気軽に利用できるサービスです。

これをキッカケに、使ったことのないシェアサービスを利用することで、自分をアップデートしてみるのはいかがでしょう?

ライター : 遠藤桂視子

シェアサービスを体験してみたい人はTABICAへ

tabica

TABICAでは、オンラインでもオフラインでも様々な人と好きで繋がることができます。
体験を企画・開催する「ホスト」としても、参加する側である「ゲスト」としてもサービスを利用可能です。

料理教室、自然体験、ワークショップや街歩き。
様々な体験をTABICAを通して体験することができます。

横浜の隠れた里山にいるアレックスさんに会いに行って、竹林を使って大型焚き火をするのもあり。

Pierre COSTENOBLEさんに会いに行って、今の季節にぴったりなフランス料理を教えてもらうのもあり。

葉山に行ってサーフィンするのも、スポットに詳しいホストに街歩きに連れて行ってもらう体験も、もちろん自分で「ホスト」として利用することも可能。
「好き」の数だけ、様々な体験を幅広く用意しています。

TABICA Webページへ
上田 祐司
1997年、同志社大学経済学部卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事を務める。
シェアサミットシェアリングエコノミーシェアリングエコノミー協会上田祐司
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  • 最終更新: 2021年5月12日

コロナ禍で激変した、私たちの生活や社会のあり方。
これからの時代を、新しい時流であるシェアリングエコノミーによって我々はどう迎えるのか。

11月16日に一般社団法人シェアリングエコノミー協会主催で開催されたシェアサミット2020。シェアリングエコノミーの事業者や参入に興味のある法人・個人を対象とし、例年の有料でのオフライン開催を本年度はオンラインとし、無料での開催が実現しました。

本記事では、一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事 兼 当社代表執行役社長の上田が登壇したシェアサミット2020のオープニングトークの一部分と上田がファシリテーターをしました「プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜」でのセッションの様子を全三部にわたり、ご紹介いたします。

第三部は、「プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜」のセッション内で議論があった「ギグエコノミーによる働き方の未来/プラットフォーム環境の未来」をご紹介します。

シェアリングエコノミーの影響によって、どのように働き方が日本で変化していくべきなのか、プラットフォーマーは今何をすべきなのか。

引き続き、一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事 兼 当社代表執行役社長の上田がファシリテーターを担当し、株式会社TRUSTDOCKの千葉 孝浩代表、株式会社タイミーの小川 嶺代表、日本経済新聞社の村山 恵一氏を迎え、お話しいただいたセッションの様子をお伝えします。

第一部 シェアエコは人類の「分断」を乗り越える ー SHARE SUMMIT2020 Co-Society  ガイアックスCEO 上田 登壇レポート Vol.1は、こちらから

第二部「次世代日本 「信用評価」の未来 ー SHARE SUMMIT2020 Co-Society ガイアックスCEO 上田 登壇レポートVol.2」は、こちらから

Yuji Ueda

上田 祐司

株式会社ガイアックス 代表執行役社長
1974年大阪府生まれ、1997年同志社大学経済学部卒業。大学卒業後は起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、24歳で起業。30歳で上場を果たす。ガイアックスでは、「人と人をつなげる」のミッションの実現のため、これまでのソーシャルメディア事業に加え、シェアリングエコノミー事業や関連する企業への投資を強化している。一般社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事を務める。

プラットフォーム環境の未来 〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜

本第三部では、プラットフォーマーが安全に事業をするにはどうすべきなのか?を軸に、ギグエコノミーによる働き方の未来とプラットフォーム環境の未来について、ディスカッションがもたれました。

第二部のセッションからの続きをご紹介いたします。

ギグエコノミーによる働き方の未来

上田:さて、信用の蓄積の次は、「プラットフォームの未来」について伺っていきます。村山さん、今何に興味がありますか?

村山:サービスを受ける側と働く側の、安全安心は重要だと思っています。働きがい含めて、様々な価値がある中で、働く側が落ち着いて、安心して仕事ができる部分がないとシェアエコが永続的に続かないと思います。その点で関心があるのは、カリフォルニア州の住民投票で決まった住民立法案「Proposition(プロポジション) 22」の話で、UberやLyftのようなギグエコノミーの会社がギグワーカーの人を個人事業主として働かせるべきだと住民投票で着地したという話がありました。この投票は6:4で、従業員ではなく、個人事業主へと投票の結果が導かれました。ただ、Uberのようなプラットフォーマーが「個人事業主が相手だから、うちはうちで成長します」という姿勢でいるのではなく、どういう風にすればいいのか、様々なアイディアを出して働き手が安心して取り組める制度があるといいと思います。

上田:働く側のセーフティーネットが重要という話ですね。アメリカなどでは一般的ですが日本ではシェアリングエコノミーを通して働くということはまだまだ珍しいことかと思います。シェアエコ事業で働いたことのない人は、是非一度働いてみて欲しいなと思いますね。タイミーでは、例えば今夜働くこともできるんですか?

小川:今晩や明日でも働けます。例えば、今晩であれば飲食店での業務、日中であれば倉庫内でピッキング作業など、雇用側の人手が必要なタイミングでいろいろなお仕事が掲載されています。

上田:今日のシェアサミットから話を思い浮かべていただいて、スペースマーケットで部屋をシェアしてもいいし、時代の流れとしても、参加者のみなさんにシェアエコで実際働いて、複数個のシェアエコサービスを体感して欲しいなと思います。
働く方のセイフティーについて、先ほどお話にあった「Proposition(プロポジション) 22」について、従業員であるべきか、業務委託であるべきか、会場の皆さんはシェアエコのプラットフォームで働く人は、従業員であるべきか、業務委託であるべきかどう思われるのでしょう。

小川:どちらでもいいと思っているかもしれませんね。ただ、保険、労災、社法などは従業員であれば保証されますが、業務委託だとそうではありません。実はタイミーも最初は業務委託で、その後、雇用型へ移行しました。、保険も全て効きますし、アルバイトと同じ待遇を受けられるようになりました。タイミーのような直接雇用のギグワークは珍しいですが、その形はいいなと思います。オンライン業務でこういった働き方は難しいと思うので、プラットフォーマーによって意見が分かれる部分だと思います。例えば、労働中に事故にあった場合、業務委託だと個人負担になる。プラットフォーマーとして、こういった部分はどこまで責任を持つかという議論になりますね。

上田:なるほど。ちなみにアメリカの「Proposition(プロポジション) 22」の動きを見て、小川さんはどう思いましたか?

小川:例えば、ウーバーは待ち時間も多く、個人事業主でなく従業員になってしまうとビジネスモデルとして崩壊する側面があります。ウーバーが運営出来ないと生活に支障をきたす人が出て、住民投票が6:4という結果になったのではと思います。利用者だけを絞ってみた際に本当はどうなるのかという部分は気になりました。

村山:ウーバーのドライバーはニュータイプの働き方だと思うので、必ずしも従業員か個人事業主かで、今ある雇用形態に当てはめないといけないというわけではないと思います。中間なのか雇用型のギグワーカーなのか、全く新しいカテゴリーを増やすような話だと思います。いざというときに、きちんと保証があって路頭に迷わないようにするにはどうしたらいいのかを考えるべきで、従業員にすべきなのか個人事業主なのかの二元論でやる必要はなく、新しいカテゴリを作るくらいの変化がシェアエコ関連で起こっているのだと思う。その意味ではカリフォルニアの事例も何かこれで結論が出てこうなったという話よりも、ここをスタート地点として知恵を出し、みんなのコンセンサスがよりよく得られるにはどうすべきか、という話が続いていくのではと思います。

千葉:シャアサービスで働いた経歴が、単に個人事業主というひと括りの経歴ではなく、履歴書や職歴に上手く表現出来るといいなと思います。

小川:この点について、タイミーではグレードという制度を作ろうとしています。「物流のピッキングのプロ」などのバッチを取れるようにスコアリングして履歴書として出せるようにして、学生が就活に使えるようにしたいと考えています。

上田:「労災?や保険?が不安になります」とコメントいただいています(オンラインのコメント欄より)。この部分、日本はどうあるべきなのでしょうか。皆さんはどう思われますか?

小川:新しい制度を作る中で、「働いている人のためになっているかどうか?」が重要になってきます。新しいサービスうがどんどん出てくる中で、今の時代に即した制度の変革に国としても取り組んで欲しいと思いますね。そしてこの点は、国とスタートアップが力を合わせて取り組むべき課題なのだと思います。

千葉:シェアエコ問わず、複業、パラレルキャリアなどの多様な生き方が出てきています。法規制はいつも後追いなので、働き方の変化に合わせて、労災や保険が変化していかないといけないと思います。そして、それは遅かれ早かれそうなるのでは。

上田:我が社でも副業が自由で、正社員を週3日ということもあり得る話で、認められています。さらに新しい生き方や働き方が出てくると、わからないことが山積みだと思うので、皆さんのわかりやすい制度を作るという話には、同感ですね。

千葉:いずれ、勤怠管理は企業側でなく、個人側に紐づく気がしますね。

上田:村山さん、頷かれていますが、いかがでしょう?

村山:そうなんじゃないかなと思いますね。時代が変化していくので、個人が学ばないといけないスキルも変化していきます。私は30年近く同じ会社一筋で勤めてきました。だけれど、現代では名刺交換をする人も2〜3枚の名刺を持っている方が当たり前の世の中になって、キャリア形成の考え方も変わるようになりました。ある程度個人が主体的に自分を磨きながら、ブロックチェーン技術も相まって、それが信用にフィードバックされる仕組みが社会全体として広まるべきだと思っています。その情報によって多様な働き方も実現していかれるべきだと思いますし、これから、時間や場所に縛られない報酬や働き方もどんどん発生すると思います。そのため、千葉さんの仰る個人に勤怠管理が紐付く方向感には同意です。

上田:シェアエコをはじめとして、働き方は全く違います。UberやAirbnb、土地を貸しているのか、実際は労働を提供しているのか、両方重なってわからないということもあり、数十年前に作られた「雇用」という考え方一本で整理していくのは厳しいかと思いましたね。

小川:タイミーで実際にあったお話をします。カフェを開きたいと思って、色々なカフェ100店舗で働いて、自分のカフェをオープンした人がいました。様々なカフェでバイトが出来ないとそれは出来なかった。学びながら移動できる、縛られない。そんなメリットがギグエコノミーにはあります。その方は、タイミーで働いた中で仲良くなった店長から開業権を頂いて、自身のカフェをオープンするという話でした。1箇所でしか働くことができなかったらそれはできなかったな、と思いますね。

千葉:それって、起業家のプラットフォームですね。

小川:まさに。それをサポートしたいという気持ちもタイミーとしてあります。これから、そういった事業に投資もしていきたいなと思いますね。

上田:新しいキャリアの積み方ですね。素晴らしい。

KYCの話について、コメントがきています(オンラインの参加者コメントより)。「KYCで身元情報が取れている場合、その他の信用情報は必要でしょうか?」というご意見ですね。千葉さん、こちらはいかがでしょうか。
※KYC (Know Your Customer):会員登録や口座開設や取引などの際に要求される本人確認のための確認手続きの総称

千葉:本来であれば、どちらかというと信用情報が重要だと思います。例えば、ライドシェアサービスを利用する際には、運転手は運転が上手いかどうかや、家事代行の場合は家事が上手いかが重要という様に、各トランザクション毎にいろいろな信用があり、それを各社が蓄積していくべきかなと思います。

上田:プラスのスパイラルが働きそうですね。

プラットフォーム環境の未来

上田:最後に、ご自身のこれからの意気込みと紐付けて「プラットフォーム環境の未来」へ期待することについて、お話をお願いします。

千葉:当社はKYC・本人確認を行っているので、身元確認のインフラを整備して、色々なプラットフォームに対して、シェアサービスを思いついたら、すぐ提供できるように縁の下の力持ちになりたいと思っています。ただ、自社単体では出来ないことなので、いろいろな個人情報の流通網をみなさんと作っていきたいと思います。

村山:個人、一人一人が「こんな特技あって、役に立つのかな?」という部分があると思うのですが、シェアエコを中心に世の中を見るとマッチングの力が進化していて、そういった力が役に立つ世界になっていると思います。挑戦できるプラットフォームがあり、いいサービスであれば、それが評価され、信用に繋がる。頑張った人が報われ、輝いて生きることができる未来が来るといいなと思いました。そして、それに向かって取り組む企業があるといいなと思いますし、これから取材していきたいと思います。

小川:タイミーはスキマ時間で働くマッチングサイトですが、実は僕らの競合はAirbnb、 Youtube、Netflixだと思っています。つまりどれも余暇時間の奪い合いという部分で一緒なのです。この部分をどう競うのか。暇な時に開いていれば時間が豊かになるということが大事で、いかに時間を有効活用できるのかが求められ、それにはシェアエコが欠かせません。この領域で、これからも頑張っていきたいと思います。

上田:以上、プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜についてお話させていただきました。

シェアリングエコノミーについて、プラットフォーマーが利益を吸い上げることが議論に上がりますが、プラットフォーマーは、単にプラットフォーマーが稼げばいいとは思っていません。本当に社会全体が豊かになるべきだと思って活動しています。みなさんも是非、一緒に素晴らしい未来を作っていきましょう。
皆さん、本日はありがとうございました。

各界トップによる未来に希望を感じるスピーチからスタートし、ディスカッションでは、「働き方」についても議論が波及しました。

現代では、複業やパラレルワークなど新しい働き方が進み、「Proposition(プロポジション) 22」の動きから、シェアリングエコノミーやギグエコノミーは、この「雇用」といった価値観をさらに前進させ、変革させるきっかけとなるのかもしれません。

日本のシェアサービスのプラットフォーマー達が力を合わせ、働く側の立場に立って新しい「働き方」の制度を整備していく時、もしかしたら、それは世界に波及し、より社会全体・世界全体が豊かになるのかもしれない、そんな予感がしたディスカッションでした。

ガイアックスでは、定額住み放題の多拠点生活プラットフォームADDressや、ライドシェアサービスnottecoなど、様々なシェアサービスを展開/事業投資しております。
その中でも簡単にご利用いただけるのが、地元の暮らしを楽しく体験できるシェアサービスTABICAです。

シェアサービスをまだ使ったことがない方、TABICAをまだ使ったことがない方、働き手にも利用者にも楽しく気軽に利用できるサービスです。

これをキッカケに、使ったことのないシェアサービスを利用することで、自分をアップデートしてみるのはいかがでしょう?

ライター : 遠藤桂視子

シェアサービスを体験してみたい人はTABICAへ

tabica

TABICAでは、オンラインでもオフラインでも様々な人と好きで繋がることができます。
体験を企画・開催する「ホスト」としても、参加する側である「ゲスト」としてもサービスを利用可能です。

料理教室、自然体験、ワークショップや街歩き。
様々な体験をTABICAを通して体験することができます。

横浜の隠れた里山にいるアレックスさんに会いに行って、竹林を使って大型焚き火をするのもあり。

Pierre COSTENOBLEさんに会いに行って、今の季節にぴったりなフランス料理を教えてもらうのもあり。

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「好き」の数だけ、様々な体験を幅広く用意しています。

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上田 祐司
1997年、同志社大学経済学部卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事を務める。
シェアサミットシェアリングエコノミーシェアリングエコノミー協会上田祐司
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