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【現地レポート】日本最大級のweb3カンファレンス「IVS 2023 KYOTO」の出展から見えた、DAO市場の“イマ”

  • 最終更新: 2023年9月13日

2023年6月28〜30日の3日間、日本最大級のスタートアップweb3カンファレンス「IVS 2023 KYOTO」(以下、IVS)が京都府で開催されました。国内外から約1万人が詰めかけ、700名を超えるスピーカー、250セッションが組まれるなど、会場は熱気に包まれました。
ガイアックスからは、web3事業本部長を務める峯荒夢と、DAOによる土地開発プロジェクトを手掛けるPlanetDAO西村環希の2名が登壇。ブース出展では、DAOを体感できるコーナーを設け、多くの来場者と知見を交換しました。
今回は、ブース出展を行ったweb3事業本部の秋田谷蘭さんと山本周雅さんの2人へインタビューし、イベント当日の会場の様子や来場者との会話から見出した市場動向についてお届けします。
秋田谷蘭

秋田谷 蘭

開発部・comliveサービス責任者

学生時代のインターンで、Webマーケティングや営業・カスタマーサクセスを担当。自分たちの手で事業を作っていく面白さに惹かれ、ガイアックスへ入社。企業向けオンラインイベントの企画/運営サービス「comlive(コムライブ)」の運営を経て、現在はDAOコンサルティング事業のマネージャーを務めている。

山本周雅

山本 周雅

web3事業本部・DAOコンサルタント

京都大学総合人間学部7年。株式会社カタルシス 代表取締役/京大起業部 部長。 「個人や組織の創造性の開花」をテーマに、語り合いの場の創出、ビジネスコンテストの開催、暗黙知の伝承などの活動を展開しています。

「IVSをDAO化したらどうだろう?」。大熱狂の会場に“DAO”で存在感を示す

今回ガイアックスがIVSに参加した理由について教えていただけますか?

山本:web3に興味関心を持つ人がこれほど多く集まる場所はここしかないだろうと感じたからです。普段会えないような方とも接点を持つことで、新たな案件が生まれたり、最新の市場ニーズを捉えることを期待して、出展を決めました。
私たちがDAO組成に関する研修・コンサルティング事業を展開するなかで、DAOの認知度がまだそこまで高くないと感じることも多かったことから、今回の出展ではDAOの概念を知ってもらったり、「DAOっておもしろいんだ」「こんな形で活用できるんだ」と肌で感じてもらえる機会を提供できたらと考えました。

IVS2023

ブース出展にあたりどのような企画を準備しましたか?

山本:「IVS全体をDAO化して、実際にDAOを体験してもらおう」というコンセプトのもと、「交流・散策でトレジャリーをゲットするんDAO」と題して、来場者同士が会場内を散策して交流することでDAOの世界観を体験してもらえる企画を実施しました。

読み込むとNFTが獲得できるQRコードシールを全5種類ほどガイアックス側で用意し、ブースを訪れた参加者にはそのうちの1種類を参加者パスの裏側に貼ってもらいます。

その後、会場内で自分以外のQRコードを持っている人を探して互いに読み取り、5種類すべてのQRコードを読み取ると景品がもらえる、という流れでコンテンツを企画しました。

秋田谷:景品に関しても、参加者の投票で何が景品になるかが決まるようにすることで、DAOのエッセンスを体感してもらえるように設計しました。

IVS会場の中での交流を促進する目的だったので、「会場内でたくさん交流をした人=NFTの獲得数が多い人=DAOへの貢献が大きい人」という形で、この企画への参加度が高い人ほど投票権の比重が大きくなるようにも設定していたので、よりリアルな感覚でDAO企画に参加してもらえたのではないかなと感じています。

IVS2023

IVS2023

工夫した点や苦労した点について、教えていただけますか?

山本:DAOを知らない方でも「これなら参加できそうだ」と感じてもらえるよう、カメラ1つで参加できるように参加ハードルを低く設定しました。

ただ、予想以上に会場が人でごった返しになっていたので、スペースの関係でQRコードの読み取りをしてもらいづらかった点は反省点でしたね。

あとは「DAOへの貢献」についても、一般的にイメージされがちな「貢献」とは違うものとしてメッセージングできればと工夫しました。

DAOは貢献すればするほど自分が影響力を持てるようになる仕組みですが、「タスクを行う」などの実質的な労働に対してリワード(=報酬)が与えられることがほとんどで、それ以外を「貢献」と認めないケースも少なくありません。

そうした労働だけでなく、「ありがとう」と伝えることや人と話すことだけでも1つの貢献にあたることを伝えられたらと思い、交流を通じてリワードを得られる仕組みになるよう今回の企画では心がけました。

IVS2023

市場ニーズの焦点は概念論から「実践ノウハウ」へ

ブースに来られた方は、どんなことに興味関心を持っていましたか?

秋田谷:ブースではDAO組成のコンサルティングや研修のサービス説明もしており、そちらでお話した来訪者は日本の大企業や行政の方が多かったのですが、ほとんどの方から「具体的にどうやってDAOをつくるのか」という質問をいただきました。

特に大企業の場合、新規事業としてDAOに取り組む資金がある一方、「何から手をつければいいかに関する情報が市場に出回っていなくて困っている」というお悩みが多かったのが印象的でした。
そのため、過去にガイアックスが取り組んだDAO型入社式日本郵船様の社内DAO組成の実践事例をお話すると、「こうやって進めるのか!」と興味を持って説明を聞いてくださる方が多かったように感じています。

DAOコンサルティング

山本:特に社内DAOの事例説明では「企業とDAOではまったく異なる形態なのに、会社のなかでDAOをつくるってどういうことですか?」と、びっくりされる方が多かったように思います。
ガイアックスの事例を紹介しながら、部署間をまたぐプロジェクトでDAOを組成できることを伝えると、「うちでもイノベーションを起こすことができるかも」と期待される姿もありました。

秋田谷:一方、行政の方とお話していると「地方創生×DAO」に興味を持たれる方が多く、特に「*美しい村DAO」の仕組みに目を輝かせる方が多かった点が印象的でした。
(*美しい村とデジタル村民をつなぐ、共創型地方創生プラットフォーム)

セッション登壇でも、ガイアックスのweb3事業本部長を務める峯さんが、「日本から先行する地方創生x DAOの流れ 〜デジタル村民の夜明け〜」をテーマに、株式会社デジタルガレージ伊藤穰一氏らと限界集落である山古志村の再起をかけた挑戦について語りましたが、そちらも会場は超満員だったので、ローカルとDAOへの注目度合いは高まってきているなと感じました。

IVS2023

もう一人の登壇者のDAOによる土地開発プロジェクトを手掛けるPlanetDAO西村環希さんは、「How does blockchain impact climate change?」と題して、気候変動をはじめとした社会課題をブロックチェーン技術を使ってどのように解決できるのかについて議論しました。当日はサイドイベントも主催し、ブロックチェーンを基軸に複数のセッションで参加者とともに理解を深めました。

IVS2023

来場者の方と話すなかで気づいた、市場動向やガイアックスの特徴について教えていただけますか。

秋田谷:DAOの辞書的な意味については多くの方がすでに理解されている反面、具体的な実践面に関する知見を持っている方は少なく、まだ市場に情報が出回っていないことが分かりました。
また、ガイアックスのように自社でDAOをいくつも組成している組織はほとんど存在しないことも分かり、今後の情報発信のテーマを考える機会にもなりました。

山本:組織づくりにDAOを絡めているプレイヤーは市場にほぼいないのは、やはりティール組織と呼ばれることも多いガイアックスの組織やカルチャーが土台にあるからこそだと、あらためて感じました。
組織やカルチャーはすぐに模倣できるようなものではないので、引き続きこの強みを活かして事業を展開していければと思います。

これからもDAOの“裾野”を広げていく挑戦を

今回のブース出展を踏まえて、今後どのような挑戦をしていきたいですか?

秋田谷:これからも展示会に積極的に参加していきたいですね。
今回の出展でブロックチェーンやNFTを打ち出しているところはありましたが、DAOを打ち出しているのはガイアックスだけだったので、業界の盛り上がりを考えると私たち以外にもDAOを打ち出すプレイヤーが増えたらなとも思います。
なので、「プレイヤーの裾野を広げていく」という意味合いでも、引き続きイベントには数多く参加していきたいです。

山本:ブースでお話するなかで「なぜこのプロジェクトをDAOで行う必要があったのか?」という質問もあったので、「このプロジェクトには既存組織が合う」「あのプロジェクトにはDAOが合う」といったように、プロジェクトの特性に合った組織のつくり方や組み合わせ方をテーマにセミナーしていけたらおもしろそうだなと感じています。

秋田谷:7月末にもWebXという展示会に出展します。これからも対面でみなさんのDAOに対する疑問にお答えしていけたらなと思います。
「DAOってどうやって組成するの?」と実践面での疑問を抱えている方がいらっしゃれば、ぜひガイアックスまでお問合せください!

DAOの立ち上げ・DAOによる事業検証をお考えの方へ

ガイアックスでは、企業におけるDAOの立ち上げ、DAOによる事業検証などに関するコンサルティングサービスを提供しています。
業界黎明期から取り組んできたブロックチェーン事業の最新研究・開発ノウハウをもとに、自律的にプロジェクトが推進される組織の立ち上げを支援します。

DAOコンサルティングサービスへ

秋田谷蘭
学生時代のインターンで、Webマーケティングや営業・カスタマーサクセスを担当。自分たちの手で事業を作っていく面白さに惹かれ、ガイアックスへ入社。企業向けオンラインイベントの企画/運営サービス「comlive(コムライブ)」の運営を経て、現在はDAOコンサルティング事業のマネージャーを務めている。
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