株式会社ガイアックスは、8月18日(火)19時より「個人投資家向けIRセミナー 事業責任者プレゼン」を開催しました。本セミナーは、個人株主の皆様に当社の事業理解を深めていただくとともに、新たな個人投資家の方々にも当社を知っていただく機会として実施したものです。
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代表執行役社長の上田 祐司より2026年12月期第2四半期の決算および事業概要をご説明した後、ソーシャルメディアサービス事業セグメントより、ソーシャルメディアマーケティング事業責任者の沼田 早紀子が登壇し、事業説明と質疑応答を行いました。また、参加者から寄せられたご意見・ご質問に対して、直接回答いたしました。本記事では、当日のセミナー内容をお伝えします。
※本内容は、理解推進のために一部内容の加筆および修正を行っております。
INDEX
ガイアックス代表 上田:事業概要および2026年12月期第2四半期決算
ソーシャルメディアマーケティング事業責任者 沼田:事業説明&質疑応答
- Q:大手企業向けの支援が多いですが、どうして選ばれているのでしょうか。近年選ばれる理由も教えてください。
- Q:事業のKPIは何でしょうか?
- Q:AIの台頭で低単価化や競争激化は起こらないのでしょうか?
- Q:ソーシャルメディアサービス事業でのショートドラマやHR事業の投資回収について教えてください。
- Q:CREAVE社のショートドラマ(10億回再生)等、ソーシャル事業は前年同期比で大幅増益(利益+44.9%)と非常に健闘しています。この好調な利益で全社の減益分や投資減損を十分にカバーすることは可能でしょうか。あればそのロードマップをご教示ください。
- Q:中期経営方針の2027年度営業利益6億円に向けた達成見込みは?達成できない場合の経営責任と、今後の成長戦略についても教えてください。
- Q:株価対策、東証への上場、自社株買いについて教えてください。
- Q:自社株買いの進捗状況はまだ僅かです。この状況についてご説明をお願いします。また、今後、より自社株買いが進まないものでしょうか。
- Q:過去の出資先の個別の投資損益、大きな減損であった投資の投資責任について説明してください。
- Q:ADDress社のダウンラウンド出資および減損リスクについて、投資における減損処理の適否、ならびに過年度の評価額に対する過失の有無、監査法人との協議プロセスおよび見解をご教示ください。
- Q:TRUSTDOCKの業務拡大に関する進捗状況を教えてください。
- Q:今年7月に買収・連結化した株式会社kokodearについて、同社が持つブランド・HR領域の強みをソーシャル事業にどう掛け合わせ、下期の連結利益にどれほど上乗せされる見込みでしょうか。
- Q:ステーブルコイン導入支援サービスの採用件数を教えてください。
- Q:社長が注目している(面白いと感じている)アーリーステージの投資先の会社名もしくはそのサービス内容を挙げてもらえますか?
- Q:グループ子会社の各業績について教えてください。
ガイアックス代表 上田:事業概要および2026年12月期第2四半期決算
上田: 皆様、本日はご参加いただきありがとうございます。当社のミッションは「人と人をつなげる」ことです。ソーシャルメディア、シェアリングエコノミー、web3/DAOに注力し、スタートアップスタジオとして新しい事業を次々に生み出していくスタンスで事業を行っています。インターネットによって世界中の立場の異なる方々がつながる社会になってきており、そこから互いが互いを自然と助け合う社会をつくれるのではないか、またそれに資するサービスをつくっていきたいと考えています。
事業は「ソーシャルメディアサービス事業」と「インキュベーション事業」の2つに分けて運営しています。ソーシャルメディアサービス事業は、SNSを中心に企業様へ運用サービスやソフトウェア開発をご提供する事業で、BtoBのため比較的安定したビジネスです。インキュベーション事業は、連結内の新規事業と投資事業から構成されており、投資事業では株式を売却した際に株式売却益が入る構造となっています。

2026年12月期第2四半期の業績
連結売上高は、第2四半期が8億5,300万円、上半期累計で17億7,700万円となりました。SNSは企業様のマーケティング手法として重要性が増しており、SNSマーケティング支援やWEB・システム保守の受注は堅調に推移しています。一方で、前年同期にあった営業投資有価証券の売却が当上半期はほとんどなかったため、その分売上高は前年を下回っています。

連結営業損益は、上半期で7,600万円となりました。営業投資有価証券の売却減に伴う利益額の減少と、ショートドラマ制作およびHR(人材紹介等)領域での先行投資の継続により、前年中間期比では利益額が減少しています。

セグメント別では、ソーシャルメディアサービス事業の売上高は順調に右肩上がりで推移し、営業利益は第2四半期4,900万円、上半期累計1億2,600万円となりました。ショートドラマ事業やHR領域での先行投資を継続しながらも、それを上回る増収により利益を確保しています。インキュベーション事業は、スタートアップスタジオで受託していた大型の自治体案件の納品が完了したことにより、売上高は第2四半期2億8,600万円、上半期累計5億4,600万円、営業利益は第2四半期6,900万円、上半期累計1億1,000万円となりました。なお、大きな営業投資有価証券の売却は上半期にはありません。
2026年12月期の業績見通しと中期経営方針
2026年12月期は、売上高33億円、営業利益2億5,000万円を予想しています。ソーシャルメディアサービス事業は堅調なマーケットの中でより付加価値を高めていきます。HR領域は収益の柱として育成すべく現在投資を行っており、収益性の向上と事業基盤の強化を推進してまいります。インキュベーション事業は実績が積み上がってきており、このトレンドを大切にしてさらに積み増していきます。一方、DAO領域は地方創生の文脈で引き合いが増えているものの、コストが先行する見込みであり、中長期的に成長事業となるよう現在体制の構築を進めているところです。
中期経営方針は2023年度から2027年度までを対象としており、今年は4年目にあたります。3年目となる2025年度は売上高34億9,800万円、営業利益2億5,400万円で着地し、計画(売上高33億円、営業利益2億円)に対して売上高+6.0%、営業利益+27.0%と上振れいたしました。最終年度となる2027年度は売上高40億円、営業利益6億円を目標として掲げ、達成に向けて進めています。

株主還元方針
配当は継続的に1株あたり5円を予定しています。加えて、株主還元の強化策として自己株式の取得を実施しています。2026年6月22日開催の取締役会において、60万株・2億円を上限とする自己株式の取得を決議し、6月末より実施しています。2026年7月31日時点では28,800株、取得価額の総額は1,264万円となっています。なお、株主優待制度は2025年12月31日を基準日とする贈呈をもって廃止し、株主還元を配当および自己株式の取得に一本化しています。


ソーシャルメディアマーケティング事業責任者 沼田:事業説明&質疑応答

沼田: 皆様よろしくお願いいたします。ソーシャルメディアマーケティング事業部は、ガイアックスのソーシャルメディア事業の中で、特に大手企業様を中心にSNSマーケティングを総合的に支援する部署です。私たちの特徴・強みを3点ご紹介します。

強み①:豊富な知見と実績
日本にソーシャルメディアが上陸してから10年以上が経ちますが、当初のFacebookの時代、つまり国内のソーシャルメディアマーケティングの黎明期から事業をスタートしています。これまでの累計支援実績は1,500社以上です。SNSマーケティングの支援会社は1つの媒体に絞って支援している企業も多いのですが、私たちは基本的にすべての媒体でのご支援が可能で、媒体選定からご支援しています。クライアントは国内の大手企業様が中心で、花王様、資生堂様、JR東日本様、ユニチャーム様のほか、内閣府のご支援なども手がけています。

強み②:支援の幅の広さとカスタマイズ性
もはやSNSを抜きにマーケティング戦略を考えることは難しくなりました。そうした中で私たちも日々ケイパビリティの拡大に尽力しています。マーケティング全体の戦略を踏まえてSNSにどのような役割を担わせるかという設計から、ソーシャルリスニング(SNS上の口コミのリサーチ)などのマーケティングリサーチ周りのご支援、ソーシャル全体の活用戦略、実際の運用、内製化(インハウス)支援、クリエイティブ制作、炎上対策まで、SNSに関することは攻めも守りも総合的にご支援可能です。
また、1つのパッケージを販売しているのではなく、オーダーメイドのご支援を行っています。複数の商材を有しているため、お客様の目的・ご要望・ご予算に応じて何が最適かを考え、支援内容を組み立てています。「ここは内製でやりたい」「スポットでこういう依頼もしたい」といったご要望にも比較的柔軟に対応しています。

強み③:ガイアックス×CREAVEの共同支援
戦略はソーシャルメディアマーケティング事業部が担い、企画・クリエイティブはグループ子会社のCREAVEが担う体制を組んでいます。ガイアックスグループのそれぞれの得意領域を生かし、戦略と企画クリエイティブの両面から企業様のSNSマーケティングをご支援しています。実際に「ガイアックスの戦略性が決め手になった」というお客様の声を多数いただいており、静止画はもちろん動画や撮影、ショート動画・YouTubeなど媒体に合わせたクリエイティブについても、ご評価の声をいただくことが増えてまいりました。

直近の事業トレンドと支援実績
業績は結論として順調に事業成長しています。特に今期は、アカウント運用をベースとしながら、インフルエンサー(クリエイター)との共創施策、SNS広告、ショート動画・ショートドラマ、SNSキャンペーンなどが直近で伸長しています。

具体的な事例をご紹介します。SNSキャンペーンでは、株式会社Mizkan様のご支援として、料理系インフルエンサーのリュウジ様(料理のおじさん バズレシピ)とのコラボキャンペーンを実施しました。ミツカン様とリュウジ様のコラボは、いつも少し「雑な」クリエイティブでファンの方に楽しんでいただく仕掛けが特徴です。今回もティザー投稿では目元だけを雑に隠した画像を投稿し、それをリュウジ様が引用して「なんで毎回雑なの」と反応するなど、ユーザーの皆様と一緒に盛り上げる共創企画としました。結果として、キャンペーン関連投稿で合計約630万インプレッションを獲得し、私たちが重視している発話数の面でも非常に大きな反響を生むことができました。

Web広告動画制作では、コーヒーメーカーの株式会社カップス様(カプセル式コーヒー&ティーマシン「KEURIG」)のWeb広告動画を制作し、YouTubeにも配信しました。かつてテレビCMの制作には莫大な予算が必要でしたが、コミュニケーションの変化により、皆様がSNSでコンテンツに接する機会が増えています。私たちはショート動画・ドラマ制作で培った体制を生かし、企画から撮影・編集までを一気通貫で行うことで、高クオリティかつコストを抑えた映像制作体制を実現しています。

ショートドラマのライブ配信支援では、MIXI様が提供する競輪・オートレース投票サービス「TIPSTAR」のショートドラマアカウントをご支援し、ライブ配信を実施しました。ショートドラマは毎回同じ演者が登場し、視聴を重ねるほど演者への愛着やエンゲージメントが高まる仕組みになっています。好きな演者が登場するライブ配信の中でクイズ企画などを行うことで、サービスへの理解を深めていただきながら、楽しみつつ愛着を醸成するという成果も出始めています。

オフラインでの新製品体験イベント支援では、ホームプロジェクター「popIn Aladdin」を展開するAladdin X様をご支援しました。新製品の発売を記念して、SNSアカウントのフォロワー様をリアルの発売イベントにご招待し、ファンの方とのエンゲージメントを高める企画です。当社メンバーも同行してインタビューを行い、普段SNSを通じてコミュニケーションしている皆様に、商品の魅力を直接お伝えする機会をご一緒しました。さらにリアルイベントの様子を改めてInstagramの投稿に掲載し、オンラインとオフラインを融合させたイベント支援となりました。

アンバサダープランでは、東武ホテルマネジメント様をご支援しました。SNSの強みのひとつは口コミであり、SNSの口コミを通じて商品を認知し、意識変容・行動変容につながる体験をされた方も多いのではないかと思います。私たちはSNSに投稿していただく約35万人規模のコミュニティを有しており、そのメンバーの方に実際にホテルへ足を運んでいただき、その様子を静止画や動画で撮影してSNSに投稿いただく施策をご支援しました。約6ヶ月間で66投稿・約36万リーチを獲得し、「#銀座レストラン」「#ご褒美ランチ」などの人気ハッシュタグでTOP入りを達成。そして何より、SNSの投稿経由での来店が約2.4倍に増加するという実績を出すことができました。

Instagramアカウント運用では、花王様のコーポレートアカウントを運用しています。花王様の取り組みや商品・技術への理解と共感を広げ、ファンの拡大につなげることを目的に、1投稿ごとにデータを見ながら分析・改善を重ね、1年間でフォロワーが約1.2万人増加し、フォロワーの皆様から高いエンゲージメントを獲得しました。そのほか、メーカー様の商品がSNS上でどのように語られているかを調べるソーシャルリスニングや、戦略単体のご支援、ガイドラインの作成なども行っています。


今後の展望
SNSマーケティングと一言で言っても、SNSがコミュニケーションのハブとなっている昨今において、私たちの支援範囲は非常に拡大しています。Web広告やメディアからソーシャルに流入し、口コミを見て公式情報やスペックを確認し、来店・購入という行動につながり、購入されたお客様がまた口コミやUGCをSNSに投稿する。このようにSNSを中心にコミュニケーションのサイクルが回っています。今後も、人と人とのつながりやコミュニケーションにおいて、ソーシャルを中心とするマーケティング事業で引き続き事業成長に尽力してまいります。

ソーシャルメディアマーケティング事業に関する質疑応答
Q:大手企業向けの支援が多いですが、どうして選ばれているのでしょうか。近年選ばれる理由も教えてください。
沼田: 大きく3点あると考えています。1点目は、SNS単体で考えるのではなく、マーケティング全体を理解した上でSNSの戦略を一緒にご提案できることです。「一緒に戦略を考えていけるパートナーだと感じた」「事業の背景や他のマーケティング施策を理解した上で企画を提案してくれる」「最も解像度高く事業を理解してくれている」といったお客様の声が、その根拠になっていると思います。2点目は、戦略を企画・クリエイティブに落とし込む実現性です。戦略は絵に描いた餅では意味がなく、「解像度高く戦略を理解し、それをコンテンツの企画やクリエイティブとして表現する力が高い」という点も評価いただいています。3点目は支援領域の広さです。アカウント運用だけを任せたいという企業様もいらっしゃいますが、私たちはSNSに関することは総合的にご支援可能ですので、キャンペーンや撮影、守りの領域であるガイドラインまで、何かあればすぐにガイアックスに相談でき、実際に支援してもらえるという点も、お選びいただく理由になっているかと思います。
Q:事業のKPIは何でしょうか?
沼田: 複数の指標を見ています。売上・営業利益はもちろんのこと、粗利率、複数保有している商材ごとの売上内訳(構成比)、そして案件単価も重要な指標として管理しています。
Q:AIの台頭で低単価化や競争激化は起こらないのでしょうか?
沼田: 市場は大きく二極化していると考えています。AIの台頭により、SNSのアカウント運用代行のみを提供している企業様は厳しくなってきているという肌感があります。一方で私たちは、大手企業様を中心にSNSマーケティングの複数の支援サービスを提供しています。AIできれいな資料を作れたとしても、特にステークホルダーの多い大手企業様では、その資料を関係者の皆様に説明して納得いただき、当社メンバー、クライアント様、クライアント様のパートナー企業様や取引企業様、さらに複数の部署の目線を合わせながらプロジェクトを推進していく必要があり、そこはどうしても人が担う領域です。それができる企業様は多くないことが私たちの強みのひとつになっており、大規模な案件では「他社では体制が作れないので、ガイアックスさんならできませんか」と直接ご指名をいただくことも多くなってまいりました。だからこそ私たちは、逆に単価を上げていきたいという方針で進めています。
その他全体での質疑応答
Q:ソーシャルメディアサービス事業でのショートドラマやHR事業の投資回収について教えてください。
上田: 現在、ソーシャルメディアサービスセグメントの収益拡大に向けて、主にショートドラマを起点としたコンテンツ・IP事業に取り組み、「このチャンネルが大好きだ」と思っていただけるIPをつくれるよう努力しています。ショートドラマのIPはBtoB向けの受託開発ではありませんので、まずしっかり投資をして再生数を上げ、人気を獲得し、そこから初めて収益が上がってきます。順調でも投資回収までは1年前後を要しますが、一度投資回収の水準に達すれば、継続的に利益を生むチャンネルに育っていくと考えています。現状はそうしたループができるようになってきており、それを規模拡大しているところです。HR事業の投資については、企業買収を2件行っています。買収した会社はおおむね想定通りに推移していますが、のれん償却等もあり早期の利益貢献は見込みにくく、取得額を2〜3年で回収する想定のもとで現在事業計画を組み立てています。いずれの事業も、中長期的にはグループの企業価値向上に貢献する事業に成長するものと考えています。
Q:CREAVE社のショートドラマ(10億回再生)等、ソーシャル事業は前年同期比で大幅増益(利益+44.9%)と非常に健闘しています。この好調な利益で全社の減益分や投資減損を十分にカバーすることは可能でしょうか。あればそのロードマップをご教示ください。
上田: ソーシャル事業は前年同期比で大幅増益であり、売上規模に関しても毎年向上しています。マーケット環境を見る限り、ソーシャルメディアの重要性は上がることはあっても下がることはないと思っていますので、引き続き売上・利益ともに好調に推移していくのではないかと考えています。一方で投資減損は非常に読みづらい面があります。減損の前に、そもそも投資をするかしないかの判断があり、可能性が高いと判断できるときには大きな金額、そこまで可能性がないときには小さい金額で挑戦していきます。したがって、日頃発生するような規模の投資であれば十分カバーすることは可能だと思いますが、勝負に出るとき(ショートドラマ自体も投資に当てはまるケースがあります)については、カバーできるかどうかはケースバイケースと考えています。ロードマップに関しては、ソーシャル事業はこれまで数年にわたり2桁成長を続けており、引き続きそのペースを落とさず、利益率を維持したまま成長を維持していきたいと考えています。
Q:中期経営方針の2027年度営業利益6億円に向けた達成見込みは?達成できない場合の経営責任と、今後の成長戦略についても教えてください。
上田: 2027年度の営業利益6億円は、現在の中期経営方針上の目標であり、達成を目指して取り組んでいる段階です。2027年の業績予想は2026年12月期の決算発表時に開示いたしますが、それまで現時点でアップデートする項目はございません。全体的なトレンドとしては、株式売却を除いた連結の収益規模は売上・利益ともに右肩上がりで成長中であり、引き続きこれを維持していきたいと考えています。ただ、単年で営業利益6億円という来年の目標は高い目標であると感じており、それに向けて今、一丸となって邁進しているところです。加えて、単年で営業利益を出すだけでなく、その後も継続的に利益体質を強化していかなければならないと考えており、それも含めた長期的な視点で考える必要があります。結局そのためには投資が必要で、例えばショート動画についてもある程度セーブしながら、今は確実なところにより投資を集中させています。投資をどれだけ行い、利益確保をどれだけ必要とするか、このバランスは非常に難しいのですが、常に経営陣で議論しながら事業を推進しています。進捗は四半期開示や今後の業績予想でご確認いただければと思います。経営責任については、経営陣としての最大の責任は、目標の達成に向けて日々全力を尽くし、加えて持続的な企業価値の向上を達成することだと認識しています。掲げている数値目標は当社の目指すべき成長の方向性を示すものとして設定しており、その達成に向けて事業活動を邁進していますが、業績が経営方針と乖離するような状況が生じた場合には、その時々の市場環境や事業状況を踏まえて、適切な事業の推進および企業価値の向上に努めていくことが必要だと考えています。成長戦略は基本的に変わっておらず、しっかりとした事業会社と投資会社のハイブリッドであるという考え方です。SNS支援や起業家育成支援の受託事業で安定した利益を上げながら、その利益の範疇で投資を行い、投資先企業の成長によるキャピタルゲインの獲得も合わせて行っていきます。直近の積極投資領域は、ショートドラマを起点としたIP事業とHR事業です。
Q:株価対策、東証への上場、自社株買いについて教えてください。
上田: まず東証への市場変更については、当社は名古屋証券取引所に上場しており、東証は全く別の市場となりますので、新規上場と同様の厳格な数値基準を安定的に上回る状況が必要で、多大な審査コストや各事業部の対応リソース、多くの人と時間が必要となります。市場変更に伴い株式が流通しやすくなり、株価対策のひとつとして重要であることは認識していますが、現在はより事業成長そのものに資金とリソースを注ぐことによって株主価値の向上に資すると判断しており、そちらにフォーカスしているとご理解いただければと思います。株価については引き続きご心配をおかけしていると認識しています。現在の株価対策としては、当然ながら事業の安定的な利益創出と将来の利益規模の拡大、それに向けた投資が重要だと考えています。加えて、株主還元を行うことは株価対策にもなり、株主様へのお返しにもなると考えており、今期は自社株買いを開始しました。もちろん株価対策・株主還元という意味でも実施していますが、投資対象として自社株が非常に割安だと判断して買っているという側面もございます。
Q:自社株買いの進捗状況はまだ僅かです。この状況についてご説明をお願いします。また、今後、より自社株買いが進まないものでしょうか。
上田: 前提として、取締役会で決議した内容は60万株・金額にして2億円を上限とする自己株式の取得で、6月末より実施しています。2026年7月31日時点で28,800株、取得価額の総額は12,646,800円となっています。取得は証券会社に取引を一任しており、証券会社の裁量で市場買付を行っています。インサイダーの問題もございますので、当社から個別の売買について指示はしておりません。金融庁の厳格なガイドラインがあり、証券会社もそれを遵守して買付を行っているという認識で、買い方については当社では把握できない状況です。ただ、自社株買いは少なくとも1年間の枠で決議していますので、着実に買い出動することでより株主還元を進めていければと考えています。
Q:過去の出資先の個別の投資損益、大きな減損であった投資の投資責任について説明してください。
上田: 出資先の個別の投資損益については、多くが未上場企業であり契約上の守秘義務もあること、また当社の開示が投資先の資金調達や取引関係に影響し得ることから、特定案件に限らず全投資先共通の方針として開示しておりません。また、当社の投資はシード・アーリー期が中心です。事業が軌道に乗って数字が見えてきた段階や上場前の段階で追加出資するのではなく、会社を作ったばかり・作るタイミング、プロダクトができる前といった段階での投資がほとんどです。そのため、最初の段階で投資をして2〜3年経ったところで減損判定が入ったとしても、結果としてその後に規模が拡大するケースもあります。初期段階の投資である以上、一つ一つを見れば失敗もありますが、その中から大きなキャピタルゲインを得られるものが一つあれば、トータルで見て成功ではないかと全体として捉えています。引き続き、個別案件ではなくポートフォリオ全体のリターンで進めていく考えです。一方で、中期方針上の課題は投資規律の徹底です。数多くの投資機会に接し、数多くの投資を行ってきた反省を生かし、投資判断・モニタリング制度の高度化に継続して取り組んでいきたいと考えています。
Q:ADDress社のダウンラウンド出資および減損リスクについて、投資における減損処理の適否、ならびに過年度の評価額に対する過失の有無、監査法人との協議プロセスおよび見解をご教示ください。
上田: まず、ADDress社のダウンラウンドにおいて今回出資を行いました。私どもとしては、この金額でこの株式を取得できるならリターンが出るだろうと判断したものです。金額については、ADDress社および既存株主・他の株主様も含めて議論した結果、「ぜひこの金額なら出していただきたい」「当社としてもこの金額なら投資としてあり得る」というところで設定したまでです。当社の投資方針は、シリーズB・C・Dで出資するような会社ではなく、シリーズA前後の株価が非常に安い段階でなければ投資しないというポリシーです。その後にシリーズB・C・Dで投資された投資家の方々には、立場もさまざまで表現が難しいのですが、申し訳ないことになってしまったという思いはございます。ただ、当社としては現時点でこの金額なら投資妙味があるだろうと判断して実施しています。減損処理を行っているかどうかについては、個別銘柄では開示しておりませんが、当社のバランスシート、上場株の時価、営業投資有価証券の額をご覧いただくと、投資している額のほとんどが1年目・2年目において減損されていることが見て取れるのではないかと思います。当社としても、未上場企業の株式価値については監査法人と非常にディフェンシブに取り扱っており、ADDress社についても、そうした方針の中でトータルの判断を行っています。
Q:TRUSTDOCKの業務拡大に関する進捗状況を教えてください。
上田: TRUSTDOCK社について本日はご説明していないので簡単にご紹介しますと、クレジットカード登録などの際に、免許証を用いてスマホアプリで本人確認を済ませるeKYC(オンライン本人確認)の専業会社です。当社自身がソーシャルメディアやシェアリングエコノミー業界に強いリレーションを持っており、シェアリングエコノミーにおいて本人確認は非常に重要であることから周辺ビジネスとして立ち上げ、現在はカーブアウトして事業を拡大している会社です。当社の投資先ではあるものの連結子会社ではないため、業績等に関わる部分の回答は差し控えさせていただきますが、直近の動きとしては、金融領域での採用が非常に進んでおり、三菱UFJ銀行へのeKYCサービス導入が公表されたほか、法人向けスマートフォン・携帯サービスの本人確認での採用や、JR東日本へのサービス提供も公表されています。金融・通信・交通などインフラ的な業種に横断して導入が広がっており、事業として非常に成長しているのが直近の状況ではないかと考えています。
Q:今年7月に買収・連結化した株式会社kokodearについて、同社が持つブランド・HR領域の強みをソーシャル事業にどう掛け合わせ、下期の連結利益にどれほど上乗せされる見込みでしょうか。
上田: 現在、HR領域に関して直近で2件の企業買収を実施しています。HR領域と言っても、企業様がお困りなのは「良い人材に出会いたい」という点だけではありません。トップ企業でない限り、企業様それぞれが求職者の方に対してどうブランディングするのか、どう認知を獲得するのかということも併せてお悩みです。当社としては、HR領域に参入する以上はHR領域のプロフェッショナルとしてサービスを提供しますが、その中でもHR領域におけるブランディングや、認知拡大のためのソーシャルメディア活用といった部分こそ、私たちが行っていく部分だと考えています。kokodear社はそうしたノウハウをお持ちでしたので、今回グループインしていただき、ノウハウを掛け合わせることで収益拡大を行っていきたいと考えています。下期の連結利益への上乗せについては、個別(子会社単位)の数字を開示していないため説明が難しいのですが、買収に伴うのれんが発生しており、その償却がありますので、早期の大きな利益貢献は見込みにくく、シナジーを出した上でそこからリターンが出てくるとお考えいただければと思います。
Q:ステーブルコイン導入支援サービスの採用件数を教えてください。
上田: 採用件数については開示しておらず、今回もご説明できない点はご容赦ください。当社としてはステーブルコインありきというよりも、トークンや暗号資産といった領域の商品ラインナップを増やすことでお問い合わせを増やし、トータルの導入件数を増やしていくという戦略のもとで取り組んでいます。そういう意味では、ステーブルコイン単体で当社業績へのリターンを期待いただくものではなく、より総合的に、こうしたブロックチェーン領域のビジネスの成長をご覧いただきたいと考えています。
Q:社長が注目している(面白いと感じている)アーリーステージの投資先の会社名もしくはそのサービス内容を挙げてもらえますか?
上田: サービス内容としては、シェアリングエコノミーの分野が当社の強みにもフィットし、非常に成長が期待できる分野だと考えています。その中でも宿泊系や不動産系のシェアリングエコノミーの業界は、非常にチャンスがあると思っています。AIが進展すればするほど、ソフトウェアの強みは相対的に薄れていくのではないかと思いますが、シェアリングエコノミーのように実際のモノを介したリアルのやり取りは、AIが発展してもなくなるとは思えません。AIが発展して旅行が減るとは思いませんし、むしろ余暇が増えてくるのではないかと考えており、相対的に不動産や不動産関連サービスの価値は、AI時代においても輝くのではないかと思っています。加えて、こうしたシェアリングエコノミービジネスはリアルのエコノミーを扱っている一方で、費用としてはソフトウェア開発に多大なコストを使っているのが正直なところであり、そのコスト面がAIによって下がっていくことで収益性が上がってくると感じています。そういう意味では、引き続きシェアリングエコノミー、特に不動産領域の分野は楽しみだと考えています。

Q:グループ子会社の各業績について教えてください。
上田: 決算短信および決算説明資料において、「ソーシャルメディアサービス事業」「インキュベーション事業」のセグメント別売上高およびセグメント利益を開示しております。一方、CREAVE社、Matka社、kokodear社など個別の連結子会社単位での業績数値につきましては、開示義務がないことから公表を控えさせていただいております。








