日本最大のシェアリングエコノミーのカンファレンス「SHARE SUMMIT 2020」が、今年はオンラインで2020年11月16日に開催が決定しました。
この「SHARE SUMMIT 2020」は、シェアリングエコノミー協会が主催するもので、例年はチケットの定価が15000円の設定となっていましたが、オンライン化に伴い本年度は参加料が無料!参加予定人数はすでに2500名を超え、参加者枠が5000名へ増員されました。
今回は、平井デジタル改革担当大臣、西村経済再生担当大臣の現職大臣が2名登壇、その他にも37名の豪華な登壇者がラインナップされています。

今回はそのシェアサミットの内容や、シェアリングエコノミー協会の代表理事であるガイアックス上田代表のシェアサミットに対する思いなどについて、インタビューでお話しいただきます。

Yuji Ueda

上田 祐司

株式会社ガイアックス代表。
1997年の大学卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で名証セントレックス市場へ上場。
社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事を務める。同志社大学経済学部卒。

シェアリングエコノミーを社会や個人がどう受け入れるべきなのか、出てくる課題にどう対処すべきなのか、それらについて理解を深めます

 

ー シェアサミットとはどんなカンファレンスですか?

「どのように社会や個人がシェアリングエコノミーを受け入れるべきなのか、また出てくるであろう課題にどう対処すべきなのか」を多くのセッションを通じて、参加者の皆さんと理解を深めていく目的のカンファレンスです。今後、シェアリングエコノミーは、日本経済や日本人の生活に影響を更に及ぼしていくものとなるでしょう。
このカンファレンスには、特にプラットフォームの運営企業の方、シェアリングエコノミー関連のビジネスをしている人、シェアリングエコノミービジネスでホストをしている人、また今後、法人・個人の立場からシェアリングエコノミーの参入に関わりたいと思っている方に、特にご参加頂きたいと思っています。

ー シェアサミットとガイアックスの関わり方は?

シェアサミットを主催するシェアリングエコノミー協会は、株式会社スペースマーケット代表の重松大輔さんと私が代表理事で、2016年に設立しました。
元々ガイアックスでは、シェアリングエコノミーのイベントや交流会を頻度に開催していました。その時期に、現デジタル改革担当大臣の平井さん、そして重松さん、元ガイアックス社員で現在ADDressの代表の佐別当さんの4名で「日本でシェアリングエコノミーを普及させるにはどうしたらいいのか」という話をしていた際、現平井大臣の方から「個者で活動するのではなく、団体で活動した方がいい」というアドバイスを頂き、シェアリングエコノミー協会を設立するに至ります。また、重松さんには、ガイアックス社内勉強会で講演もして頂いた関係でもありました。
シェアリングエコノミー協会には、ガイアックスグループと関連する企業や投資をしている企業、Nottecoロコタビお寺ステイなどが、会員に入会し、協会の活動に関わっています。
今回、このシェアサミットでは、私以外に、グループ/投資先である、TRUSTDOCKの代表の千葉さん、投資先でもある協会理事の佐別当さん、ガイアックスの社外取締役も務めて下さっている石川善樹さんもパネルディスカッションに登壇予定となっており、TABICA、ロコタビなどがシェアサミットブースへ出展する予定です。

2017年のシェアサミットの様子
2017年のシェアサミットの様子

シェアリングエコノミーが普及するために、法律や社会のルールを整備する取り組みを行っています

 

ーシェアリングエコノミー 協会では、どんな活動をしているのですか?

シェアリングエコノミーが普及するための法律や社会のルールを整備することが一番苦労している部分で、それを解決するために協会で様々な取り組みを行っています。
国外団体と連携し、国際標準化[ISO]を推し進めたり、政策提言やシェアリングエコノミー認証普及、最近では2017年から官民あげて推進してきた地域課題をシェアリングエコノミーで活用する事例作り「シェア・ニッポン100」、シェアリングエコノミー協会が独自の基準でシェアリングエコノミーを推進している自治体を認定する「シェアリングシティ認定」を引き継ぎ、発展的に推進していく体制として「シェアリングシティ推進協議会」を設立しました。
その他にもシェアリングネイバーズというコミュニティや全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)などと連携協力をし、災害支援への取り組みも行っています。

一般社団法人シェアリングエコノミー協会

Sharing economy association

シェアリングエコノミー協会は、シェアリングエコノミーの市場発展へ向け、2016年1月設立以来、シェアリングエコノミーを支える唯一の業界団体として、法的な整備をはじめとする様々な取り組みを実施してきました。今後ともさらなる発展に向けて活動して参ります

一般社団法人シェアリングエコノミー協会詳細へ

日本は諸外国に比べ、シェアリングエコノミービジネスを行っている絶対数が少なく議論すら巻き起こらない、その議論を起こしたい

 

ー シェアリングエコノミーを日本で今後普及させるには、どんなことが必要でしょうか?

シェアリングエコノミーは、個人が個人にサービスを提供する枠組みです。
昔は企業が個人にサービスを提供していました。当時は売り手優位であり、劣悪な会社も多く、各種のメディアも発展途上であり、またインターネットなど存在しなかったため、消費者を守るために、それらの企業を縛るものとして、各業界ごとの業法で厳しくルール化していました。そこから、時代は変わり、テクノロジーが進み、当時からすると信じられないことに個人としてピンポイントでサービスを提供することが可能になりました。
作りすぎてしまったカレーを隣の人にシェアすることもシェアリングエコノミーで可能になったのです。そして、世界中ではそういったことが沢山行われています。
ただ、日本では法律での位置づけを厳格に捉えすぎていて、あるべき姿ではなく、昔作った法律に適合しているかどうか、という部分に全てのステークホルダーが影響を受けている状態があります。
世界的にはライドシェアや民泊も、業法はあったけれど、当たり前ですが、ホテルの業法と自宅の空いた部屋に旅行者を受け入れるということは、「それとこれとは別だ」という風に普及していき、その結果、シェアリングエコノミーに携わる人が増え、結果として、今となっては、両陣営でシェアリングエコノミーについての議論や対立が生まれている状態になりました。
一方、日本では、明らかに関係がないのに厳格に法律を読み取り、ほとんど、動けていない状況があります。
結果、既存産業は守られ、結果的に犠牲になっているのは個人です。個人と個人がインターネットを使い繋がることではサービスを享受できず、私たち個人が損害を受けている状態があるのです。

海外ではすでに多くの人がシェアリングエコノミーを実施していて、議論が今起きている状態があります。だけれど、日本はシェアリングエコノミービジネスを行っている絶対数が少なく、議論すら巻き起こらない状態。
ライドシェア一つとっても、アジアで禁止されているのは、もはや日本や北朝鮮くらいでないか、と思うのですが、実際に海外ではそのライドシェアを生活の柱としている人が多いことなどもあり、シェアリングエコノミーについての議論が巻き起こりますが、日本だとその議論が起きない。
本来、個人が隣人の個人に対してサービスを提供し、お互いハッピーになるべきであり、その議論を、このシェアサミットで起こすというのも一つの狙いです。

あるべき姿なのにもかかわらず、昔のルールが残っていることでシェアリングエコノミーが普及していない、それはおかしい

ー シェアリングエコノミー協会を立ち上げるに至った「思い」とは?

それまでガイアックスは、個人が個人に対して情報を提供するというソーシャルメディアのビジネスをしていました。シェアリングエコノミーというのは、個人が個人に対してリアルも絡めてサービスを提供するという事業分野で、私達のソーシャルメディアの延長線にあるものでした。
個人が個人に情報発信するソーシャルメディアでは法律規制がなかったため、国や法律に関わる必要がありませんでしたが、リアルな世界で個人が個人に対して何かやろうとすると、業法という課題があらゆる部分から出てきました。
諸外国を見ると、シェアリングエコノミーの制度は整っていて、それが普及している。
一方日本では、本来論としてもあるべき姿がなのにもかかわらず、昔のルールが残っていることが原因でシェアリングエコノミーが普及していない。そして「それはおかしい」と思っています。

ますますシェアリングエコノミー・ギグエコノミーのサービスモデルが役に立つシーンが増加する

 

ー 新型コロナウイルス感染症の影響によるシェアリングエコノミーの変化とは?

全体のトレンドとしては,デジタル化・リモートワーク化が進むにつれ,ますますシェアリングエコノミー・ギグエコノミーのサービスモデルが役に立つシーンが増えると思っています。
リアルで人と会えないということがボトルネックとなり、売り上げの激減が余儀なくされている旅行産業やイベント産業などには周知の通り、大きな影響が出ています。
ただ、ベビーシッター・家事代行サービスやデリバリ・宅配サービスといった自宅で過ごす時間が増えたことによって、自宅で過ごす人に向け利用が高まったサービスもあります。
その他にも通勤をマイカーに変更した人が増加した影響で、駐車場のシェアサービスやイベントスペースや会議スペースシェアのサービスを利用し、自宅近くをワーク環境としている人も増加しています。
クラウドソーシングなどのオンライン完結型シェアリングエコノミーのカテゴリではすでに数割以上の伸びを出しています。今までより副業が簡単に開始できるようになり、リモートワークが主要因となって、会社や組織の役割自体が継続して減少していき、ギグエコノミーの伸びの傾向は不可逆的なものとなっていくことでしょう。
また、今回の新型コロナウィルスの影響により、人々のライフスタイルにも大きく変化が生まれ、マンションの一階にある24時間営業のコンビニでいつでも醤油を買えるというセーフティネットより、地域でいつでもご飯をおすそ分けしてもらえるというセーフティネットの方が幸せであるということに気付くきっかけにもなったと思います。
地域で車を貸しあったり、子どもを預かりあったり、という、経済指標とは逆行するものの、こういったコミュニティ型のシェアリングエコノミーを、いまこそみんなでこういう社会を目指したいと考えています。

ー 今回のシェアサミットの見どころは?

今回、平井デジタル改革担当大臣がオープニングから挨拶をしてくださいます。
ガイアックスとしては、2013にソーシャルメディアの「Truthteam」に参画し、自民党のネット選挙への活用に対しサポートを行ってまいりました。
そこからのご縁で、当時から指揮をされていた平井現大臣と出会い、シェアリングエコノミー協会立ち上げに繋がっています。
平井大臣は、自民党随一にネットにお詳しい方で、議員という垣根を超え、先を見通した動きをされていらっしゃる稀有な方です。また、議員としてネット推進化の陣頭指揮をとるという面でも、まさに日本のデジタル改革担当大臣に適任な方でいらっしゃると思っています。
今年、デジタル改革担当大臣に就任されたタイミングで、シェアサミットでオープニングからお話をいただけるとのことでしたので、どんなお話をいただけるのかと今から楽しみで、最初から見逃せません。

日本では、大手企業とシェアリングエコノミー事業者が協業しながら普及を図っていくスタイルが多い印象で、そのやり方が日本にフィットしているものだと思っています

 

ー 今後の日本のシェアリングエコノミーについて、上田さんのビジョンをお聞かせください。

個人と個人がダイレクトに繋がることができるため、直接人が人にサービスを提供し、助け合うことができるCtoCの仕組み。資本主義に代替するものとしてシェアリングエコノミーの普及を目指したいと考えています。
資本主義社会にあったような、過剰に売り上げを上げよう、過剰にものを買わせようということがなくなり、消費者同士で助け合いながら、消費者同士が目の前にいる消費者を助けるべく、適切なサービスを提供すると、結果的に世の中の人が世の中のことを考えながら、全体的に効率的でハッピーな社会になると考えています。

他国の話に触れると、最近のシェアリングエコノミーは、国ごとに普及の仕方が違います。

ベンチャーキャピタルから多大なお金をもらい、独占させ、収益性を高めようとするアメリカ型もあれば、グローバルで効果を発している有効な施策であるシェアリングエコノミーを国家主導で運用している中国。市民運動として、みんなで助け合おうとシェアな文化を育むヨーロッパ型。
そして、日本では、国民が安心できて日頃の生活インフラを支えてくれる大手企業に対する信頼が高い国民性があります。
実際に大手企業が国民の生活にしっかり深く入り、高いオペレーションレベルで高いサービスを提供しているケースが多いように思います。日本では、他の企業を駆逐しながら、お金を集めて産業を破壊していくよりも、大手企業と、ある部分では協業しながら消費者に普及を図っていくスタイルが多い印象で、そのやり方が日本にフィットしているものだと思っています。
実際シェアリングエコノミー協会の会員企業は基本ネットベンチャーが多いのですが、会員企業の何割かは大手の企業にも入会して頂いていて、そこの提携からシナジー効果が生まれているケースも多くあります。
シェアサミットでも、そのシナジーを見つけて、日本を変えていく道筋で動いていきたいし、シェアサミットがそのきっかけになればいいなと思っています。

ー 最後に、記事を見ている方へ伝えたいことはありますか?

例年は、有料のイベントですが、今年はシェアサミットがオンラインで無料開催されます。
平井デジタル改革担当大臣、西村経済再生担当大臣の現職大臣が2名はじめ、あらゆる業界から39名が登壇予定です。
メインセッションの他にも、夜の部のプログラムとして、お寺ステイやTABICA、ミート芸者などがシェアサービス体験ブース部屋を提供しています。家にいながらお寺に修行に出かけるオンライン宿泊体験や、箱根芸者によるオンライン御座敷体験を開催しています。
事前予約必須ですので、事前予約をした上で、お気軽にご参加ください。

シェアリングエコノミーに興味のある方は「SHARE SUMMIT 2020」

2020年11月16日に開催されるシェアサミットでは、今後のシェアリングエコノミーやシェアサービスの課題、新型コロナウィルスの影響によってどのような打撃があり、どのような解決が必要なのか等、利用者や事業者の視点からなども議論がもたれます。
今後、ますます注目を集めるであろうシェアリングエコノミーの提供や利用。モノを「所有する」という概念から「シェア」という概念へ、社会はどのようなニーズをもち変化していくのか。市場規模も大きくなるであろうシェアリングエコノミー業界において、今後の流れや展開を直接知ることの出来る年に一度の機会です。
普段の生活の中で、我々のライフスタイルはどのように変化していくのか、そしてシェアリングエコノミーは我々にどんなメリットをもたらすのか、これを機に一度考えてみるのはいかがでしょうか?

 

インタビュー・ライティング 遠藤桂視子

日本最大のシェアリングエコノミーの祭典「SHARE SUMMIT 2020」

本年度の日本最大シェアリングエコノミーの祭典「SHARE SUMMIT 2020」は、オンライン無料開催、そして西村大臣/平井大臣はじめ39名が登壇します。Airbnb共同創業者ジョー・ゲビアのスペシャルコンテンツも。シェアリングエコノミーで未来をどう描くべきなのか、#地方移住 #SDGs #観光レジリエンス #ウェルビーイングなど…様ざまなキーワードから12のセッションを予定しております。

日時:2020年11月16日(月) 12:30-21:00 ※途中入退場可
会場:オンラインプラットフォーム活用
参加費:無料
主催:一般社団法人シェアリングエコノミー協会
対象:協賛企業 / 新規事業担当者 / 経営企画 / 官公庁職員 / 自治体職員 / シェア事業者 等
参加者数:5,000名予定(増枠しました)

SHARE SUMMIT 2020 詳細
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上田 祐司

上田 祐司

1997年の大学卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で名証セントレックス市場へ上場。
社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事を務める。同志社大学経済学部卒。