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SHARE SUMMIT2021 Sustainable Action ガイアックスCEO 上田祐司 登壇レポート

  • 最終更新: 2022年9月5日

10月5日に一般社団法人シェアリングエコノミー協会主催でシェアサミット2021が開催されました。

今年のSHARE SUMMITのテーマは『Sustainable Action − 大転換期における持続可能な経済社会システムの設計とその実践 −』。

企業、個人、政府、自治体、NPO、教育機関が手を取りあい、持続可能な共生社会「Co-Society」の実現に向けた具体的な行動「Sustainable Action」を起こし、新たな社会を創造していくためにすべきこととは?

本記事では、SHARE SUMMITの全体像とイベント開催でSNSで話題になったトピック、そして一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事 兼 当社代表執行役社長の上田が登壇したオープニングトークリレーの一部分をご紹介いたします。

 

SHARE SUMMITの全体像とは!?

今回のシェアサミットは、それぞれ以下のテーマでセッションが行われました。
登壇者は、平井卓也デジタル大臣、小泉進次郎環境大臣、オードリー・タン台湾デジタル担当大臣をはじめとする64名です。

»詳細はこちら SHARE SUMMIT 2021

 

SNSでもSHARE SUMMIT開催前から、ツイートする人が多数!

Twitterでも 『 #シェアサミット2021 』のハッシュタグで、開催前からさまざまな人のツイートが飛び交っていました。

シェアサミット開幕のスピーチでも、ツイートはとまらず、セッションを追うごとに増えていく投稿!リアルタイム感が伝わってきますね。

 

SHARE SUMMIT 2021のオープニングトークリレー

さて、オープニングでは、どんなメッセージや挨拶があったのでしょうか?
ここからは、SHARE SUMMIT 2021の オープニングトークリレーの一部分をご紹介いたします。

 

平井卓也
衆議院議院(初代デジタル大臣)

Co-Society、そしてサステナブルなアクションは、デジタル庁が目指す、やさしいデジタル社会をつくる上で、非常に重要です。

多くの地方都市がシェアリングシティ宣言をするようになってきたことも、皆さんのご尽力と、シェアリングエコノミーに対する理解が進んできたことのあらわれだと思います。

今までシェアリングエコノミー協会の皆さんとともに、シェアワーカーの研修・認証制度や伝道師の派遣などを行ってきました。今では多くの地方都市がシェアリングシティ宣言をするようになり、皆さんのご尽力と、シェアリングエコノミーに対する理解が進んできたことのあらわれだと思います。

これからがまさに本番です。高齢化が進み、人口減少過程にある日本において、共に助け合う、資源を無駄にしないというシェアリングエコノミーの考え方は、SDGsの中でも重要な部分を占めると考えます。

その上で、いまデジタル庁が考えているのは、デジタル社会の中におけるトラストをどう確保していくかということです。マイナンバーカードもようやく多くの皆さんに理解され、所有率が急増してきています。健康保険証や運転免許証との一体化に加え、今後はスマートフォンへの搭載も進んでいくでしょう。

さまざまな認証のトラストアンカーを国が行うことは、皆さんのビジネスにも大きなプラスになります。信頼され、安心できるビジネスモデルこそがサステナブル。そういった環境を整えていくためのデータ戦略も、デジタル庁の大きな仕事の一つといえるでしょう。

スタートしたばかりのデジタル庁が一気に成果をあげていくには、皆さんのご協力が欠かせません。今回「SHARE SUMMIT 2021」において、忌憚のない意見交換をする中で新たなシーズを探し、次のアクションを一緒に考えていきましょう。そしてぜひ、デジタル庁と一緒に前に動いていただければと思います。

 

オードリー・タン
台湾 デジタル担当大臣

COVID-19により、日常生活を含めたさまざまな局面で変化が生まれています。しかしこのパンデミックがもたらしたのは悪いことばかりではありません。働き方は、以前よりもはるかにフレキシブルになりました。社会全体のデジタルトランスフォーメーションが進み、新たな形のコミュニケーションが加速しています。

持続可能な社会をつくるには、一人ひとりのさまざまな価値観を理解し、尊重する必要があります。多様な考え方や文化をシェアすることで、社会のシステムが継続的にアップデートされ、経済の新たなモデルをデザインすることができるのです。

持続可能な暮らしを進めていく上で、シェアリングエコノミーは重要な方法です。このパンデミックで発展したデジタルトランスフォーメーションにより、地域社会や国際社会が協力する機会が、さらに増えていくことを期待しています。

本日、素晴らしいスピーカーの方々から、貴重な見識を得ることができるでしょう。サステナブルなより良い未来を共につくっていくために、私たちがこのイベントの後も、一緒に働き続けていけることを願っています。

 

ハリー・モーズレイ
Zoom Video Communications, Inc.  CIO (最高情報責任者)

新型コロナウィルスは、我々にとって困難な課題をもたらしましたが、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための大きなチャンスと捉えることもできます。

当社では”Delivering happiness”をモットーにしておりますが、幸せな社会のためには、いうまでもなく、人類が安定してこの世界で暮らし続けられることが必須となります。当社では永続的な変化をもたらす分野に焦点を当て、時間と場所を選ばない、効率よく自由なコミュニケーションと働き方を実現できるよう取り組んでまいりました。そして、リモート作業を可能にすることで、多くの温室効果ガス排出量を削減に貢献してきました。

また、当社では「思いやり」をコアバリューと考えており、行動の指針としています。
Wi-Fi環境を完備した日本の共同作業スペースの設計を支援し、地方自治体や福祉団体との連携、身体障害者の方や交通難民の方などがコミュニケーションを取ったり、働いたりすることができるよう、さまざまな実証実験に励んでおります。

気候変動による危機が深刻さを増してきているいま、限られた資源を効率的に使用していく「Sustainable Action」が必要です。これは、生活や経済活動のスローダウンを意味するのではありません。地球上での未来を確保するために、イノベーションや新技術の開発に努力を向けていく必要があるということです。

本日の議論を通じてお互いに学び合い、Sustainable Actionを実現するための新しいアイデアを生み出していけることを期待しています。

 

Yuji Ueda

上田祐司
株式会社ガイアックス 代表執行役社長
一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事

最近、SDGsという言葉が本当によく聞かれるようになりました。この理念にもある「誰一人取り残さない持続可能な社会」とは、どんな社会でしょうか。

私は「経済が発達した今の社会の、どこを修正し、どこを改善していこうということではない。一度ゼロリセットしてフラットに考えてみる必要があるのではないか」そんなふうに思います。

今の、経済が発達した社会というのは、言い換えると私たち一人ひとりが、エゴが強く、プライドが高く、周りに勝とうとしてしまう、そんな社会であるともいえます。しかし、そんな私たちになっているのはとても悲しいと思うのです。誰一人取り残さない持続可能な社会をつくるには、シェアの概念を持った社会をつくっていくしかないと確信しています。

このシェアリングエコノミー協会は5年前、2016年に、平井前デジタル大臣にサポートいただきながら設立しました。平井氏には現在も、法律の壁について、世の中のマインドについてなど、ご相談させていただいています。協会設立後に募集を開始した法人会員様は、現在では300社を超える規模となりました。5年前に比べると、上場したシェアリングエコノミー企業も増えてきています。まだまだではありますけれども、一つの産業として認知されつつあると思っています。私たちプラットフォーム企業の安全性を証明するために、認証マークという自主規制の取り組みも開始しました。

ここ1、2年は、協会としての活動に変化が見られます。さらに加速してきているともいえるでしょう。体制としては、今年になって東北、中部、関西、九州、沖縄と、5つのエリア支部を設けました。そして地方自治体さんとご一緒に活動を広げてきています。シェアリング指定協議会には、74自治体にご加入いただき、各地域の課題をシェアで解決し始めています。

予算のない中、地域ではさまざまな課題が山積みです。例えば空き地の問題、交通の問題、福祉や保育の問題などです。やはりこういった課題を解決するのに最も効率的なのはシェアです。助け合いで解決していくべきだろうと思うのです。

また協会として、法人のプラットフォーマーだけでなく、個人のシェアワーカーさん向けのサービスも始めました。共済や保険といった福利厚生サービス、そして勉強会などを提供しています。こういった地道な活動をする一方で、先日、第1回シェアワーカーサミットを開催することができました。500名規模で実施をしております。今後国内においては、新しい働き方として、シェアワーカーさんがどんどん増えていくでしょう。彼らは本当にシェアマインド溢れる方々であり、やはり彼らこそが主人公だと思います。自分の持ち物を他の人にシェアしたり、自分の空いている時間で他の人を助けたりしている。そういった皆さまと一緒に日本をシェアな社会にするべく、盛り上げていきます。

本日お集まりいただいている5000名の皆さまのうちの多くが、協会の活動に何かしら参画してくださっている方が多いと思います。協会のここ最近の活動を聞かれて、皆さまはどのような印象を持たれたでしょうか。


私たちが力を入れている活動は、単純にエコノミーやビジネスの枠ではありません。私たちがいま作りに行っているのは、ビジネスではなく、持続可能な社会です。誰一人取り残さない社会、共有をしていく社会、Co-Societyをつくりに行っているのです。

今年から10年かけて、私たちはこの目標に向かって進んでいきます。今年はそのための1年目として具体的なアクション、Sustainable Actionを、より深く考えていきたいと思っています。

 

これからのシェアリングエコノミーの役割とは?

4名のオープニングトークリレーからは、「共に助け合う」「価値観の理解・尊重」「思いやり」「誰も取り残さない社会」というキーワードが印象的だったと思いましたが、みなさんはいかがでしたか?

この新型コロナウィルスという大転換の時を迎えた私たちは、疲弊した経済、社会をしなやかに回復させながら、新たな豊かさに向けた第一歩を踏み出し、持続可能な企業経営、生き方、また社会基盤そのものを設計し、実践していくフェーズへとむかっているのかもしれません。
そして、シェアリングエコノミーは、これからの持続可能な経済社会システムとしての選択肢を提示するひとつの概念でもあるのでしょう。

 

『シェア』を起点に交わされた14のセッションでの議論

グラフィックレコーディングで作成されたイベントレポート

SHARE SUMMIT 2021では、オープニングトークの他に、「シェア」を起点に、14のセッションが開かれ、地域社会やSDGs、ツーリズムなどさまざまな分野で議論が交わされました。

イベント終了後にはTwitterで、グラフィックレコーディングを使用したイベントレポートも紹介されています。

こちらでは、ガイアックスの卒業生でもある佐別当隆志さん(株式会社アドレス代表取締役・シェアリングエコノミー協会理事)と千葉孝浩さん(株式会社TRUSTDOCK代表取締役)の登壇内容もグラフィックレコーディングでSNS上でシェア拡散されていました。
視覚的にわかりやすい……そして、かわいいイラストにも、ほっこり癒やされますね。

千葉孝浩さんのピッチのグラレコはこちら

佐別当隆志さんの登壇セッションのグラレコはこちら

各セッションごとのグラッフィクレコーディングは、こちらのシェアサミットのサイトにも集約されておりましたので、気になる方はこちらよりご覧ください。
»詳細はこちら シェアサミット2021アーカイブ動画について

 

話題に上がったセッショントーク

グラフィックレコーディング以外に、セッションの内容について、Twitter内で最も話題にあがっていたものは、『人新世の「資本論」』の著者・斎藤幸平さん、『シン・ニホン』の著者・安宅和人さん、シェアリングエコノミー協会 事務局長・石山アンジュさんの「シェアという思想〜本質的な豊かさを実現する経済社会の行方〜」と題されたセッションでした。


そのセッションは、こんな安宅和人さんの提言からスタートしています。

❝ 地球温暖化に伴うメタンの湧出が原因になり、ツンドラ地帯で謎のクレーターが大量発生しています。それによって今まで凍っていた炭疽菌などが吹き出てくると推定されています。

さらに、日本海では海面温度が過去100年で1.7度の上昇に伴って、風速90mの台風が来ると環境省もいっています。風速90mというのは家の基礎まで壊すくらいの力がある風です。

だから、私達は災害とパンデミックがめちゃくちゃやってくる未来に向かっている。
ESGもSDGsも大事だけど、そういっていられる時間は実は短いんじゃないかと思っています。❞

私たちひとりひとりが「いかしあうつながり」ある社会に向けて、どう経済と向き合えば未来をつくっていけるのかを考えさせられるセッションです。

 

SHARE SUMMIT 2021を振り返って

2016年から開催され今回で6回目を迎えるシェアサミットですが、その年その年にあったテーマとゲストを迎え、専門的な議論から思想に基づいた本質的な議論など幅広いセッションを通し、年々、創意工夫が織り込まれ、パワーアップしているように感じました。
»詳細はこちら  
SHARE SUMMIT詳細

「シェア」と一口にいってはみても、まだまだ法律改正などの観点からも「シェアリングエコノミー」といった仕組みは他国と比較すると、日本人にはより身近なものであるとはいえないでしょう。

待ったなしに迫る環境破壊。それに対応していくためには、時代にそった仕組みが求められ、その解決策の一つになる糸口が「シェアリングエコノミー」だと信じ、シェアリングエコノミー協会がこのシェアサミットを開催しているのだと改めて思わされました。


また、シェアサミットを開催することの意義は、日本は諸外国に比べ、シェアリングエコノミービジネスを行っている絶対数が少なく議論すら巻き起こらないため、その議論を起こしたいという想いもあるそうです。
»詳細はこちら
【シェアサミット2020】シェアリングエコノミーの今後をガイアックス上田代表が語る

人類が生き延びるためにも、綺麗事ではなく本当に求められている「環境にやさしい暮らし」や「誰一人取り残さない持続可能な社会」。

「シェアリングエコノミー」によって、愛情や感情がこもった形で、サービスを受けることができ、また同時に誰もが自由に自分らしいサービスを提供する形で社会に貢献するためにはなにをすべきなのか?

ガイアックスでは、「人と人をつなげる」ことをミッションとしており、シェアリングエコノミーこそ、まさにつながった後に生まれる社会の姿であると考えています。

そしてガイアックスでは、こういった社会の実現のために 事業を創出したり投資を実施しています。

 

社会課題を解決するため、事業づくりに取り組みたいあなたへ

ガイアックスのスタートアップスタジオでは、「人と人をつなげて社会課題を解決するための事業」をつくるため、起業を考えている人に、投資とサポートを行っています。
経理・労務などのバックオフィスからプロダクト開発の支援、事業責任者のメンタリングなど、投資するだけでなく、並走しつつ新しい事業を生み出すことが可能です。

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ライター・編集:遠藤桂視子

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上田 祐司
1974年大阪府生まれ、1997年同志社大学経済学部卒業。大学卒業後は起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。 ガイアックスでは、「人と人をつなげる」のミッションの実現のため、ソーシャルメディア領域、シェアリングエコノミー領域に加え、web3/DAO領域にも注力し、分散型自律組織やコミュニティの分野を強化。また、新規事業・起業を支援するスタートアップスタジオとして社会課題の解決に取り組む。 一般社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事、AppBank株式会社および株式会社Unitoの社外取締役を務める。

主な政府委員・登壇などの実績

・消費者庁 第3回デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における 環境整備等に関する検討会(2020年)
・G1サミット2018 登壇(2019年)
・経団連 生活サービス委員会(2018年)
・日本学術会議 経営学委員会・総合工学委員会合同 サービス学分科会(2018年)
・総務省 地域IoT実装推進タスクフォース 地域資源活用分科会(2016年~2017年)

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