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DAOの作り方について組織運営者向けにわかりやすく解説

  • 最終更新: 2024年4月30日

DAOという新しい組織形態が広まっていくなかで、自分たちでDAOを立ち上げたいという方もいるのではないでしょうか。DAOは大きな可能性がある一方で、コミュニティ運用や開発の知見がないと全くワークせず、全く持続しないことも往々にしてあります。

この記事では、DAOを作るのに必要な要素を分解して、具体的にDAOの作り方を解説していきます。

なお、大手企業や自治体のDAO組成支援をもとに開発した、DAOの立ち上げから自走までを1ツールで実現できるDAOXのベータ版を無料公開しています。DAOを最短工数で確実に立ち上げたいご担当者様はぜひご活用ください。

DAOX 資料DL

本質的なDAOの定義

DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略で、日本語では「分散型自律組織」と呼ばれます。株式会社における代表取締役のような意思決定者がいなくても、ブロックチェーン上であらかじめ決められたルールに則って参加者間での投票が行われ、事業やプロジェクトを自律的に推進していく組織を指します。

つまり、組織を運営していくために行われる意思決定者が一意に存在せず、ブロックチェーン上で刻まれたプログラムの範疇で、組織の参加者が民主的に意思決定を行っていくのが本質的なDAOです。

一方で、2023年2月の時点では、そのような意思決定者なしの無人化で運営する組織の形成は難しく、実際の人が関わるようなDAOでは、設立者や特定の運営者がDAO的に運営しているのが現状です。

完全なDAOによって、人間が介在せずとも自律的に組織が運営されていくかはともかく、このような新しい組織形態は非常に注目されています。より詳しい定義や背景については、「DAOとは」の記事をご覧ください。

 

DAOを作る上で必要な要素

ここからはさっそくDAOを作っていくために必要な要素をみていきましょう。DAOを作る上で必要な要素は以下の2つです。

運営者のコミュニティ

まずは、運営者によるコミュニティの形成が第一にきます。DAO立ち上げ初期においては、いきなり分散的かつ自律的なコミュニティの形成は難しく、最初はトップダウン形式での管理・運営されたコミュニティが一般的となっています。

このフェーズでは、DAOがどのような価値を提供するかというミッションを設定し、それに共感するメンバーたちによって形成されたコミュニティが必要です。このミッションと、設定したコアコンセプトに賛同してくれるメンバーがあってこそ、本質的なDAOが機能するための土台ができます。

また、この段階でプロジェクトの方向性も決めておきましょう。後述しますが、コミュニティがプロジェクトに向けて円滑に運営できる環境作りが大事になってきます。

ブロックチェーン上でのシステム

運営者によるコミュニティが形成され、円滑にプロジェクトが運営することができて初めて、ブロックチェーン上でのシステムを構築し、分散的かつ自律的にコミュニティが運営されるフェーズへと移行できます。

このフェーズでは、スマートコントラクトを開発してDAOの機能や運営ルール、報酬形態を定義し、組織内の人間の意思決定に頼らずとも自律的に運営されていくボトムアップ形式での管理・運営されたコミュニティが求められます。

 

DAOの作り方について組織運営者向けにわかりやすく解説

 

DAOの作り方:コミュニティ編

ここからは、具体的にDAOの作り方について解説していきます。まずは、初期フェーズであるコミュニティの形成からみていきましょう。

DAO運営の目的設定

DAOを作るスタート地点が、DAO運営の目的やミッションの設定です。自律的に運営されていくためには、ここの部分は明確に定められなければなりません。

また、このときに設定した目的やミッションは作り手視点ではなく、多くの共感を得るために参加者やサポーター視点で発言していきましょう。なぜこのDAOが存在して、どういった価値を提供するのかを受け取ってもらえるような工夫が必要です。

コミュニティ形成

DAOはトップダウンではなく民主的な組織である必要があり、そのためにはDAOの運営目的やミッションに惹きつけられるような参加者によって形成されたコミュニティがDAOの成功を左右してきます。

そのようなコミュニティですが、DAOとして運営されている多くが、チャットアプリである「Discord」を用いて形成されています。Discordはプラットフォームを問わず、チャットや音声・ビデオ通話をすることができ、既存のDAOメンバーに向けたクローズドなコミュニケーションができる最適なツールです。

このDiscordの設定やチャンネル設計、またDAOコミュニティ運営のコツまで解説している記事を以下に示しておきます。DAOコミュニティの形成に役立ててください。
» DAOコミュニティ運営の鍵となるDiscord運営のコツは?重要性とあわせて解説

プロジェクトの運営環境

DAOコミュニティが形成された後は、集まったメンバーが継続して活動できる環境や、円滑にプロジェクトを運営するための環境を整備する必要があります。

先ほど紹介したDiscordの設定はもちろんのこと、どのようにプロジェクトのタスク管理・共有を行っていくか、貢献に対する評価や報酬はどのように定めていくかなど、組織を推進していくための環境を整備していきましょう。

プロジェクトの告知・メンバーの集客

コンセプトが良く、コミュニティも活発なDAOであったとしても、プロジェクトが社会に広がらなければ、そのDAOは十分に価値を発揮できません。

プロジェクトを多くの人々に知ってもらうためには、TwitterのようなオープンなSNSが相性良いため、有効的に活用していきましょう。また、そのようなプロジェクトの告知をすることで、新たなメンバーの加入にも期待できます。
集客部分はオープンなSNSを活用して、コミュニティ内でのクローズドなやりとりはDiscordで行うという使い分けが重要になってきます。

具体的なDiscordの設定方法に関しては、画面共有しながらYouTubeで解説しているため、「Blockchain Biz」のYouTubeチャンネルをご確認ください。

ガイアックスのDAOコンサルティングサービスでは、強固な繋がりを形成するコミュニティ運営を強みとしており、一時的ではなく持続的に、かつ自走運営が可能なコミュニティ作りをしています。

 

DAOの作り方
実際のdiscordの様子

 

DAOの作り方:ブロックチェーン上でのシステム編

続いて、コミュニティを自律的かつ分散的に運営していくためのフェーズへ移行していきます。

ガバナンストークンの発行

ガバナンストークンとは、株式会社における株式のようなものであり、保有することでDAO投票システムにおいて提案・投票を行うことが可能です。そのため、投票する権利を証明するためのガバナンストークンを発行して、参加者に配布していく必要があります。

また、このガバナンストークンは資金調達の側面も持ちます。プロジェクト内容やミッションに共感してくれたユーザーや投資家がガバナンストークンを購入し、プロジェクトの意思決定に参加することにより、資金調達を実現するという仕組みです。

ガバナンストークンを発行できる代表的なツールとして「Aragon」というサービスがあります。このサービスでは、ガバナンストークンの発行から配布、また後述する投票システムまで作成することができます。

投票システム

ガバナンストークンの発行ができたら、投票システムを作成していきます。この投票システムを作成することにより、DAO運営の意思決定を民主化し、プロジェクトをどのように進めていくかを決定することができます。

この投票システムにおいても、先ほど紹介したAragonで作成することが可能です。このシステム上で、ガバナンストークンを保有する参加者が投票を行って、プロジェクトの方向性が決定されます。

インセンティブ設計

コミュニティを自律的に運営していくために、インセンティブ設計が必要になってきます。プロジェクトに対する貢献度を可視化して、それに応じた報酬が受け取れるシステムでないと、DAOは持続的に運営することができません。

この貢献度を管理するために使われるツールとして「Yearn」があります。DAOメンバーがどのタスクに力を入れているかを可視化することができ、プロジェクトの貢献度合いに応じた報酬を管理することができるため、有効活用していきましょう。

ガイアックスでは、開発の支援として、独自トークンやNFTの発行も行っています。日本初となる、複数の自治体が連合し、地方創生の課題を解決する「美しい村DAO」では、コミュニティ運営に加え、プロダクト開発も支援しました。本取り組みは、内閣府の広域連携SDGsモデル事業としても選定されています。

 

DAOを作る際の課題

 

DAOを作る際の課題

ここまでDAOの作り方について紹介してきましたが、自律的なDAOを作るには、いくかの課題があります。ここでは、DAOを作る際の課題について考えていきます。

法律・税制上での規制

DAOは新しい概念であり、現在の日本においてDAOの法的位置付けに明確な規定はありません。また、ガバナンストークンにおいても、暗号資産の取引に関する規制などといった課題が存在します。

そのため、新たに法律・税制面での規制が追加されたり、強化されたりする可能性があります。これらは個々のプロジェクトで考えなければならないのか、全体でのプロジェクトに該当するのかを判断することが難しく、慎重な判断が必要となります。

なお、記事執筆時点(2023年2月)では、日本でDAOに関する法律や規制を改革していくためのコミュニティである「RULEMAKERS DAO」という組織が立ち上がりました。今後の日本におけるDAOの法律・税制面での整備にも注目です。

意思決定に時間がかかる

DAOは民主的に組織運営できるソリューションになりますが、トークン保有者による投票によって意思決定がされるため、具体的な行動を起こしていく際に時間がかかるという課題があります。

設立に関わったメンバーが中心から外されることもある

民主的な投票の結果、DAO立ち上げに関わったコアメンバーが役職から罷免されることも起こりえます。DAOの方向性は立ち上げたメンバーでも管理しづらいのです。

最初からボトムアップな意思決定ができるDAOは難しい

プロジェクトの立ち上げ直後は、主体的にアイデアと実行力をもつメンバーが少ないことが多いです。そのため、最初からボトムアップな組織運営が実現することは少ないです。最初は立ち上げメンバーが旗を振り、徐々に参加者へ権限委譲していくような運営が現実的です。

 

DAOを作るのに不安がある方は

これからの未来を考えると、DAOの認知度は間違いなく上がっていくといわれています。DAOを作るのにまだまだ課題はありますが、時間の流れとともにDAO関連のエコシステムは構築され、多くの業種・プラットフォームでDAOは活用されていくでしょう。

そこでDAOを立ち上げたい組織運営者に向けて、ガイアックスではDAO実装に関する実績をもとに、情報提供から企画立案、システムの実装まで一気通貫でサポートいたします。

DAOの立ち上げ・DAOによる事業検証をお考えの方へ

ガイアックスでは、企業におけるDAOの立ち上げ、DAOによる事業検証などに関するコンサルティングサービスを提供しています。
業界黎明期から取り組んできたブロックチェーン事業の最新研究・開発ノウハウをもとに、自律的にプロジェクトが推進される組織の立ち上げを支援します。

DAOコンサルティングサービスへ

上井登志之
動物病院の運営会社のインターンを経て大学在学中に起業。自身の会社を経営しつつ、新卒でガイアックスに入社。現在は起業や自治体の新規DAO組成時のコンサルティングのディレクション、及びプロジェクトマネジメントを行う。
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