人によって「高い・安い」の感覚は違うものの、多くの人が感じる価格に対する一定の価値観があります。価格に対する価値観の数字を調査する方法をPSM(Price Sensitivity Measurement)分析と呼びます。

日本語では、価格感度測定と呼ばれる形でマーケティングにおいてさまざまな企業で活用されている概念です。この記事では、PSM分析とは何か、マーケティングとの関係性、PSM分析の求め方について解説します。

商品やサービスは「消費者が購入して終わり」というわけではありません。実際に購入した人が商品やサービスに満足していないと、リピーターがつかず次の商品購入につながらないからです。

・マーケティングで自社の商品をもっと効率的に売りたい方
・PSM分析の詳細を知って売れる商品の価格戦略が知りたい方
・新商品やサービスにピッタリな価格が知りたい企画、営業部署の方

など、商品を売りたい人たちが消費者の求める適切な価格を知れば、伸び悩んでいた売り上げアップにつながる可能性もあります。

PSM分析の詳細を知り、自社の利益を生み出す参考にしていきましょう。

PSM分析と最適価格とは?

PSM分析とは、消費者が商品やサービスについて「価格に対してどう感じるのか」を分析する手法を指しています。

市販のトイレットペーパーをイメージしたときに、あなたは何円くらいの価格を思い浮かべるでしょうか?
一般的に売られているものなら、300円台~800円台くらいを想定したかと思います。仮にスーパーに2,000円のトイレットペーパーが置かれていると多くの方は高いと感じるはずです。

このように、商品やサービスを購入したい人が「ちょうどいい」と感じる価格は最適価格とも呼ばれており、PSM分析では売れる金額を分析していきます。
他にも、性別や年齢ごとの調査も実施して最適な価格を決定。そして4つの指標が交わるポイントを探して、最適価格を検討していきます。
以下では、PSM分析の軸になる「最低品質保証価格」「最高価格」「妥協価格」「理想価格」の4つについて詳細を説明します。

最低品質保証価格

下限価格とも呼ばれており「この値段より安くなると品質に不安を感じ始める価格」を指しています。
高級腕時計が相場以下の安さで売られている場合、購入を検討している方でも「本物ではなさそう」という不安がよぎるのです。

実際に中古品で売られていた本物だったとしても、相場価格と大きくズレているため消費者に不安が起こりやすくなります。
商品やサービスは安ければ安いほど購入意欲がわきそうなものですが、実際はイメージされる適切な価格でないと不信感や不安を抱きやすくなります。
たとえ製品やサービスが高品質でも、適切な価格でないと売り上げが伸び悩む原因につながります。

最高価格

上限価格とも呼ばれており「この値段より高くなると購入者がいなくなる価格」を指しています。
わかりやすく例えるなら、野菜でレタスの価格が高騰して一個500円以上で販売されていると、普段の2~3倍以上の値段になり購入者は手が出せないと感じてしまいます。

購入者の共通意識として、商品に出せる価格には限度があります。
「この商品やサービスは、どんなに高くてもこのぐらいの値段」というイメージする限度額を越えてしまうと、消費者のストレスや不満感につながります。
最高価格は、高級な商品を売り出したいときの参考にするのがおすすめです。
ただ、元からのブランドイメージに合わないなど、値段が高すぎると感じた場合はリピーターにつながらず売り上げが見込めなくなります。

妥協価格

消費者が「この値段なら買うのもありかもしれないと感じる価格」を指しています。仕方ないと思いながら購入できる価格が妥協価格であり、価格に満足しての購入ではない点がポイントです。

家具のテーブルが欲しいと感じたとき、素材や他の類似商品と比べてみて安すぎず高すぎないなどが当てはまります。
すでに競合他社が同じような商品を販売している場合、競合の値段を参考にするのも妥協価格を考える上でおすすめの方法です。

元から欲しい商品やサービスだった場合、購入者がお金を出してもそれほど違和感がないと思う価格であるため、ある程度の売り上げにつながるはずです。
ただ、消費者が価格について積極的に好感があるわけではなく、この値段なら仕方ないと諦められるラインが妥協価格のため、積極的な売り上げにはつながりにくいと言えます。

理想価格

最適価格とも呼ばれており、消費者が「この値段は適切だと感じて購入者が一番増えやすい価格」を指しています。
服のパーカーが欲しいと感じたとき、素材や店舗のイメージを考えて「品質と値段がつり合っていて良い」というものが理想価格です。

消費者のストレスや不満が出にくいため、コストや販売数と照らし合わせながらできる限り理想価格に近づけていきましょう。
ただ、あくまで消費者にとっての理想価格であり、販売者にとっては利益が見込める価格帯とはつりあいが取れない場合もあります。
理想価格は購入者が不満を感じずに買える価格で、商品やサービスが一番売れやすい価格を指しています。

PSM分析はマーケティングのリサーチに必須

PSM分析は、自社の商品やサービスが効率よくに売れる仕組み作りに欠かせない手法です。
商品開発が終わり販売の前段階に来たとき、販売中の商品をリニューアルするときなどにPSM分析は実施されています。
事前にPSM分析で消費者の最低品質保証価格を確認しておけば、割引セールを実施したときに顧客が不安を感じない価格がわかるのです。
このようにPSM分析で事前に価格帯を調べておけば、効果的に販売できる価格を調整できます。

他にも、顧客が「A社の価格と相場はこのくらいのイメージ」といったブランドポジショニングの参考にすることも可能です。
PSM分析では、売れる商品やサービスを作るためのマーケティング戦略に欠かせない手法の一つと言えます。

PSM分析の活用方法

消費者から調査して商品の最適価格を分析した後は、その結果から消費者が「どうしてこの値段をつけたのか?」という心理や思考を一緒に考えていくのも大切なポイントです。

PSM分析で得られた数字上のデータだけでなく、消費者の裏にある意図を読み解くことで商品改善の参考につながります。
PSM分析で価格戦略を立てながら、他のマーケティング手法を使えばより多角的な視点から商品の改善が期待できます。

今まで売り上げが見込めなかった原因が価格イメージに合っていなかったことがわかれば、パッケージや品質に高級感を持たせるなど、さまざまな対策を打ち出せます。
物を作れば消費者に商品が売れるわけではないため、消費者の心理や欲求を読みながら販売していくマーケティング戦略が必要不可欠です。

PSM分析の求め方とは?

PSM分析では、商品やサービスを購入する利用者にアンケートの質問調査から、おおまかな傾向を分析します。また、商品を売り込みたいターゲットによって最適価格は変化します。

PSM分析にも弱点があるため、住宅物件や高級車などの高額商品や安すぎる日用品などの商品には不向きです。
アンケートでは、調べたいジャンルの商品を買い慣れている人をターゲットに調査するのがおすすめです。

同ジャンルを購入する機会が多い人は自社の商品を買う可能性も高い傾向があるため、価格に対する価値観を参考にできます。
以下では簡単に、おおまかなPSM分析の求め方を解説しています。

①アンケート

PSM分析では消費者の性別や年齢を中心に「最低品質保証価格」「最高価格」「妥協価格」「理想価格」の4項目を調査します。

アンケートでは、以下のような形で消費者に質問して最適価格を導き出していきます。

1.「この商品について、安すぎて品質が不安で買わなくなる価格は?」
2.「この商品について、高すぎて買えない価格は?」
3.「この商品について、高いと感じ始める価格は?」
4.「この商品について、安いと感じ始める価格は?」

以上の項目を使ってターゲットに数字を回答してもらいます。商品を買ってほしい年代や層を狙いながら、効率的に調査していきましょう。

②データを集計後にグラフ化

PSM分析から集めたデータをExcel など、計算処理ソフトを使って集計していきましょう。
集計後はグラフ化すると、4つの質問項目からわかる最適価格が導き出されます。

・妥協価格:「高い」「安い」が交差するポイント
・最高価格:「安い」「高すぎて手が出せない」が交差するポイント
・最低品質保障価格:「高い」「安すぎて品質に不安を感じる」が交差するポイント
・理想価格:「高すぎて手が出せない」「安すぎて品質に不安を感じる」が交差するポイント

それぞれのグラフが交差するポイントの幅が最適価格です。PSM分析のアンケート人数は少数からも可能ですが、より多くの人数を集計するほど正確な数値が導き出せます。

PSM分析で最適価格を知り、売れる商品に導く

PSM分析とは何か、マーケティングとの関係性、PSM分析の求め方について解説してきました。
消費者が商品やサービスについて感じる「イメージする価格帯」を分析する手法がPSM分析です。

PSM分析では「最低品質保証価格」「最高価格」「妥協価格」「理想価格」の4つから、消費者がちょうどいいと感じる価格を導き出していきます。
最適な価格の求め方は、アンケート調査後Excel に集計してグラフ化がおすすめです。集計する人数が多いほどより正確なデータを導き出せるのです。

PSM分析は、マーケティングに欠かせない手法の一つとして、新商品や既存商品を効果的に売り出す上で大切なポイントになります。
自社の商品やサービスに伸び悩みを感じている方、新商品を開発して適切な市場価格を見極めたい方など、ぜひPSM分析の手法を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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廣渡 裕介

廣渡 裕介

メディア運営会社のインターンを経て大学在学中に起業。自身の会社を経営しつつ、様々なスタートアップや起業家と一緒に仕事をしたくガイアックス・スタートアップスタジオにも所属。スタートアップスタジオの国内普及を目指して情報を発信中。