上田 祐司

こんにちは、上田です。(個人ブログ:Gaiax CEO 上田祐司の[脳]置き場

ストックオプションの設計とか、いろいろ考えていると夜も眠れない。。
その中でも、特に前から思っていることを書きました!ぜひ読んでください。

※ストックオプション:株式会社の経営者や従業員が自社株を一定の行使価格で購入できる権利のこと

僕は、ストックオプションが大好きだ!
僕個人として、いっぱいストックオプションが欲しい、という意味ではなく、ストックオプションという仕組みが大好きだ。

もちろん、上田個人としても、いっぱいストックオプションが欲しい!
みんなちょうだい!!!!

嘘です。
個人として、いろいろ社外取締役とかもやっているし、投資もしているし、アドバイザーとかもしているけど、でも、ガイアックスが僕の魂だから、ガイアックス以外では、一切、ストックオプションをもらっていない。

もしもストックオプションをくれるなら、そのストックオプションをガイアックスに割り当てて、で、そのガイアックスのストックオプションを僕はもらいたい。
ガイアックスの儲けで、やっぱり、僕もすごく儲けたい!(つい本音が、、、。)

 

ウォーレン・バフェットが、ストックオプションの仕組みが嫌いだっていうのは、知っている。

でも、世界中のベンチャー企業で使われている。
ストックオプションじゃなくても、経営陣に対する普通株に対して、投資家に対しては、高値の優先株を割り当てている時点で、経営陣にストックオプションを付与しているのと同様の効果がある。

ストックオプションというのは、要は、「もしもファインプレーを出したらハイリターンがあるよ。」という枠組みである。

ストックオプションがフィットするのは、ウォーレン・バフェットが大好きな、マーケットシェアを占有済みの企業やそういう産業ではなく、これから経営陣やメンバーの活躍如何で、何倍にも企業価値が増えうる会社に対してなのだ。そういう会社には、本当にフィットしている。

ストックオプションや、もしくは、ほぼストックオプションのようなものである優先株に対する低廉な価格で取得できる普通株については、ガイアックスの周りで配りまくっているし、各企業の経営陣からの相談があれば、かなり承認しまくっている。(繰り返すが上田個人以外に。)

えてして、ガイアックスが株主の立場なので、確かに株式が増えて、希薄化し、そして、ガイアックスの儲けが減るのは、本来で言えば、すごく残念なことである。
でも、まぁ、経営陣とそのメンバーの活躍の貢献度合いを考えたら、まぁ妥当といえば、妥当だろうなぁって思う。
活躍してもらって、企業価値が10倍になれば、ガイアックスの持ち分が10%減ったところで何がある、というのだろうか、だ。

 

このストックオプションを思いついた人間は、まさに天才である。
そして、日本においても、このストックオプションでの税制適格という形で過度な税金負担を求めない仕組みを整備した人間は、まさに日本の功労者である。

が、しかし、1つ言いたい!
今日時点の、税制適格ストックオプションは、1つ、仕組みとして、間違いがある。
おそらく、制度を作った人間が、ちょっとした勘違いをしていたのだろう。
というか、税制適格ストックオプションの使われ方のうち、ガイアックスのようなパターンをイメージしきれていなかったのだろう。

何が間違っているかというと、税制適格ストックオプションの条件の1つで、1年間に行使できるストックオプションの行使額が、上限として1200万円に設定されているのだ。
ここが違う。制限すべきは、行使額ではない。
1年間に行使できるストックオプションの、発行時の時価の合計額が、上限として1200万円に設定されるべきだったのだ。

まぁ何を言っているのか、分かんないよね。
何を言いたいのかも、分かんないよね。

 

ここで、簡単にストックオプションの仕組みを紐解いておく。

例えばであるが、下記のようなストックオプションがある。

今、この会社は、上場している企業。
株式の時価1,000円。
ストックオプションの行使価格には、時価以上の行使価格を設定する必要があるのだが、通常、時価を採用するケースが多い。
ついては、行使価格1,000円。
ストックオプションの対象となる株数24,000株。
行使可能な期間を3年目と4年目の2年間に絞る。
各年度において、12,000株ずつ、1200万円ずつ行使できる。

こういう形で、3年後4年後という将来に1,000円で株式を購入できる権利を役職員に対して、権利自体は、無償で発行するわけだ。

これだと、仮に、3年目時点で、株価が2,000円になり、4年目時点で株価が10,000円になったとすると、
その役職員は、3年目に1,000円で12,000株を行使し、1200万円を払い込み、その直後に株式を売却し、2400万円を取得する。ついては、1200万円の利益なのだ。
4年目にまた、1,000円で12,000株を行使し、1200万円を払い込み、その直後に株式を売却し、1億2000万円を取得する。ついては、1億800万円の利益、約1億円の利益なのだ。

 

ストックオプションを配りまくりたいと言っておいてなんだが、株主の立場だとしたら、こんな緩いストックオプションを配りたくはない。

1株あたり1,000円が2,000円に、つまり会社の価値が2倍になっただけで、1200万円も儲かってしまうなんて!許せない!
例えばだが、半分ぐらいの発行量にしておこうよ、というかもしれない。
そうすると、3年目と4年目の利益は、600万円の利益と5300万円の利益になるのだ。

ただ、本来のあるべき解決策はそうではない。
発行量は変えずに、行使価格を当時の時価の1,000円ではなく2,000円にしようよ、という提案の方がスマートなのである。
つまり、企業価値を倍にしたぐらいでは、利益は取らせない、というわけだ。量を減らす必要はない。
そうすると、3年目と4年目の利益は、0円の利益と9600万円の利益になるのだ。
株価を10倍にしたら、やっぱり1億円ぐらいの儲けがその個人にもたらされるのである。

 

ベンチャーフェーズにおいて、投資家が経営陣に望むのは、2倍とかではない。最低でも5倍10倍なのである。
一方で、経営陣サイドも、ストックオプションの量とか減らされるぐらいなら、行使価格のハードルを上げて、逆にストックオプションの量を増やしてもらいたいぐらいなのである。(もちろん行使価格が安い方がいいが、仮に、行使価格が高ければ高いほど、もっとたくさんストックオプションを割り当てしてもらえるとしたら、高くていいので、めいいっぱい大量の株数分を割り当ててくれ、という感情なのだ。)

つまり、投資家も経営陣も、両方のニーズとして、時価ではなく、時価の上を行く行使価格を設定したいわけなのである。
で、話が戻るが、このニーズに対して、現行の税制適格ストックオプションのルールが全くフィットしていない。
先ほどの例えのケースにおいて、元の案だと、税制適格ストックオプションの範囲内ではあるが、行使価格を倍に設定する案に変更すると、税制適格から外れてしまうのだ。

税制適格ストックオプションの制度というのは、
「あまりにも多く儲けるなよ。あまりにも多く儲けるとしたら、税制の優遇を適用しないぞ!」
であるべきだし、本来、そのつもりで作っているはずなのだ。
だから、儲けが減るような設計を否定するべきではない。

単純に行使価格を上昇させた場合、その役職員の儲けが減るに決まっている。
先程の例えでは、具体的には、行使価格を1,000円から2,000円にすることで、1200万円の利益と1億800万円の利益が、0円の利益と9600万円の利益になるわけである。

つまり、税制適格ストックオプションの正しい制度としては、
——
時価が1,000円の時点で、
1年あたり年間12,000株の行使までは、税制適格と見做す。
なお、行使価格については、時価以上であること。
——
であるべきなのだ。

別の言い方をすると、
——
1年間に行使できるストックオプションの、発行時の時価の合計額が、上限として1200万円である。
——
なのである。

読者のほとんどは、どうでもいいと思っているだろうし、僕自身もこんな法律を改正するためのアクションをするほど、暇ではないのだが、本当にこの制度設計は許せない。
そのせいで、行使価格を引き上げることができない。企業価値をちょっと上げるだけで、無意味に役職員に利益が出ちゃうし、そう思うと、発行量を減らなきゃって思っちゃう。

 

きっと読者の皆様には、あまり伝わってないよね。
細かすぎて伝わらないモノマネと一緒の部類かなって思われてそう。ほんと、ハラ立つよ!

分かりやすい例えにすると、
——
スーパーマーケットで、すごく美味しいと評判の定価150円の卵1パックを、今回、特別に割引して大特価50円!で販売。
でも、安すぎるので、お客様1人あたりの購入上限(たとえば3パックまで)を設定したい。
ついては、「卵は1人あたり150円までの購入でお願いします。」という看板を上げた。
——
というようなものである。

ある方が卵を買いに来て、割引要らないから、4つ欲しいので、定価の150円で4つ買うね。って言った時に、
「はい、定価ならいくつでも買ってください。」というパターンはさておいて、
「いやいや、定価だろうが、1人あたり3パックまでです。」って言うべきなのを、
何を勘違いしたのか、
「いやいや、1人あたり150円までの購入なので、定価でのご購入なら1パックまでになります。」というルールにしちゃっているのだ。
まじ、ありえない。

正しい設計は、せめて、「1人あたり3パックまでです。」なのである。
まぁ田舎町のスーパーマーケットの新人アルバイトなら、これぐらいの間違いもご愛嬌、なのだが。

 

たしかに、行使価格を上振れて設定している会社は少ないし、ちょっとしたことなんだけど、これ自体がきっと新しい概念なので、やっぱりイメージしきれないんだろうなぁ。やっぱり普及活動、布教活動をしなくちゃならないのかな。法律改正のためのアクションをしないといけないのかな。

批判よりも行動を!

いやぁ、、でも、パスだな。この案件は。

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上田 祐司

上田 祐司

1997年の大学卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で名証セントレックス市場へ上場。
社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事を務める。同志社大学経済学部卒。