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2022年11月 個人投資家向けオンライン質問会 質疑応答(要約)

  • 最終更新: 2023年11月10日

ガイアックスは、11月28日(月) 20時より「個人投資家向けオンライン質問会」を開催しました。
当社を日頃より支援してくださっている個人株主のみなさまから当社へのご意見やお話を承る場として、また新しい個人投資家の方々に当社を応援していただくべく、その場でいただいたご意見やご質問に対し、当社代表執行役社長上田祐司より回答させていただきました。その質問会で交わされた質疑の内容と事業方針の説明内容をお伝えいたします。
※本内容は、主な質疑応答の要旨を記載しております。また、理解推進のために一部内容の加筆修正を行っております。
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上田 祐司

株式会社ガイアックス代表執行役社長(兼取締役)

1997年、同志社大学経済学部卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事を務める。

中期経営方針の説明

今後の経営方針の変更点は、4つございます。
まずは、ソーシャルメディアサービス事業の今後の成長率と営業利益を明示したところです。カーブアウトする事業もあるでしょうが、ガイアックスの中でも着実に事業を伸ばします。この両輪で事業を実施することが1点目の変更点です。

中期経営方針の説明

2点目は、黒字基調での財務規律コントロールです。
ソーシャルメディアサービス事業の成長が見込まれるため、黒字基調で推移するものと考えております。ただし、これまでは投資、減損あるいは株式売却により、年ごとに黒字や赤字の変動が多くありました。今後は全体の財務規律を徹底し、黒字基調でコントロールしていく方針でございます。

3点目は、情報開示のレベルを引き上げることです。
機密保持契約を結んでいることから、投資事業の情報開示は難しい部分もございますが、ガイアックス社内で伸ばしていく事業に関しては、情報開示レベルを引き上げていく方針でございます。
また投資事業の利益予想についても、全体を黒字基調でコントロールする目線の元で投資をされる方としましても、これまでに比べて予測しやすくなると考えております。

4点目は、継続的な配当です。
これまで投資事業に高い優先度を持たせていたため、基本的には配当の予定はないと回答させていただいておりましたが、基本的に黒字基調で経営を推進していく方針に転換したことにあわせ、継続的な配当を実施していきます。

一方で、変わらない部分もございます。当社はインキュベーション事業や投資、もしくはカーブアウトにおいて、数百億円の時価総額になりうる企業に対し、数割の持ち株比率を持ち、それらを今後、数社作り出す方針です。

次は、各事業セグメントの振り返りと今後の方針に関してです。
当社のソーシャルメディアサービス事業の売上が近年伸張しております。その背景には、統合的なマーケティングを顧客企業様に提供することにより案件規模が大きくなってきていると考えております。
ソーシャルメディアサービス事業のコンサルティングや運用は、当社の強みであるため、引き続き事業を伸ばしていくのが1点目の方針です。

2点目は、インキュベーション事業についてです。これまで当社から4社が株式公開をいたしました。当社が支援している法人を上場させる経験を設立時より多く経験してはいるものの、回収までの年月が長いこと、そして株式上場後の売却時期が非常に難しいことにより、業績が結果不安定であることを反省しております。特に私が投資先の社外取締役に就任することにより、上場した後に売却をすぐにできないタイミングが発生し、その結果、売却タイミングを逃してしまうこともございました。
売却タイミングをコントロールをよりする体制を作りつつ、一方で創業時に高い比率で出資することを念頭に置き、投資事業に引き続き取り組んでまいります。

中期経営方針の説明

次は中期経営方針の業績目標についてです。
来年は中期経営方針1年目のため、売上26億9500万円、利益5000万円を考えております。売上利益ともに順次引き上げながら、5年目に売上40億円営業利益6億円の実現を考えております。

中期経営方針の説明

続きまして、二つの事業部門の内訳をそれぞれご説明させていただきます。

中期経営方針の説明

まずソーシャルメディアサービス事業セグメントについては、2020年から中長期的に成長する手応えを感じております。
3Q終了時点で売上が13億円あり、昨年までの数字と比較すると成長を続けております。いまの成長速度で引き続き維持し、中期経営計画の5年目に向けて、売上を伸ばしていく方針です。顧客ごとにサービス提供を実施するBtoBビジネスのため、急激な営業利益率の高まりには繋がりませんが、一定の営業利益を確保できるであろうと考えております。

中期経営方針の説明

続きまして、インキュベーション事業セグメントについてです。
株式の売却状況や未上場企業の株式売却についてのご指摘を株主様からもいただいておりました。当社も支援先の企業に入り込んで会社の状況を把握しているため、他の投資家に比べ、売却判断の精度は高いと考えておりますが、マーケット全体のトレンドや競合の状況も影響するため、判断が難しい事業と認識しております。

直近ですと、投資先の株式会社Photosynthが上場いたしました。我々は初期フェーズでの投資は行っておりましたが、その後の未上場タイミング内での株価が上がったタイミングでは投資に対応しておりませんでした。その後上場し、未上場時代に比べて、時価総額としては、横ばいが続き、そのタイミングで我々も一部株式を売却いたしました。結果的には、そこから株価が下降いたしましたが、現在我々も株主として一部株価を保有しております。このように上場の有無に関わらず、株価が上下動する状況下では、どのタイミングで株を投資したり売却したりするのが正解だったのかの判断は、非常に難しいと考えております。

いくつかの銘柄の株式を立ち上げ時期から所有しており、今後も同様の懸念がございますが、最適解になるように常に検討しながら対応してまいります。
ただ、全体的な規模や持ち分比率が重要だと思っているため、出資のタイミングもしくはサポートするタイミングから、時価総額が数百億円規模になる会社に対して、積極的に初期から投資をして、持ち分比率10%〜30%を所有する目線で進めていきたいと思っております。

上場した会社の時価総額が数十億円だと結果として当社の株価に大きく響かないと思っております。一方で、投資先が数百億円になって我々の持ち分比率が高ければ、その法人がカーブアウトして、当社から離れたとしても当然当社の時価総額に反映されると考えておりますので、そこを注力していきたいと思っております。

中期経営方針の説明

株主様への配当は、今後継続的に実施していきたいと考えております。
来年の末の配当額については、1株あたり5円を予定しております。今後、中期的な成長を目指しつつ安定配当を行ってまいりたいと考えております。また、他の新規投資家に向けた投資説明会も今後順次増やしていきたいと考えております。他の新規投資家との地道なコミュニケーションを通じ、結果として株式の流動性向上にもつながるよう取り組んでいきます。

中期経営方針の説明

最後に、インキュベーション事業の投資注力分野についてご説明いたします。
今後はweb3/DAOに対して、投資を行っていきたいと思います。我々は、ソーシャルメディアとシェアリングエコノミーの二つの分野に注力してまいりましたが、3点目として、web3とDAOの分野に取り組んでまいります。
これまで、2015年からwebやブロックチェーンに取り組んでまいりました。
株式会社TRUSTDOCKもブロックチェーン研究の中から出てきたプロジェクトをカーブアウトした法人です。

中期経営方針の説明

web3に関して簡単にご説明いたしますと、web2までは、人々がブログやSNSに口コミ等で参加する形でした。web2の世界では、サービスを提供しているプラットフォーマーが別で存在しており、FacebookやAirbnb等の企業がその役割を担っていました。web3になると、第三者のプラットフォーマーが無くなります。ユーザーがプラットフォームを共有し、みんなで共創していくことがweb3の特徴です。それを組織として表現しているのがDAO(分散型自律組織)であり、多くの人が参画し共創していく仕組みとして注目を浴びています。

現在、ソーシャルメディアの活用を目的とした企業様に多数のコンサルティング等を提供しておりますが、企業様の本質的なニーズは、これまでのファンをよりファン化させ、よりユーザー様が商品に対してオーナーシップを持ち、ロイヤリティを持つ仕組みを構築することです。そしてソーシャルメディアでのマーケティング手法でそれを実現し、その延長上にweb3やDAOがあると思っております。企業様が商品を購入するユーザー様を中心にDAOを構築し、商品開発にもお客様の声を取り入れていくと予想しています。SNS活用の先にあるDAOに取り組んでいくことで、先進的な企業に向けて当社のサービスを提供し、そのビジネスモデルが普及すると当社のビジネスも大きくなっていくと考えております。

中期経営方針の説明

DAOに関して、当社として二つのアプローチをしてまいります。
一つ目は、企業様がDAOに参入する際に、コンサルティングやシステム開発、運用代行を提供するDAO化の支援事業でございます。DAO化の支援事業は従来のソーシャルメディア事業と非常にシナジーが高く、DAO化を検討された企業様がDAO化を断念された場合にも通常のソーシャルメディア活用のビジネスモデルが受け皿になる場合も充分あり得ると思っております。
二つ目は、実際に当社グループもしくは当社が大きく資本を持っている株式会社でDAOを立ち上げ、そのDAOが成長をすることによってトークンの価値成長による売上利益を目指す考えでございます。

中期経営方針の説明

これまでソーシャルメディアの活用支援事業を実施し、その知見を元にシェアリングエコノミー活用の支援事業も行ってまいりました。今後はDAOの活用支援事業や当社自身がDAOの活用事業を実施していくことで、フリーフラットオープンな社会を実現したいと考えております。

中期経営方針の説明

質疑応答

Q1. ブロックチェーンでICO(*1)が流行した際に、詐欺的なプロジェクトが世界各地で散見されたため、投資家保護の観点から世界的にICOが規制され、通貨の流通額も減少したという認識があります。今回のDAO事業化も同じ懸念があるのではと思いますが、当時の流行とどのような部分に変化点があるのでしょうか。

*1) ICO(アイシーオー)とは、Initial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファリング)の略で、暗号資産(仮想通貨)を利用した資金調達の仕組みを示します。

上田 ご指摘通り、ブームだけでDAOが廃れてしまう可能性もございます。ただ、当社ではDAOのサービスに何億〜何十億円をかけて伸ばすよりも、クライアントである企業様にコンサルティングを実施して収益を上げていきたいと考えております。またブロックチェーンやスマートコントラクトといった技術の活用はありますが、これまで複数プロジェクトに関わった肌感としても、ソーシャルメディアやオンラインコミュニティの運営とDAOの運営の根本は変わらないと思っております。もしも企業様から「DAOが難しすぎていらない」と言われても、オンラインコミュニティ運営として受注できると考えております。

質問者
そのビジネスモデルには賛同できます。web3やDAOの自律分散型の思想でサービスでプラットフォマーとして利益をどのように上げるのかが疑問にありました。中央集権型から分散型社会を目指すアプローチは、資本主義の概念と真逆にあるため、ビジョンを追い求めすぎて利益を上げられない懸念があります。ただソーシャルメディア事業を成長させていく戦略には高く賛同しており、DAOとSNSのシナジーがあるとも認識しております。新たなビジネスモデルでの成功が訪れたとき、時価総額が大きな会社になると信じておりますので、しっかりと取り組んでいただければ幸いです。

Q2. IRや説明会を増やして株式の流動性を上げていくとのことでしたが、鞍替えは目指しているのでしょうか。

上田 鞍替えについて、短期的には目指しておりません。ゼロから上場するのと同等の工数がかかるため、ソーシャルメディアのBtoB事業を伸ばしていくこと、および投資のパフォーマンスを上げていくことを最優先に考えております。現状中期経営計画で発表させていただきましたとおり、最終的に掲げている営業利益が6億円の水準でございます。まずはそれを目標に営業利益を上げ、時価総額を向上させることに注力し、安定的な利益を計上できるようになったときに鞍替えを実施していきたいと思います。

Q3. 株式会社TRUSTDOCK、株式会社アドレス、株式会社タイミーの株式を売却したことはありますでしょうか。

上田 投資先については投資時にNDA(秘密保持契約)を締結しております。未上場企業の場合、競合企業への情報漏洩を懸念し、非開示になっています。未上場企業の部分は基本的には難しいということをご理解ください。

Q4. 株式会社TRUSTDOCK、株式会社アドレス、株式会社タイミーの上場時期は、いつ頃になるでしょうか。

上田 3社の上場のタイミングに関しては、不透明な状況となっております。
3社とも他のベンチャーキャピタルから資金を調達してビジネスを行っております。そのため、十億円単位を扱う投資家になりますと、上場までのスケジュールを立てるのが投資のルールとしてあり、その条件下の会社にのみ投資するのが通念でございます。問題は計画通りに上場まで進むかです。過去の事例をご紹介すると、株式会社Photosynthやアディッシュ株式会社は計画通りに進み、ピクスタ株式会社は上場が数年遅れております。うまくいかなければ上場どころか、会社の存続が問題になってしまうのが念頭にございますが、上場までの計画として織り込まれているのは1年後から5年後のスパンになります。当社も上場に関して、できるだけの支援を継続的に実施してまいります。

Q5.インキュベーション事業の見通しを立てるのが難しいために中期経営計画をこれまで開示していなかったと思いますが、中期経営計画について、数字の見通しはどのように立てたのでしょうか。

上田 これまでインキュベーション事業の利益予想を立てられなかったことに加えて、ソーシャルメディアサービス事業の利益絶対額も大きくなかったことで予想が立てづらい状況がありました。また黒字と赤字の推移があることから発表を控えさせていただいておりました。
ソーシャルメディアサービスの立ち上がりや今後の伸びについて手応えを掴んできましたので、そちらの数字に加えて、投資に関しても一定のコストコントロールを行い、出てくる利益の中で投資をしていく方針に切り替えました。
また投資先各社の動向に業績が左右されないよう、投資先が上場し株式を売却した場合の利益を含めずに中期経営計画を発表させていただきました。

Q6.過去に発行された有償ストックオプションの行使価格が2500円でしたが、どのように利益を出そうと思っていたのでしょうか。

上田 有償ストックオプションの株価に関しては、目標値より過去の株価水準を鑑みながら設定いたしました。
会社設立時からスタートアップスタジオとして、キャプタルゲインを得て収益を得るビジネスモデルについては、数十億円の数十%の株式を保有したところで、当社の時価総額も高くなりませんので、時価総額が数百億円の会社に数十%投資できていなかった点を反省しております。

Q7.中期経営計画の5年後の利益目標6億円と、最終目標の時価総額4桁とでは相関性がないのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。

上田 中期経営計画にインキュベーション事業の効果額はほぼ織り込んでおりません。
インキュベーション事業では、投資先の数社に対して時価総額数百億円、持ち分比率数十%を達成することを目指しております。マーケットサイズの選定の仕方や過去の投資の失敗を振り返りながら、インキュベーション事業に取り組んでまいりたいと思います。

Q8.株主総会で取締役選任議案が否決された場合、どうお考えでしょうか。

上田 基本的に今年一年、当社の代表として事業にどう取り組むべきかしっかり考え、株主様と引き続きコミュニケーションさせていただき、みなさまのご期待にお答えするよう進めていく所存です。また会社の価値向上に繋がることが最重要だと認識しています。今後も株主様とコミュニケーションしながら事業方針を決め、最善だと考える計画にそって事業を継続していきたいと考えております。

Q9.時価総額向上のため新規株主の獲得を目指す場合、インキュベーションに関する業績効果を市場に公表する必要があるのではないでしょうか。

上田 中期経営計画として発表することは難しいと考えており、それは株主のみなさまもご理解いただいていると思います。一方で、インキュベーションに関する取り組みを発表することは重要だと思っておりますので、ご指摘いただいた点に留意しながら発表していきたいと思います。


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