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「力任せに駆け抜けた」完璧主義を手放し、自分らしいスタイルを探求する - アディッシュ株式会社取締役 杉之原明子

困難なことがあっても、状況に合わせて柔軟に立ち直る「しなやかな強さ」をレジリエンスと呼びます。変化やストレスの多い現代社会にうまく適応し、精神の健康を保ち、どのように回復しているのか?ガイアックスでは、リーダー達のレジリエンスをシリーズでご紹介します。

今回インタビューしたのはアディッシュ株式会社取締役の杉之原明子(すぎのはら あきこ)さん。

ガイアックスに入社してから新規事業立ち上げ、所属部署の子会社化、取締役として会社を上場させる経験をしてきた杉之原さん。アクティブに走り続けている印象がある杉之原さんに、走り続けるために意識していることをお聞きしました。
杉之原さんのキャリアストーリーは「投資先経営者シリーズ」でご紹介させていただいておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。

  1. 「やりたいことがなかった」私が、上場ベンチャーの女性役員になるまでのファーストキャリア
  2.  悩んで、向き合い続けたからこそ切り開けた、上場ベンチャーの女性役員というキャリア
  3. 上場を経験したからこそできる、「身近な社外の女性役員」という役割

杉之原明子
2008年に株式会社ガイアックスにインターンとして入社後、学校非公式サイト対策の「スクールガーディアン」事業の立ち上げ及び責任者を経て、2014年、アディッシュ株式会社取締役管理本部長に就任。2021年取締役。「ベンチャー企業における意思決定層のジェンダーギャップ」をテーマに活動・情報発信を行う。スポンサーシップ・コミュニティ代表発起人。特定非営利活動法人みんなのコードCOO。早稲田大学教育学部理学科卒。

“力任せ”では走り続けられなかった

ー 仕事において、走り続けるために意識していることはありますか?

2019年から毎朝15分ジャーナリングをする時間を作っていて、やりたいことや自分の感情を書き下すことを習慣にしています。仕事に入る前には自分のその先1〜2週間の予定を見て、会議が詰まりすぎていないかとか、夜遅くまで会議が入っているとしたら代わりに休みを取れないかという調整は毎日やっていますね。
それから、私はもともと人見知りで内向的なタイプなので、交流会のような場は月に一回までと制限しているんです。昔は結構行っていたのですが、自分のエネルギー値を減らさないために断ることも覚えました。休日も家から出ずに、家で映画を見たり小説を読んだり、アイドルが好きなのでずっと動画を見たりしています(笑)。
20代の頃は「バリバリ働く=長時間働く」というマインドセットだったので、心身共に追い込まれて最終的には仕事終わりに駅のホームで過呼吸になってしまったこともあります。

ー 内向的なタイプだとは意外です。過呼吸になるほど、追い込まれていると感じたのはいつ頃ですか?

ガイアックス時代に上司から事業リーダーを引き継いだ時のことで、25歳くらいの頃です。
リーダーとして事業を牽引していく立場になり、売上が作り出せなかったらメンバーと働き続けることができなくなるという場面があり、とにかく案件獲得に奔走しました。無事に案件は取れたものの、案件を回す人が私しかいないような状況で業務過多になっており、朝起きられなくなるほど精神的に追い込まれていました。
でもその頃はとにかく必死で、誰かに頼るという選択肢を持てていなくて、自分の体に症状が出て初めて「これはまずい」と気がつきました。業務過多と自分の体がどのようにバランスしているのかがわかっていなかったので、体に症状が出るまではなんとかなると思っていたんですよね。

ー その体験を経て、変えたことはありますか?

週、月単位もそうですが、1年単位でも自分のリズムを作るように工夫し始めましたね。バーッと働いて、1週間くらい休みをとって海外旅行に行くようになりました。
学校に対して営業をする仕事だったので、学校の長期休みに合わせてメリハリをつけようと思えばつけられる状況ということもあり、1週間の休みを年に2回取ろうと決めたのがその頃でした。当時は1週間も休みを取る人は周りにいなかったので、結構思い切ったことでしたね。
日々忙しく仕事に追われていると休むことを蔑ろにしてしまうんですけど、だからこそ休みを事前に設計しておくことが重要だと思っています。「未来がどうなるかわからないから休めない」という力学が働いて休めなかったのだと思いますが、「どうなるかわからないけど休みを入れておく」というマインドに今は変化しました。
20代前半は力任せに走り続けていましたが、年齢を重ねるとその頃と同じように走り続けることは難しいですからね。それよりも「時間対成果を高めるためにはどうしたらいいか?」ということを意識して、仕事を仕組み化したり、自分の強みを活かせるタスクを持つことを心がけるようになりました。

「力任せに駆け抜けた」完璧主義を手放し、自分らしいスタイルを探求する - アディッシュ株式会社取締役 杉之原明子

コーチングをきっかけに自分自身の内発的動機と向き合う

ー 杉之原さんはコーチングを受けているとお聞きしていますが、何かきっかけがあったのですか?

アディッシュを設立した後、私自身は事業側からコーポレート側という会社を支える側にキャリアチェンジしたのですが、自分よりも圧倒的に経験のあるプロフェッショナルな人たちの中で、全く経験がない私が旗を振っていかなければいけない状況でした。その中で「私は何のプロフェッショナルなんだろう?」と自分に自信が持てない時期が続いたことがボディーブローのように辛くて。
「この状況は危ないな」と思い、2019年からコーチをつけて月に一回コーチングを受けるようになりました。コーチングを受けるまでは「組織や目の前のお客様のため」という枠ありきで「その枠の中で自分は何をやりたいか」を考えていました。コーチングを受ける中で一度その枠を取り払い、自分が人生においてやりたいことについて、ようやく考え始めたんです。
コーチングを受け始めて1年ほど経ったあたりから、自分の内発的動機を表現できるようになり、今は収まりの良い状態になれていると感じています。

ー 杉之原さんは「女性とキャリア」という領域に取り組まれていますが、仕事をする上で、女性ならではの難しさを感じる場面はありますか?

私の場合は結婚も出産もしていませんし、女性ならではの体調不良も少なく、割と男性的な働き方ができているんですよね。だからこそここまで来れてしまったというか…。自分で出産などをしない限り、そういったことを本当には自分事にできないと思っているんです。私一人では女性が仕事をしていく上で感じる課題や痛みを全てフォローすることは難しいと感じ、4月にベンチャー企業における意思決定層のジェンダーギャップをテーマにした「スポンサーシップ・コミュニティ」というコミュニティを設立しました。
女性役員のロールモデルを一社で100事例作るのは無理がありますが、仮に100社集まれば100人の女性役員がいることになりますよね。私一人でどうにかしようとするのではなく、コミュニティに参加してくれている他社の女性役員にも助けてもらいながら、いろいろなロールモデルを社員に見てもらえたらいいなと思っています。

ー 女性役員が増えていくと世の中にどのようなインパクトがあると考えていらっしゃるのでしょうか?

私は、そもそものところで、性別関係なく、取締役会や意志決定層を多様化することで「大元の歪み」に気づけるようになると良いなと考えています。
顔認証技術を例に挙げると、そのデータベースには白人の男性が多いそうなんですよね。その結果、例えば黒人の方が認証されにくいというようなニュースを度々見ます。同じように、薬の治験者に男性が多いと、女性に投与した際には過剰投与になってしまう場合もあります。
大元のデータが歪んでいるのに、歪んでいることに気づかれないまま稟議が上がっていってしまうんです。承認者のほとんどを男性が占めているので、気づけない。
取締役会や意思決定層が多様な観点を持てるようになることで、「そもそも大元のデータが歪んでいるのでは?」という問いを持てるようになれば、社会の構造にフィットしたサービスを提供することにつながり、社会をより良くすることに貢献できると思っています。
そういった議論をしようとしたときに、社内で対話をすることも大切ですし、外堀を埋めるような活動も重要だと思っていて。コミュニティを作ることで、社外でも議論が起きていて、それを自社に還元できるような状態を作っていきたいです。

一人で抱え込んでしまった経験から、メンバーとは“感情を共有しあえる関係”を築く

ー 自分に合った仕事のリズムを作り、自分の内発的動機とつながって仕事をしている杉之原さんにとって、レジリエンスとはどのようなものでしょうか?

レジリエンスって、自分の限界を知って初めて向き合うテーマなのかもしれませんね。
私自身を振り返ると、壁にぶつかって初めてレジリエンスや自分自身のリズムについて考え始めたので、予め対策をするということは難しかったかなと感じています。
一方で、これまでたくさんのメンバーと関わってきて、ハードな状況に陥って心身共に追い込まれている時に、声を上げられずに潰れてしまいそうになる人も見てきました。
私も20代の頃は一人で抱え込んでしまっていた経験があるので、メンバーとは感情を共有しあえる関係になりたいと思っています。会議にチェックインを取り入れたり、仕事の中で雑談が発生する仕組みを意識して作って、嬉しいときに嬉しいと、キツいときにキツいと言えるような環境を作るようにしています。
業務の話をしているとなかなか内面的な話には触れられないので、雑談の中やその延長で、折に触れてメンバー自身に内発的な動機を表現してもらうようにしています。
自分が辛い時には、社内の人でもいいし、家族やパートナーや友人など、誰かに自分の状態を表現できることも大事だと思っています。人に伝えなくても、ノートに書き出してみたり。
完璧主義のまま仕事はできないので、自分の出せる範囲で「うまくいかないな」ということを小さくても表現していけるといいと思います。

ー 頑張り屋さんほど、自分の状態を表現することが大切そうです。ありがとうございました!

インタビュー・ライティング:黒岩麻衣

編集後記

杉之原さんのSNSや記事を拝見して「仕事のできるキッパリした方」という印象があったので、かなり緊張してインタビューに臨んだのですが、実際はとても気さくな明るい方でした。そこはかとなく感じる芯の強さと、実は内向的というギャップも素敵です。noteやTwitterでマメに情報発信されていますので、要チェックです!

杉之原さんのインタビュー動画もご覧下さい

akiko.suginohara

やりたいことがなかった私が上場企業の女性役員になるまでの物語 | アディッシュ取締役 杉之原明子 |
「あなたのミッション、やりたいこと何ですか?」
ガイアックスでは当たり前のように、日常的に問われる質問。
でも、自分のミッションと言われて、困る人も当然います。今回お話を伺った、元ガイアックス社員であり、現アディッシュ株式会社取締役の杉之原明子(すぎのはら あきこ)さんも元々は「やりたいことなんてなかった」と言います。
「学生時代は普通に丸の内OLになることを目指していました」と言いながらも、ガイアックスに入社してから新規事業立ち上げ、所属部署の子会社化、取締役として会社を上場させる経験をしてきた杉之原さんに、今までのキャリアについてお話を伺いました。

動画を見る
レジリエンス〜心が折れないための習慣〜
1. 「感情に蓋をする方が楽だった」メンタルヘルスを整え、質の良い仕事をするための習慣とは
2. 相手を尊重し許容する、母心のマネジメントスタイル – 親分型マネジメントからの変遷 – GRiD事業部部長 野口佳絵
3. 戦国時代に学ぶビジネスマインドセット – 人生100年時代の働き方 – Tokyo Otaku Mode代表取締役社長 小高奈皇光
4. 「力任せに駆け抜けた」完璧主義を手放し、自分らしいスタイルを探求する – アディッシュ株式会社取締役 杉之原明子
杉之原 明子
2008年に株式会社ガイアックスにインターンとして入社。学校裏サイト対策サービス「スクールガーディアン」事業の立ち上げを経て、2014年、アディッシュ株式会社設立及び取締役に就任。管理本部の立ち上げを担う。2020年3月東証マザーズ上場。
adishspotlightアディッシュレジリエンス杉之原明子
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今回インタビューしたのはアディッシュ株式会社取締役の杉之原明子(すぎのはら あきこ)さん。

ガイアックスに入社してから新規事業立ち上げ、所属部署の子会社化、取締役として会社を上場させる経験をしてきた杉之原さん。アクティブに走り続けている印象がある杉之原さんに、走り続けるために意識していることをお聞きしました。
杉之原さんのキャリアストーリーは「投資先経営者シリーズ」でご紹介させていただいておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。

  1. 「やりたいことがなかった」私が、上場ベンチャーの女性役員になるまでのファーストキャリア
  2.  悩んで、向き合い続けたからこそ切り開けた、上場ベンチャーの女性役員というキャリア
  3. 上場を経験したからこそできる、「身近な社外の女性役員」という役割

杉之原明子
2008年に株式会社ガイアックスにインターンとして入社後、学校非公式サイト対策の「スクールガーディアン」事業の立ち上げ及び責任者を経て、2014年、アディッシュ株式会社取締役管理本部長に就任。2021年取締役。「ベンチャー企業における意思決定層のジェンダーギャップ」をテーマに活動・情報発信を行う。スポンサーシップ・コミュニティ代表発起人。特定非営利活動法人みんなのコードCOO。早稲田大学教育学部理学科卒。

“力任せ”では走り続けられなかった

ー 仕事において、走り続けるために意識していることはありますか?

2019年から毎朝15分ジャーナリングをする時間を作っていて、やりたいことや自分の感情を書き下すことを習慣にしています。仕事に入る前には自分のその先1〜2週間の予定を見て、会議が詰まりすぎていないかとか、夜遅くまで会議が入っているとしたら代わりに休みを取れないかという調整は毎日やっていますね。
それから、私はもともと人見知りで内向的なタイプなので、交流会のような場は月に一回までと制限しているんです。昔は結構行っていたのですが、自分のエネルギー値を減らさないために断ることも覚えました。休日も家から出ずに、家で映画を見たり小説を読んだり、アイドルが好きなのでずっと動画を見たりしています(笑)。
20代の頃は「バリバリ働く=長時間働く」というマインドセットだったので、心身共に追い込まれて最終的には仕事終わりに駅のホームで過呼吸になってしまったこともあります。

ー 内向的なタイプだとは意外です。過呼吸になるほど、追い込まれていると感じたのはいつ頃ですか?

ガイアックス時代に上司から事業リーダーを引き継いだ時のことで、25歳くらいの頃です。
リーダーとして事業を牽引していく立場になり、売上が作り出せなかったらメンバーと働き続けることができなくなるという場面があり、とにかく案件獲得に奔走しました。無事に案件は取れたものの、案件を回す人が私しかいないような状況で業務過多になっており、朝起きられなくなるほど精神的に追い込まれていました。
でもその頃はとにかく必死で、誰かに頼るという選択肢を持てていなくて、自分の体に症状が出て初めて「これはまずい」と気がつきました。業務過多と自分の体がどのようにバランスしているのかがわかっていなかったので、体に症状が出るまではなんとかなると思っていたんですよね。

ー その体験を経て、変えたことはありますか?

週、月単位もそうですが、1年単位でも自分のリズムを作るように工夫し始めましたね。バーッと働いて、1週間くらい休みをとって海外旅行に行くようになりました。
学校に対して営業をする仕事だったので、学校の長期休みに合わせてメリハリをつけようと思えばつけられる状況ということもあり、1週間の休みを年に2回取ろうと決めたのがその頃でした。当時は1週間も休みを取る人は周りにいなかったので、結構思い切ったことでしたね。
日々忙しく仕事に追われていると休むことを蔑ろにしてしまうんですけど、だからこそ休みを事前に設計しておくことが重要だと思っています。「未来がどうなるかわからないから休めない」という力学が働いて休めなかったのだと思いますが、「どうなるかわからないけど休みを入れておく」というマインドに今は変化しました。
20代前半は力任せに走り続けていましたが、年齢を重ねるとその頃と同じように走り続けることは難しいですからね。それよりも「時間対成果を高めるためにはどうしたらいいか?」ということを意識して、仕事を仕組み化したり、自分の強みを活かせるタスクを持つことを心がけるようになりました。

「力任せに駆け抜けた」完璧主義を手放し、自分らしいスタイルを探求する - アディッシュ株式会社取締役 杉之原明子

コーチングをきっかけに自分自身の内発的動機と向き合う

ー 杉之原さんはコーチングを受けているとお聞きしていますが、何かきっかけがあったのですか?

アディッシュを設立した後、私自身は事業側からコーポレート側という会社を支える側にキャリアチェンジしたのですが、自分よりも圧倒的に経験のあるプロフェッショナルな人たちの中で、全く経験がない私が旗を振っていかなければいけない状況でした。その中で「私は何のプロフェッショナルなんだろう?」と自分に自信が持てない時期が続いたことがボディーブローのように辛くて。
「この状況は危ないな」と思い、2019年からコーチをつけて月に一回コーチングを受けるようになりました。コーチングを受けるまでは「組織や目の前のお客様のため」という枠ありきで「その枠の中で自分は何をやりたいか」を考えていました。コーチングを受ける中で一度その枠を取り払い、自分が人生においてやりたいことについて、ようやく考え始めたんです。
コーチングを受け始めて1年ほど経ったあたりから、自分の内発的動機を表現できるようになり、今は収まりの良い状態になれていると感じています。

ー 杉之原さんは「女性とキャリア」という領域に取り組まれていますが、仕事をする上で、女性ならではの難しさを感じる場面はありますか?

私の場合は結婚も出産もしていませんし、女性ならではの体調不良も少なく、割と男性的な働き方ができているんですよね。だからこそここまで来れてしまったというか…。自分で出産などをしない限り、そういったことを本当には自分事にできないと思っているんです。私一人では女性が仕事をしていく上で感じる課題や痛みを全てフォローすることは難しいと感じ、4月にベンチャー企業における意思決定層のジェンダーギャップをテーマにした「スポンサーシップ・コミュニティ」というコミュニティを設立しました。
女性役員のロールモデルを一社で100事例作るのは無理がありますが、仮に100社集まれば100人の女性役員がいることになりますよね。私一人でどうにかしようとするのではなく、コミュニティに参加してくれている他社の女性役員にも助けてもらいながら、いろいろなロールモデルを社員に見てもらえたらいいなと思っています。

ー 女性役員が増えていくと世の中にどのようなインパクトがあると考えていらっしゃるのでしょうか?

私は、そもそものところで、性別関係なく、取締役会や意志決定層を多様化することで「大元の歪み」に気づけるようになると良いなと考えています。
顔認証技術を例に挙げると、そのデータベースには白人の男性が多いそうなんですよね。その結果、例えば黒人の方が認証されにくいというようなニュースを度々見ます。同じように、薬の治験者に男性が多いと、女性に投与した際には過剰投与になってしまう場合もあります。
大元のデータが歪んでいるのに、歪んでいることに気づかれないまま稟議が上がっていってしまうんです。承認者のほとんどを男性が占めているので、気づけない。
取締役会や意思決定層が多様な観点を持てるようになることで、「そもそも大元のデータが歪んでいるのでは?」という問いを持てるようになれば、社会の構造にフィットしたサービスを提供することにつながり、社会をより良くすることに貢献できると思っています。
そういった議論をしようとしたときに、社内で対話をすることも大切ですし、外堀を埋めるような活動も重要だと思っていて。コミュニティを作ることで、社外でも議論が起きていて、それを自社に還元できるような状態を作っていきたいです。

一人で抱え込んでしまった経験から、メンバーとは“感情を共有しあえる関係”を築く

ー 自分に合った仕事のリズムを作り、自分の内発的動機とつながって仕事をしている杉之原さんにとって、レジリエンスとはどのようなものでしょうか?

レジリエンスって、自分の限界を知って初めて向き合うテーマなのかもしれませんね。
私自身を振り返ると、壁にぶつかって初めてレジリエンスや自分自身のリズムについて考え始めたので、予め対策をするということは難しかったかなと感じています。
一方で、これまでたくさんのメンバーと関わってきて、ハードな状況に陥って心身共に追い込まれている時に、声を上げられずに潰れてしまいそうになる人も見てきました。
私も20代の頃は一人で抱え込んでしまっていた経験があるので、メンバーとは感情を共有しあえる関係になりたいと思っています。会議にチェックインを取り入れたり、仕事の中で雑談が発生する仕組みを意識して作って、嬉しいときに嬉しいと、キツいときにキツいと言えるような環境を作るようにしています。
業務の話をしているとなかなか内面的な話には触れられないので、雑談の中やその延長で、折に触れてメンバー自身に内発的な動機を表現してもらうようにしています。
自分が辛い時には、社内の人でもいいし、家族やパートナーや友人など、誰かに自分の状態を表現できることも大事だと思っています。人に伝えなくても、ノートに書き出してみたり。
完璧主義のまま仕事はできないので、自分の出せる範囲で「うまくいかないな」ということを小さくても表現していけるといいと思います。

ー 頑張り屋さんほど、自分の状態を表現することが大切そうです。ありがとうございました!

インタビュー・ライティング:黒岩麻衣

編集後記

杉之原さんのSNSや記事を拝見して「仕事のできるキッパリした方」という印象があったので、かなり緊張してインタビューに臨んだのですが、実際はとても気さくな明るい方でした。そこはかとなく感じる芯の強さと、実は内向的というギャップも素敵です。noteやTwitterでマメに情報発信されていますので、要チェックです!

杉之原さんのインタビュー動画もご覧下さい

akiko.suginohara

やりたいことがなかった私が上場企業の女性役員になるまでの物語 | アディッシュ取締役 杉之原明子 |
「あなたのミッション、やりたいこと何ですか?」
ガイアックスでは当たり前のように、日常的に問われる質問。
でも、自分のミッションと言われて、困る人も当然います。今回お話を伺った、元ガイアックス社員であり、現アディッシュ株式会社取締役の杉之原明子(すぎのはら あきこ)さんも元々は「やりたいことなんてなかった」と言います。
「学生時代は普通に丸の内OLになることを目指していました」と言いながらも、ガイアックスに入社してから新規事業立ち上げ、所属部署の子会社化、取締役として会社を上場させる経験をしてきた杉之原さんに、今までのキャリアについてお話を伺いました。

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レジリエンス〜心が折れないための習慣〜
1. 「感情に蓋をする方が楽だった」メンタルヘルスを整え、質の良い仕事をするための習慣とは
2. 相手を尊重し許容する、母心のマネジメントスタイル – 親分型マネジメントからの変遷 – GRiD事業部部長 野口佳絵
3. 戦国時代に学ぶビジネスマインドセット – 人生100年時代の働き方 – Tokyo Otaku Mode代表取締役社長 小高奈皇光
4. 「力任せに駆け抜けた」完璧主義を手放し、自分らしいスタイルを探求する – アディッシュ株式会社取締役 杉之原明子
杉之原 明子
2008年に株式会社ガイアックスにインターンとして入社。学校裏サイト対策サービス「スクールガーディアン」事業の立ち上げを経て、2014年、アディッシュ株式会社設立及び取締役に就任。管理本部の立ち上げを担う。2020年3月東証マザーズ上場。
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