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過去も未来もコントロールできない。できるのは「今を精一杯生きること」 – 執行役 野澤直人

  • 最終更新: 2023年9月6日

困難なことがあっても、状況に合わせて柔軟に立ち直る「しなやかな強さ」をレジリエンスと呼びます。変化やストレスの多い現代社会にうまく適応し、精神の健康を保ち、どのように回復しているのか?ガイアックスでは、リーダー達のレジリエンスをシリーズでご紹介します。

今回お話を伺ったのは、ガイアックスの経営陣である執行役を務め、株式会社ベンチャー広報の代表取締役を務める野澤直人さん。

野澤 直人

株式会社ガイアックス執行役・株式会社ベンチャー広報代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、当時無名だった海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ毎年100140件のマスコミ露出を実現。5年で売上10倍という同社の急成長に貢献する。2010年に日本では珍しいベンチャー企業・スタートアップ専門のPR会社として株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)著者。2014年より株式会社ガイアックスの執行役に就任。

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20歳で患った難病を機に価値観が変わる

ー 野澤さんはこれまでにどのようなハードシングスを経験されましたか?

20歳の時に大きな病気を患い、お医者さんから「あと半年で死ぬかもしれない」と言われたことです。それ以前から徐々に息苦しくなる症状が出ており、検査をして病気が判明しました。僕が罹った病気はいわゆる難病と言われるもので、日本でも十数人しか症例がなく、未だに治療法は確立されていません。

当時はまだ大学2年生でしたから、まだ死にたくないな、と思いましたね。まだ人生でやりたいことがたくさんあるのに、それをできずに死ぬのは嫌だなと。
お医者さんから「タバコをやめなければ確実に死ぬ」と言われたので禁煙はしましたが、(治療法がないため)完治は難しいそうです。今でも定期的に病院で検査をして、病気が進行していないかどうかだけをチェックしている状態です。
現在49歳なので、20歳で余命半年を言い渡されてから幸運なことに29年が経ちました。

ー その出来事を経て変化したことはありますか?

それまでの僕は、小中高とごく普通に過ごしていました。でも、人間はいつ死ぬかわからないのだと身をもって体感したことで、やりたいことをやらないと損だと思うようになりました。もっと積極的に自分のやりたいことをすることが大事で、それも「今すぐにやることが大事」だと価値観が変わりました。
何か新しい事にチャレンジしようとした時に、失敗したらどうしようと不安に思うことは一般的によくあると思いますが、あまり思わなくなりました。「死ぬこと以外かすり傷(マガジンハウス)」という本がありますが、まさにあの心情ですね。

naohito-nozawa

仕事のパフォーマンスを高めるために意識していること

ー 仕事をする上で走り続けるために意識していることはありますか?

まず、自分のやりたいことをやる、ということですね。自分のやりたいことをやっているから、走り続けることにストレスはないですよ。やりたくないことはやらないようにする。それが意外と難しいんですけどね(笑)。
ビジネスパーソンはアスリートと一緒だと思っているので、仕事で最大限のパフォーマンスを発揮するためにも、フィジカルもメンタルもコンディション作りは大事ですよね。とはいえ、僕自身も自分でコントロールできるようになったのはここ5〜6年くらいだと思います。

テクニカルな面での工夫では、今は一週間のうちの3〜4日で一週間分の仕事をしようと頑張っています。
やらなければいけない仕事があって、それを「一週間かけてやればいいや」と思うとダラダラしてしまうことがあると思いますが、同じ量の仕事を3日間で終わらせるには、倍以上の生産性を出さなければいけません。
時間的な制約を作ることで自分の生産性を高めざるを得なくなり、結果的にマネジメント能力も高まると思います。僕は管理職としての仕事も多く、自分で手を動かすのではなく、メンバーにやってもらう方が管理職としては正しいわけです。つい「自分でやった方が早いから」という理由でやってしまう人も多いですし、僕自身もそのような傾向があります。でも、一週間分の仕事を3日間でやらなければいけないわけですから、メンバーに任せようという発想になっていきますよね。

ー 食生活にも気を遣われているとお聞きしたことがあります。

気を遣っているというほどでもありませんが、約1年前から、1日1食しか食べない生活をしています。毎日の昼食は好きなものを好きなだけ食べますが、朝と夜は食べません。
僕くらいの歳になると、太っているだけで様々な健康リスクがありますからね。もともとはダイエット目的で始めたことが定着しているという状態です。この生活を始める前は、身長が168cmで体重が70キロ近くありましたが、1日1食の生活を始めてから約半年で58kgくらいまで落ちました。

ー リーダーとして、メンバーの方に対して気をつけていることはありますか?

メンバーのすることに対して、あまり口出ししないことですね。管理職や上司はメンバーに対してあれこれと注文をつけたがると思うんですが、僕はそれは良くないと思っていて。上司が口を出すとメンバーの主体性を損なうと思いますし、上司の顔色をうかがって動くようになったり、それが極まると指示待ち人間のようになってしまうこともあると思います。
それに、上司の言っていることが正しければ100歩譲って言っていいとしても、上司が部下に言っていることは大抵間違っていますからね、ロクなことにならないですよ(笑)。

メンバーの方が現場に近いところで仕事をしているわけですから、メンバーが主体的に本気で課題解決のために仕事をしているなら、上司は何も言わない方がいいですよね。

naohito.nozawa

毎日をフラットな状態で、今を精一杯生きる

ー 次世代を担う若者に向けたメッセージをお願いします。

「自分でコントロールできないことは気にしない」ということが、レジリエンスにおいては大事だと思います。

これは僕自身も意識していて、過去のことは変えられませんし、未来のことはその時になってみないとわかりませんよね。例えば、先日コロナワクチンの2回目の接種だったんですけど、受ける一週間前くらいからみんなに脅かされるんですよ。人によってはそれを聞いて、不安なまま一週間を過ごす人もいるかもしれませんが、どうなるかなんて受けてみなければわかりませんよね。予めお水や鎮痛剤を買っておくなど、多少の準備はしますが、それ以上は考えないです。

過去の出来事に対して後悔する必要もないし、未来に起こるかもしれないことに対して不安に思う必要もない。それは精神論というよりも、合理的に考えてその通りだと思うんです。では何をするのかというと、今できることをする、今日を精一杯生きることだけだと思います。そう考えたら、生きていくのが楽ですよ。

ー 「今日を精一杯生きる」。その言葉を、どうすれば腑に落とすことができると思いますか?

意識するのとしないのとでは、全然違うと思いますよ。
僕はもともと鈍感力が高く、それほど不安になったりしないんです。それでも、本当に「今を生きる」ということができるようになったのはこの5〜6年ですからね。それまでは病気になったことをウジウジと考えたり、病気が進行したらどうしようと不安になることもありました。でも、少しずつ自分の中で気持ちの整理をつけて、今に至っています。
コントロールできないことを考えてもしょうがないんですよ。ただ、人間は合理性だけで生きているわけではないので、簡単ではないんですけどね。それでも、意識することで初めてスタートラインに立てるのだと思います。

生きていると色々と嫌なこともあるんですけど、一晩寝たら忘れること。毎日リセットして、朝起きたらその日一日をフラットな状態で生きる。明日死んでもいいように、後悔のないように今を生きることができたら、ベストな生き方なのでしょうね。

ー ありがとうございました!

インタビュー・ライティング:黒岩麻衣
編集:遠藤桂視子

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野澤 直人
大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、当時無名だった海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ毎年100~140件のマスコミ露出を実現。5年で売上10倍という同社の急成長に貢献する。2010年に日本では珍しいベンチャー企業・スタートアップ専門のPR会社として株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)著者。2014年より株式会社ガイアックスの執行役に就任。
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