skip to Main Content

2022年1月 個人投資家向けオンライン質問会 質疑応答(要約)

  • 最終更新: 2022年2月9日

ガイアックスは、1月13日(木) 20時より「個人投資家向けオンライン質問会」を開催しました。
当社を日頃より支援して下さっている個人株主の皆様から当社へのご意見やお話を承る場として、また新たに応援して頂ける株主の方を増やすべく、その場で頂いたご意見やご質問に対し、当社代表執行役社長上田祐司より回答させて頂きました。その質問会で交わされた質疑の内容をお伝えいたします。

※本内容は、主な質疑応答の要旨を記載しております。また、理解推進のために一部内容の加筆修正を行っております。

yuji.ueda

上田 祐司

代表執行役社長(兼取締役)

1997年、同志社大学経済学部卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事を務める。

Q1. 利益については、隔年ごとに黒字・赤字が繰り返されています。利益を出さないのか、どういった方針なのでしょうか、教えて下さい。

上田 利益については出さない方針という訳ではありません。ただ会計上の利益ではなく実態として収益が上がるのか、というところに着目して経営を行っています。それが会計的にどのように利益として表されるのかということに関しては会計ルールに従うしかありませんので、結果として赤字と黒字を繰り返しているケースや、そうでないケースもあります。バランスを取っているつもりはあまりなく、あくまで実態として儲かるかどうかに着目して事業を行っています。

Q2. 配当については、社内外で投資した会社が上場しても株主には還元されることはないのか、教えて下さい。

上田 配当については、投資をするための資金ニーズの有無とのバランスで考えており、投資ニーズが高ければ配当に回すよりも投資に回した方がリターンが大きいと考えております。また、配当と自社株買いは全く同じ財務的インパクトを起こすと思っておりまして、当社自体の時価総額が低ければ、投資対効果が上がりますので、自ずと配当・自社株買いの確率は上がるかと思います。

Q3. ガイアックスの投資先である企業が上場したことで利益を得ても、年間決算ではガイアックスとして利益を出さず、その利益をまた別の企業へ投資しているのでしょうか、教えて下さい。

上田  配当や再投資をするためには、まずは売却して現金にすることが必要です。一方、現状では、上場時に全株式をすぐに売却するというポリシーで利益を得ることはしておりません。株式を売却するかどうかは、その見込み次第です。そのため現在のところ、売却していない株式も多いのが事実です。
投資先会社の状況や、株価が大きく上昇したと判断したタイミングで株価を売却するということが前提にありますが、加えて、当社の状況に応じてどのタイミングで投資先の株式を売却・投資したら良いのかを決定しています。

Q4.インキュベーションがなければ他の事業は赤字体質に思えます。その原因に対してどのように取り組んでいくのか教えて下さい。

上田 まず、当社の状況としてはインキュベーション事業がなければ他の事業が長期間赤字ということはございません。インキュベーション事業は、株式の売却がなければ赤字基調ですが、それ以外の事業は黒字体質であると思っています。

今回株式会社Photosynthが上場しましたし、過去にはアディッシュ株式会社等も上場し、株式を保有しておりますが、売却するまでは利益計上できないという状況で、対象会社の株価を見ながら意思決定をしていきます。

インキュベーション事業の収益は未上場会社を含め、収支の良し悪しについては、10年単位を毎年更新しながら見ております。一定のパフォーマンスは出ておりますが、正直に言ってとても高いパフォーマンスが出ている訳ではありません。

インキュベーション事業は重要であると考えております。成長して、時価総額数十億円の会社ではなく、時価総額数百億円の会社への成長が期待できる会社に投資をしなければなりません。そうした会社の「数%」ではなく「数割」の株式を保有していなければインパクトがありませんので、最近では “投資をするなら数割を取れるような投資を目指す” というところにスライドしてきております。

Q5.これまでの投資事業の成果や投資状況を詳しく開示頂けないでしょうか。

上田 投資事業の成果や投資状況の開示につきまして、投資先である未上場企業は、資金調達に関する情報も含めて、基本的には経営情報を開示する必要がなく、競合もいる中で、開示をしないのが、通例でもありますので、当社としても開示が難しい状況でございます。逆に上場会社の株式持ち分についてはこうした情報は一般情報ですので、整理して開示することは検討して参ります。

Q6.事業投資や投資先の売却判断に優れた経営能力の高い人材の活用を検討しているかどうか、教えて下さい。

上田 当社は常に経営能力の高い・事業推進能力の高い人材の採用に注力しております。投資先の支援という観点でも力を入れておりますが、まだ十分とは言えない状況であるというご指摘の通りかと思います。

投資先の売却判断と注力すべき投資判断に関して、過去にミスがなかったかと言うとそうとも言い切れませんが、どちらに投資するべきかというよりはむしろどう支援していくかということが当社の利益に直結していると考えており、人材を採用してそのあたりも強化していきます。

Q7.NFT領域で株式会社Tokyo Otaku Modeと今後協業・出資する予定はあるか、教えて下さい。

上田 本日時点ではございません。株式会社Tokyo Otaku Modeは過去に投資をし、現在では、全株式売却済みの状況でございます。当初、Tokyo Otaku Modeは、ソーシャルメディア領域の会社でございましたので投資を意思決定しましたが、最近ではEC領域の会社であると理解しており、ブロックチェーンでの取り組みなどもされているので可能性としてはありえるかもしれませんが、現時点では考えづらいと思っております。

Q8.2014年頃から比較して日経平均株価が約2倍になっている状況下で、ガイアックスの株価は下がっています。原因はどのあたりにあると考えているか、教えて下さい。

上田 企業価値が上がっていないことに関して、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。投資に対するリターンについて一定の利益しか上げられておらず、大きく成長していないというのは非常に問題であると考えています。

当社はシェアリングエコノミーという領域に力を入れ、大きな投資を行っております。ただしそれはあながち間違いではなかったと考えております。ただ、その投資先でシェアリングエコノミーの中心的なビジネスプラットフォームをしているような大きな上場企業を創り出せておらず、競合他社に負けているケースなどがあり、そこが原因だと認識しています。

社内事業も含めて毎年2〜3億円程度投資しており、そうした上場クラスの事業を創っていかなければなりません。

Q9.インキュベーション事業やスタートアップスタジオ等の取り組みなど、企業価値を高めるための有望なサービスを保有し続ける考えはあるかどうか、教えて下さい。

上田 IT産業においては経営陣のモチベーションが非常に重要なので、カーブアウトオプション制度という形で、当該事業の事業推進メンバーに、新設会社の3割程度の株式もしくはストックオプションを渡すというのをグランドルールとして実施しています。とはいえ、そうであったとしても、当社としては7割の株式を持つことになりますので、そこからさらに希薄化するかどうかの議論は常に行っております。ただ、直近でもありましたが、その新設会社が資金調達をする時に10億円、20億円のファイナンスを実施をするケースもありますが、そのラウンドでガイアックス自身が投資をするべきなのかと考えた時に、今のガイアックスに集まって下さっているポテンシャルを持っている若者のアーリーフェーズに分散投資を行った方がリターンが大きいのではないかという判断をしている状況です。

Q10.市場から評価されていないと感じる中で、昨年からも出ている鞍替えなどの意見について、現時点でどうお考えか教えて下さい。

上田 当社はどちらかといえばアーリーフェーズのところに投資を集中していることに関して、手応えを感じていない訳ではありませんが、大きな結果は出せていないというところです。事業を伸ばす人材を入れて実際に伸ばしていかなければいけないのですが、実態としてはまだ力が足りておりません。当社が株式を数割保有している企業が数百億円ぐらいの時価総額になっていくというケースが数社出てきて、それがやっと評価され、そこでさらに市場にPRしていくべきではないかと考えており、現状はその手前であると思っております。

鞍替えに関しましても、本日時点の水準では 、 まだ時期尚早ではないかという印象です。

Q11.株価が下がっている中で自社株買いなどの対策が見えてきませんが、どう考えているのか教えて下さい。

上田 Q1.で申し伝えた話と重複いたしますが、当社の資金と株価水準など総合的に見ながら配当・自社株買いもしくは投資という判断をしており、現状では外部に魅力的な投資先があるためそちらを優先させて頂いているのが基本的な行動になっております。

見通しについても、やはりさらに実態を創っていかなければならないということで経営陣として目標にしているのは時価総額数百億円の会社の株式を数割持って、全体として投資の価値を引き上げていくという形でございます。

個人的にももちろんこの株価には満足しておりませんので、株主という立場でもこの株価を引き上げるつもりで考えております。株価対策については事業価値を伸ばしていくということを執行側として実施していくべきだと考えております。

Q12.早い段階で株式会社タイミーに出資したと思いますが、金額等は開示できるのでしょうか、教えて下さい。

上田 こちらは非開示情報となっておりますが、かなり初期の段階で投資をしておりますので小さい金額ということだけはお伝えします。

株式会社タイミーに関しましてはシェアリングエコノミー領域に関する事業という観点で出資をしておりますが、もし上場すれば収益が上がる案件ではあるのですが、持ち分比率を鑑みますと当社としては大きなインパクトになるかというとそこまでではない可能性が高いです。

Q13.時価総額数百億円規模を出すというビジョンは理解できますが、経営陣にはそこに至るまでのアプローチや、株価に対する施策・目標などを株主に対して明確にし、しっかりアウトプットしてほしいです。特に、これまでの施策はレビューして頂いて、株価が上がるように「変化点」を議論して頂きたいですが、この点についてどうお考えか教えて下さい。

上田 貴重なご意見をありがとうございます。ここ2〜3年の変化で言えばやはり「数割の持ち分を取りに行く」というところで、その会社を人的にも重点的に支援して注力しております。これが1年で成果が出たかと言われると、ただ今まさにそこに取り組んでいるところではあります。

しっかりと頂いたご意見を経営会議の議題に取り上げて議論をしていきたいと思います。

Q14.株価が上がっていない中では、利益や株価の目標などが伝わってこないと感じます。Twitterを見ていても情報発信が社員の方にだけ向いている気がしますが、株主との情報共有についての方針を教えて下さい。

上田 株主に対してメッセージが少ないというご指摘に関しては大変申し訳ございません。私自身としましてはIRを当然重要と考えておりますし、だからこそこういった個人投資家説明会を開催させて頂いている背景がございます。特に今回のような形で株主の皆様からの要望を頂ければ随時開催していきたいと私も思っております。

その中身に関して、ガイアックスとしても内部的に計画を立案してはいるのですが、外部に公表するには不確実性が高くミスインフォメーションになりえる情報でもありますので公開は致しかねます。

大きなシナリオとしましては、ソーシャルメディアなどのコンサルティングに関しては拡大をしていきながら利益水準を着々と引き上げていこうというのがひとつ。それとともに、インキュベーションの投資に関しては先程から申し上げている通り、数割持っている会社にしっかり支援して時価総額数百億円に持っていくケースを数社作り上げるということと、それを安定的に量産できるというところを目指していきます。

ただ、経営会議レベルですと株価に関する目標は設定しておりませんので、企業価値・事業価値をどう伸ばすのかという議論はしております。事業を伸ばせば、自ずと株価はついてくると考えております。

Twitterの方では、メインのフォロワーであります、起業家に向けてコミュニケーションをする場として考えています。投資家の皆様というよりも今まさに我々が支援をしていくような起業家の方に対して「我々はここまで支援するんだ」という内容が中心になっておりまして、なかなかガイアックスの株主の皆様が期待するような「株式を安く買うつもりだ」「株式を高く売るつもりだ」という話をするような状況ではありません。そのため投資家の皆様とはこういった場でお話をさせて頂きたいと考えております。

Q15.YouTubeで再生回数が多くない動画もありますが、その意図などについて教えて下さい。

上田 チャンネルによっては成長してきているものもありますが、どちらにせよ、どのメディアを活用すべきなのか、ということについて、私もそのバランスには非常に悩んでおります。ただ、若手起業家ですとかそういったポテンシャル層に対するマーケティングとしてはYouTubeというメディアは、可能性があると思っておりますので、今後もできるだけ効率的に活用していくつもりです。

もう1点、こうしたBtoBでソーシャルメディアについてコンサルティングや活用の提案をすることも当社の商品でありますので、当社のノウハウを試しに活用してみたり、様々な実験をしたり、商品化のためのトライアルなども併せて実施しておりますので、そういう目で見て頂ければ幸いです。

Q16.インキュベーション事業以外のソーシャルメディア事業セグメントなどについて、業績見通しを出していくかどうかを教えて下さい。

上田 もちろん仰る通りではあるのですが、インキュベーション事業の比率がどうしても大きいものですから、ソーシャルメディア事業の部分だけ出すというのは工数とコミュニケーションといった観点からさほど重要視しておりません。

Q17.株主としては事業を発展させて大きくなってくれればそれで良いと捉えていますが、MSワラント(*1)やライツ・オファリング(*2)などを行っても株価は下がっています。社外取締役を含め経営陣の責任はどうお考えか教えて下さい。

*1:Moving Strike Warrant の略。日本語では、行使価格修正条項付き新株予約権と訳される。
*2:「新株予約権無償割当」のことで、増資による資金調達の手段のひとつ。

上田 まず、増資を行って事業を伸ばすというのはまさに仰る通りで、当然資金は全額ビジネスに回しておりまして、その結果事業が拡大しているところになります。ただ、それを利益・株価に反映できていないことについては大変申し訳なく思っております。

経営陣の責任についても議論に上ってはいますが、私としましては、今後事業価値を上げるべく努力をしていくことによって職務を果たそうと考えております。もちろん、直近で社外取締役を含めた指名委員会・報酬委員会がございますので、目標設定をした上で随時議論をしながら進めて参りたいと思います。

Q18.メタバースといったような仮想空間上のソーシャルコミュニティーが今後トレンドになるだろうと予想されていますが、こういった領域への注力拡大は考えているかどうか、教えて下さい。

上田 DAOやNFT、メタバースなど新しい分野に関しては少人数ではありますがトライアルでビジネスを探っているところで、本日時点では収益性が高いビジネスが確実に見えてきている状況ではありませんが、引き続き調査・検証を続けていきます。

Q19.オンライン上での投資家質問会は2回目ですが、実施に至った目的を教えて下さい。

上田 株主様からのお声が増えてきているとのことで、決算など関係ないタイミングですが開催させて頂きました。

Q20.こうした質問会などで出た株主の意見を事業経営に反映させる意図はあるのかどうか、教えて下さい。

上田 もちろん、こういった質問会だけではなく日頃いただくたくさんのご意見も含め、経営会議の議題にあげて議論する、というのは随時実施しております。

Q21.本年度は利益向上が期待できるのかどうか、教えて下さい。

上田 シェアリングエコノミーの中で、新型コロナウイルスの影響が強い事業分野のところは引き続き苦しい状況ですが、シェアハウス領域に関しては非常にチャンスがあると思っています。また既存事業のBtoBのソーシャルメディアに関するコンサルティング等に関しましても一定レベルの期待はできると思っています。

Q22.スタートアップスタジオが企業価値の向上に繋がっているかどうか、また、経験者を入れるべきではないのかという意見に対してどうお考えかを教えて下さい。

上田 スタートアップスタジオを長期間に渡って継続をしていますが、一方でその運営の中身自体はかなり入れ替えております。ポテンシャルのある起業家を志している人の接触件数も年々積み上げてきまして、シリーズA直前くらいには資金調達ができる会社がちらほらと出てきているような状況です。ただ、シリーズAですので上場するには早くてもあと数年ありますので、まだ時間はかかります。
ガイアックスの卒業生は有償無償に関わらず、友好的にガイアックスの事業や投資先の事業をサポートして下さっています。今後もそういった協力の下、卒業生とも連携して起業家へのサポートを続けていきたいと思います。

関連記事
  • 最終更新: 2022年2月9日

ガイアックスは、1月13日(木) 20時より「個人投資家向けオンライン質問会」を開催しました。
当社を日頃より支援して下さっている個人株主の皆様から当社へのご意見やお話を承る場として、また新たに応援して頂ける株主の方を増やすべく、その場で頂いたご意見やご質問に対し、当社代表執行役社長上田祐司より回答させて頂きました。その質問会で交わされた質疑の内容をお伝えいたします。

※本内容は、主な質疑応答の要旨を記載しております。また、理解推進のために一部内容の加筆修正を行っております。

yuji.ueda

上田 祐司

代表執行役社長(兼取締役)

1997年、同志社大学経済学部卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事を務める。

Q1. 利益については、隔年ごとに黒字・赤字が繰り返されています。利益を出さないのか、どういった方針なのでしょうか、教えて下さい。

上田 利益については出さない方針という訳ではありません。ただ会計上の利益ではなく実態として収益が上がるのか、というところに着目して経営を行っています。それが会計的にどのように利益として表されるのかということに関しては会計ルールに従うしかありませんので、結果として赤字と黒字を繰り返しているケースや、そうでないケースもあります。バランスを取っているつもりはあまりなく、あくまで実態として儲かるかどうかに着目して事業を行っています。

Q2. 配当については、社内外で投資した会社が上場しても株主には還元されることはないのか、教えて下さい。

上田 配当については、投資をするための資金ニーズの有無とのバランスで考えており、投資ニーズが高ければ配当に回すよりも投資に回した方がリターンが大きいと考えております。また、配当と自社株買いは全く同じ財務的インパクトを起こすと思っておりまして、当社自体の時価総額が低ければ、投資対効果が上がりますので、自ずと配当・自社株買いの確率は上がるかと思います。

Q3. ガイアックスの投資先である企業が上場したことで利益を得ても、年間決算ではガイアックスとして利益を出さず、その利益をまた別の企業へ投資しているのでしょうか、教えて下さい。

上田  配当や再投資をするためには、まずは売却して現金にすることが必要です。一方、現状では、上場時に全株式をすぐに売却するというポリシーで利益を得ることはしておりません。株式を売却するかどうかは、その見込み次第です。そのため現在のところ、売却していない株式も多いのが事実です。
投資先会社の状況や、株価が大きく上昇したと判断したタイミングで株価を売却するということが前提にありますが、加えて、当社の状況に応じてどのタイミングで投資先の株式を売却・投資したら良いのかを決定しています。

Q4.インキュベーションがなければ他の事業は赤字体質に思えます。その原因に対してどのように取り組んでいくのか教えて下さい。

上田 まず、当社の状況としてはインキュベーション事業がなければ他の事業が長期間赤字ということはございません。インキュベーション事業は、株式の売却がなければ赤字基調ですが、それ以外の事業は黒字体質であると思っています。

今回株式会社Photosynthが上場しましたし、過去にはアディッシュ株式会社等も上場し、株式を保有しておりますが、売却するまでは利益計上できないという状況で、対象会社の株価を見ながら意思決定をしていきます。

インキュベーション事業の収益は未上場会社を含め、収支の良し悪しについては、10年単位を毎年更新しながら見ております。一定のパフォーマンスは出ておりますが、正直に言ってとても高いパフォーマンスが出ている訳ではありません。

インキュベーション事業は重要であると考えております。成長して、時価総額数十億円の会社ではなく、時価総額数百億円の会社への成長が期待できる会社に投資をしなければなりません。そうした会社の「数%」ではなく「数割」の株式を保有していなければインパクトがありませんので、最近では “投資をするなら数割を取れるような投資を目指す” というところにスライドしてきております。

Q5.これまでの投資事業の成果や投資状況を詳しく開示頂けないでしょうか。

上田 投資事業の成果や投資状況の開示につきまして、投資先である未上場企業は、資金調達に関する情報も含めて、基本的には経営情報を開示する必要がなく、競合もいる中で、開示をしないのが、通例でもありますので、当社としても開示が難しい状況でございます。逆に上場会社の株式持ち分についてはこうした情報は一般情報ですので、整理して開示することは検討して参ります。

Q6.事業投資や投資先の売却判断に優れた経営能力の高い人材の活用を検討しているかどうか、教えて下さい。

上田 当社は常に経営能力の高い・事業推進能力の高い人材の採用に注力しております。投資先の支援という観点でも力を入れておりますが、まだ十分とは言えない状況であるというご指摘の通りかと思います。

投資先の売却判断と注力すべき投資判断に関して、過去にミスがなかったかと言うとそうとも言い切れませんが、どちらに投資するべきかというよりはむしろどう支援していくかということが当社の利益に直結していると考えており、人材を採用してそのあたりも強化していきます。

Q7.NFT領域で株式会社Tokyo Otaku Modeと今後協業・出資する予定はあるか、教えて下さい。

上田 本日時点ではございません。株式会社Tokyo Otaku Modeは過去に投資をし、現在では、全株式売却済みの状況でございます。当初、Tokyo Otaku Modeは、ソーシャルメディア領域の会社でございましたので投資を意思決定しましたが、最近ではEC領域の会社であると理解しており、ブロックチェーンでの取り組みなどもされているので可能性としてはありえるかもしれませんが、現時点では考えづらいと思っております。

Q8.2014年頃から比較して日経平均株価が約2倍になっている状況下で、ガイアックスの株価は下がっています。原因はどのあたりにあると考えているか、教えて下さい。

上田 企業価値が上がっていないことに関して、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。投資に対するリターンについて一定の利益しか上げられておらず、大きく成長していないというのは非常に問題であると考えています。

当社はシェアリングエコノミーという領域に力を入れ、大きな投資を行っております。ただしそれはあながち間違いではなかったと考えております。ただ、その投資先でシェアリングエコノミーの中心的なビジネスプラットフォームをしているような大きな上場企業を創り出せておらず、競合他社に負けているケースなどがあり、そこが原因だと認識しています。

社内事業も含めて毎年2〜3億円程度投資しており、そうした上場クラスの事業を創っていかなければなりません。

Q9.インキュベーション事業やスタートアップスタジオ等の取り組みなど、企業価値を高めるための有望なサービスを保有し続ける考えはあるかどうか、教えて下さい。

上田 IT産業においては経営陣のモチベーションが非常に重要なので、カーブアウトオプション制度という形で、当該事業の事業推進メンバーに、新設会社の3割程度の株式もしくはストックオプションを渡すというのをグランドルールとして実施しています。とはいえ、そうであったとしても、当社としては7割の株式を持つことになりますので、そこからさらに希薄化するかどうかの議論は常に行っております。ただ、直近でもありましたが、その新設会社が資金調達をする時に10億円、20億円のファイナンスを実施をするケースもありますが、そのラウンドでガイアックス自身が投資をするべきなのかと考えた時に、今のガイアックスに集まって下さっているポテンシャルを持っている若者のアーリーフェーズに分散投資を行った方がリターンが大きいのではないかという判断をしている状況です。

Q10.市場から評価されていないと感じる中で、昨年からも出ている鞍替えなどの意見について、現時点でどうお考えか教えて下さい。

上田 当社はどちらかといえばアーリーフェーズのところに投資を集中していることに関して、手応えを感じていない訳ではありませんが、大きな結果は出せていないというところです。事業を伸ばす人材を入れて実際に伸ばしていかなければいけないのですが、実態としてはまだ力が足りておりません。当社が株式を数割保有している企業が数百億円ぐらいの時価総額になっていくというケースが数社出てきて、それがやっと評価され、そこでさらに市場にPRしていくべきではないかと考えており、現状はその手前であると思っております。

鞍替えに関しましても、本日時点の水準では 、 まだ時期尚早ではないかという印象です。

Q11.株価が下がっている中で自社株買いなどの対策が見えてきませんが、どう考えているのか教えて下さい。

上田 Q1.で申し伝えた話と重複いたしますが、当社の資金と株価水準など総合的に見ながら配当・自社株買いもしくは投資という判断をしており、現状では外部に魅力的な投資先があるためそちらを優先させて頂いているのが基本的な行動になっております。

見通しについても、やはりさらに実態を創っていかなければならないということで経営陣として目標にしているのは時価総額数百億円の会社の株式を数割持って、全体として投資の価値を引き上げていくという形でございます。

個人的にももちろんこの株価には満足しておりませんので、株主という立場でもこの株価を引き上げるつもりで考えております。株価対策については事業価値を伸ばしていくということを執行側として実施していくべきだと考えております。

Q12.早い段階で株式会社タイミーに出資したと思いますが、金額等は開示できるのでしょうか、教えて下さい。

上田 こちらは非開示情報となっておりますが、かなり初期の段階で投資をしておりますので小さい金額ということだけはお伝えします。

株式会社タイミーに関しましてはシェアリングエコノミー領域に関する事業という観点で出資をしておりますが、もし上場すれば収益が上がる案件ではあるのですが、持ち分比率を鑑みますと当社としては大きなインパクトになるかというとそこまでではない可能性が高いです。

Q13.時価総額数百億円規模を出すというビジョンは理解できますが、経営陣にはそこに至るまでのアプローチや、株価に対する施策・目標などを株主に対して明確にし、しっかりアウトプットしてほしいです。特に、これまでの施策はレビューして頂いて、株価が上がるように「変化点」を議論して頂きたいですが、この点についてどうお考えか教えて下さい。

上田 貴重なご意見をありがとうございます。ここ2〜3年の変化で言えばやはり「数割の持ち分を取りに行く」というところで、その会社を人的にも重点的に支援して注力しております。これが1年で成果が出たかと言われると、ただ今まさにそこに取り組んでいるところではあります。

しっかりと頂いたご意見を経営会議の議題に取り上げて議論をしていきたいと思います。

Q14.株価が上がっていない中では、利益や株価の目標などが伝わってこないと感じます。Twitterを見ていても情報発信が社員の方にだけ向いている気がしますが、株主との情報共有についての方針を教えて下さい。

上田 株主に対してメッセージが少ないというご指摘に関しては大変申し訳ございません。私自身としましてはIRを当然重要と考えておりますし、だからこそこういった個人投資家説明会を開催させて頂いている背景がございます。特に今回のような形で株主の皆様からの要望を頂ければ随時開催していきたいと私も思っております。

その中身に関して、ガイアックスとしても内部的に計画を立案してはいるのですが、外部に公表するには不確実性が高くミスインフォメーションになりえる情報でもありますので公開は致しかねます。

大きなシナリオとしましては、ソーシャルメディアなどのコンサルティングに関しては拡大をしていきながら利益水準を着々と引き上げていこうというのがひとつ。それとともに、インキュベーションの投資に関しては先程から申し上げている通り、数割持っている会社にしっかり支援して時価総額数百億円に持っていくケースを数社作り上げるということと、それを安定的に量産できるというところを目指していきます。

ただ、経営会議レベルですと株価に関する目標は設定しておりませんので、企業価値・事業価値をどう伸ばすのかという議論はしております。事業を伸ばせば、自ずと株価はついてくると考えております。

Twitterの方では、メインのフォロワーであります、起業家に向けてコミュニケーションをする場として考えています。投資家の皆様というよりも今まさに我々が支援をしていくような起業家の方に対して「我々はここまで支援するんだ」という内容が中心になっておりまして、なかなかガイアックスの株主の皆様が期待するような「株式を安く買うつもりだ」「株式を高く売るつもりだ」という話をするような状況ではありません。そのため投資家の皆様とはこういった場でお話をさせて頂きたいと考えております。

Q15.YouTubeで再生回数が多くない動画もありますが、その意図などについて教えて下さい。

上田 チャンネルによっては成長してきているものもありますが、どちらにせよ、どのメディアを活用すべきなのか、ということについて、私もそのバランスには非常に悩んでおります。ただ、若手起業家ですとかそういったポテンシャル層に対するマーケティングとしてはYouTubeというメディアは、可能性があると思っておりますので、今後もできるだけ効率的に活用していくつもりです。

もう1点、こうしたBtoBでソーシャルメディアについてコンサルティングや活用の提案をすることも当社の商品でありますので、当社のノウハウを試しに活用してみたり、様々な実験をしたり、商品化のためのトライアルなども併せて実施しておりますので、そういう目で見て頂ければ幸いです。

Q16.インキュベーション事業以外のソーシャルメディア事業セグメントなどについて、業績見通しを出していくかどうかを教えて下さい。

上田 もちろん仰る通りではあるのですが、インキュベーション事業の比率がどうしても大きいものですから、ソーシャルメディア事業の部分だけ出すというのは工数とコミュニケーションといった観点からさほど重要視しておりません。

Q17.株主としては事業を発展させて大きくなってくれればそれで良いと捉えていますが、MSワラント(*1)やライツ・オファリング(*2)などを行っても株価は下がっています。社外取締役を含め経営陣の責任はどうお考えか教えて下さい。

*1:Moving Strike Warrant の略。日本語では、行使価格修正条項付き新株予約権と訳される。
*2:「新株予約権無償割当」のことで、増資による資金調達の手段のひとつ。

上田 まず、増資を行って事業を伸ばすというのはまさに仰る通りで、当然資金は全額ビジネスに回しておりまして、その結果事業が拡大しているところになります。ただ、それを利益・株価に反映できていないことについては大変申し訳なく思っております。

経営陣の責任についても議論に上ってはいますが、私としましては、今後事業価値を上げるべく努力をしていくことによって職務を果たそうと考えております。もちろん、直近で社外取締役を含めた指名委員会・報酬委員会がございますので、目標設定をした上で随時議論をしながら進めて参りたいと思います。

Q18.メタバースといったような仮想空間上のソーシャルコミュニティーが今後トレンドになるだろうと予想されていますが、こういった領域への注力拡大は考えているかどうか、教えて下さい。

上田 DAOやNFT、メタバースなど新しい分野に関しては少人数ではありますがトライアルでビジネスを探っているところで、本日時点では収益性が高いビジネスが確実に見えてきている状況ではありませんが、引き続き調査・検証を続けていきます。

Q19.オンライン上での投資家質問会は2回目ですが、実施に至った目的を教えて下さい。

上田 株主様からのお声が増えてきているとのことで、決算など関係ないタイミングですが開催させて頂きました。

Q20.こうした質問会などで出た株主の意見を事業経営に反映させる意図はあるのかどうか、教えて下さい。

上田 もちろん、こういった質問会だけではなく日頃いただくたくさんのご意見も含め、経営会議の議題にあげて議論する、というのは随時実施しております。

Q21.本年度は利益向上が期待できるのかどうか、教えて下さい。

上田 シェアリングエコノミーの中で、新型コロナウイルスの影響が強い事業分野のところは引き続き苦しい状況ですが、シェアハウス領域に関しては非常にチャンスがあると思っています。また既存事業のBtoBのソーシャルメディアに関するコンサルティング等に関しましても一定レベルの期待はできると思っています。

Q22.スタートアップスタジオが企業価値の向上に繋がっているかどうか、また、経験者を入れるべきではないのかという意見に対してどうお考えかを教えて下さい。

上田 スタートアップスタジオを長期間に渡って継続をしていますが、一方でその運営の中身自体はかなり入れ替えております。ポテンシャルのある起業家を志している人の接触件数も年々積み上げてきまして、シリーズA直前くらいには資金調達ができる会社がちらほらと出てきているような状況です。ただ、シリーズAですので上場するには早くてもあと数年ありますので、まだ時間はかかります。
ガイアックスの卒業生は有償無償に関わらず、友好的にガイアックスの事業や投資先の事業をサポートして下さっています。今後もそういった協力の下、卒業生とも連携して起業家へのサポートを続けていきたいと思います。

関連記事
Back To Top