2017年3月からTABICA訪日にて、訪日旅行者向けの体験サービスを運営している西村希です。(個人note:ニシムラタマキ@京都訪日観光

その中で、2018年8月からは「地元民との飲み歩き体験」を提供してます。

今や日本には多くの訪日旅行者が来てくださっています。繁華街のほとんどのお店が是非、訪日旅行者に来てもらおうと、お店の英語対応を始めています。

しかし、「メニューを英語にしただけ」のお店が多く見られます。残念ながら、それでは彼らを満足させることはできません。

ツアー内で訪日旅行者をお店に連れていき、彼らのコミュニケーションをとる中で、得た意見やヒントから、「本当のインバウンド対応」について提案します。

近年「インバウンド」というキーワードが色々なメディアやニュースで目にすることが多くなってきました。日本に訪れる海外からの観光客はオリンピックに向けて年々増え続けています。
飲食店も今では半分以上のお客さんが海外からの旅行者であるところも出てきているようです。それにあたり「インバウンド対策」に力を入れる飲食店も出てきているでしょう。

飲食店が「インバウンド対策」と聞くと、最初に手をつけるであろうものは
英語メニューの準備ですよね。
実際、私が住む京都でも英語メニューを用意する飲食店も増えてきました。今では繁華街の辺りでは英語メニューがないご飯処がないくらいです。

ですが、訪日旅行者と接していると、「メニューを見ても、何を頼めばいいかわからない」という声をよく聞きます。

ただ英語メニューを作るだけでは訪日旅行者に満足してもらう事は難しいようです。

このような英語メニューだと、旅行者には情報不足で選ぶことができません。

料理の名前だけかかれている

英語としては正しくかかれていても、そもそも、その料理を知らないので、料理名だけだとどのような料理であるかどうかが訪日旅行者にとっては想像し難いのです。

料理の写真がない

訪日旅行者にとってその料理は初めて見るもの、耳にするものかもしれません。
料理の名前があったとしても、それは訪日旅行者にとってはどのようなものなのかを想像するのは難しいでしょう。

メニューが簡素

日本語のメニューは和紙で作り、筆で手書き風にしたり、デコレーションを施していたり。でも、英語メニューは文字を打ち込んだものを印刷してラミネートしただけの白黒のかなり質素なもの。
日本語のメニューからはその店のこだわりや温かみを感じるのに、英語のメニューはなんだか質素で冷たい。とりあえず作ってみた感じがする。
残念ながら、こういう風になってしまっているお店はよく見かけます。

訪日旅行者が、自分の満足する料理を選んでもらうためにやるべきこと

英語でメニュー名だけではなく、説明文を書く
どのような材料が使われているのか、どのように調理されているのか、それはアペタイザーなのか、メインなのか、またどのような味付けなのかを付け加えてあげること。そしてできるだけ訪日旅行者が知っているであろう知識を使って説明する事も重要です。
例えば、インド料理に「サモサ」という料理があります。インド料理レストランに行った時にメニューに「サモサ」とだけかかれていてもどのような料理かわからないですよね。でも、野菜やじゃがいもをすりつぶしたコロッケという説明を受けるとその食べ物がどういったものかの想像がつきやすいですよね。

また、直訳した英語だけを書いてしまっているメニューは多いです。

・朝採れ京野菜のサラダ
・カリカリジューシーな京地鶏の唐揚げ

せっかく、このように日本語ではシズル感溢れるメニューの名前であっても英語にすると、

Vegetable salad
Fried Chiken

となってしまっているメニューはよく目にします。

英語でも、日本語メニューと同じです。メニューを見た人の食欲を湧かせるような
シズル感をメニュー上で表現することはすごく大事です。

例えば、

・Crispy(カリカリの)
・Tender(やわらかい)
・Authentic(伝統的な/本物の)

などの形容詞をつけてあげることで、読んでいる旅行者の印象は変わることでしょう。

訪日旅行者にとってどのように説明すればわかりやすいメニューとなるか、工夫をしてみましょう。

すべてのメニューに写真をつける

すべてのメニューに写真を載せましょう。
訪日旅行者の期待値にできるだけ近いものを提供するためにも写真を載せる事はとても有効です。
実際の料理と訪日旅行者の料理に対するイメージを合わせる事は彼ら・彼女らの満足度を高めるためにもとても大切なことです。

おすすめがわかるようにする

お店のおすすめは必ず英語のメニューにも書くようにしましょう。
日本語のメニューにはおすすめは書いてあることが多いですが、英語のメニューには書いていないことが多いです。

日本語が読める私たちでも新しいお店に行った時には何を注文するか迷いますよね。訪日旅行者にとってメニューのほとんどが見たことも聞いたこともないような料理が並ぶ中から選ぶのは至難の業です。訪日旅行者は「うちではこれを食べるべき!」とお店から積極的におすすめして欲しいのです。そうすることによって訪日旅行者は迷わずに注文ができます。

どれを食べたらいいか?と質問された場合

以上のことをしてもコミュニケーションを取りたがるお客さんもいるでしょう。
それはいいサインです。彼らが興味をもってくれているということです。これに応え、訪日旅行者が喜ぶような体験をあなたの店でする事ができたら、彼ら・彼女らの満足度はとても高いものになるでしょう。

おすすめする前に、彼らにいくつか質問してみましょう。

彼ら・彼女らは旅行で来ています。彼ら・彼女らが日本にいる時間は限られています。一つ一つのご飯の時間が重要なのです。
そのお店に来たからには、満足のいくものを食べたいと思っているでしょう。

個人によって味の好みはあるでしょう。濃い味のものかさっぱりしたものを食べたいのか。たくさん食べたいのか、そうではないのか。また新しい食べ物にチャレンジしたいのか、食べたいものがあるのか。

例えば、以下のような事をきいてみましょう。

・食べたいものありますか?
・旅行中に何を食べましたか?どういう食べ物が好きですか?
・新しい料理にチャレンジしたいですか?
・どれくらいお腹が空いてますか?

後は、自分が「これだ」と思うものを自信を持っておすすめしてあげてください。
相手を思って、要望に答えようとする姿勢そのものが大事です。

理想的な対応しているお店の紹介

士心 Samurai Cafe & Bar

https://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g14124519-d2170569-Reviews-Shishin_Samurai_Restaurant_Honten-Nakagyo_Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html

烏丸御池付近にある、京都の古き町屋をオーナー自身が改装して作られたこのお店は、一歩お店の中に入れば、江戸時代にタイムスリップしたような気分にさせてくれます。こちらはほとんどのお客様が訪日旅行者。TripAdvisorでも上位に掲載されており、非常に旅行者の満足度の高いお店です。従業員は皆、インバウンド対応に向けてしっかりトレーニングされており、英語でコミュニケーションを従業員自ら取りに行く事や、色々な侍にまつわる日本文化の紹介を食事中のゲストに向けて実施しています。ビーガン、ベジタリアン、グルテンフリーの対応をしており、メニューにも記載されています。

いとう

https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26017050/

紫野鞍馬口通りにある地元の定食屋さん。とっても丁寧であたたかい接客をする奥さんが料理を出してくれるのが評判です。付近に住む常連さんの訪問が多い。最近ではホステルが付近に多く建ったため、旅行者の訪問も多いそうです。英語のメニューが用意されていますが、日本語のメニューがペライチなのに関わらず、英語版は一冊の本の状態になっており、料理のタイトルだけでなく、細かい説明が料理の写真の下に一つ一つ書かれています。

終わりに

食はエンタメ。訪日旅行者向けにとったアンケートで訪日旅行者が日本に来る前に一番楽しみにしている事は「食」という結果があるほど、食は旅ナカの「日本文化体験」の大きな要素の一つとなっています。数多くある食事処の中からあなたの場所を選んでもらったのであれば、訪日旅行者に「ここを選んで良かった」と、最高に喜んでもらいたいと思いませんか。

そのような思いで飲食店を営む皆さまには、私たちができる事を出来るだけサポートさせていただきたいと思ってます!

ほなね!

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