新卒1年目で事業責任者に就任し、わずか数年でM&Aから子会社の統合・立ち上げを主導。現在は年商5億円規模の事業を率いる代表取締役として、経営・採用・戦略構築を一手に担い、2025年3月には株式会社ガイアックスの執行役に就任されました。
早期から事業運営の全体を担い、収益モデルの再設計やPMI(買収後の統合プロセス)、クリエイターとの協業体制の確立など、実践を通じて経営視点を磨いてきた中村さん。その根底には「事業を生み出す力を磨きたい」という意志と、変化の激しい環境でも自ら問いを立て、動いてきたアクションの数々ーー。
本記事では、中村さんがなぜここまでのスピードで成長できたのか、どのように意思決定し、実行してきたのか。そして、Gaiaxという環境がなぜ“事業家”を次々と輩出できるのか、その構造的な背景に迫ります。
「事業づくりの“型”を学びたい」就活でGaiaxを選んだ理由
──就活中は、どのような企業を見ていましたか?
正直に言うと、当初はスタートアップは視野に入れておらず、大手企業やメガベンチャーを中心に見ていました。というのも、学生時代にスタートアップで働いた経験があり、その中で「力不足」や「組織としての未成熟さ」に直面したからです。
──学生時代にスタートアップでの経験があったのですね。
はい。創業間もない教育系スタートアップで働いていて、社員はわずか4人。ゼロからサービスを立ち上げる刺激的な日々でした。ただ、当時の私は経験も知識も浅くて、今振り返れば、避けられたはずの失敗もありました。だからこそ次は、「しっかり力をつけられる環境」に行こうと決めていました。
──その中でGaiaxに出会ったきっかけは?
「若手でも事業の責任を持てる」とか「自由と裁量がある」といったキーワードで企業を探していたときに出会ったのがGaiaxでした。
正直なところ、当時の私は「この領域で事業を立ち上げたい!」という明確なビジョンはなく、「良い事業を生み出せる人になりたい」という気持ちの方が強かった。だからこそ、「分野を絞り込む」のではなく、「事業をつくるための視点や型を、20代のうちに身につけたい」という自分の想いに、Gaiaxの環境はフィットしました。
──入社の決め手になったのは何でしたか?
代表・上田さんとの面談です。学生時代に取り組んでいたことを話したら、突然こう聞かれたんです。
「で、売上にどれくらい影響を与えたの?」「数字はどうだったの?」と。
正直、焦りました。それまでの選考では、学生時代の経験をただ「頑張ったね」と言われることがほとんどで、こんなにも“事業”として捉えられるとは思っていなくて。私は代表ではなかったのにも関わらず、代表と同じ視点を求められていることにも驚きました。
──受け答えはうまくいきました?
その場ではうまく答えられず、本当に悔しかったです。でも同時に、「ここに入れば、間違いなく自分を鍛えられる」と直感したんです。そんな本気の問いを投げかけてくれる環境で、自分も“事業をつくる人”として成長していきたい。そう思えたことが、Gaiaxに入社を決めた一番の理由でした。
何も整っていない環境で、自ら問いを立て動くインターン時代
──Gaiaxに入社を決めてから、内定者インターンとして働き始めたそうですが、どのような経験をしましたか?
インターンの半年間、事業として立ち上がったばかりのオンライン配信支援事業に携わっていました。初日に「見積書のテンプレートってありますか?」と聞いたら、「ない」と即答されて(笑)。見積書のみならず、営業資料もなく、そもそも「このサービスをどう売るか」という型すらない状態で、「何も整っていない」ことに衝撃を受けました。
解決したい課題と「オンライン配信サービスを売る」ということだけは決まっていたので、そのために必要なことを考え、自ら問いを立てて動く日々でした。
──カオスな状況の中で、仕事をするために意識していたことはありますか?
「待ちの姿勢をやめること」です。誰かが何かをしてくれる前提ではなく、自分が事業を前に進める当事者だと自覚して、自ら動くこと。
この経験で自分の捉え方も大きく変わり、「整っていないのが当たり前」と思えるようになりました。事業部長も戦略や事業の進め方の正解を全部持ってるわけじゃない。競合分析や問い合わせ内容の整理、ヒアリングなど、自分で考えて自分で動くことで、どんどん情報が集まり、やるべきことが見えてきました。
──そこから、どのように次のキャリアに進みましたか?
内定者時代から、「なるべく早く自身で事業のオーナーシップを持ちたい」と周囲に話していました。当時、GaiaxがちょうどSNSマーケティング事業を手がけるGENICLABの買収を検討していたタイミングで、内定者インターンでの動きをみてくださってたこともあり、「責任者をやってみないか?」と声をかけていただきました。本当にありがたかったです。
入社2ヶ月で事業責任者に抜擢。未経験でM&Aに挑戦。すべてを背負う覚悟
──入社して2ヶ月でGENICLABの事業責任者に就任。具体的にはどのようなことをしていましたか?
前任の社長が2ヶ月後にアメリカへ行くことが決まっていて、それまでの間に事業を全部引き継ぐ必要がありました。
営業、事業計画の策定、組織の立ち上げ、運用体制構築、採用まで──本当にすべてを担いました。分からないことだらけでしたが、ひたすら人に聞き、自分で調べ、必要であれば社内外のプロを巻き込んで進めました。
──GENICLABの事業責任者になってから2年後、M&Aにも関わることになったと伺いました
はい、スナップマート社の買収です。買収の話は、代表の上田さんから「興味ある?」と声をかけてもらったことがきっかけでした。最初の打診から、先方との初回ミーティング、DD(デューデリジェンス)、買収後のPMI(統合プロセス)まで、一連の流れを担当させてもらいました。
ただ、当時の私は買収もDDもまったく初めて。送られてくる資料には複雑な数式やロジックが並んでいて、「正直、全然わからない……!」というのが最初の印象でした(笑)。
でも、だからこそ、「分かるようにするしかない」と思って、3日間くらいでとにかく関係者に聞きまくって、細部までかみ砕いて理解していきました。
その中で上田さんがくれたフィードバックの中でも、特に印象的だったのが、 「机上の空論の数字ではなく、“この事業を買収したら、どれくらい利益を出せるか?”という視点が一番大事だよ」という言葉。事業を“自分ごと”として捉える視点を、改めて教えてもらった瞬間でした。
上田さんは、要所でしっかりフィードバックや視点の提供をしてくれて、「どこを見たらいいか」「何を考えたらいいか」を丁寧に示してくれました。でも最後は、「中村さんがやりたいかどうかだよ」と、判断を私自身に委ねてくれたんです。
GENICLABのときと同じように、“支えてくれるけど、最終的には任せてもらえる”。そんなGaiaxらしさが、ここでも大きな励みになりました。
想いと事業が重なる場所。「CREAVE」という新しい挑戦
──現在は、CREAVEで代表取締役を務めていらっしゃいますよね。
スナップマートの買収後は、もともと私が引き継いでいたGENICLABと統合するかたちで、2024年に「CREAVE」という社名で新たなスタートを切りました。
──GENICLABとスナップマート、それぞれどんな強みがあったのでしょうか?
GENICLABは、SNS領域に強い社内のクリエイター体制があること。スナップマートは、全国の登録クリエイターが写真や発信で企業のマーケティングに関わる仕組みを持っていました。事業としても親和性が高く、統合することでより強い価値を提供できると考えました。
──CREAVEという事業が、ご自身の想いと重なった部分について教えてください。
私自身、「特定の領域でこれをやりたい!」という想いよりも、 「いい事業をつくる人になりたい」「関わる人が幸せになれる事業をつくりたい」という気持ちの方が強くて。
その意味で、CREAVEの事業はすごく自分の想いに合っていました。企業とクリエイターが一緒にブランドを育てていくことに挑戦できて、クリエイターさん一人ひとりの自己実現にもつながるところが、私にとってとても大切な部分です。
実際にクリエイターさんからの声で「写真が趣味から、仕事になった!」「毎日が楽しくなった!」という声をいただいたときは、本当にうれしかったですね。
「この事業が、関わる人たちの人生にポジティブな変化を起こしてるんだ」と実感できた瞬間でした。
もちろん、まだまだ理想には届いていないですし、課題もたくさんあります。でも、メンバーが増えて、企業やクリエイターさんとの関係性も深まって、着実に進んでいる実感はあります。
若手から事業家を育てる。Gaiaxの“信じて任せる文化”
──中村さん自身もスピーディーなキャリアを歩まれていますが、Gaiaxが数々の事業家を輩出している背景には、どのような支援体制があるのでしょうか?
経営陣からフィードバックをもらったり、社外の人を紹介してもらったりとか、もちろんそういう支援もありがたいんですけど、根本的なありがたさはそこじゃなくて。
「本気で信じてくれている」、そのスタンスが一番大きいと思っています。
上田さんから「あと10回くらい失敗してもいいよ」と言われたことがあります。多くの会社が「失敗を許容します」と口では言いますが、Gaiaxではその覚悟が本気で伝わってきます。もちろん、ほか事業部の売上利益があって、チャレンジできているわけです。株主、メンバー、お取引先様、30万人超のクリエイターの皆さんを巻き込み、戦略的にリスクをとって取り組んでいるからこそ、絶対に成功させるという気持ちです。
そういう私達が感じている責任感・プレッシャーは、上田さんはもっと感じているわけですが、そのような声掛けをしてくれています。
だからこそ、なおさら、信じてくれている期待に応えたいですし、仕方ない・自分たちのせいではないみたいな他責思考になることはありません。自分たちがオーナーシップを持っているという責任感を現場に生み出すことになっています。
本気で信じてくれているから、責任感が引き出される
この本気で信じてくれているというスタンスは、私たちの責任感をより引き出してくれています。
短期的な数字を見て、細かく管理されるのではなく、「長期的に何を達成しようとしているのか」や「ベストを尽くした結果なのか」という点が見られていて、「中村さんがベストを尽くしてこれなんだったら、それでいい」って言ってくれています。だから、私達は「ベストを尽くせているのか」と常に自問自答します。私たちは自分たちでつくった目標があり、常に至らなさを痛感してばかりです。
もし自分がその立場だったら、1年目でめちゃくちゃ赤字を出していたら不安だし、月次で管理したくなっちゃうと思うんですけど、それが全くありません。
本当に長期的な視点で見守ってくれてるからこそ、安心して挑戦できるし、「成功できるように頑張ろう!」と思えるんですよね。
このような環境だからこそ、事業家が育っていくのではないかと思います。
これからキャリアを築こうとしている若手の読者の皆様へーカオスに飛び込む勇気を
これまでのキャリアの中で、私は「正解がない状況にどう立ち向かうか」を常に考えてきました。決まった答えがない中で、自分なりに仮説を立てて動いてみる。
その繰り返しの中で、様々な壁にもぶち当たりましたが、少しずつ“自分の武器”ができてきた実感があります。
どんな環境にいても、自分の意思と行動で未来は切り拓ける。
そう信じられるようになったのは、放り込まれるような経験を何度もしてきたからです。
だからこそ、これから社会に出るみなさんには、自分の心が躍る方へ、たとえカオスで、変化の激しい場所でも、積極的に飛び込んでみてほしいと思います。
ガイアックスは、挑戦したいという意思を持つ人に、無限のチャンスをくれる場所です。
ここまで任せてくれて、信じて応援してくれる場所は本当に珍しいと感じます。
もちろん、すべての人にとってそれが正解だとは思いません。
でも、もしこの記事を読んで「なんかピンとくる」と感じた人がいたら、きっとガイアックスは合うと思います。
ぜひ一緒に働きましょう。そして、一緒に、より良い未来を作っていきましょう。
上田 祐司
代表執行役社長
入社してすぐの段階では、本人に億単位のビジネス経験や、数十人のマネジメントの経験はありませんでした。
しかし、飲み込みが早く、数字にも強く、そして事業領域であるクリエイティブ領域にも強かったことから、私は中村さんに大きな可能性を感じました。
さらに、本人が掲げていた事業拡大の方針にも共感し、僕だけでなく会社全体がその姿勢を応援することができました。
初めてのことが多い中でも、その期待を裏切ることなく挑戦し続け、
取り組んでいる事業を、社会に役立つサービスへと着実に磨き上げている姿には、素直に感心しています。また、色々なステイクホルダーに愛される形で進めていることも、さすがだなと感じています。
これからも、より良いサービスを世に生み出していただくことを期待しています!
野澤 直人
執行役兼取締役
中村さんは、実績と人柄の両面において、本当に素晴らしい方です。
3年で売り上げ5億円規模の事業をつくるという目覚ましい成果を挙げており、能力も高く、実績も申し分ありません。
それだけでなく、とても謙虚で、言動には思いやりと誠実さがあり、品格を感じられます。
ガイアックスのような規模の組織では、ビジネスが分かっていて数字をつくれることはもちろん重要ですが、
それ以上に、人格や品格といった部分がより問われると感じています。
中村さんは、実績と人間性の両方を兼ね備えており、そうした背景から、今回執行役に任命しました。
これからの中村さんが、どのように組織を引っ張り、どんな未来をつくっていくのか。
とても楽しみにしています。
気づけばあなたも起業家に
自分の情熱に向き合い続け、言い続け、実行し続ける環境で働く。その延長線上の未来で、ふと気づいた時には、あなたも起業家になっているかもしれません。個人の情熱を徹底的に邪魔しない。「裁量権」なんて言葉では言い表せない、無制限なオーナーシップがある環境であなたも挑戦しませんか。