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上場とは?会社の経営上どんなメリット・デメリットがあるのか?

 

起業家が目指すゴールの1つに、「企業の上場」があります。

上場を通じて、一般投資家からの投資による資金調達が可能になることは有名ですが、実は、他にも数々のメリットを得ることができます。

そのため、上場を目指すのであれば、「上場そのもの」の意義を理解しておくことは不可欠です。

また、実際に上場を目指すとなった際に、どのようなプロセスや準備が必要なのかを先回りして把握しておくことも欠かせません。

上場を意識した企業運営を起業当初からできていると、上場に向けた効率的な事業推進につながり、上場準備時に立ちはだかる厳しい上場基準をクリアできる確率が高まります。

今回の記事では、「上場」の意義や目的などを説明するだけでなく、自社からカーブアウトした企業が複数上場しているガイアックスの経験や、上場経験を持つガイアックス卒業生(現 上場企業経営者)のコメントをもとに、上場に至るまでのプロセスや体験談も含めて解説していきます。

上場とは?

「上場」とはどのような意味か?

まず、「上場」とはどのような意味を指すのかを以下の項目に沿って紹介していきます。

  • 「上場」の定義
  • 上場企業の種類
  • 上場企業と非上場企業の違い
  • 株式市場の種類

「上場」の定義

上場とは、「企業が発行する株式を証券取引所で売買できる資格」を証券取引所が各企業に与えることを指します。

上場を希望する企業は、証券取引所にて申請を行うことで上場が認められます。ですが、申請すれば全ての企業が上場できるわけではなく、証券取引所が定める基準(株式数、株主数、利益額など)を全て満たしている必要があります。

上場企業の種類

上場企業にも種類があり、ガイアックスが上場している名古屋証券取引所のほか、東京証券取引所や福岡証券取引所、札幌証券取引所などがあります。日本最大の証券取引所である東京証券取引所傘下の市場の場合は、下記のような違いがあります。

  • 市場第一部:株主数2,200人以上、時価総額250億円以上、流通株式数が多く(35%以上)、連結純資産が10億円以上の企業向けの市場
  • 市場第二部:株主数800人以上、時価総額20億円以上で連結純資産が10億円以上の企業向けの市場
  • マザーズ:時価総額10億円以上の企業向けの市場
  • JASDAQスタンダード企業:時価総額5億円以上で純資産2億円以上の企業向けの市場
  • JASDAQグロース企業:時価総額5億円以上で純資産が赤字ではない企業向けの市場

※詳しくは、日本取引所グループの「上場審査基準」を参照。

この中でも、市場第一部が大企業、マザーズに上場している企業はこれから成長が期待されているベンチャー企業となります。また、東京証券取引所以外の証券取引所としては、地方の証券取引所として、札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所があります。

上場企業と非上場企業の違い

上場企業と非上場企業の違いは、株式を公開しているかどうかです。

上場企業の場合は株式を公開しており、投資家が自由に企業の株を売買することができます。一方、非上場企業の場合は株式を公開していないため、株を売買することはできません。

そのため、上場企業の株は投資家に分配されていますが、非上場企業は株式はあるものの投資家へは公開されておらず、株式の所有は会社関係者や創業者などが所持しているケースがほとんどです。

株式市場の種類

株式市場には、「発行市場」と「流通市場」の2種類があります。

発行市場とは、各企業が新しく発行した株式を株式の発行者から直接取得する市場を指します。また、発行者から直接ではなく、代理人や仲介人を通じて取得する市場も発行市場に含まれます。

一般的に市場に流通している株は、発行市場で取得した株式が転売されて「流通市場」に流れてきたものです。流通市場とは、企業によって発行されている株式を投資家達が売買するための市場を指します。

よく聞く「証券取引所」は、この流通市場の中心に位置します。

上場するメリット・デメリット

続いて、企業が上場するメリットとデメリットをご紹介します。

上場のメリット

企業が上場するメリットは、大きく3つに分けられます。

一つは、投資家による株式購入を通じた資金調達です。その結果、企業の事業資金を増加させ、ビジョンに向けたさらなる事業推進を可能にします。

続いて、知名度・社会的な信用の向上です。企業が上場することで会社の知名度が高まり、金融機関からの信用度も高くなります。

信用度が高くなると、資金調達のハードルが下がったり、企業の商品やサービスの認知機会が増えるなどのメリットが生まれます。

さらに、企業の知名度が上がることにより、人材採用力の向上にもつながるメリットも生まれます。就職・転職の場面において、「非上場企業より上場企業に入りたい」という求職者に対してのアピール材料として、上場ステータスを活用する企業も少なくありません。

最後に、創業者や株を持っている出資企業のメリットとして、株式の換金性向上が挙げられます。上場により評価額が高まった自社株式を売買することで、財産形成や収益計上を図ることが可能になります。

上場のデメリット

企業が上場することによって生じるデメリットも存在します。

例えば、企業の上場を維持するためには年間上場料などのコストがかかります。

そのほか、監査報酬や株式事務代行手数料などの経費も発生するため、上場によってかかるコストは上場前から認識しておく必要があります。

また、株式が取引されることによって株式を買い占められるために、経営権すらも買収されてしまうといった可能性もゼロではありません。

会社を上場させるのは大変か?現上場企業役員の経験談まとめ

上場の条件

会社が上場するには、さまざまな条件をクリアする必要があります。

例えば、審査基準の厳しさが日本で最高クラスと言われる「東証一部」に上場するためには、「株主数:2,200人以上」・「流通株式:2万単位以上」・「流通株式比率:35%以上」・「企業の時価総額:250億円以上」・「純資産額:10億円以上」といった厳しい条件があります。

会社が上場するまでの流れ

会社が上場するまでの期間は「上場準備期間」と「申請年度」に分けられ、東証は約3年~4年、JASDAQやマザーズの場合は約3年程度かかります。

会社を上場させるためには、まず「監査法人(公認会計士)を決定」し、監査法人立会のもとで監査契約をしなければいけません。

続いて、「主幹事証券会社の決定」です。主幹事証券会社では、主に社内設備の指導、上場に必要な手続き、株式の販売などを行います。

主幹事証券会社の決定後、外部主要株主等から了承を得て、株式事務代行機関を設置します。

最後に、会社の上場に必要な書類などを完成させ、証券取引所に申請を行います。申請後、通常は2〜3か月程度で審査が終わり、上場承認を得ることで株式上場が完了となります。

ここからは、ガイアックス卒業生への過去のインタビューを引用しつつ、実際に上場を経験した現 上場企業経営者の体験談を紹介します。

上場経験者なしのチームでも、上場できるのか?

20代で上場を経験したアディッシュ株式会社 取締役執行役員経営企画本部長の松田光希さんは「経験者がいなくても、問題なくできる」と語ります。

27歳で取締役としてベンチャー企業の上場を経験して見えた景色

“やってみると、「こんなもんか」という感じです。上場って、もっと雲の上のことだと思っていたんです。でも、一度経験してみると、上場は限られた人たちだけが行けるようなところじゃないとわかりました。やるべきことをちゃんとやれば、絶対に通れる門なんだと知れたのは勉強になりましたね。

僕はアディッシュを上場させるために入社したので、現場の業務は一切引き受けていませんでした。僕が会話をするのは証券会社の担当者と監査法人と上場準備委員会だけ、という状態だったので、目的が明確でやりやすかったです。上場準備委員会のチームは、主に4名で頑張っていました。労務と法務の責任者を兼務している方と、経理部長と、管理本部長の杉之原さんがいて、そこに僕がジョインする形でした。僕がチームに入った時に、すでに型はでき上がっていたので、細部を一つずつ練り上げていった感じですね。”
» 27歳で取締役としてベンチャー企業の上場を経験して見えた景色

上場は大変か?

松田さんの経験では、「Wordを開いたら体が固まる」くらい大変だったそうです。

“忙しすぎてストレス過多みたいになって、軽いうつのような症状が出ていましたね。その時は難易度が高いタスクが溜まっていて、積み重なった疲労がキャパを超えた感じでした。Wordを開いたら身体が固まってしまうんです。最初はパソコンの故障だと思ったんですよ。でも、ちゃんと見たら僕がキーボードを叩いていなかった。それと同じタイミングで胃も痛くなり、病院へ駆け込むと「ちょっと休んでください」と言われて、そこから1ヶ月間は在宅ワークにしてなるべく遅くまで仕事をしないようにしました。やりたくてやっていることではありますが、それでも上場準備は負荷の高いプロセスだったなと、振り返って思います。

上場という経験は、どのような体験だったか?

アディッシュ取締役 杉之原明子さんは、「振り返ると筋トレのようだった」 と語ります。

akiko.suginohara
“会社を作り、管理本部を立ち上げ、上場を目指すことが同時に来ていたので、上場に耐えられる会社、そして管理本部を作る必要がありました。願わくば、ミッションが体現される制度を作ったり、内側の部分もしっかりやりたい思いが前提にありました。上場のプロセスは、診断項目が400個くらいある健康診断を受けている感じで、会社を筋トレさせるチャンスでしたね。特に管理本部は最前線で筋トレをするわけですけど、経営陣も「なぜこの会社が存在しているのか?」や「マーケットにどういうバリューを発揮する会社なのか?」などをステークホルダーへ明示しなければならないので、ミッションという意味でも会社として筋トレをする機会になりました。
» 悩んで、向き合い続けたからこそ切り開けた、上場ベンチャーの女性役員というキャリア

Yuji Ueda
そのほか、上場10周年を迎えた際のガイアックス代表上田のブログも、投資家から出資してもらった経験や上場に対する感覚についての参考になります。創業者の生の声が書かれた記事を見かける機会は多くないので、ぜひご覧ください。
» 上場10周年を無事迎えれたぞ、資本市場さん、ありがとう!

将来的に上場する起業家は、若手時代どのように過ごしていたか

ちょうど2021年11月に、クラウド型入退室管理システムAkerunを提供する株式会社Photosynth(フォトシンス)が上場しました。ガイアックス出身の河瀬航大さんが、代表取締役社長を務められています。

河瀬航大

河瀬さんは、オフィスの入退室管理をクラウド上で行えるという時代の流れに沿った事業を立ち上げ、上場にまで至った背景として、若手時代に「今まで存在しなかった市場を自分自身で開拓できた経験」が大きく影響していたと語ります。

“ガイアックス入社3年目に、ネット選挙の事業責任者という大きな経験をしました。
インターネットでの選挙運動が解禁されたことにより、選挙期間中に立候補者はソーシャルメディアで情報発信ができるようになったんです。そこで、それまで担当していたソーシャルリスニングで口コミなどをキュレーション・分析してレポートする仕事の経験を活かし、「ネット選挙が生まれたことで何が変わるのか」「どんなビジネスが生まれる可能性があるか」を立候補者へお話する中で、事業を作る前にマーケットを作ることができました。結果、ネット選挙が解禁された夏の日には、ガイアックスの株価が最大瞬間風速で約50倍上がるほどのインパクトを生むことができ、「時代の流れが読めると、ここまでの貢献ができるのか」と感じたのを覚えています。

「法律が変わるタイミングで市場を作り、その中で旗を立てて事業が生まれ、ニーズに沿ったプロダクトを作ることができてお金も稼げる。」

この一連のプロセスを、入社してわずか3年で体験させてもらえたことは本当に感謝しています。”
» 都内7.4%が導入するスマートロックを生んだ男|起業までの道のり

若手時代の過ごし方としては、入社3年目の時点で事業責任者として新規事業を牽引するなど、後の会社経営に活きる経験をすることができたことがわかります。

また、株式会社Photosynthの上場を記念して、代表である河瀬さんの活躍を振り返る記事を「スマートロックAkerunのフォトシンス代表 河瀬航大氏の活躍を知る動画/記事5選」にてまとめています。新卒入社〜上場まで、どのような時間を過ごされたのか垣間見ることができます。ぜひご覧ください。

スマートロックAkerunのフォトシンス代表 河瀬航大氏の活躍を知る動画/記事5選

 

これから会社を上場させたい若手経営者へ

上場経験者の体験談にあるように、上場は一筋縄でいくものではありません。

「なぜ上場するのか」「どうやって上場するのか」をはじめ、上場に必要な事業づくりのスキルや起業家として諦めないマインドは、上場を考えるのであれば不可欠だと言えるでしょう。

先述の河瀬さんのように、起業前に若手から新規事業をリーダーとして事業づくりを経験してみたいと考える方がいらっしゃれば、ガイアックスの門戸をぜひ叩いてみてください。現在、ガイアックスでは入社1年目から新規事業の事業責任者を務めるメンバーも数多く在籍しています。「早くからリーダーとして事業づくりの経験を積みたい」と考えている方は、採用ページもぜひご覧ください。

ガイアックス卒業生で株式会社Tokyo Otaku Mode 代表取締役社長の小高奈皇光さんは、
「もともと金融機関にいて、そこの仕事は面白いんですけど、ルーティンワークを激しくやるだけで、イノベイティブではなかったんですね。その時にガイアックスに出会って、みんな目がキラキラしているし、情熱的で、こういう人達が社会を変えていくんだろうなと感じて。社会を変えていくのは『スティーブ・ジョブズ』とか『ザッカーバーグ』みたいに金融のプロではないんですよ。情熱があって、それをどう具体化するかっていう熱いやつが突っ走ってガッて行くので、そういう集団に入りたいなと思って自分もガイアックスに入りました。起業家としてのキャリアを考えるのであれば、一つの選択肢として十分に検討に値する会社なのではないかなと思います。」
と、ガイアックスを語ります。

あえて最初から起業せずに会社へ入り、その中から新規事業の立ち上げにコアメンバーとして関わったり、あるいは自分で立ち上げた会社をスタートアップスタジオのリソースを使って、拡大していく。起業家が経営権を保持しつつ、自分以外の力を借りながら事業づくりに専念できる環境をガイアックスは用意しているので、上場するような会社を将来的に作りたい方や社会にインパクトをもたらす事業をつくりたい方は、ぜひガイアックスをキャリアの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?

新規事業立ち上げのプロへ事業アイデアを無料で相談してみませんか?

ガイアックスのスタートアップスタジオでは、ビジネスアイデアのカジュアル無料相談会「STARTUP CAFE」を毎月開催しています。 百戦錬磨のスタッフによるアイデアの壁打ちはもちろん、優れた事業アイデアには200万円の出資支援も。 相談内容に応じて、プロダクト開発やバックオフィス等の支援も提供しています。 「起業の成功確率を高めたい」「出資支援を受けたい」とお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご参加ください!

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「人と人をつなげて社会課題を解決するための事業」を作るために起業を考えている人に、投資とサポートを行っています。経理・労務などのバックオフィスからプロダクト開発の支援、事業責任者のメンタリングなど、投資するだけでなく、並走しつつ新しい事業を生み出します。起業する仲間を募集中。

 

起業家が目指すゴールの1つに、「企業の上場」があります。

上場を通じて、一般投資家からの投資による資金調達が可能になることは有名ですが、実は、他にも数々のメリットを得ることができます。

そのため、上場を目指すのであれば、「上場そのもの」の意義を理解しておくことは不可欠です。

また、実際に上場を目指すとなった際に、どのようなプロセスや準備が必要なのかを先回りして把握しておくことも欠かせません。

上場を意識した企業運営を起業当初からできていると、上場に向けた効率的な事業推進につながり、上場準備時に立ちはだかる厳しい上場基準をクリアできる確率が高まります。

今回の記事では、「上場」の意義や目的などを説明するだけでなく、自社からカーブアウトした企業が複数上場しているガイアックスの経験や、上場経験を持つガイアックス卒業生(現 上場企業経営者)のコメントをもとに、上場に至るまでのプロセスや体験談も含めて解説していきます。

上場とは?

「上場」とはどのような意味か?

まず、「上場」とはどのような意味を指すのかを以下の項目に沿って紹介していきます。

  • 「上場」の定義
  • 上場企業の種類
  • 上場企業と非上場企業の違い
  • 株式市場の種類

「上場」の定義

上場とは、「企業が発行する株式を証券取引所で売買できる資格」を証券取引所が各企業に与えることを指します。

上場を希望する企業は、証券取引所にて申請を行うことで上場が認められます。ですが、申請すれば全ての企業が上場できるわけではなく、証券取引所が定める基準(株式数、株主数、利益額など)を全て満たしている必要があります。

上場企業の種類

上場企業にも種類があり、ガイアックスが上場している名古屋証券取引所のほか、東京証券取引所や福岡証券取引所、札幌証券取引所などがあります。日本最大の証券取引所である東京証券取引所傘下の市場の場合は、下記のような違いがあります。

  • 市場第一部:株主数2,200人以上、時価総額250億円以上、流通株式数が多く(35%以上)、連結純資産が10億円以上の企業向けの市場
  • 市場第二部:株主数800人以上、時価総額20億円以上で連結純資産が10億円以上の企業向けの市場
  • マザーズ:時価総額10億円以上の企業向けの市場
  • JASDAQスタンダード企業:時価総額5億円以上で純資産2億円以上の企業向けの市場
  • JASDAQグロース企業:時価総額5億円以上で純資産が赤字ではない企業向けの市場

※詳しくは、日本取引所グループの「上場審査基準」を参照。

この中でも、市場第一部が大企業、マザーズに上場している企業はこれから成長が期待されているベンチャー企業となります。また、東京証券取引所以外の証券取引所としては、地方の証券取引所として、札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所があります。

上場企業と非上場企業の違い

上場企業と非上場企業の違いは、株式を公開しているかどうかです。

上場企業の場合は株式を公開しており、投資家が自由に企業の株を売買することができます。一方、非上場企業の場合は株式を公開していないため、株を売買することはできません。

そのため、上場企業の株は投資家に分配されていますが、非上場企業は株式はあるものの投資家へは公開されておらず、株式の所有は会社関係者や創業者などが所持しているケースがほとんどです。

株式市場の種類

株式市場には、「発行市場」と「流通市場」の2種類があります。

発行市場とは、各企業が新しく発行した株式を株式の発行者から直接取得する市場を指します。また、発行者から直接ではなく、代理人や仲介人を通じて取得する市場も発行市場に含まれます。

一般的に市場に流通している株は、発行市場で取得した株式が転売されて「流通市場」に流れてきたものです。流通市場とは、企業によって発行されている株式を投資家達が売買するための市場を指します。

よく聞く「証券取引所」は、この流通市場の中心に位置します。

上場するメリット・デメリット

続いて、企業が上場するメリットとデメリットをご紹介します。

上場のメリット

企業が上場するメリットは、大きく3つに分けられます。

一つは、投資家による株式購入を通じた資金調達です。その結果、企業の事業資金を増加させ、ビジョンに向けたさらなる事業推進を可能にします。

続いて、知名度・社会的な信用の向上です。企業が上場することで会社の知名度が高まり、金融機関からの信用度も高くなります。

信用度が高くなると、資金調達のハードルが下がったり、企業の商品やサービスの認知機会が増えるなどのメリットが生まれます。

さらに、企業の知名度が上がることにより、人材採用力の向上にもつながるメリットも生まれます。就職・転職の場面において、「非上場企業より上場企業に入りたい」という求職者に対してのアピール材料として、上場ステータスを活用する企業も少なくありません。

最後に、創業者や株を持っている出資企業のメリットとして、株式の換金性向上が挙げられます。上場により評価額が高まった自社株式を売買することで、財産形成や収益計上を図ることが可能になります。

上場のデメリット

企業が上場することによって生じるデメリットも存在します。

例えば、企業の上場を維持するためには年間上場料などのコストがかかります。

そのほか、監査報酬や株式事務代行手数料などの経費も発生するため、上場によってかかるコストは上場前から認識しておく必要があります。

また、株式が取引されることによって株式を買い占められるために、経営権すらも買収されてしまうといった可能性もゼロではありません。

会社を上場させるのは大変か?現上場企業役員の経験談まとめ

上場の条件

会社が上場するには、さまざまな条件をクリアする必要があります。

例えば、審査基準の厳しさが日本で最高クラスと言われる「東証一部」に上場するためには、「株主数:2,200人以上」・「流通株式:2万単位以上」・「流通株式比率:35%以上」・「企業の時価総額:250億円以上」・「純資産額:10億円以上」といった厳しい条件があります。

会社が上場するまでの流れ

会社が上場するまでの期間は「上場準備期間」と「申請年度」に分けられ、東証は約3年~4年、JASDAQやマザーズの場合は約3年程度かかります。

会社を上場させるためには、まず「監査法人(公認会計士)を決定」し、監査法人立会のもとで監査契約をしなければいけません。

続いて、「主幹事証券会社の決定」です。主幹事証券会社では、主に社内設備の指導、上場に必要な手続き、株式の販売などを行います。

主幹事証券会社の決定後、外部主要株主等から了承を得て、株式事務代行機関を設置します。

最後に、会社の上場に必要な書類などを完成させ、証券取引所に申請を行います。申請後、通常は2〜3か月程度で審査が終わり、上場承認を得ることで株式上場が完了となります。

ここからは、ガイアックス卒業生への過去のインタビューを引用しつつ、実際に上場を経験した現 上場企業経営者の体験談を紹介します。

上場経験者なしのチームでも、上場できるのか?

20代で上場を経験したアディッシュ株式会社 取締役執行役員経営企画本部長の松田光希さんは「経験者がいなくても、問題なくできる」と語ります。

27歳で取締役としてベンチャー企業の上場を経験して見えた景色

“やってみると、「こんなもんか」という感じです。上場って、もっと雲の上のことだと思っていたんです。でも、一度経験してみると、上場は限られた人たちだけが行けるようなところじゃないとわかりました。やるべきことをちゃんとやれば、絶対に通れる門なんだと知れたのは勉強になりましたね。

僕はアディッシュを上場させるために入社したので、現場の業務は一切引き受けていませんでした。僕が会話をするのは証券会社の担当者と監査法人と上場準備委員会だけ、という状態だったので、目的が明確でやりやすかったです。上場準備委員会のチームは、主に4名で頑張っていました。労務と法務の責任者を兼務している方と、経理部長と、管理本部長の杉之原さんがいて、そこに僕がジョインする形でした。僕がチームに入った時に、すでに型はでき上がっていたので、細部を一つずつ練り上げていった感じですね。”
» 27歳で取締役としてベンチャー企業の上場を経験して見えた景色

上場は大変か?

松田さんの経験では、「Wordを開いたら体が固まる」くらい大変だったそうです。

“忙しすぎてストレス過多みたいになって、軽いうつのような症状が出ていましたね。その時は難易度が高いタスクが溜まっていて、積み重なった疲労がキャパを超えた感じでした。Wordを開いたら身体が固まってしまうんです。最初はパソコンの故障だと思ったんですよ。でも、ちゃんと見たら僕がキーボードを叩いていなかった。それと同じタイミングで胃も痛くなり、病院へ駆け込むと「ちょっと休んでください」と言われて、そこから1ヶ月間は在宅ワークにしてなるべく遅くまで仕事をしないようにしました。やりたくてやっていることではありますが、それでも上場準備は負荷の高いプロセスだったなと、振り返って思います。

上場という経験は、どのような体験だったか?

アディッシュ取締役 杉之原明子さんは、「振り返ると筋トレのようだった」 と語ります。

akiko.suginohara
“会社を作り、管理本部を立ち上げ、上場を目指すことが同時に来ていたので、上場に耐えられる会社、そして管理本部を作る必要がありました。願わくば、ミッションが体現される制度を作ったり、内側の部分もしっかりやりたい思いが前提にありました。上場のプロセスは、診断項目が400個くらいある健康診断を受けている感じで、会社を筋トレさせるチャンスでしたね。特に管理本部は最前線で筋トレをするわけですけど、経営陣も「なぜこの会社が存在しているのか?」や「マーケットにどういうバリューを発揮する会社なのか?」などをステークホルダーへ明示しなければならないので、ミッションという意味でも会社として筋トレをする機会になりました。
» 悩んで、向き合い続けたからこそ切り開けた、上場ベンチャーの女性役員というキャリア

Yuji Ueda
そのほか、上場10周年を迎えた際のガイアックス代表上田のブログも、投資家から出資してもらった経験や上場に対する感覚についての参考になります。創業者の生の声が書かれた記事を見かける機会は多くないので、ぜひご覧ください。
» 上場10周年を無事迎えれたぞ、資本市場さん、ありがとう!

将来的に上場する起業家は、若手時代どのように過ごしていたか

ちょうど2021年11月に、クラウド型入退室管理システムAkerunを提供する株式会社Photosynth(フォトシンス)が上場しました。ガイアックス出身の河瀬航大さんが、代表取締役社長を務められています。

河瀬航大

河瀬さんは、オフィスの入退室管理をクラウド上で行えるという時代の流れに沿った事業を立ち上げ、上場にまで至った背景として、若手時代に「今まで存在しなかった市場を自分自身で開拓できた経験」が大きく影響していたと語ります。

“ガイアックス入社3年目に、ネット選挙の事業責任者という大きな経験をしました。
インターネットでの選挙運動が解禁されたことにより、選挙期間中に立候補者はソーシャルメディアで情報発信ができるようになったんです。そこで、それまで担当していたソーシャルリスニングで口コミなどをキュレーション・分析してレポートする仕事の経験を活かし、「ネット選挙が生まれたことで何が変わるのか」「どんなビジネスが生まれる可能性があるか」を立候補者へお話する中で、事業を作る前にマーケットを作ることができました。結果、ネット選挙が解禁された夏の日には、ガイアックスの株価が最大瞬間風速で約50倍上がるほどのインパクトを生むことができ、「時代の流れが読めると、ここまでの貢献ができるのか」と感じたのを覚えています。

「法律が変わるタイミングで市場を作り、その中で旗を立てて事業が生まれ、ニーズに沿ったプロダクトを作ることができてお金も稼げる。」

この一連のプロセスを、入社してわずか3年で体験させてもらえたことは本当に感謝しています。”
» 都内7.4%が導入するスマートロックを生んだ男|起業までの道のり

若手時代の過ごし方としては、入社3年目の時点で事業責任者として新規事業を牽引するなど、後の会社経営に活きる経験をすることができたことがわかります。

また、株式会社Photosynthの上場を記念して、代表である河瀬さんの活躍を振り返る記事を「スマートロックAkerunのフォトシンス代表 河瀬航大氏の活躍を知る動画/記事5選」にてまとめています。新卒入社〜上場まで、どのような時間を過ごされたのか垣間見ることができます。ぜひご覧ください。

スマートロックAkerunのフォトシンス代表 河瀬航大氏の活躍を知る動画/記事5選

 

これから会社を上場させたい若手経営者へ

上場経験者の体験談にあるように、上場は一筋縄でいくものではありません。

「なぜ上場するのか」「どうやって上場するのか」をはじめ、上場に必要な事業づくりのスキルや起業家として諦めないマインドは、上場を考えるのであれば不可欠だと言えるでしょう。

先述の河瀬さんのように、起業前に若手から新規事業をリーダーとして事業づくりを経験してみたいと考える方がいらっしゃれば、ガイアックスの門戸をぜひ叩いてみてください。現在、ガイアックスでは入社1年目から新規事業の事業責任者を務めるメンバーも数多く在籍しています。「早くからリーダーとして事業づくりの経験を積みたい」と考えている方は、採用ページもぜひご覧ください。

ガイアックス卒業生で株式会社Tokyo Otaku Mode 代表取締役社長の小高奈皇光さんは、
「もともと金融機関にいて、そこの仕事は面白いんですけど、ルーティンワークを激しくやるだけで、イノベイティブではなかったんですね。その時にガイアックスに出会って、みんな目がキラキラしているし、情熱的で、こういう人達が社会を変えていくんだろうなと感じて。社会を変えていくのは『スティーブ・ジョブズ』とか『ザッカーバーグ』みたいに金融のプロではないんですよ。情熱があって、それをどう具体化するかっていう熱いやつが突っ走ってガッて行くので、そういう集団に入りたいなと思って自分もガイアックスに入りました。起業家としてのキャリアを考えるのであれば、一つの選択肢として十分に検討に値する会社なのではないかなと思います。」
と、ガイアックスを語ります。

あえて最初から起業せずに会社へ入り、その中から新規事業の立ち上げにコアメンバーとして関わったり、あるいは自分で立ち上げた会社をスタートアップスタジオのリソースを使って、拡大していく。起業家が経営権を保持しつつ、自分以外の力を借りながら事業づくりに専念できる環境をガイアックスは用意しているので、上場するような会社を将来的に作りたい方や社会にインパクトをもたらす事業をつくりたい方は、ぜひガイアックスをキャリアの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?

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