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スタートアップにおけるピッチのコツを先輩経営者や投資家目線も交えて解説

  • 最終更新: 2023年11月10日

スタートアップが資金調達を行う場所はピッチが多いです。ピッチにも様々な形式がありますが、投資家の前で自分達のビジネスについてピッチをし、資金調達を行う場として用意されています。

この記事を書いているガイアックスでは、毎月月末に資金調達ができるピッチを運営しています。また、新規事業のプロに無料で相談できるStartupCafeでは、事業壁打ちなどを行っています。ご興味のある方はぜひご応募ください。
» スタートアップカフェ

スタートアップ業界におけるピッチの役割とは

ピッチとは、自社のサービスや提案内容について、比較的短い時間で聞き手に伝えることです。長くても10分、短くて3分などのピッチがあります。また、エレベーターに居合わせた相手に限られた時間でピッチをする「エレベーターピッチ」という言葉もあるくらいですから、短い時間で自分を売り込めるか、興味を持ってもらえるかが大事になってきます。

ピッチを行う目的

スタートアップがピッチを行うのは資金調達のためです。投資家に対して事業について簡潔に伝え、投資を求めます。もちろん資金調達以外には、フィードバックが目的のものや、交流が目的になっているものもあります。基本的には投資家からの協力を募るためにピッチを行うことになるでしょう。

ピッチはどこで行われているか

最近のピッチはオンラインで行われる場合も多いです。また、各ベンチャーキャピタルが主催するものや、行政が主催するもの、複数の企業が主催するものなど様々な種類があります。

XTC
世界最大規模のスタートアップコンテストの日本予選XTC。国内で入賞すると、海外の投資家からも出資を得られるチャンスがあるイベントです。2022年に日本予選に出場した10社のうち、8社はディープテック(高度研究開発型)のベンチャーでした。
» XTCについて詳しく(年1回開催)

IVS LAUNCHPAD
2022年度は那覇で開催され多くのスタートアップや投資家が現地に集まりました。IVS LAUNCHPADは次世代の起業家の登竜門ともいわれる日本最大級のピッチコンテストとして、これまで数々のスタートアップが熱戦を繰り広げてきました。
» IVS LAUNCHPADについて詳しく

エンジニアイベント

ピッチに参加するメリット

ピッチに参加すると協力してくださる企業が見つかったり、メディア露出が増えたりと良いことがたくさん起きます。今の事業フェーズに応じて、様々な種類のピッチを取捨選択されると良いと思います。

投資オファーを受けることができる

優れた事業アイデアであれば、投資家側から投資オファーといった形で話を貰うことができるでしょう。多くのピッチイベントの場合、なんらかの賞を授与されたり、賞金を貰える企画もあるかもしれません。規模が大きなピッチイベントだと、出資に加え、そういった賞金や事業検証協力などの協力関係を申し出てくれる可能性があります。

フィードバックや相談できる可能性がある

ピッチの質疑応答時間や、ピッチ後の交流機会で投資家から質問やアドバイスを貰うことがあるでしょう。また、次の事業検証の方針や、検証先の紹介をしてくれるパターンもあります。

サービスを広めるきっかけになる

外部に公開されているオープンなピッチイベントになれば、ピッチの様子が配信されたり、動画アーカイブが残ることがあります。そうすることでピッチの内容を拡散することができたり、ピッチの様子をポートフォリオとして残しておくことができると思います。知名度があるピッチイベントであれば広報につながります。

ピッチで優勝すると成功しやすいか?

ピッチが上手くいけば投資家から投資オファーや賞金などを受け取れる可能性があります。もちろんピッチで賞を取ったり、順位付けられて上位に入賞したとしても必ず事業が成功するわけではないと思います。

しかし、ピッチで優勝するなどの経験は自信に繋がりますし、チームの結束が強くなったりとメリットも大きいと思います。また、ある程度の規模のピッチイベントになると、何社かは優勝したチームが5年から10年経って上場しているケースもあるようです。

ピッチ資料の項目について

スタートアップのピッチは5分から10分の間でピッチを行うことが多いです。その中で7つほどの項目を抑えておけば、より相手に自分達の事業を伝えることができるでしょう。7つの項目は以下の通りです。

  1. 解決したい課題
  2. 顧客
  3. 解決策
  4. 独自の価値
  5. ビジネスモデル
  6. マーケット
  7. チーム

1. 解決したい課題

その事業で解決したい課題をシンプルで明確に記載をしましよう。どんな時にその課題が発生して、どういったストーリーでその課題にたどり着いたのか、これまでの経験を踏まえて表現できると良いと思います。

2. 顧客

課題を抱えている顧客はどんな行動をしていて、どこにいて、課題に対してどんな行動をしているかなどを明確に伝えましょう。

3. 解決策

その課題を解決するために、どういった方法を使って解決するのかシンプルに伝えましょう。解決策に具体性や論理性がなかったりすると投資家から質疑応答で質問されることになるかもしれません。その課題を解決するにあたり、他の代替手段よりも優れた解決策を提示しましょう。

4. 独自の価値

他の代替手段よりも圧倒的に優れた価値を提供できているかどうかです。競合が同じ課題と解決策に取り組んでいる場合、その競合との差別化はどこに当たるかなどを意識して伝えられるようにすると良いと思います。この独自の価値がユーザーにとってなくてはならないものであることを確証をもって伝える必要があります。

5. ビジネスモデル

ビジネスモデルは複雑化せず、お金の流れや情報の流れ、人の流れなどを意識し、図解することをおすすめします。また関係してくるステークホルダーも忘れずに表記しておきたいです。一目見て、ビジネスの流れの全体像を見渡せるようにしましょう。

6. マーケット

マーケットは、事業規模とユーザー数を計算し記載しましょう。TAM(ある事業が獲得できる可能性がある全体の市場規模)、SAM(ある事業が獲得しうる最大の市場規模, TAMよりも狭い)、SOM(ある事業が実際にアプローチできる顧客の市場規模, SAMよりも狭い)といった3段階の市場規模を軸に、この事業が取れる最大市場は何千億円〜何十億円あるのかなどを記載をしましょう。より巨大で成長するマーケットであると良いでしょう。一方で小さなマーケットで一定のシェアを取るといった戦略もあり得ます。

7. チーム

創業メンバーがより優れたチームであること、ユニークであること、業界に精通しているなど、素晴らしいチームであることを証明しましょう。素敵なプロフィール写真もセットだとなお良しですね。

ピッチのコツ

デジタル身分証アプリを通じて本人確認業務の課題解決を目指すスタートアップ、”TRUSTDOCK”を立ち上げた千葉さんに、当初のピッチの経験からピッチのコツについてお聞きしました。

?→!の流れを上手く活用すること

舞台の上で立って行うピッチは、エンターテインメントです。?(クエスチョンマーク)→!(エクスクラメーションマーク)の流れでタイムラインの構造を作っていくことが重要になります。

つまり、相手を飽きさせずに引き付けることで、ピッチの成功確率を上げるということです。投資家を含むオーディエンスを巻き込み、相手の感情を動かすことはピッチにおいて重要になってくると考えられます。

録画して自分で振り返る

第3者からのフィードバックなども重要ですが、それより前に自分のピッチの様子を録画して、自分で見返してみることも重要です。客観的に自分のピッチを見返すことができますし、自分がミスをした部分が手に取るようにわかります。自分が納得するまで反復し、カンペなども見ずにピッチができる状態まで持っていくことで本番のミスが格段に減ります。

事実と仮説を切り分けて話す

その事業で解決しようとしている課題や、他よりも優れているソリューションを投資家に納得してもらうにはどうしたら良いのでしょうか。結論、事実と仮説を切り分けながら説明していくことだと考えられます。その起業家にしか知り得ない情報や事実はGoogleで検索しても出てきません。

もちろん、その情報や事実から新たに立てられる仮説などは、顧客からのインタビューなどで得た洞察であるはずです。自分が目の前の顧客とどう向き合い、どのように課題解決をしようとしているのか示せると良いでしょう。
そのほか千葉さんが語るピッチのポイントは、下記の記事にてまとめさせていただいています。
» TRUSTDOCK代表の千葉さんが語る、ピッチのコツについて詳しくみる

ピッチで投資家がみているポイント

ピッチする側(起業家)とは反対に、ピッチされる側(出資検討サイド)の目線も把握しておくと、より出資決定に有利なピッチにつながるでしょう。

ガイアックスで投資先判断に携わっているスタートアップスタジオ責任者の佐々木と創業期の起業家を中心とした投資実績をもつ麻生要一さん、それぞれがあげている投資のポイントを紹介します。

起業家の事業の解像度

実際の顧客が抱えている課題や業界全体の課題など含め、どこまで解像度が高いかどうかが重要です。情報収集や仮説検証をして解像度が高くなっているほど、実現可能性を感じるとのことです。

行動の量

2人はずば抜けた行動量があるかどうかはよく見られるポイントだと挙げています。そもそも誰もコミットすることのない新しい市場や課題解決をするわけですから、1週間や1ヶ月という単位の中で、どこまで自分の手足を使って行動できているかは非常に重要な点でしょう。
» 投資先判断を行っている佐々木&麻生さんの対談はこちら

スタートアップモデルとしてのスケール

起業といっても様々な種類があります。個人経営のコーヒー屋を立ち上げる方もいらっしゃいますし、得意とするスキルの案件を受託していくモデルなど様々です。今回解説したピッチのコツとしては、スタートアップとして資金調達をお考えの起業家の方向けに要点を整理しながら解説しています。

スタートアップとして資金調達をして行く際には、市場規模スケール感や、業界構造をひっくり返すものかどうかなど、様々なポイントも視野に入れなくてはならないでしょう。もしスタートアップ起業をご検討されている起業家の方がいらっしゃいましたら、私達と一緒にピッチの準備を進めていきましょう。ぜひスタートアップカフェへ応募ください。

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