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働き方改革の末路

  • 最終更新: 2023年9月6日

上田 祐司

こんにちは、上田です。(個人ブログ:Gaiax CEO 上田祐司の[脳]置き場
ガイアックス、最近では、事業ではシェアエコ領域、環境では新しい働き方改革を目指して、がんばっています。
いろいろ整理してみました!
僕の意見をブログに書いたので、ぜひ読んでみてください。

【A】裁量労働制になっている。
【B】リモートワークを自由にしていい。
この【A】と【B】が、両方、整っている場合は、非常に危険である。
簡単に言うと、出勤が自由なのである。
ガイアックスでは、裁量労働制をできる限り導入している。そして、リモートワークもOKである。会議に始まる瞬間まで、オフィスにいるのかいないのかも分からない。
東京にいる面接中の大学生とも、なぜかよくオンライン会議となる。間違えてオフィスにいらっしゃった大学生が1人でオフィスから、ガイアックスのメンバーにオンライン会議していた。シュールである。
もはや、まったく管理できないし、組織の手触りがなくなってくる。
年一回とかのチームごとの合宿やオフサイトミーティングで、「はじめまして」という挨拶が連発するようになる。

【A】裁量労働制になっている。
【B】リモートワークを自由にしていい。
【C】クラウドソーシングを自由に使っていい。活用しまくっている。
クラウドソーシングを使っていい。いいように聞こえるが、実は、従業員としての立場が脅かされる第一歩である。
まぁクラウドソーシングと略しているが、シェアリングエコノミーの各種プラットフォームを使えば、ありとあらゆる業務をソーシングできるのである。
ガイアックスでは、新人でも、ともかくクラウドソーシングもしくは何かしらのシェアリングエコノミーのプラットフォームを利用するように勧めている。誰であっても5万円までの発注は、稟議なしでの発注を可能とした。
「えっ!そんなに自由にクラウドソーシングを使っていいの?細かいお仕事全部頼んじゃお!」
喜ぶのは早い。
もはや、事業運営をしている立場からすると、出社してこない社員も、クラウドソーサーも、もはや違いがなくなってくるのである。
ランサーズでいうところの「#採用やめよう」の世界観である。
もはや、社員の給料のベンチマークとして、クラウドソーサーと比較され、その上で給料が決められていくのである。
働き方改革という名の元に、自由な働き方を社員さんのために、と思わせておいて、真に危機が迫ってくるのは、社員さんの方かもしれないのだ!

【A】裁量労働制になっている。
【B】リモートワークを自由にしていい。
【C】クラウドソーシングを自由に使っていい。活用しまくっている。
【D】副業解禁。
普通、副業の解禁を段階的に行っていく会社が多い。たしかにどういう影響が発生するかわからないから、慎重に様子を見ながら解禁していく、というのは、ある意味、正しい動きなのかもしれない。
ただ、もはや、少しでも副業を解禁しはじめた時点で、「賽は投げられた」のである。また、もはや「50歩100歩」なのである。全部、自由に解禁せざるをえなくなるし、もはや、しちゃってもしょうがないかと思うしか無いのだと思う。
ガイアックスはどうなのか?自由である。自由にした、のではなく、もともと、自由。みんな意識してなかった。僕も気がつけば、過去何回か、他の上場企業の社外取締役とかやってたし。昔のCFOの小高さんが、当時、Tokyo Otaku Modeの創業メンバーに入ってマスコミを賑わしていたし。今も、ADDressを起業した佐別当さん、一応、ガイアックス正社員との兼業状態です。兼業起業家ですね。
僕の秘書さんも、気がつけば、ガイアックスの人事と、ガイアックスのグループ会社の管理部と、どこか外の会社の新規事業と3つを兼任している。結果的に、僕の秘書業は抜けつつある状態で、秘書さんではなく、元秘書さんな感じ。
Nagatacho GRiDでイベントとかをしていると、終了確認に、別の部署の若手営業マンがやってきたりする。
「あれ?なんで、君が終了確認してるの?」
「これ、副業で、一回あたりGRiD事業部から5000円もらえるので!」
グループ内にも、副業が飛び交っているのだ。
もはや、1人に対して、1つの部署からお金を支払う、という感じではない。

この【A】【B】【C】が揃っているところに、副業を解禁する、ってことは、本当にヤバイ。
もしも僕が社員の立場だとすると、個人として、会社が副業を解禁してくれるのであれば、単純にすごく喜んでしまうのかもしれない。
しかし、それは、会社全体としての深い闇への第一歩なのかもしれないのである。本来、副業解禁日というのは、会社の滅亡カウントダウン開始日として、線香の1つでも上げるべき日だったのかもしれない。
あなたが副業をするかどうかは関係ない。組織が崩壊しはじめるという深い闇への第一歩である。
ある事業の責任者がこう言い出した。
「この開発案件、ひとりで1人月ぐらいだから、ガイアックスグループの仕事出来るエンジニアさん誰か作ってくれないかな。」
「開発事業部に発注するってこと?」
「いや。事業部じゃなくて個人に発注したい。」
「えっ。それマズくない?個人に直接?事業部を通さず?」
「でも、きっとガイアックスグループのエンジニアさんも副業しているかもしれないよ。僕らも日頃からクラウドソーシングというか、副業として受けている人に発注しているかもしれないよ。だったら、もはや、最初から副業でどう?って尋ねるのでいいんじゃない?」
「それって、社内で、『そっちの事業部でこの開発請けたらいくらかかるの?で、君個人で請けたらいくらなの?』って会話をするってこと?」
「そうだね。」
そのうち、客先でも、これ会社で受けるといくらですが、個人で受けるといくらです。とかって言い出しそう。怖い怖い。
ガイアックスグループとして、決して、儲けどころを逸するわけにはいかない。

早く、ガイアックスの周りで個人で仕事を受けている人が、もっと楽に仕事を受けれるように、請求書代行サービスとか、決済代行サービスを始めて手数料を稼いだ方がいいだろう。
それに、個人とかで受けちゃうと、万一、病気とかなったら、クライアントさんに迷惑が掛かっちゃうから、万一用の保険のサービスというか、代理メンバーアサインサービスとかも必要かもしれない。これで儲けるのも手だろう。
周りのメンバーの良し悪しが、すぐに見て分かるように、レビューをまとめて、星4つとかって、HPでアップしていってもいいかもしれない。
より個人が仕事を受注できるように、個人をピックアップして、HPで紹介していったほうがいいのかもしれない。
なるほど、働き方改革って、簡単にいうと、シェアリングエコノミーのことだったんだー。
あー。会社の外と中からシェアリングエコノミーになっていく。
こうやって、世界はシェアリングエコノミーになっていく。

ガイアックスの働き方について、もっと知りたくなったと言う方は、ぜひこちらも合わせてお読みください!
■日経ビジネス電子版 「特集 トヨタも悩む 新50代問題 もうリストラでは解決できない」
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※当ブログに記載の内容は、個人のブログの転載となっております。
私たちは、ガイアックスの従業員およびその他の関係者個人の意見を尊重し、そのままお伝えすることを大切にしています。そのため、ガイアックの公式見解ではなく、個人の見解であり、個人のブログのポリシーに基づいて記載されております。
個人の立場での感じたままの意見・感想になりますので、公式見解や客観的な視点での意見と異なることもありますが、ご了承ください。


上田 祐司
1974年大阪府生まれ、1997年同志社大学経済学部卒業。大学卒業後は起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。 ガイアックスでは、「人と人をつなげる」のミッションの実現のため、ソーシャルメディア領域、シェアリングエコノミー領域に加え、web3/DAO領域にも注力し、分散型自律組織やコミュニティの分野を強化。また、新規事業・起業を支援するスタートアップスタジオとして社会課題の解決に取り組む。 一般社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事、AppBank株式会社および株式会社Unitoの社外取締役を務める。

主な政府委員・登壇などの実績

・消費者庁 第3回デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における 環境整備等に関する検討会(2020年)
・G1サミット2018 登壇(2019年)
・経団連 生活サービス委員会(2018年)
・日本学術会議 経営学委員会・総合工学委員会合同 サービス学分科会(2018年)
・総務省 地域IoT実装推進タスクフォース 地域資源活用分科会(2016年~2017年)

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