2026年2月取材時点の内容です。
ガイアックスのDAO事業部で、自治体と連携した地方創生DAO(ぐんま山育DAO)の責任者を務める兼松 亜優。しかし、彼女の顔はそれだけではありません。上場企業のM&A支援、外資系金融プロダクトの開発、さらには美容事業の運営まで、領域を横断して圧倒的な熱量で駆け抜けるパラレルキャリアの実践者でもあります。さらに彼女が「現役の大学生」であるということ。なぜ彼女は、これほどまでに多くの「名刺」を持ち、成果を出し続けられるのか。枠に収まらない彼女の思考の原点と、独自に描き出す「豊かさのポートフォリオ」に迫ります。
ガイアックスでの挑戦:DAOで地方創生のロールモデルを創る
―― 本日はよろしくお願いします。まずは現在、ガイアックスで取り組んでいる「本業」の内容からお聞かせください。
兼松: はい。現在はガイアックスのDAO事業部に所属し、コミュニティスクール事業の責任者を務めています。主なミッションは、自治体と連携した地方創生事業の立ち上げです。
直近では群馬県の方々と、「DAO(分散型自律組織)」を活用した実証事業を推進しています。具体的には「自然派ワイン」を軸にしたプロジェクトで、ワイン作りを苗植えから始め、そこに共感するメンバーを出資という形で募ります。
―― ブロックチェーンという先端技術を、あえて「ワイン作り」という土着的な領域に掛け合わせているのですね。
兼松: そうですね。単なる投資ではなく、実際に現地へ足を運んでワイン作りを共にし、ツアーやイベントを自分たちで企画する。そうして地域に「人」と「お金」が集まる持続可能な仕組みを作っています。この新しいテクノロジーを使った地方創生のロールモデルを、ゼロから構築している段階です。

出典:フジテレビ「Live News α(α Next)」2025年11月11日放送
―― そもそも、なぜガイアックスという場所を選んだのでしょうか?
兼松: ガイアックスのことは中学生の頃から知っていましたが、入社のきっかけは偶然でした。DAOという仕組みが国内外でもまだ成功事例が少ない中で、「ガイアックスのDAO事業部は何をやっているんだろう?」と純粋に興味が湧いたんです。面談で中の方々と話していく中で、事業内容以上に「中にいる人が面白い」と感じたことが、参画の決め手になりました。

領域を限定しない「4つのパラレルキャリア」の実態
―― 兼松さんは本業の責任者を務める傍ら、驚くほど多角的な「副業」をされていますよね。具体的にどのような活動をされているのですか?
兼松: 領域で分けると、大きく4つあります。
- 金融領域: 金融専門職向けの「金融ターミナル」のプロダクト開発と営業戦略を担当しています。国内の金融機関や機関投資家への導入支援を行っています。
- 経営企画(M&A): 別の東証上場企業にて、M&Aの調査、査定、デューデリジェンス、そして買収後のシナジー創出までを一貫して担当しています。
- 美容・医療・スクール事業: 実店舗のサロン運営支援に加え、美容・医療機器の製造販売も行っています。現場の知見を活かしたスクールやコンサル事業の拡大にも取り組んでいます。
- 不動産事業: 知り合いベースでの売買や仲介です。例えば美容事業のスタッフが遠方から上京する際にサポートするなど、人生のタイミングで信頼して相談してもらえる窓口として機能させています。
―― 全く異なる分野を並行させるのは並大抵のことではありません。なぜ、そこまで多岐にわたる活動をされているのでしょうか?
兼松: 実は「パラレルキャリアをやろう」と意識したことはないんです。ルーツを辿れば中学生の頃から学生団体を立ち上げたり起業したりと、常に複数のコミュニティを持っていました。高校時代もボランティア、商品開発、助成金サポートのチャットボット開発などを同時並行で走らせていた。
幼少期から「名刺集め」が好きで(笑)。自分を形成するものが、ポートフォリオのようにいくつもある状態が理想だったんです。複数を回すことでリスク分散になりますし、何より知見が一方の事業からもう一方へと集約されていく。それが自分にとって最も働きやすいスタイルなんです。

「究極のシングルタスク」が支える時間管理の極意
―― これだけのボリュームをこなすための「時間管理」や「優先順位」はどうされているのですか?
兼松: ツールとマインドの両面があります。 ツール面では、GoogleカレンダーとNotionに全ての予定を集約しています。領域を分けずに「今、優先すべきもの」を一元管理し、リマインドが出るように設定しています。
マインド面で大切にしているのは、「究極のシングルタスク」であることです。一見マルチタスクに見えますが、その瞬間は100%その仕事のことしか考えない。合間に別のメールを見るようなことは極力減らし、1つひとつに100%の熱量を使うようにしています。
―― 異なる事業間での「相乗効果」を感じる瞬間はありますか?
兼松:日々感じています。例えば地方創生事業は利益を出しにくい領域ですが、私の中に金融やM&Aのシビアな視点があることで、持続可能な経営計画を前提とした提案ができます。 一方で、美容サロンという実店舗での「人の動き」や「チラシ一枚の戦略」といった泥臭い知見があるからこそ、デジタル領域で見落とされがちな本質的な課題に気づくことができる。これらが全て繋がっている感覚があります。

(出典:テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」2025年9月10日放送)
成功の秘訣は「プロ意識」と「波に乗る準備」
―― パラレルキャリアが普及した時代でのキャリアへの「姿勢」について教えてください。
兼松: 大きく3つあります。 1つ目は、全ての仕事に対して本業と同じ熱量で挑む「プロ意識」です。周囲に「片手間」だと思われないよう、必ず成果を出す。 2つ目は、「好奇心と学習意欲」。新しい分野への変化自体を楽しみ、吸収し続けること。 3つ目は、「自分を型にハメない」こと。何が本業かにこだわらず、枠を決めないことで、独自の価値が生まれると信じています。
―― 関心はあるけれど、一歩踏み出せないという方へメッセージをお願いします。
兼松: 「やりたいことが見つからない」と悩む必要はありません。私もそうです。ただ、少しでも気になったら「調べる、聞きに行く、現地に行く」というアクションのハードルを極限まで下げる。やりたいこと探しではなく、まずは「趣味」の感覚で動いてみればいいんです。
準備が完璧に整う日は一生来ません。大切なのは、「いつ波が来ても乗れる準備をしておくこと」。副業サイトに登録する、週末だけ動く。その小さな一歩の積み重ねが、5年後の景色を劇的に変えてくれます。
次の舞台は「中東」へ。そして明かされる意外な正体
―― 兼松さんの次なる展望を教えてください。
兼松: 今はこれまで広げてきたものを少し整理しつつ、より大きな成果を出す領域を見極めるフェーズだと思っています。その一つが、海外事業です。特に中東など、文化もビジネス慣習も全く知らない場所に飛び込んで、拠点を変えて挑戦してみたいと考えています。
―― どこまでもアクティブですね!最後に、読者への驚きのメッセージがあるとか。
兼松: はい。実は私、今も現役の大学生なんです(笑)。 ガイアックスでもインターンではなく、事業責任者として責任を持ってコミットしています。「学生だから」と自分を制限せず、一人のプロフェッショナルとして社会と関わり続ける。そんな生き方が、もっと当たり前になればいいなと思っています。
DAO事業、M&A担当、外資プロダクト開発、そして現役大学生。兼松 亜優という人物のポートフォリオは、一見すると複雑に見える。しかしその根底にあるのは、「目の前の仕事への圧倒的なリスペクト」と「尽きることのない好奇心」という、極めてシンプルな情熱だった。「波に乗る準備」を欠かさない彼女の視線は、すでに中東という次なる大きな波を捉えている。









