さまざまな働き方を実践する社員が集まるGaiax。今回はGaiaxに所属しながらダブル正社員、週1フリーランスと、ユニークな働き方を選択している蓑口恵美さんにお話を伺いました。

蓑口さんのライフミッションは「幸せに働ける人や地域づくり」。ライフミッションを実現するために働き方を選択してきた経緯、そして自身の故郷である富山への想いや活動に迫っていきます。

ダブル正社員から、週4正社員・週1フリーランスへ

━━ 蓑口さんは今年の4月まで、日本初のダブル正社員としてGaiaxとランサーズで働かれていましたよね。現在は働き方を変えたそうですが……?

現在は週4日Gaiaxで正社員として働き、残りの週1日はフリーランスとして働いています。

Gaiaxではシェアリングエコノミー協会に所属し、シェアワーカーの支援、声を社会に届ける個人会員制度「SHARING NEIGHBORS(シェアリングネイバーズ)」の運営を中心におこなっています。勤務スタイルはフルリモート。家にいると気合いが入らないので、永田町にで仕事をすることが多いです。

残りの週1日は、故郷の富山で立ち上がったプロジェクトにフリーランスで関わっています。「富山で」といっても、基本的には東京からリモートで仕事をしているんですけどね。

蓑口恵美さん
永田町での仕事風景

━━ なぜ現在の働き方にシフトしたのですか?

いずれ故郷である富山・南砺市で仕事をしたいと思っていたんです。わたしが大学を卒業した時に地元でやりたい仕事を見つけられなかった経験から「地域の働き方を変えたい」と考えていました。

ランサーズで4年間、23の自治体と働き方の事業をしながら、当時は富山で新しい働き方を広める機会には恵まれなくて……。なぜなら、富山は働き方を変える必要がないほど既存の産業が元気で雇用環境がいいんですよ。正社員率は高く、世帯年収は高いし、子どもも両親に見てもらえる環境にあって、日本の中でも恵まれた働き方ができる県なんです。だから、「働き方を変える」文脈で富山に参入する機会はあまりなかったんですよね。

━━ わたしも富山出身ですが、知りませんでした……!

そして今ご縁があって、挑戦してみたかった故郷の仕事に出会えたんです。それが働き方を変えた決め手ですね。

自分の時間の「10%」を富山に還元

━━ 参入余地がなかった富山で、どのようにお仕事を見つけられたんでしょう?

故郷でやりたいことがあるのに、何もできないのは歯がゆくて……。30歳になったら故郷に恩返しをすると決めていました。「何ができるか分からないけど、まずは地域に住んでいる人たちが何をしているか知ろう!」と思ったんですね。

一方で、東京で一緒に働きたいチームやこれまで築いてきた人間関係や家族もいるので、移住するのは違うなと……。同時に地域活性に携わりつつ、地域の変化は緩やかです。10年ぐらいかけてゆっくり変わっていく際に、私自身がずっと楽しく関わり続けられることも大切だと思いました。

考えた結果、一番負荷なく還元し続けられる目安として「消費税」が浮かびました。

━━ 「消費税」ですか?

普段の生活の中で、8%の消費税って、あまり意識せず払っていますよね。後に10%になりますが(笑)

わたし自身、地域の人がもっとも必要としているのは、お金ではなく時間だと感じています。「移住者が欲しい」というのは、自分たちの人生に関わる人、つまり住民の時間が欲しいっていうことじゃないですか。すぐに移住は難しいけど、東京で働きながらも、わたしの時間の消費税分、10%くらいであれば心地よく出し続けられるのではないかなと。

そこで「10% for HOME」という言葉を思いつきました。人生の時間の10%を富山に入れ続けるみたいな。

富山でのミーティング

━━ 「10% for HOME」は名案ですね!

この考えは実は後付けなんです。当時、富山に帰っている日数を計算すると、365日のうち35日帰ってたんですよね。地域のために頑張ろうと思ってやったのではなく、お正月に帰省したり、田植えをしたり。自分にとってあまり負担がなかったですし、移住しなくとも十分地域の活動に時間を使えるなと思いました。

帰省して地域の人々と会話をする中で、「最近ある案件で困っていて、人紹介してくれない?」など相談してもらうことが増えていって。それに対してわたしは人を連れてきたり繋いだり。10%でできることをやっていたら、今の仕事に出会うことができました。

━━ 週1日の富山の仕事は具体的にどのようなことをされているのですか?

富山・南砺市でとあるプロジェクトチームに参画し、地元に必要な人材を育てる起業家育成のようなプログラムを地域内の仲間と一緒に立ち上げています。わたしは東京支部のような立ち位置で、都内で必要な情報や、仲間を探しています。なので、月1〜2回は富山、あとはオンラインMTGでプロジェクトを進めています。今の私の状況を理解してくれる仲間がいることで、地域のプロジェクトなのに、わたしが東京にいることがメリットになる体制で進められています。

働き方は、ライフミッションを実現させる手段

━━ 「ダブル正社員」や「週1フリーランス」など、常に新しい働き方に挑戦していらっしゃる印象があります。

「幸せに働ける人や地域づくり」をライフミッションに掲げる上で、わたし自身も新しい働き方を体現できる人間でありたいなと思っていました。実証実験をしてみたかったんですね。色々な地域を回りながら『地域で新しい働き方を始めることが大変なのはわかります。でも今はダブル正社員もできる時代!だからみなさんもこの時代の追い風に乗りましょう』そう言いたかった。

でも、ダブル正社員になることが目的ではありませんでした。ライフミッションが根底にあって、それを叶える手段として当時はダブル正社員が最適だったんです。

ランサーズに勤めていた際シェアリングエコノミー協会に参画したのですが、業務委託者は自治体業務の仕事に入札できないんですね。正社員でなければできない仕事が多かったこともあり、ダブル正社員という形を選びました。もちろん、Gaiax、ランサーズ双方の理解と協力がなければ実現できなかったので、本当に環境に恵まれていたと思います。私一人のために汗を書いてくれた、両者の人事や労務、チームメートには今でも大きな感謝とリスペクトがあります。

ダブル正社員時代、2枚の社員証
結婚式にて。ダブル正社員の祝辞は、豪華なダブル主賓祝辞!

━━ 働き方はあくまで手段ですからね。とはいえ、今回働き方を大きく変更する上で、ご自身の気持ちや行動にも変化があったのではと思うのですが……。

そうですね、より自分のライフミッションに集中できるようになったと思います。

ダブル正社員時代は2つの職場に恵まれ、仲間に支えられながら仕事をすることができたのですが、2つの制度を前提としていたので調整が大変だったんですよね。例えば週2日だった勤務日が週4日に変動したら、都度契約書を結び直さなければならないし、保険料も変わってきます。繰り返しになりますが、労務の方々には本当にお世話になりました……。

両方の企業の仕組みが整っているからこそ正社員としてどこまでコミットするべきか、葛藤はありましたね。その中で本来の自分のライフミッションに費やす時間も確保しなければいけないので。

日本型雇用における2つの制度に挟まれる大変さを感じた一方で、わたしが新しい働き方を実践することで両方の企業の方々にフィードバックできたので、挑戦した意義はあったなと思います。

複業を始める第一歩は、「自分の価値」を認識すること

━━ ダブル正社員や週1フリーランスなど働き方を変えていく中で、Gaiaxはどのような企業だと思いますか?

Gaiaxは本当に柔軟な企業です。びっくりするぐらい。
一方で、強く自立を求められる環境でもあると思います。

━━ たしかに、自由である一方で責任が伴いますよね。働く上で、意識していることはありますか?

「自分に価値があると信じ、伝え続ける」ことが大事だと思います。信頼も信用も、つくるのは自分自身です。週1日フリーランスとして働くとなると、週4日で結果を出すこと、会社にとってプラスの存在であることを伝え続けていく必要があります。

━━ 会社に所属しながらフリーランスで活動するメリットは何だと考えますか?

週1日フリーランスとして活動する中で、やはり個人でできることは限られていると感じることもあるんです。Gaiaxという会社にいることで信用が生まれ、素敵な出会いに恵まれたり、多くの選択肢を持てたりするのはありがたいですね。

一方で会社や東京エリアだけでは社会課題を捉えきれません。地域に足を運んで、悩んでいる人一緒に考えることも重要です。東京も2〜30年後には少子高齢化する未来が待ち受けている中で、地域は先に経験しているんです。未来を先に見ている地域の先輩から学び、東京に生かすことで双方にメリットがあると信じています。

━━ 片方の組織で得た経験や人脈が、もう一方に活かされていくわけですね。蓑口さんのように複業をしたいと考えた時に、何から取り組めばいいでしょうか?

そもそも複業をしたい人の目的は、大きく2つに分類されると思います。「副収入を得たい」か「もう一つスキルを得て成長したい」か。後者の場合、「企業以外でどのような価値を提供できるか分からない」と悩むことが多いのではないでしょうか。

━━ たしかに「あなたが提供できる価値って何?」と聞かれると戸惑います……。

自分が持っている価値って、自分が一番分からないものですよね。何がしたいか、自分にどんな価値があるか分からない場合は、5分でできる方法として、親しい友達や家族に候補を出してもらうのがおすすめです。

「わたしって何ができると思う?わたしのいいところは?」と質問して、5個くらい挙げてみてもらってください。例えば話すのが上手とか、ライティングがうまいじゃんとか。出てきた5個の強みはあなたのスキルになりますし、人はそこに対価を払います。案外自分では何でもないと思っていたことがでてくるかもしれません。

まずは身近な友人たちから自分の武器を引き出してもらって、そこからあなたが提供できる価値を見つけていってくださいね!自分らしい働き方は作れる時代。みなさんと一緒に働き方をどんどん多様に、豊かにしていけることを楽しみにしています!


蓑口 恵美

蓑口 恵美

「幸せに働ける人や地域づくり」がライフミッション!富山出身/ ランサーズで23地域の雇用事業の立ち上げに携わった後、自身の働き方も創りたいとLancersとGaiaxで日本初「ダブル正社員'17-19」に挑戦 /現在はシェアエコの普及と、週1富山でフリーランスを行う