日本で唯一のe-KYCサービス企業のTRUSTDOCK(トラストドック)CEOインタビュー。前編ではTRUSTDOCKの事業優位性や未来を明らかにしました。本日は後編としてTRUSTDOCKの人・組織、採用についてCEOの千葉が詳細を語ります。

業界を超えて支持されるだけでなく、国際的な社会問題まで解決する可能性を秘めているサービスを作れるエンジニア、営業はどういった働き方なのか。千葉を含めたメンバーの思考性も含めて、TRUSTDOCKの人・組織、採用のあり方をお伝えします。

RegTech領域にたどり着くまでの「打席に立ち続けたキャリア」

―前編ではTRUSTDOCKの事業をメインにお聞きしました。後編ではTRUSTDOCKの「人・組織」を明らかにするために、まずは千葉CEOの経歴について伺いたいと思います。

千葉 TRUSTDOCKはガイアックスの一事業部から、カーブアウト制度(事業部はいつでも法人化・独立できる制度)を活用して、独立しました。その前職のガイアックスには、上場前に中途入社して、クリエイティブディレクターとして働き始めました。入社当時のガイアックスはアバターやゲームコミュニティといった主にC向けのコミュニティサイトの構築や運用をやってましたので、アバターや各種アイテムのデザインやディレクションもしてました。今とは全然違いますね。

その後、CGMやSNS系のWEBコミュニティの受託開発や運用、ASPやSaaSなど、会社全体がB向けにシフトしていく中で、主にコミュニティ開発プロジェクトの企画設計やPM等をやってました。

10年前くらいからは、社内の新規事業がメインで、ソーシャルメディア事業部の立ち上げで、書籍を書いたり、FacebookアプリASPのプロダクトつくって運用したりして。そして確か、5〜6年前に、日本でリーンスタートアップが広く伝わり始めたので、愚直にリーンな事業開発する特殊部隊を編成して、いくつもリーン手法でトライしてきました。

シニア人材のマッチングサービスと、美術教育動画のサブスクは、Product Fit したので、実際に開発してローンチしましたが、マス以外のマーケティングチャネルでユニットエコノミクスがバランスしづらく、Market Fit しなかったです。

その他、仮説検証フェーズでは、インタビューフェーズのOKRもクリアできない新規事業案も沢山ありました。

チーム内の誰かにPain(課題)があるなら、ジャンルを問わず挑戦していました。

結果はどうあれ、徐々に階段を登る、リーンな立ち上げ手法は、ゲーム性があり面白く、前の学びが次のトライに活きているのが実感できます。KPI未達で縮小や撤退になったとしても、いいスイングができていれば、次の打席でヒットを打つ確率は上がるので、打席に立ち続けるのは重要ですね。

やってる時は毎回、これが最後の打席だと思って、全力でやっています。

―TRUSTDOCKはどのようにサービス化され、市場に広まっていったのでしょうか?

千葉 はじまりはガイアックスの研究開発でした。ガイアックスは、シェアリングエコノミーの分野にフォーカスしていたので、CtoCマッチングの成約率を高めるために、「シェアリングエコノミー✕ブロックチェーン」の技術テーマで、「オンライン上で本人確認が便利になるサービス」を研究しにいきました。

ただ2016年当時はブロックチェーンもまだSFで、CtoCの事業者もスケールしていないのでニーズがあまり無かったです。そのかわり、何かを発表する度にお問い合わせが来るのは、FinTech事業者の皆さんでした。FinTech業界をヒアリングしてラーニングする度に、ここには大きなPainがあることを実感し、誰もやりにいかない、この一番複雑で面倒な本人確認が必要な分野を、どこよりも早くエレガントにやり抜こうとみんなで決めて、2017年に事業部化しました。

結果として、私達の事業領域は、RegTech(レグテック)と呼ばれる、規制(Regulation)をテクノロジーで解決していく分野で、世界的に勃興しているタイミングでした。

法律と技術の橋渡しする営業、半歩先の未来を創るエンジニア

―TRUSTDOCKはRegTechということで、社会課題の解決という側面も持ちます。そんな可能性を秘めているサービスをさらに展開していくためには、どんな仲間と働きたいと考えていますか?

千葉 ビジネスサイド、営業職に関して言えば、特別な能力や学歴を求めているわけではありません。

また、必ずしも金融や法律の知識や経験が必要なわけではありません。法律も技術もアップデートされていく世界であり、提供するソリューションも常に新しい領域の製品になります。過去の慣習や仕事の型に囚われずに、柔軟にスタイルを変化できる方が、スタートアップ向きではないでしょうか。

性格的なことを言葉にすれば、「よく寝てよく食べる人」「素直で楽観的な人」が活躍しやすい環境ですね。規制産業はそもそもハードなんで、レジリエンス(復元力・回復力)が高い人の方が楽しめます。

―法律や金融が絡んでくるので、「楽観的」よりも「緻密さ」などを求めているのかと思っていました。

千葉 商談や導入がすぐには進まなかったり、免許や業界特有の話もあり、思い通りにいかないことも多いタフな世界です。だからこそ、進みはゆっくりであっても、日々「一歩ずつ前進している」と実感できて、一つ一つのプロセスから喜びや学びを発見できるかという意味で「楽観的」な性格が適していると考えています。

簡単に成果が出なくても、腐らずに、素振りや準備を淡々とし続け、待っていた法改正やストーリーが動き出した時に、いつでも打席に立てるようにすることが重要です。そのために、法律・技術・業務、全ての面で地道に物事を進めています。

―営業先も幅広い領域になりそうですね。

千葉 対象領域は金融業界でいくと、銀行、証券、貸金、送金に仮想通貨と、大企業からスタートアップまで幅広くFinTech領域全般が対象です。その他、本人確認やKYC業務が必要なオンラインサービスは全て商圏になります。KYCのマーケットサイズは日々、大きくなっており、当初の想定以上に拡大し続けています。そして、各社の新規事業に携わることが多いので機密性が高いです。そういう点では、口が堅いタイプの方がフィットするでしょう。信用と信頼が重要な仕事です。

さらに、法律が絡んできますので省庁とのコミュニケーションがあります。様々な業界のビジネスモデルや省庁の考え方など、物事を多面的に知れるので、世の中の構造の理解が深まります。大局を掴む感度があがります。

―「数を追う営業」で成果が出る性質ではなさそうです。

千葉 現時点では許認可業が多いので、10万社もいる世界ではないです。1社1社に、きちんとソリューションを紹介して営業するスタイルを取っています。APIの世界は、資料だけ見せても分かりづらい領域なので、対面やWEB会議等で、必ずご説明の機会をいただいています。相対するカウンターパートも、コンプライアンス担当の責任者やCTOが多いです。私達は、法律や規制の話とAPI等の技術的な話、そして実際の現場の業務の話まで、規制に対応しつつ、どうエレガントなオンラインサービスに落とし込むか、橋渡し役になって、一緒に汗をかきます。

それに、金融機関などは営利企業でありながら社会的な側面もあるので、私達のサービスも自然と公共性が求められます。自社の利益のためというよりも、公共財として、社会インフラとしてのTRUSTDOCKという存在は、どうあるべきか。という意識が強いです。

―エンジニアに関しては、どういった仕事の仕方になるでしょうか?

千葉 性格としては営業と同じく、「よく寝てよく食べる人」「素直で楽観的な人」がいいなと思います。そして、開発するシステムは、タフでセキュリティが重要な領域です。法律要件を満たすのはもちろん、世界中のエンジニアが使いやすいAPIの仕様設計、大量のトランザクションを捌くインフラ構築、実際の本人確認業務を行うスタッフが使う業務ツールの絶え間ない改善、eKYCでCVRが下がらないようにするUI/UXのブラッシュアップなど、あらゆる部分を開発し続けます。現状のデジタル環境で最適な技術を取捨選択しつつ、安全に社会実装できるソリューションを開発する、まさにRegTech(レグテック)なシステムです。

そのため、エンジニアも含めた全メンバーで法律を読み合わせする場を設けたり、全員が何をつくるかの解像度を上げた上で、どうつくるかを議論しています。メンバーに金融出身者はいないので、業界を知らない分、ゼロベースで「この法律はなぜ制定されているか。」等の背景や歴史も含めて理解することで、じゃあ、今後はどの未来に向かっているのかを念頭に置き、プロダクトの仕様設計に反映して開発しています。いつも半歩先の未来を予測しつつ、現在をつくっています。

自分達の理想はありつつも、現実解をつくるのが重要で、社会が次の概念を受け入れられる土壌ができたら、次の姿を可視化していくスタイルを大事にしています。

デジタルアイデンティティ・KYCの分野では、いくつか法改正が行われているストーリーがあり、その複数の物事の過去と現在と未来のタイムラインを並行して眺めて、いくつかの特異点のために準備しています。

本気でグローバルな社会インフラをつくりたい、エンジニアな仲間を募集しています。

―最後に、TRUSTDOCK社としては今後どんな組織にしていきたいとお考えですか?

千葉 今は出目も同じな5人体制で、それぞれの得意分野が違うので、各自がやるべきことをやるチームで、筋肉質な動きをしています。また全員が結婚して所帯を持っており、子供がいるメンバーも多いので、ライフステージや性別を問わず、どこにいても働ける面白い組織をつくっていこうと、まさに組織作りを始めるフェーズです。

家族がいることで、私達は身分証や本人確認にまつわる課題を実体験として認識しやすくて、例えば、母親の立場から母子手帳などで本人確認のわずらわしさを感じたりと、社会課題を感じているメンバーばかりなんです。問題を見つけて、自分たちに解決する力があるんだから「放っておけない」と考えるんですよね。しかも、私達のサービスは子供たちの世代に貢献するものでもあると思うんです。

そして、KYCというセキュリティが重要なビジネスドメインですが、できるだけ物理環境を問わず堅牢なKYCの社会インフラを構築したいです。世の中のペーパーレスや業務効率化を推進する企業としては、自社の組織もフルデジタルに近づけたいですね。

私達は社会の黒子であり縁の下の力持ちですが、それでいいと思っています。TRUSTDOCKのインフラ上で、様々な●●テックが生まれていけばハッピーです。将来的には、法律を知らない学生でも、TRUSTDOCKを連携したら、自然と法令遵守したサービスがつくれている状態が最高ですね。それがまさにRegTech(レグテック)であり、次世代のイノベーションの土壌になると考えています。

「身分証のいらない未来」をつくって、その土壌で私達自身もいろんなサービスを立ち上げていきたいと考えています。

―ありがとうございました。

 

【参考インタビュー】
「身分証のいらない未来」をテクノロジーの力で実現する~株式会社TRUSTDOCK・CEO千葉が描く未来~(前編/事業領域編)

現在TRUSTDOCKでは、エンジニア、営業職として一緒に働く仲間を募集しています。
募集の詳細は下記の記事をご覧下さい。

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