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切迫感を持つことで出せる力は5倍以上になる 〜Find Travel 井出 一誠氏インタビュー〜

  • 最終更新: 2023年11月9日

2015年2月、株式会社DeNAが旅行情報に特化したキュレーションメディア「Find Travel」を買収しました。2014年8月にサービスリリースされたばかりのメディアを立ち上げたのは、2005年〜2013年にガイアックスに在籍した井出一誠(いでかずあき)さんです。現在、6つのサービスを有するキュレーションメディアプラットフォーム・「DeNAパレット」のグロースに寄与している井出さんにインタビューしました。

「学習の高速道路」の先まで突き詰める

ガイアックスと井出さんの出会いは、2005年。大学二年生だった井出さんは、NPO法人ETIC.のコーディネートにより、インターンを始めます。それは井出さんにとって、初めて自分のアントレプレナーシップを発揮する経験になりました。

ガイアックスに入社したきっかけは、ETIC.のコーディネーターに勧められて、なんとなく選びました。中学生の頃から起業に興味があり、サイバーエージェント・藤田さんの書籍を読んだりしながらワクワクしていました。そんな背景もあって、起業家輩出企業という上田社長のビジョンに共感したのかもしれません。入社して、今まで出会った大人とまったく違う人たちとの仕事は、とても刺激的でした。

2005年当時、井出さんの同世代メンバーには長谷川 敦弥氏(現・株式会社LITALICO 代表取締役社長)、戴 周頴氏(現・株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ 北京オフィス代表)が、少し先輩には、村井 智建氏(現・マックスむらい/AppBank株式会社)、江戸 浩樹氏(現・アディッシュ株式会社 代表取締役社長)らが在籍していました。

自分の中で、こういう仕事ぶりの大人がすごい人だ、というイメージ通りの上司に出会い、売上達成へのこだわり、営業や企画の進め方について影響を受けた一方、こういう仕事のスタイルもありなんだ、と思わせてくれる先輩にも出会い、自分なりの物事の考え方や仕事の進め方を確立させるきっかけをもらいました。

井出さんが近しい先輩だと感じた社員による井出さんの印象は、「興味を持ったことはとことん突き詰める、粘り強い」とのこと。もともとITに特別興味があったわけでもない井出さん、やれば、なんでも興味を持つと言います。何かがものすごく好きというよりは、60%でいろんなことが満遍なく好きで、状況に合わせて100%に突き詰めていくというのが自分のスタイル、と話してくれました。使命感を感じたら、どこまでもやれる。それがたまたまWebマーケティングの分野で、ガイアックス時代の2010年に立ち上げた「GaiaX ソーシャルメディア ラボ」でした。

当時、Webプロモーションの営業やSNS構築を担当する中で、案件単価が下がっていることに気づきました。営業せずとも受注できるインバウンドマーケティングに取り組まなければいけないのではないか、という問題意識から、自社のWebメディアが必要だという使命感が生まれ、誰もやらないなら僕がやろうかなと思い、始めました。四六時中、どうすればより良いメディアとして成功するか考え、成果にこだわり続けたことが、他社メディアと差別化できた要因だと思っています。

結果、SNS構築やソーシャルメディアマーケティングのことなら、ガイアックスに相談しようというクライアントを醸成する流れが生まれます。2年間、GaiaXソーシャルメディア ラボを育てた井出さんは、B2BのWebマーケティングに手応えを感じ、次のステップとしてB2Cサービスの立ち上げにチャレンジするため、2013年に株式会社ミクシィ・リクルートメントに転職、「Find Job!スタートアップ」を立ち上げ、編集長を務めます。Find Job!スタートアップでは、スタートアップにとって「学習の高速道路」になることを掲げ、狙い通りヒット記事を連発しました。

(GaiaXソーシャルメディアラボ時代の井出さん)

アントレプレナーは「社会の公僕」

Find Job!スタートアップのサービス立ち上げから約7ヶ月後の2013年12月、当時の上司に、キュレーションメディアを立ちあげたいというビジョンを相談したところ、それならば起業したほうがよい、との助言を受け、2014年1月に同社を退社。3ヶ月の準備期間で、ユーザーや投資家などにヒアリングと調査を重ね、株式会社Find Travelを設立しました。

ソーシャルメディアラボで、自分が主体的に仕掛けてサービスを創る姿勢を体感できたことで、アントレプレナーは、「社会の公僕」であるという考えが生まれました。つまり、自分が一生懸命サービスを創ることによって世の中が便利になり、そのサービスを活用する人が増えることは、世の中の価値を増幅させることと同義です。公のためにレバレッジをきかせるために自分の仕事を創るという視点は、Find Travelを始めるときにも意識していました。

(DeNAファウンダーの南場氏もFind Travelを含むキュレーション事業を紹介)

2014年8月にサービスインさせた半年後の2015年2月、DeNAに売却し、Find Travelのほか、“より豊かな住まいを実現させる”ための「iemo」などを集めた「DeNAパレット」のグロースを担当。各サービスの成功要因を分析し、他に打ち手を反映させる提案や、KPI達成のための体制づくり、問題解決の設計業務など、DeNAが力点を置くキュレーションメディアの要役を任されています。今後は、Find Travel含む10のサービスを立ちあげて成功させることと、スタートアップのエコシステムを創ることに意欲を持っていると話します。

Find Travelは自分がリスクを取って切迫感がある中で始めたからこそ、成果が出たと考えています。この切迫感は、会社を設立する前にガイアックスの社員だった当時、自社株を保有したタイミングで意識的になりました。それがあることによって、出せる力が感覚的には5倍以上になる。人生かけて突っ込む覚悟を持てる切迫感は、自分の原動力になっています。

この話は、先日ガイアックス 代表執行役社長・上田祐司が自身のブログで書いた「ガイアックスの有償SO(ストック・オプション)を購入すること」にも通じます。“投資すべきリスクチャンスと、キャピタルゲインを取れるリスクチャンスを提供したい”という思いから始めた有償ストック・オプションに関する社員へのメールを、赤裸々にブログに綴っています。

(Find Travel取締役の小山千枝さんと。同じくガイアックス出身で開発を担当。)

最後に、井出さんの新規事業と投資についての考え方をお聞きしました。

新規事業は、マーケットが大きいほうを最初から狙いに行くほうがいいですよね。マーケットの意識を持たずに個人のやりたいベースで始めてしまうと、スケールせぬまま徒労となって小さく終わってしまう気がします。既存のプレイヤーがまだあまりいない分野、お金の流れがすでにあってリプレイスしやすい分野や、既存の構造があと一歩伸び悩んでいる分野について、日頃からウォッチして、同じ成功モデルのエッセンスを活かせないかな、と考えています。いずれまた新しいサービスを立ち上げるかもしれません。その時は、もっと大きくできるように頑張ります。

同じくスタートアップに取り組んでいるガイアックス卒業生とは、定期的に情報交換や相談をしあう仲だと言います。起業家として、また個人投資家として、どんなサービスを社会に生み出す存在になるのか、今後も楽しみにしています。

ぜひ、旅行に行くときは、Find Travelを見てもらえると嬉しいです!最近だと大阪観光や京都観光の記事がよく見られています。

井出さんご協力ありがとうございました!(インタビュー:コーポレートカルチャー室 佐別当/記:たつみまりこ)


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