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TABICAのオンライン体験イベントで見えた新たな世界

  • 最終更新: 2023年11月9日

好きなことを体験として販売できるシェアサービスTABICAは、今まではオフライン交流体験を提供していましたが、コロナウィルス対策として交流の場をオンラインにシフトチェンジしています。先日、子供の日に開催した「親子でオンライン体験フェス」の参加者はのべ7,500名と大盛況。そこから見えたものやオンラインならではの価値提供や、今プラットフォーマーとして抱える葛藤などを、TABICAファウンダーの細川哲星さん(@TABICA_Tessei)に語ってもらいました。

※TABICAは2021年8月、ainiとしてリニューアルされました。

オンライン体験のニーズを感じた3つのトピック

ー現在TABICAではコロナの影響を受けて、どんな変化がありますか?
大きくいうと3つの要素がありますね。
1つ目は、一時はコロナの影響で予約数がガタ落ちしたのですが、今はコロナ以前と変わらないくらいまで体験への参加者数は盛り返しています。オンライン体験は現状では単価が低めなので、そこはまだ課題がありますが、参加者数に関しては、この短期間でここまで復活しているのはすごいな、と思います。
2つ目は、体験の内容によっては、オンラインの方がフィットしていて、満足度が高いのではないか?という感覚を得始めていることです。
その事例が2つあるのですが、その1つはオンラインスナック
ホストさんがママさん的なファシリテーターとなって、知らない方達が集まる場を盛り上げています。ホスト側も参加側も気軽に参加できることも、伸びてきている要因かなと思います。今までスナックをやっていた方がオンラインでもスナックを始めたり、今のタイミングで初チャレンジしている方もいますし、インフルエンサーの方々も積極的に利用してくれたりしています。オフラインではハードルが高い体験でも、オンラインだと広がりやすいという実例を見られたのはとてもいいですね。
TABICAオンラインスナックの特集ページがありますので、気になる方はこちらを要チェックです!
https://tabica.jp/entry/featuring/online-snack/
もう1つの事例が、オンライン料理教室
家から参加できる気軽さはもちろん歓迎されているのですが、オンラインならではの価値もありまして。オフラインでの料理教室だと、スタジオやホストの家でやるので、機材とか特殊な環境で体験するので、家に帰ると再現できなかったりしますよね。でも、オンラインで家から参加すると、自分が持っているいつもの調味料や調理器具を使いながら体験できます。オンラインならではの価値、というのがここでもとても顕著に表れています。
3つ目は「親子でオンライン体験フェス」を開催し始めたこと。まずはこどもの日(2020/5/5)に初回をやってみたのですが、述べ7500名の参加者が集まり、個人ホストの方だけではなく水族館や動物園などのご協力もあり、60コンテンツくらい集まりました。まだ実験的な取り組みではありますが、今後も月一回くらいのペースで開催していきたいと思っています。
今回1番面白い発見だったのは、ここでもオンラインならではの体験価値を発見できたことです。例えば水族館の企画だと、今回はクラゲをご紹介いただいたのですが、今度は水槽に入った飼育員さんが水中カメラを持ってリアルで魚の歯を見せる企画だとよりオンラインの価値が発揮されるね、という話をしたりしていて。オンラインだと参加者から「もっと近づいて~」とか「ここが見たい~」と飼育員さんにリクエストできたりするんです。これは水族館に行ってもなかなかできない体験ですよね。動物園の体験でも、飼育員さんが動物の近くに行って、お尻を映してくれたりとかするんです。動物園に行っても、そこまで近くで動物と戯れているような感覚を得られることはないので、新鮮でした。
TABICAとしては、現地でのリアルな体験やつながりを大事にしていきたいと思っていますが、今のこの状況ではオンラインでの価値も追求していきたいですね。オフラインをオンラインにのせて、出来るだけオフラインに寄せる、という形ではなくて。オンラインならではの価値、というものを作っていきたいと思っています。

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オンラインのチャリティー感を変えるTABICAのチャレンジ

ー順調にオンライン体験の検証が進んでいるような印象ですが、どんなところに課題を感じていますか?
オンラインの体験にはまだ価格がつきにくい印象があるところですね。まだボランタリーな空気感や、チャリティー感が強くて・・・だからこそ協力者も集いやすいのですが、ビジネス的にはまだまだハードルがたくさんあると感じますね。
オンラインならではの価値がある事が伝えていければ、価格をつけていくことも可能になると思うので、TABICAとしてはそこの体験価値を高めていきたいし、ホストさんとチャレンジしていきたいところです。
ー参加者数は盛り返しているとの事ですが、売上ベースで考えるとどのような状況ですか?
オンラインの体験の価値がまだ発見されておらず、チャリティー感があるというのが現状かと思います。オフラインの体験の価格に比べると、同じ種類の体験でも1/6〜1/7程度になっているのが今(5月15日地点)での状況です。なので、売上としてはまだまだ厳しい状況が続いています。
TABICAは有料のプラットフォームだから価格をつけやすくて、ホストさんコンテンツを売りやすいメリットがあるので、その構造を変えるのはよくないと思っています。
ただ、一方で「TABICAがオンライン体験のマーケットや体験価値をホストの皆様と一緒に作りに行くんだ!」という気持ちもありますので、今この瞬間は「親子でオンライン体験フェス」のような無料のイベントも啓蒙活動として積極的に仕掛けていきたいなと思っております。
ー平均単価が低いのは、今までやっていたホストさんが前と違う形の体験を提供しているから、対価を低めに設定して体験単価が落ちているという構造ですか?
コロナウィルス対策から最初の1ヵ月は、オンラインでの体験提供は初めてということもあり、ホストさんがチャリティー的なお試し価格でやっていました。でも、ホストさんもそろそろ価格をちゃんと上げていきたいと思っていると思うので、そこをどうサポートしていけるか、プラットフォームとしてちゃんと考えていきたいですね。

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tabica

今後のTABICAはオンラインの啓蒙活動家?!

ー今後、TABICAとして何を大切にしながら、活動をしていきたいと考えていますか?
TABICAは個人同士の交流を大事にしてきていて、NPS(ネットプロモータースコア)がとても高く、満足度評価0〜10の11段階評価で70をキープしていまして、平均値は9以上をキープしている状態です。これからも、人と人とがオフライン/オンラインに関わらず密に…あ、密って一番言ったらダメですよね(笑)。深く交流してもらえる場所を作りたいと思っています。
オンラインならではの交流の仕方、遊び方、ブレイクアウトルームの活用方法とか色々あると思うんですよね。そこをTABICAのスタッフ自らホストをやりにいって肌感で覚えて、ノウハウもためていっています。そして、それをオンラインでの交流の秘訣として、毎週開催しているホスト説明会やblogで発信しています。
オンラインでも、ユーザーさんとホストさんの深いつながりを生み出すサポートをするのがTABICAの新しいチャレンジです。ホストさんやユーザーさんに提供したい価値は同じだけど、形が変わって違うノウハウが必要になり、違うやり方になりますからね。
僕たちの活動は、オンライン活用の啓蒙活動的な側面もあるのかなと思います。「親子で体験フェス」をやったときに気がついたのですが、Zoomを初めて利用した人が1/2くらいいたんです。IT業界にずっといるともうZoomは浸透している感覚になってしまうけど、世間一般の感覚とはズレているんだろうな、ということを感じました。だからこそ、自分たちの持っているノウハウをもっと広く展開していけたらいいですよね。
ー最後に読者の方々に、一言お願いします。
TABICAはオンラインも充実してきているので、ぜひウェブサイトをのぞいてみてください。また、次回6/6に第2回親子でオンライン体験フェスが開催予定です。こちらもご参加いただけたら楽しんでいただけると思いますので、よろしくお願いします!
https://tabica.jp/travels/21544

インタビュアー:荒井智子
文:西岡昌子

◆ 6/6(土) 9:30-15:00 親子でオンライン体験フェス〜 #おうち時間 を楽しもう〜
前回7,500人の親子が参加した「親子でオンライン体験フェス」第2回目の開催です!
https://tabica.jp/travels/21544
◆ 5/29(金) 20:00-22:00 コロナ時代 立ち止まらないリアル事業のオンライン化の実際 〜飲食・体験・就活サービスの挑戦を語る〜
インタビュイーの細川、インタビュアーの荒井が登壇するイベント。飲食・体験・就活サービス事業を行う同期入社の3人が現状とこれからの挑戦を語ります。https://www.facebook.com/events/2642522402696326/

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西岡 昌子
GRiD1階にある「tiny peace kitchen」で仕入れとイベント系窓口業務対応。
2015年、当時Gaiax子会社だったadishに入社。配属先のCSD事業部で慣れないアプリゲームのカスタマーサポートに四苦八苦の日々を送るも、タイニー創業者の智子さんがタイニー前身の「まいにち食堂」をスタートし、美味しいご飯と雰囲気に癒された経験から今に至る。


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