株式会社ガイアックスは、3月23日(月)18時よりマネックス証券主催の「個人投資家向けオンライン会社説明会」に登壇しました。本セミナーは、個人投資家の皆様に当社の事業理解を深めていただくとともに、当社の事業活動や取り組みを直接お伝えする機会として実施したものです。
ガイアックス代表執行役社長の上田祐司が登壇し、事業説明を行いました。また、司会の小松田とのフリーディスカッション形式で、皆様が気になっているポイントについて深掘りしてお答えいたしました。本記事では、当日のセミナー内容をお伝えします。
※本内容は、理解推進のために一部内容の加筆および修正を行っております。
ガイアックス代表 上田:事業概要
上田: ガイアックスは、「人と人をつなげる」をミッションに掲げ、インターネットを通じて新しい形で人々がつながる社会を目指しています。具体的には、ソーシャルメディア、シェアリングエコノミー、DAOなどの分野でビジネスを展開しており、起業家精神あふれるメンバーが次々と新しいビジネスを生み出しています。

当社の事業は大きく2つに分かれています。1つ目は「ソーシャルメディアサービス事業」で、大手企業様向けにSNSの運用サービスやシステム開発などを提供しています。2つ目は「インキュベーション事業」で、社内での新規事業や、有望なスタートアップへの投資を行っています。

特にSNSを軸としたマーケティング支援と、スタートアップを生み出す起業支援の2つの分野に注力しています。

司会: ガイアックスのビジョンと事業を改めて教えてください。
上田: 「人と人をつなげる」ということをミッションにしております。インターネット上で人がつながり、互いのことを知り、感情移入をして、互いが互いを自然と助け合う社会になる、そう信じて活動しています。
具体的にはソーシャルメディアやシェアリングエコノミー、DAOなどの分野で、起業家の卵がどんどんビジネスを作っていく形で展開しています。

司会: 事業概要について、安定的に成長するソーシャルメディアサービス事業と、社外投資で株式公開された投資先の株式の売却時に、売上利益がでるのですね。
上田:はい、当社は事業会社と投資会社のハイブリッドモデルです。ソーシャルメディアサービス事業でインカムゲインによる安定成長を図りつつ、インキュベーション事業において新規事業の創出、場合によっては事業をカーブアウト(外部資金を入れて独立)し、投資先が上場等をした際に得られるキャピタルゲインの両方を狙っています。
キャピタルゲインがある年とない年で業績が上下動することはありますが、事業全体を伸ばすことで右肩上がりの成長を目指しています。
ソーシャルメディアサービス事業

司会: ソーシャルメディアに強いというのはどういうところなんですか?
上田: 創業以来10年以上にわたり、1,000社以上の企業様をご支援してきた実績がございます。各種SNSを横断的に支援でき、かつデータ分析からプランニングまで統合的にサービスを提供できることが強みです。
また、子会社のCREAVEとの事業連携を強化しており、当社の戦略・企画力(マネジメント)と、CREAVEのスピーディなクリエイティブ制作力を掛け合わせた強力な支援体制を構築しています。

Q: ショートドラマ事業は、どういうビジネスモデルですか?また、ショートドラマがヒットする要因は何ですか?
上田: ビジネスモデルとしては、企業様の広告やタイアップ広告が収益源になります。
ただ、単なる広告のためのショートドラマではなく、本当に普通に楽しんでいただくためのコンテンツを先進的に制作しています。テレビ局のプロデューサーのような気持ちで自社で企画制作しており、開始10ヶ月で総再生回数10億回を超える人気コンテンツになっています。
1分〜2分のドラマが日常的に流れてくる中で、同じ世界観・設定が継続し活かされるなど、撮影や構成に工夫があり、予算を抑えながら「次の展開が楽しみ」とファンをつくるノウハウを蓄積しています。視聴者がキャラクターに感情移入し、喜怒哀楽を持って熱狂的なファンになってくださっていると感じています。

上田:ソーシャルメディアサービス事業の売上は、SNSマーケティング支援などの受注が堅調に推移し、増加傾向で順調に成長しています。直近の2025年12月期における同セグメントの売上規模は23億8000万円となりました。
セグメント売上の前年比成長率は約10%〜12%を記録しており、2023年から2027年度までの中期経営方針においても、「年成長率10%以上」の安定的な売上成長を目標に掲げています。
当セグメントは企業から月額費用をいただくBtoBのストック型ビジネスが中心であり、本来は営業利益率20%程度を維持できる高収益な構造を目指しています。

しかし、直近においては、今後の収益基盤強化に向けた新規事業(ショートドラマ事業における自社IPの番組制作や広告宣伝、HR領域における専門人材の獲得など)への積極的な先行投資を実施したため、販管費が膨らみ、一時的に利益率が落ち込む(あるいは赤字となる)期間がありました。その後、売上の拡大に伴ってこれらの先行投資が順次回収され始め、子会社CREAVEとの組織体制の再構築等も進んだ結果、2025年度の第4四半期に向けて利益状況は大幅に回復・改善しています。
今後は、ショートドラマ制作などの知見を活かした他社との共同事業化等で利益率の低下を防ぎつつ、先行投資の回収と事業の拡大を通じて、継続的に利益を増加させていく計画となっています。
インキュベーション事業



Q: 起業家輩出、カーブアウトが特徴ですが、そのメリットは?株式比率が下がるのはデメリットではないですか?
上田: 持株比率が下がるのはまさにデメリットですが、会社を大きく成長させるためには数十億円単位の外部資金調達が必要になる場合があります。当社は1億円を投資して急成長させるような前フェーズ(シード期)への投資を得意としています。そのため、外部資本を入れてマーケットシェアを伸ばしていただき、比率は下がっても当社の持ち分の価値を増やしていく、という戦略をとっています。

司会:過去投資先で大きなリターンを出されているのはどんな企業ですか?
上田: これまで投資やカーブアウトをして上場した会社としては、アディッシュ、AppBank、スマートロックのPhotosynth(フォトシンス)、また直近ではタイミーなどがあります。
未上場でも、eKYCでトップシェアのTRUSTDOCK、定額住み放題のADDress(アドレス)、帰らない日は家賃が下がる住まいを提供するUnito(ユニット)など、注目されるスタートアップが育っています。


Q: どういった企業に投資されるのですか?選別基準は?
上田: 大きく2つの選別基準があります。1つ目は、当社が得意としノウハウを持つ「ソーシャルメディア」や「シェアリングエコノミー」の領域であることです。
2つ目は、当社の社員(卒業生)や事業から出てくる人脈、自治体の支援プログラムから出てくる人脈など、我々のネットワークに基づく投資に集中している点です。

司会: 起業家輩出の支援として、自治体からの受託案件が増えているようですが、具体的な取り組みや他社との差別化ポイントを教えてください。
上田: 日本政府の「スタートアップ育成5か年計画」を背景に、自治体や学校も起業家教育やスタートアップ支援に非常に力を入れています。
これまで自治体が起業を支援する場合、町の税理士さんや中小企業診断士の方々がサポートするケースが多かったのですが、それだと「上場を目指すようなスタートアップ」を生み出すのは困難です。当社には、何の実績もない若者であっても、上場企業を多数生み出せるように育成してきた圧倒的なノウハウがあります。そこを高く評価いただき、東京都、北海道、福岡市など多くの自治体から起業家輩出支援の事業を受託しています。
例えば福岡市のプログラムでは、開始4ヶ月で400名超の応募があるなど非常に好評です。 また、教育機関向けに起業をテーマにした探究学習「起業ゼミ」も提供しています。
これについては、実際に起業経験やキャリアを持つ当社の社員が自ら学校へ赴き、実践的な心構えを直接指導しており、経産省からも賞をいただいています。
自ら起業して上場企業へと成長させた先輩起業家との繋がりや、実践的なノウハウを直接提供できる点が、他社にはない圧倒的な差別化ポイントです。

司会:「起業ゼミ」などの事業は、収益面でどれくらい期待できるのでしょうか?
上田: 確かに「起業ゼミ」単体で見ると、中学校や高校向けということもあり、売上とコストが連動しやすいため収益自体はそこまで大きくありません。しかし、この活動は自治体からのスタートアップ支援業務の受託に強く紐付いています。
東京都をはじめとするたくさんの自治体から、スタートアップ支援のサービスを受託させていただいています。そこには「支援してほしい」という会社さんが何百社、何千社といらっしゃいます。我々は東京都などの予算を使っていろいろとサポートをさせていただいているのですが、その中でもいい会社があれば、我々が投資をさせていただいています。これは非常にいいポジションにいるなと思っています。
自治体さんからも「いい会社があれば、遠慮していただく必要はありません。ガイアックスが自腹で投資する分にはどんどん投資してください」とおっしゃっていただいており、我々もいい会社になるように頑張って育てて、いい会社に投資をしています。自治体さんからいただくお金は我々の大切な事業の収益ですが、その中で良い会社に投資をしてキャピタルゲインを上げるというのも、1つの重要な事業だと思ってやっています。
また、「起業ゼミ」というのは、中学校や高校の授業に我々の社員が赴いて、学生の皆さんに「起業していくためにはこういう心構えが必要ですよ」といったお話をさせていただいているものです。こちらも本当に多くの自治体さんからお話をいただいており、今どんどん規模が増えているところです。


中長期の成長・株価対策

上田:現在は中期経営方針の5カ年計画の4年目(2026年度)に当たります。2つの主力事業で安定的な収益基盤と投資リターンを両立させ、全社での継続的な黒字化と配当を目指しています。

司会: 2026年の業績見通し、ちょっと低く思いますが、中長期の成長のためにどんな仕込みが今あるのですか?
上田: 2027年の営業利益6億円という目標達成に向けて、現在はショートドラマやIPの創出、自治体からの受託案件など、中長期の成長に向けた仕込みに先行投資を行っている段階です。立ち上げにはコストがかかるため、2026年度は売上33億円、営業利益2.5億円という予想にしています。

Q: 株価の低迷やIPO市場の冷え込みに対してはどのようにお考えですか?
上田: 株価低迷については大変申し訳なく思っております。最大の対策は、中期経営方針に沿って事業をしっかりと伸ばし、安定的な利益を出せる体制作りを進めることです。また、IPO市場が冷え込んでいるのも事実ですので、M&Aによる売却や、名証ネクスト市場への上場など多様な選択肢を投資先に提案しながら、市場環境の影響を軽減するよう取り組んでいます。
Q: 生成AIへの対応など含めた今後の展望について教えてください。
上田: インターネットの普及により、世の中は本当に大きく変わりました。皆さんも日々ソーシャルメディアやシェアリングエコノミーのサービスに触れ、インターネット以前では考えられなかったような、見知らぬ人々とコミュニケーションやコラボレーションをしながら日常を送るようになっているかと思います。
私たちはこの「人と人がつながる」分野にさらに踏み込み、新しいサービスをどんどん作っていきたいと考えています。
そして、この分散型の領域はAIと非常に相性が良いのです。皆さんもイメージしていただきたいのですが、例えば「オールドメディア」と呼ばれるような伝統的なコンテンツとAIは、あまり相性が良くありません。著名な編集者や作家が書いた完成された文章を、AIが勝手に改編するなんてとんでもない話ですよね。
それに比べて、ソーシャルメディア上で数百万、数千万人という群衆(クラウド)が発信している膨大な情報を、「どう調理するのか」「どう可視化するのか」といったことに関しては、AIの力がまさに最適です。
シェアリングエコノミーやDAOも同様です。
これからの時代、伝統的なピラミッド型の組織ではなく、無数の群衆が集まっているけれども今まで上手にコラボレーションしきれなかった領域において、AIの力で円滑につなぐことで、伝統的な組織を上回る圧倒的なパフォーマンスを出せると考えています。
また、ガイアックスという組織自体も非常に柔軟です。
基本はフルリモートで、シェアリングエコノミーを体現するように、プラットフォームを通じたフリーランスや業務委託の方々を数多く活用しています。事業によっては、中核となる社員はほんの数名で、その周りに強力な業務委託のメンバーがいて、さらにその外側に数万人規模のワーカーがいるといった形でプロジェクトを推進しています。こうした境界線のない柔軟な組織だからこそ、AIの導入に関しても何のハードルもなく、事業にとってプラスにしか働きません。
現在進めている2027年度までの中期経営方針の達成、そしてその先の継続的な成長に向けて、この「群衆(クラウド)の力」とAIを活用して事業を創出することにさらに邁進していきます。
上田:将来に向かってしっかりとした業績を作り上げることで、企業価値を高め株価にも反映できるよう全力で取り組んでまいりますので、株主・投資家の皆様には引き続きご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。
株式会社ガイアックス 個人投資家向けオンライン説明会動画(マネックスオンデマンド)
これまでの決算説明会および事業責任者プレゼンの文字起こし記事も公開中
- 株式会社ガイアックス 2025年12月期決算説明ガイアックス、SNSマーケ支援が堅調に推移 自社ショートドラマは総再生4億回突破
- 2026年3月 個人投資家向けIRセミナー:HR、CREAVE事業プレゼン開催レポート
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