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事業を成功させるプレスリリースとその準備!広報効果があるケースとないケースとは~社内勉強会レポート~

  • 最終更新: 2023年11月9日

「事業を成功させるプレスリリースとその準備~広報効果があるケースとないケース~」と題し、2016年3月29日に社内向けの勉強会を開催しました。プレスリリースを出すことの意義と効果的な言葉の選び方、プレスリリース後を想定して準備しておくべきことなど、無駄と隙のない計画の立て方について、弊社広報担当者を講師として招き、事例をもとにご説明いただきました。

登壇者紹介

Tomohiro Kimura

木村智浩(きむらともひろ)
2004年ガイアックスに入社、企業向けSNS事業やネット選挙事業の立ち上げ、そして、出資先のスマートロックAkerunの広報に従事。新規事業の立ち上げにおいて広報を活用し、企業向けSNSは国内No.1シェアとなる。「ソーシャルイシューマーケティング」をテーマに、香川大学ビジネススクールなどで講師を務めた。現在は、広報IR・新卒採用の責任者を務める。

加藤桃枝(かとうももえ)
2002年人事測定研究所(現:リクルートマネジメントソリューションズ)に入社、サービス開発・マーケティング・広報に従事。2015年よりガイアックス子会社のベンチャー広報にてメディアリレーション及びガイアックスの広報を担当。PRSJ認定PRプランナー。

プレスに向くのは社会的価値・トレンド性があるもの

 

 

加藤:
「プレスリリースとは何なのか」「プレスリリースに必要な情報」など、基本的なことをお話します。とにかくメディアへの露出を増やすために、プレスリリースを頻繁に出したいと思われるかもしれませんが、内容やタイミングを間違えると取り上げてもらえないだけでなく信頼を失うことにもなってしまうため注意が必要です。

プレスリリースとは

プレスリリースとは、企業や団体が何かを公式に発表するときに準備する文書のことです。報道に取り上げてもらうことには費用こそかかりませんが、伝えるための努力が必要です。広告ではなく広報という位置づけですので、細心の注意を払い、タイミングを図って簡潔に伝えなければなりません。

プレスリリースに「向いているもの」「向いていないもの」

社会的価値が弱く、ターゲットや目的が不明なもの、サービス内容が固まっていないものはプレスリリース向きではありません。またトレンドでないもの、時期にマッチしていないものは、記者は取り上げにくいということを認識して工夫すべきです。
社会的価値があり、トレンドにマッチしているもので、なおかつ準備工数がとれるものは積極的にプレスリリースを出しましょう。この準備工数が確保できていなければ、メディアやネットの動きへの対応が難しくなりますので要注意です。
どのような情報がニュースになるかというと、独自性のあるものや旬なもの、驚き、珍しさを備えたものです。例えば、「その分野で初」、「業界初」などのキーワードを入れることでその情報の価値を上げることができます。

プレスリリースを支える「3者」とその役割

 

 

加藤:
当社の場合、プレスリリースは「事業部」「広報」「PR会社」の3者が関わります。その役割については次の通りです。

1.事業部の役割

事業部は、遅くとも公開の4週間前から「ゴールの明確化」「手段の吟味とプレス内容の検討」をします。関係者の確認や画像選定を経て当日を迎え、その後は問い合わせ対応やPV・CV数の測定を開始します。掲載による効果を最大化できるように、サイトには事例資料ダウンロード画面などを用意しておくと、なおよいです。

2.広報の役割

広報は、同業他社・類似のサービスが過去どのように報道されたのかの傾向を踏まえ、スケジュールの確認、リリース文の作成をして当日を迎えます。その後、全社広報のチェックや掲載、各種メディアの反応を確認します。

3.PR会社の役割

プレスリリースを配信するだけでは得られない、記者との直接コンタクト(メディアリレーション)を担います。PR会社には必要に応じて4週間前から同席してもらい、内容を理解し、アドバイスを行います。報道用資料は2週間前には作成を、リリース後にはメディアリレーションとメディア反応の確認をします。
しかし、まれに厄介なことにも遭遇します。それは、「プレスリリース用原稿が決定しない」、「社外との連携により、もしくは依頼者のパワー不足によってスケジュールに遅延が発生する」といったことです。こういった事態を防ぐためにも1カ月前には広報に依頼するようにお願いします。自社単独ではないプレスのときはより一層時間を要します。

余裕を持って動き出すことが大事

加藤:
私たちは売り上げに直接関与することはできませんが、記事掲載によるPV・UU数、コンバージョン数など共通目標を追いかけ、事業の価値を上げていくことを喜びとしています。そのためには、プレスリリースではなくメディアリレーションのほうがより効果を望める場合がありますが、これは事業部と打合せをしながら見えてくることです。PRの手法は様々あります。「こんなことをしたいのだけどどうだろう」と、思いつきの段階でもお聞かせください。
しかし、PRにはいろんな方法があるとはいえ、期限ぎりぎりの相談では打つ手が限られてくるのも事実です。遅くとも目標の日付の1カ月以上前にご連絡を頂きたいと思います。メールは気軽な相談がしづらいツールかもしれません。ご連絡をいただければ、ちょっとしたミーティングでの対応も可能です。

プレスリリースによって事業が加速した3つの事例

 

 

木村:
私からは、プレスリリースを用いて認知度を上げることに成功した3つの事例をご説明します。いずれも「タイムリーな話題であること」「プレスリリース後の対応を考えておく」という条件を満たし、効果を上げたものです。
何かに掲載されたからといって売り上げが立つ訳ではありません。メディア掲載はゴールではなく手段です。この果実を得るために、広報の意味と、目指すべき目標を設定し、先々を読んだ綿密な設計をしておくことが必要です。

事例1――ネット選挙対策サービスの顧客をメディア掲載で獲得

法改正でネット選挙というキーワードが大々的に取り上げられた時期がありました。これに関連するサービスの顧客を獲得するにあたり、政党や議員事務所に直接アポイントを取ることも難しいので、「ネット選挙とは?」「解禁に伴うリスクは?」を説明したプレスリリースを作成しました。ニュースに使える情報をイラストにまとめることで、PR TIMESを経由して各種新聞や雑誌に取り上げられ、多数のテレビ取材を受けることができました。これらがTV放映された時間をテレビCM宣伝費に換算するとざっと5,000万円以上。結果、各政党から問い合わせをいただきました。タイミングとニーズをマッチさせたことがこの効果を生み出したのです。結果として、「選挙に関するネットの専門家」として認知され、某政党からの受注につながりました。

事例2――市場トレンドを伝える情報でTV取材獲得、TV取材用デモ画面を事前に

 

 

続く事例は「内定者SNS」。内定者SNSは、入社までの間に内定者と企業、そして内定者同期同士のつながりを強化するサービスです。
このサービスの導入時期である内定出し時期に、企業の人事に向けて導入効果が伝わるプレスリリースを、問合せ数増と代理店による販売強化を目的に作成しました。
プレスリリースが単なるサービス紹介であれば記事にならないので、社会的価値がわかる要素をプレスリリースに盛り込みます。具体的には、内定者が入社を迷うことを「内定ブルー」と名付け、また、就活・採用市場のトレンドがわかるように「アベノミクスで景気回復、採用増。採用基準は維持」、「内定スケジュールは後ろ倒し、内定は前倒し」と付け加え、内定辞退者が増加するという見通しを伝えたのです。

そして、TV取材対応用の新機能デモ画面画像を用意、さらには、テレビ取材後検索されることも意識して「○○に掲載されました」「○○で放送されました」という広告用ページ、リスティング広告も準備しておきました。
テレビ番組で取り上げられ放映される瞬間はtwitterなどをチェックします。ここで気づいたのは、このサービスが学生にとっては監視ツールに誤解されてしまうことでした。これに対応し、内定者SNSから就活生が得るメリットもすぐさまプレスリリース文章に追加しました。これらの施策よって、メディア掲載後、問い合わせは2.5倍に増えています。PR活動とはその時々に求められる情報が変化してゆき、それらにこまめな対応をすることが重要であると再認識した事例です。

事例3――設問設計をし、多数のブログにも掲載され、100リード獲得

B2B企業マーケティング支援サービスを広報するときもきちんとゴールを明確にし、PRの段階に応じた設計を行いました。皆さんにも経験があるはずですが、何かしらのサービスが気になったとき、問い合わせフォームに入力することはほとんどありません。資料のダウンロードができればそれに越したことはないと思われているはずです。このニーズを満たすため、調査レポート(ホワイトペーパー)をしっかり作りこみました。調査を外部に発注する前に、事前にどんなレポートであればメディア掲載や問合せ獲得につながるかを踏まえて設問を設計します。さらにレポート内容がメディアだけでなく、各種ブログに掲載され、問合せにつながるよう様々なブログに寄稿したのです。資料のダウンロード数(リード獲得数)は、数日で100件を超える結果となりました。

さいごに

勉強会後の質疑応答では、受講者の皆さんから多くのご質問を頂きました。その質問から私たちも気づきを得ることができましたし、回答によって何かをお返しできたと確信しています。中には即答しづらい鋭いご意見もあり、皆様が携わっているPR活動内でプレスリリースに寄せる期待がいかに大きいかを痛感しました。今後も皆様のお役に立つ情報をわかりやすい形で発信したいと考えています。


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