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Nagatacho GRiD発・本を読まない読書会「Booked」の誕生秘話とコミュニティーの新たな可能性

  • 最終更新: 2023年11月9日

「人と人を繋げること」をミッションに掲げるGaiax。文字通り、Gaiaxでは社内外関わらず人と人を繋ぐプロジェクトやイベントをおこなっています。
そのプロジェクトのひとつに、本を読まずに参加する新しい読書会「Booked」があります。Gaiaxが主催でありながら、Bookedの運営チームの4分の3は外部メンバーというユニークなプロジェクトです。
Bookedのように、Gaiaxでは従業員以外でも一緒に面白いプロジェクトを企画し、実行することができます。本記事では、Bookedの活動や波及的に広がるコミュニティーの形に迫ります。

「本を読まずに参加できる読書会」Booked

Bookedとは、本を読まずに参加できる『知的エンターテイメント型』読書会です。毎回ピックアップした本の内容に基づき、参加者どうしの対話を通じてさまざまなトピックについて理解を深めていきます。Gaiaxが主催となり、毎月開催しています。

Bookedは2時間の枠の中で、4つのコンテンツを用意しています。はじめの30分は、ピックアップした本の内容を図解化したプレゼンテーション。図解が得意なbookedメンバー・きょんさんによる解説を聞きながら、本の内容をクイックに理解していきます。
2つ目のコンテンツは、30分のパネルデスカッション。該当の本を読んだ人、もしくはそのトピックに関する専門家をゲストに招き、議論を深めます。
3つ目は、Bookedイベントの肝でもある参加者によるグループワークです。ここまでの発表から得た洞察や意見をグループ内で共有、発表する「アクティブ・ダイアローグ」の形をとって進行していきます。ワーク中も軽食をつまみながら、リラックスした状態で進めていくのもまたBookedイベントの特徴です。
そして最後は交流会へ。さらに議論を深めながら、熱量の高い状態でイベントは幕を閉じます。Bookedで出会った参加者はまた別のコミュニティーで繋がったり、友人になったりと濃いコミュニティーに発展していく事例が増えています。

Bookedのはじまりとこれから

Bookedは2018年9月から始まり、2019年6月時点で全6回のイベントを開催しました。今や1回あたりの参加者数は50人を超える大盛況ぶり。ここまで大きなコミュニティーに発展した経緯や要因は何だったのでしょうか。
Bookedの中心運営メンバーである4人から、Bookedの変遷とこれからの見通しについて伺います。

Bookedの運営メンバー

Natalia Davydova

Booked責任者
2000年、株式会社ガイアックスに参画。エンジニア、デザイナー、クリエイティブディレクター、マーケターとして、数々のプロダクト創出に携わる。2015年より、ガイアックスグループ全体のリブランディングキャンペーンを発足させ、ワークスタイル制度改革とともにNagatacho GRiDを創設。Nagatacho GRiDは、ガイアックス社員とグローバルかつ多様なコミュニティメンバーが協働するためのコラボレーションプラットフォームとして機能するもので、特に、社会イノベーションにフォーカスしながら、アジャイルなライフスタイルの啓蒙促進、マインドフルネス、起業家精神など各種イベントのプロデュースを手掛けている。

遠藤 桂視子

コーディネーター・モデレーター
1988年生まれ。自動車業界で設計やプロジェクトマネージメントを経験した後、現在は同業界で技術翻訳として勤務。本業と並行して2018年より図解やTEDを折り込んだスタイルの読書会を主宰。Booked VOL.1「新しい経済学」より企画に参画。人と人とを繋げ、Bookedでコミュニティを構築している。

沖山 誠

図解クリエーター・登壇者
1995年生まれ。大学を卒業後、経営コンサルタントと して新卒で勤務。その後、「ビジネス×図解」をコンセプ トとしたビジネス図解研究所というコミュニティに参加。 その活動内容と理念に共感し、2018年7月に会社を退 社してコミュニティの活動に注力する。その活動の傍ら、 個人で本の図解に取り組み、第一作目として「サピエンス 全史図解」を公開してTwitterでトップトレンドに 入るなど、話題となる。Bookedではこれまで『サピ エンス全史』『ホモデウス』に登壇。

浦野 真理

登壇者・モデレーター
1978年生まれ。AIベンチャー企業にて研究職に従事 。製造業を中心にAIの応用技術研究を行っている。20 16年より「Universal Research Laboratory」を主宰。これまでに、人工知能と 人間社会、ベーシックインカム、仮想通貨、サーキュラー エコノミー、北欧社会など、「未来志向」の勉強会やワー クショップを開催している。

Bookedのはじまりは、偶然の繋がりから

Bookedの運営メンバーであるGaiax社員のNatalia Davydovaさんと、社外メンバーの遠藤桂視子さん。2人の出会いは、同じくGaiaxが主催したイベントでのとある不思議なご縁から生まれたものでした。
Natalia Davydova(以下、ナタリア):以前、Gaiaxにとって重要なガイア理論* を多くの人に知ってもらうために、Nagatacho Gridで「ガイアシンフォニー」というドキュメンタリーを上映するイベントをおこないました。その時にボランティアとして来てくれた菊池さんという女性が、何度かBookedにも登壇してくれている千葉くん* を紹介してくれて。そこから遠藤さんと繋がったんだよね。
遠藤桂視子(以下、遠藤):わたしは読書会の企画をしていたのですが開催場所だけが見つからず、ちょうど千葉くんに相談していたタイミングだったんです。そこでナタリアさんを紹介してもらい、Nagatacho Gridで読書会をおこなう運びになりました。
ナタリア:わたしは「本を読まない読書会」をやりたいと思っていたんですけど、すべて日本語で開催するのにはハードルがあって。一緒に読書会を開催してくれる仲間を探していました。
遠藤:ナタリアさんとわたしが求めていた部分が見事マッチングしましたよね!
ナタリア:人と知り合って、そこから新しい人と知り合って……Nagatacho Gridで開催されるイベントはほぼこのような形で発展していっています。コミュニティーが自然に生まれる、というのはNagatacho Gridの特徴であり、目指しているところでした。

* ガイア理論……地球と生物が相互に関係し合い環境を作り上げていることを、「巨大な一つの生命体」と見なす仮説
* 千葉恵介……Bookedにも複数登壇している「思想家」。感謝経済という見返りを求めない贈与の循環を滑らかにする潤滑油として「ありがとう」を用いた経済を提唱し、共感する人たちと共に醸している。また、感謝で繋がる恩贈りSNSであるMusubiを開発し、貨幣に頼らない経済を模索中。

参加者をも巻き込むBookedコミュニティー

2人から始まったBookedは、その後参加者を巻き込みながら発展していくことになります。現在では中心の運営メンバーである沖山(きょん)さんと浦野さんもまた、初めはBookedに”参加者”として参加していたそうです。
沖山 誠(以下、きょん):もともとtwitterで本の図解を発信していて、時々遠藤さんからコメントをもらっていました。ある時「読書会に参加してみたい」と呟いたら、遠藤さんから「翌日に開催するのでぜひ来てください!」と連絡をいただいて(笑)
読書会といえば意識の高い人たちが本を読んだ前提で参加する「ハードルの高いもの」だと思っていたんですよ。でも、Bookedは違いました。スライドを使って本の要点を示しつつ、参加者どうしでカジュアルに議論するのがとても面白かったんです。参加して衝撃を受けたので「ぜひ自分も力になりたい」と申し出て、2回目のBookedから本の図解を担当しています。
浦野 真理(以下、浦野):僕は遠藤さんと4年ほど知り合いでした。共通の知り合いが多いこともあり、1回目のBookedのパネルデスカッション登壇者が全員知り合いだったんです。僕も研究職でテクノロジー領域に強いので、該当するテーマの回は僕も前で話してみたいなと。それがBookedに関わるきっかけですね。
Bookedの面白いポイントの一つは、前に並ぶ登壇者が著名人でも著者でもないところ。ただ、本のトピックに関連した専門知識を持っている人たちなので、議論が弾み面白いんです。

変幻自在に形を変え続けるBookedコミュニティー

4人の運営メンバーは所属する組織も、専門分野も異なります。それにも関わらず、Bookedというコミュニティーが拡大し、順調に成長し続けている理由ーー。鍵は、「一人ひとりの得意分野を生かすこと」そして「組織の柔軟性」にあるようです。
ナタリア:社外のメンバーと一緒にイベントをおこなう時に大切なのは、みなが自分の得意分野に集中すること。「やらなきゃいけないから」ではなく、「やりたいから」やっている状況が理想だと思います。
きょん:僕は図解がやりたくて仕方ないです!!
ナタリア:遠藤さんは企画づくりのプロ、浦野さんはリサーチを中心になんでもできる。そしてわたしはデザインやブランディングを担当しています。それぞれ楽しみながらBookedに取り組んでいます。
きょん:あとは、柔軟性の高さもBookedのいいところです。かっちり決めた枠があるわけでなくて、コンテンツの中身や進行方法も毎回改善しながら少しずつ形を変えています。例えば僕の図解スライドに関しても今後はもっと簡略化して、参加者の人たちがアクティブに話す場をより活性化させていきたいと考えています。
浦野:僕はBookedで司会進行を務めることもあるのですが、登壇者として話すほうに集中したいなと思っているので……司会が得意な仲間を探しています!(笑)
ナタリア:また募集をかけたら「司会をやりたい!」って人も出てくるかもね。テーマによって司会者が異なっても面白そう。
Bookedは今さまざまな形で実験中です。だからこそ、今後さらに楽しいイベントになると確信しています!

Bookedコミュニティーの今後の展望

Bookedが目指す未来は、「Bookedコミュニティー」をさまざまな地域や組織で展開すること。そのためにBookedをオープンソース化し、広めていこうと構想しています。その動きはすでに始まっているようです。
浦野:以前Bookedで「ホモデウス」の本を取り上げた回に参加した回で、とある企業の人事の方がいらっしゃって、きょんさんに「社内で読書会をやるから、来てくれないか」と声をかけてくれたんだよね。
きょん:そうなんですよ。早速社内用にBookedを開催してきたのですが、募集したら定員の倍以上応募いただいて……。Bookedはニーズがあるんだなと強く感じましたね。
浦野:今後はTEDの「TED tokyo」のように、同じフォーマットで別の開催・運営ができる仕組みを作りたいなと思っています。
ナタリア:オープンソースの概念は、Gaiaxでも大切にしていることです。仲間うちで完結するのではなく、みんなでシェアしていきましょう。シェアすればするほど、わたし達も社外のメンバーにもプラスの効果があります。
例えばイベントを通して新しい仲間が増えたり、一緒に新しいプロジェクトに取り組むことになったり。誰かにとってのコミュニティーができていけば理想ですよね。
浦野:実は、Bookedに参加したメンバーが別のコミュニティーを紹介してくれて、Bookedを開催したいと声をもらっていて……

人を起点にコミュニティーが広がっていく

座談会の最中でも、Bookedを通じて人と人が繋がり、新たな形でBookedコミュニティー発展していく可能性を感じることができました。異なるバックグラウンド、特技を持った人たちが集まるからこそ、面白い化学反応が生み続けるBooked。今後の発展も見逃せません。

次回のイベント

6月23日(日)に開催されるBookedでは、現在話題沸騰中の『FACTFULLNESS(ファクトフルネス)』を取り上げます。本好きから議論好きまで、大歓迎!
ぜひBookedを通じて、新しい知識や出会いを見つけてはいかがでしょうか。


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