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【2020年入社式スピーチ】 「コロナの時代に、社会人になる」ということ

最終更新: 2022年3月18日

ガイアックスでは、2020年4月3日に会場を利用しない完全オンラインでの社員総会および入社式を開催しました。
新型コロナウィルス(COVID-19)対策でリアルイベントや外出・出社を自粛する中で、入社式をどうするかについては、各社さまざまな判断をされていらっしゃいました。日頃からリモートで仕事を行なっており、またオンラインでのサービスも展開している私たちにとって、完全オンラインでの入社式の開催は、ごくごく当たり前の選択でした。
その入社式で新入社員へ向けて、代表の上田が語ったスピーチをお届けさせていただきます。新入社員のみならず、この状況下で世界はどのように変化して、私たちはどのように変化しなくてはならないのか。みなさんのご参考になれば嬉しいです。

ガイアックスではオンライン座談会にて、ガイアックスメンバーに直接疑問をぶつけることができます。「採用に興味がある」や「ガイアックスってどんな会社だろう?」と思った方はこちらからご確認ください。
≫ガイアックス採用募集ページ

「コロナの時代に、社会人になる」ということ

「入社にあたって」ということで、入社されるみなさんだけではなく、現メンバーのみなさんにもぜひお話ししたいことがあります。今日から、コロナが流行している最中に社会人になるということで、三つとても良いことがあると思います。
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1. 変化を体感できる

ひとつめは、「変化を体感できる」ということです。
僕が社会人になったのは山一證券が倒産し、僕の同期が「山一證券で内定を貰っていたのに…」という時代でした。最近は山一證券という会社を知らない人の方が多いと思いますが、山一證券は当時の4大証券のひとつです。今でいうと、3大銀行の1つのあるどれかの銀行が倒産するような印象です。当時、金融業界で次々と大型倒産が発生し、大きなショックが社会に駆け巡っていました。このことは、今でも僕の心に残っています。
今回のコロナもすごく大きな変化をもたらしています。社会人になった時に、このような変化が体感できるというのは、「世の中が安定しているのが当たり前だ」という間違った思考に犯されているところを、「変化というのが普通なのだ」と、感じさせてくれる出来事だと思います。
僕らは常に変化の中にいて、何も頼るものがありません。もちろん、ガイアックスとしても、短期的には、強いビジネスモデルやポジション、サブスクの契約高などを確保していこうとしますが、そのようなことも含めて、とはいえ、世の中変わっていくのです。本当に、この「とはいえ、世の中変わっていくよね」ということを、どのような瞬間であっても、念頭の、念頭の、念頭に置いておかないといけないですよね。
ありふれた言葉ですが、「最も強い者が生き残るのではなく、変化できる者が生き残るのである。」という考え方があります。ですが、世の中の変化についていける会社なんて、まず存在しません。別のいい方をすると、会社の変化はすべからず世の中の変化より遅いので、ほとんどの会社が倒産していきます。強いて頑張れる会社が、ぎりぎり世の中の変化についていけるかどうかという状況です。コロナの影響があり、昨日まですごく高収益だった会社が、翌日には倒産してしまうかもしれません。「環境の変化は、良く起こるものなのだ」という、当たり前のことを社会人として、最初の常識として感じられるというのは、皆様の人生にとって、素晴らしいことだと思います。

2.リモートで働く

ふたつめに、「リモートで働く」ことです。
重要なことですが、ガイアックスでは今、強くリモートでの働き方が進められています。みなさんも今日この入社式を、このような形で、自宅からリモートで参加されていますよね。
「リモートで働く」というのは、単に働く場所が会社ではなくリモートだ、ということではありません。リモートで働くことで、さまざまな変化があります。
ひとつ分かりやすい変化は、会社へ出社し、労働時間の管理を元にお給料を貰うということや、一緒に働いてるということだけで評価されるということが、リモートになると働いているのか分からなくなるため、結果として、「アウトプットがあるのかないのか」ということに、よりフォーカスされます。ガイアックスは元からそのような傾向なのですが、世の中全体でもそうなっていきます。
日本の雇用形態や労働基準法は、まだ追いついていませんが、リモートが普及することで、時間の問題でそうなっていくか、そういうような方向が強くなっていくのは間違いありません。
今まで、クラウドソーシングやオンラインアシスタントなどは、若干、下請けの様に見られていた部分もありましたが、出社せずリモートで働くようになると、アウトプットはメールやウェブで出てくる時代になります。そうすると、正社員と、クラウドソーシングやオンラインアシスタントとは何が違うのか、という当たり前の疑問が生まれてきています。
「リモートで働ける環境を用意する」ということは、被雇用者側・労働者側にすごくメリットがあるような表現を見聞きします。労働者のために「働き方改革」や「リモートワークが浸透する世の中にしましょう」という様な表現です。しかし僕は、実はリモートワークは、労働者側ではなく経営者側に有利な変化だと思います。
ガイアックスのみなさんは、アントレプレナーシップを持つメンバーが多いと思うので、みなさんの立場は、どのくらいが労働者側で、どのくらいが経営者・事業責任者側なのかが分からないので何ともいえないのですが。ですが、この傾向に向かうことは間違いありません。
今後は、より「ギグ・エコノミー」になっていくでしょう。
業務に必要なノウハウや手順が全部、テキストとして、情報として、整理整頓され、誰もがアクセスできるようになります。テキストを読むだけで空気感などを理解し、一瞬で仕事に入り、アウトプットを出して、一瞬で去っていく。このようなことが、もっと起こります。
当然、シェアリングエコノミー全般においては、すごくポジティブなのです。そして、マインドとしてはそのような管理しない世の中において、ひとりひとりがいかに能動的に、自己責任の感覚で物事をやっていくのか、ということが重要になります。
新入社員のみなさんからすると、これらの変化はすごくハッピーなことです。今までは、出社し管理され、一通りて教えてもらってから、やっと認められる世の中でしたが、いきなり荒海に放り出されるところが、ハッピーなことなのです。みなさんは、昨日までの昔の時代なんて知る必要もなく、これからの時代に最適化する身体にしておけば良いのです。
アウトプットをいかに出すのか、自分が一体何をアウトプットとして設定するのか。その上で何が自分の得意分野なのか、何に自分がやる気を出せるのか、誰にも管理されないけれど自分で能動的に仕事をやっていけるのか。このようなことに、よりフォーカスしていく必要があります。
ガイアックスのフィロソフィーとして「IGNITING RESPONSIBILITY=使命で動く」ということを打ち出しています。結局、「使命」として、みなさん自身の使命に基づいて能動的に仕事をしていくことが、リモートワークになり、より求められています。管理される働き方や、働いてるだけで評価されるような社会には、これからは二度と戻らないのです。
»ガイアックスの「ミッションやフィロソフィー」

3.オンラインのコミュニケーション

最後に、「オンラインのコミュニケーション」です。
表現が難しいのですが、今までと違い、対面のコミュニケーションが劇的に減り、オンラインでのコミュニケーションが増えると、知り合いと赤の他人とのコミュニケーションの相対的な差がなくなってきます。「知り合いであることの有利や赤の他人であることの不利」がなくなっていきます。その結果、赤の他人とのコミュニケーションが、今の世の中に比べて、リモートワークでは特に増えていきます。
そして、赤の他人とのコミュニケーションが増えていくと、今までのように知り合いを優先するという思考が劇的に下がっていくでしょう。今までは知り合いのことは無条件に大切にして、赤の他人はどうでも良かった人が、赤の他人とのコミュニケーション量が増えるので、知り合いのことを無条件に大切にしなくなってしまうのです。
つまり、コミュニケーション量に応じて、誰かのことを大切だと思う考え方だった私たちは、オンラインのコミュニケーションが活発になり、赤の他人ともコミュニケーションを活発にするようになるほど、社会全体のことを大切に思い、知り合いを優先しない社会になっていくのです。
では、みなさんの働き方はどうなのか。もう少し分かりやすく言うと、みなさんが日頃会っている上司のために仕事をするという意識が、どんどん下がっていくと思います。それでいいのです。もっと世の中全体に触れることが増えてくるので、会社の中だけでの信頼を得るのではなく、赤の他人も含めた世の中全体からの信頼を得るべく活動をすべきだと思います。
コロナの時代の前からソーシャルメディアは大切でしたが、コロナによりソーシャルメディアの大切さは急激にアップします。
例えば、新入社員のみなさんは今、日報をYoutubeで出していますが、一部、非公開の方もいますが、是非、公開されたら良いのではないでしょうか。TwitterやYoutube、自分のメディアなど、ソーシャルメディアをより活用してみると良いでしょう。
自慢するために投稿するわけではありません。自分の活動はしっかりソーシャルメディアでアップデートすることで、世界中の人に見てもらえるようにしましょう。社内で頑張っている様子を上司が見てくれてるような時代ではなくなってくるでしょうし、みなさんは、世界中の人に認めてもらえるような働き方に変えていく必要があるのです。
これは、本当にガイアックスの理念である「EMPOWERING THE PEOPLE TO CONNECT」です。赤の他人も含めて、世界中を繋げていくということと完全に一致しています。
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コロナの影響で体調を崩される人もいます。一言で言ってしまえば、コロナは人類の敵だと思います。とても悲しいことですが、発生してしまったこと自体はもうどうしようもありません。
一方で、コロナの影響を受け、「リモートで働く」「オンラインコミュニケーションが増えている」ことは、僕はガイアックスにとって、そして社会にとって非常にプラスなことも多いのです。
インターネット前の時代に行われていた、社会の風習や働き方、リズム感などは、インターネットが出てきて変わってきました。
例えば、知り合いしか、家に泊めない、自分の車に乗せてあげない、一緒にごはん行かないみたいなインターネット以前の社会の風習は、インターネットやシェアリングエコノミーで大きく変わりました。さらに、コロナの影響で一回りも二回りも世の中全体がオンライン化することで、今の社会の風習やリズム感が、破壊されます。「完全オンライン時代の最適化は何か」ということを、多くの人が考え始めているのです。
結果的に、世の中全体において、完全オンラインのご時世に適した社会の風習が普及するでしょう。将来において、コロナのワクチンや特効薬ができたり、もしくは、コロナはなくならないかもしれませんが、どこかのタイミングで、全世界の政治家がコロナの危機は過ぎ去りましたと、コロナ収束宣言をするかもしれません。
その宣言がされたとしても、この僕らの感覚が、昔のようには戻ることは二度とありません。僕らの感覚というのは、つまり、オンラインで人を信頼する、オンラインでしかコミュニケーションしたことがない人を信頼するというこの行動パターンのことです。今はまだ、コロナがスタートして1~2か月なので浸透しきってはいませんが、、これが当たり前になり、これは必ず残ります。
ガイアックスはそのような中で、さらに世の中に貢献しなければなりません。今こそ、事業拡大を目指さなければならないのです。取り組んでいる事業ごとにいろいろありますし、みなさんが配属される部署もさまざまなタスクを背負っているので、一言ではいえません。
しかし、各事業において、世の中が変わる中で本当に必要とされているものは何か、どうすればもっと世の中の役に立つのか、正しい世の中の姿に僕たちがどう持っていけるのかを、しっかり考え、そして考えるより先に、しっかり動いていきましょう。

あなたらしいキャリアをつくりませんか?

ガイアックスでは新卒・中途採用の他、学生の長期インターンシップを行っています。フルリモートで海外や地方で働くメンバーや、新卒1年目から事業責任者になるメンバーも少なくありません。様々な関わり方ができるガイアックスをのぞいてみませんか。

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上田 祐司
1974年大阪府生まれ、1997年同志社大学経済学部卒業。大学卒業後は起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。 ガイアックスでは、「人と人をつなげる」のミッションの実現のため、ソーシャルメディア領域、シェアリングエコノミー領域に加え、web3/DAO領域にも注力し、分散型自律組織やコミュニティの分野を強化。また、新規事業・起業を支援するスタートアップスタジオとして社会課題の解決に取り組む。 一般社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事、株式会社Unitoの社外取締役を務める。

主な政府委員・登壇などの実績

・消費者庁 第3回デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における 環境整備等に関する検討会(2020年)
・G1サミット2018 登壇(2019年)
・経団連 生活サービス委員会(2018年)
・日本学術会議 経営学委員会・総合工学委員会合同 サービス学分科会(2018年)
・総務省 地域IoT実装推進タスクフォース 地域資源活用分科会(2016年~2017年)

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