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DAOプロジェクトの動向とDiscordを用いたDAO立ち上げ方法

最終更新: 2024年6月19日

「web3」という用語とともに注目が集まってきているDAO。ブロックチェーンにより意思決定を民主化し、プロジェクト参加者の持つ熱量とポテンシャルを最大限に引き出すことができます。そんなDAOですが、具体的にはどのようなプロジェクトが存在しているでしょうか。

この記事では国内外に存在するDAOの事例、およびDiscordを用いたDAOプロジェクトの立ち上げ方法について紹介します。

なお、ガイアックスではこれからDAOを立ち上げたいと考えている組織運営者向けに、DAO立ち上げに関するコンサルティングをご提供しています。

DAOは大きな可能性がある一方で、コミュニティ運用や開発の知見がないと全くワークせず、全く持続しないことも往々にしてあります。弊社には、日本で初めてのDAO型シェアハウスの運営をはじめとする多くの実績がございますので、興味をお持ちいただいた方は、DAOコンサルについてをご確認ください。

 

DAO組成や、弊社での具体事例についてまとめた資料を、
無料でご共有しております。

 

DAOにおける現在の状況

DAOは日本語で「分散型自律組織」と呼ばれ、新しい組織形態として注目されるようになってきました(詳細な定義は、「DAOとは」にて)。

イーサリアムの登場とともにブロックチェーンの新機能として搭載された「スマートコントラクト」は、ブロックチェーンを使うことによって、あらかじめ決定した条件と報酬といった約束事を遂行させることを可能にしました。

現実社会において、まだオンチェーン(ブロックチェーン上に乗っている)であるDAOはまだ少ないです。ブロックチェーン技術はまだ普及し始めたばかりであり、ビットコインのような仮想通貨やDEX(ブロックチェーン上で自動化された取引所)くらいしか完全なDAOにはなっていません。

一方で、”DAOの概念”は注目を浴びており、今後の普及が期待されています。最初からオンチェーンで、ボトムアップなDAOをつくることは難しくても、徐々に”真のDAO”に近づけていくしていくDAO型組織の取り組みも増えてきています。

 

海外におけるDAOの事例

有名どころでは、次のようなDAOの事例があります。

  • ビットコインやイーサリアム:ブロックチェーン上で一定のルールにしたがって運営されているためDAO
  • Maker DAO:仮想通貨を担保にして発行するステーブルコインのプロジェクト
  • UniswapやAave:仮想通貨やトークンを無人取引できるプラットフォーム(DEX)

ビットコインやイーサリアムそのものもDAOだったとは、意外に感じたかもしれません。しかし、誰かが運営の舵をとるわけでもなく自動で何年も動き続けているという意味では、この上なく完璧なDAOです。

このほか、オークションに出品されていた合衆国憲法の原本を買い取るために立ち上げられたプロジェクトである「Constitution DAO」やプログラムによって1日に1体NFTアートが生成され、NFTホルダーによってウォレットの資産とその用途が共同運営されていく「Nouns DAO」などがあります。

DEXやConstitution DAO、Nouns DAOについてはイメージが沸かない方も多いと思うので、もう少し掘り下げます。

DEX

DEXは「分散型取引所」と呼ばれ、”CEX”と呼ばれる通常の仮想通貨取引所と異なり、中央集権型の組織や企業が運営することなく、ブロックチェーン上でユーザー同士が直接取引することができる取引所のことを指します。

Constitution DAO

オークションに出品されていた合衆国憲法の原本を買い取るために立ち上げられたプロジェクトです。

1週間で4700万ドル(54億円相当)を集めたことで有名になったものの、別の入札者に落札され、集まった資金はDAOメンバーに返金されました。一方で、DAOを使って世の中に対してアプローチを試みたという点で、その後に大きな影響を与えました。

Nouns DAO

Nound DAOでは、プログラムによって毎日1つのNFTアートが生み出され、NFTアートの売上はDAOにプールされます。その売上の使用用途はDAO参加者(=NFTホルダー)によって意思決定されるのが特徴です。

毎日数千万円もするNFTが1体ずつ増え続け、NFTによって資金調達された数十億円ものコミュニティ共通ウォレットのお金は何に使われるのでしょうか。今後のコミュニティがどのように進んでいくのかはわかりませんが、DAOとしては2023年も自律的に存続しています。

その他の海外のDAOプロジェクト事例について詳しくは、「DAOの海外事例について」にて扱っています。

 

DAOプロジェクトの動向

 

国内におけるDAOの取り組み

国内においては、まだ事例は少ないものの、シェアハウスやシェアオフィスをDAO型組織によって運営するプロジェクトや既存のNPO組織をDAO化していく試みがあります。

DAOによって運営されるシェアハウス

日本初DAO型組織によって運営されるシェアオフィスとして、「Roopt神楽坂DAO」が発表されました。Roopt神楽坂DAOが発行するNFTを購入することでメンバーとしてDAOに参加でき、開始から3ヶ月経過時点で100人以上がDiscordに参加していました。

一方でシェアハウスには100人住むことはできないので、ステークホルダーであるNFTホルダーたちがどのようにRoopt神楽坂の価値を高め運用していくのか、今後も注目です。

DAOによって運営されるシェアオフィス

DAO型組織によって運営されるシェアオフィスの事例としては、渋谷の「CryptoBase」があります。

ここでは運営方針をDAOによって決定する他、NFT会員証を持っているメンバーでスマートロックを開錠し、シェアオフィスを活用することができます。日本・東京におけるweb3活動の中心地として、web3のセミナーやイベントが日々開催されています。

既存のNPO組織のDAO化

NPO組織のDAO化としては、NPO法人ドットジェイピーのDAO化があります。プレリリースの中では、「あらゆる個人・法人に対してこのプラットフォームを開放し、トークン付与などの運営ルールを定めながら、若者の投票率向上という目標を達成するDAO実現を目指します」と発表されており、DAO化することによってどれだけ活動が広がることができるのか注目です。

なお、日本におけるこれらの3事例はガイアックスが立ち上げ支援に関わっています。弊社は、リサーチ、企画・戦略の立案から、コミュニティの運営・開発の側面まで、一気通貫のご支援が可能です。

 

DAOプロジェクト
実際にコミュニティ内で投票をしている様子

 

今後も先進的なDAOの取り組みをしたいと考えている企業さまは「DAO立ち上げにおけるコンサルティング」からご相談ください。

 

DAOプロジェクトの立ち上げにはどのような要素が必要か

ここまででDAOプロジェクトの国内外における事例を把握できたと思います。

これらを踏まえて、自分たちでDAOプロジェクトを立ち上げていくには、どのような点に注意する必要があるでしょうか。ポイントに触れていきます。

明確な活動目的と目標

DAOはトップダウンな意思決定プロセスをもっていないため、参加メンバーたちが「自分たちはどこに、なぜ向かっているのか」ということを考える軸を決める必要があります。明確な目的なしに活動する上での目標を決めることはできません。

目標のないコミュニティでは、魅力的なメンバーは集まりません。まずは活動目的を明確に定めましょう。

透明な意思決定プロセス

ボトムアップな意思決定プロセスをもつDAOでは、どのようなフローでプロジェクトの方向性を確定させるのか曖昧にしてはいけません。

「アイデアは、誰がどこでどのように出せるのか」や「どこで誰が投票に関われるのか」など、ルールを定めましょう。

協力で活発なコミュニティ

コンセプトのよいDAOがあっても、参加メンバーに実行力や団結力がなければプロジェクトは動きません。会社の採用ではないですが、自分たちの活動を発信し、魅力を感じてもらった上で能力あるメンバーにジョインしてもらう必要があります。

適切な資金とリソース

メンバーの活動に対する報酬を付与するためには、資金が必要です。トークンを付与し、トークンの価値上昇によってその対価とすることもできますが、法規制を考慮した上でトークンエコノミーや資金調達方法について考えていく必要があります。

強固なセキュリティ

DAOコミュニティはDiscordによって運営されることが多いです。ですが、参加者に紛れたスパマーにより、DM経由でメンバーのウォレットから資金が抜かれるなど実害が起きては参加者の意欲も下がります。

それだけではなく、運営者のアカウントが乗っ取られてコミュニティが崩壊するリスクもあります。Discordサーバー立ち上げに必要な知識は「DAOコミュニティの運営に必須なDiscordについて」において解説したので、セキュリティ対策にご確認ください。

法律や規制への適応

web3に関連する法規制は現状国によって大きく違います。日本においても岸田政権下で法規制の見直しが進められ、今後も大きく変化していくはずです。現状はDAOは法的主体がないですが、ガバナンストークンの発行なども含めて徐々に規定されていくでしょう。

DAOプロジェクトには、このようにソフト面・ハード面の両方の観点から、必要な要素がたくさん存在しています。そのため、DAO組成へのハードルを高く感じてしまう方も多くいます。ガイアックスでは多数のDAO組成実績を保有しております。

 

DAOプロジェクト
初回の無料相談の様子

 

まずは、こちらからお気軽にご相談ください。

DAOプロジェクトの立ち上げに欠かせないDiscord

DAOは中央管理者によるトップダウンではなく、参加メンバーによる投票に基づく意思決定がされる組織であるため、メンバー同士のコミュニケーションが重要です。そして、現状のweb3プロジェクトのほとんどは、Discordを使って運営されています。

Blockchain Biz」のYouTubeでは、Discord運営において欠かせないサーバーやロール(役割)、セキュリティ設定について発信しているので、ぜひチェックしてみてください。ここではDiscordの運営にあたり、最低限抑えておきたいDiscordの設定動画を紹介します。

Discordサーバーの立ち上げ方法

DiscordでDAOのためのコミュニティをつくると聞くと難しそうに聞こるかもしれないのですが、この動画をみながら設定すると、5〜10分程度で立ち上げが可能です。実際の手順をご確認ください。

Discordのチャンネル設計

続いてDiscordのチャンネルを作っていきます。トピックに応じた目的ごとのチャンネルを立ち上げることで、コミュニティ内で活動が自律的に回るようになります。

Discordのロール設定

3つ目にロール設定です。ロールとはDiscordにおける”役割”のことで、どの程度の管理権限をユーザーに付与するのかコントロールすることで、チャンネル内で参加者が持つ裁量が変わります。

Discordにおける荒らし対策

ロールとbotを駆使して、利用規約に同意したユーザーのみが参加できるような枠組みをつくってみましょう。多くのweb3プロジェクトにおけるサーバーでこの設定がなされていますが、この設定を行うことで規約に同意していないユーザーがチャンネルに入ることができなくなり、スパム対策にもつながります。

Discordをマスターして、活発なDAOプロジェクトを立ち上げよう

ここまでで、DAOプロジェクトの概要とDiscordを用いたDAOコミュニティの立ち上げ方法について解説してきました。

国内外におけるDAOの事例からDiscordの初期設定について一通り触れてきたので、DAOを立ち上げるイメージが少しでも湧いたら幸いです。

なお、この記事を公開しているガイアックスでは、Discordコミュニティの運用支援サービスも提供しています。

 

DAOプロジェクト
Discordで会話をしている様子

 

DAOの立ち上げはハードルが高いが、まずは自社コミュニティを組成したいとお考えの方は、是非「Discordコンサルティングサービス」のページよりお問い合わせください。初回は無料で相談が可能です。

DAOの立ち上げを検討している場合は

2024年現在、国内200個を超えてあらゆる領域で導入が進んでいるDAO。立ち上げのコツは初期の構想と参加者のハードルを下げる仕組みにあります。ガイアックスでは、大手企業・自治体をはじめとする豊富つ先進的な支援実績をもとにDAO組成支援を行っています。

ご相談はこちら
上井登志之
DAO事業部にて、企業や自治体におけるDAO立ち上げのコンサル・PMを担当。これまで日本郵船社の社内DAOプロジェクトや三井住友海上火災保険社の「採用DAO」構築に取り組む。採用DAOによる採用活動の透明性や公平性担保はTVなど多数のメディアで紹介された実績あり。参加就活生は「匿名・学歴等不問」「評価の公開」に高い満足を得た。
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