新型コロナウイルスによって、リアルで行われていたイベントや事業が徐々にオンライン化しており、今後もこの流れは加速していくと思われます。2020年2月には、経済産業省が「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を策定しています。

そこで本記事では、バーチャル株主総会の概要やメリット、実際の開催方法まで解説していきます。弊社ガイアックスは準備期間1日でのバーチャル株主総会を成功させた実績があり、他にもオンラインイベントの企画・集客・運営支援サービスなどを提供しています。バーチャル株主総会が気になる方はぜひ参考にしてください。

バーチャル株主総会とは

バーチャル株主総会とは、取締役や株主が一堂に会する箱を設けつつ、オンライン上で中継を繋ぎ、完全リモートでも総会に参加することができるという開催方法です。ここでは、バーチャル株主総会の更に詳しい概要や、メリットを解説していきます。

バーチャル株主総会とは何か?

バーチャル株主総会は、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」と呼ばれることもあります。リアルと、オンラインのハイブリッドという意味です。新型コロナウイルスによってバーチャル株主総会に注目が集まったのは間違いありませんが、経済産業省では「2018年」から開催手法について議論がなされています。ただ、2018年に議論が始まった背景としては、「海外在住者でも株主総会に参加できるように」とのことでした。

株主総会をオンライン化するメリット

株主総会をオンラインで開催するメリットは、下記の2つが挙げられます。

  • 新型コロナウイルスなどの感染対策
  • 海外在住者・地方在住者でも参加可能

最大のメリットは、新型コロナウイルスなどの感染対策でしょう。バーチャル株主総会に注目が集まっている理由としても、新型コロナウイルスに他なりません。また、海外在住者・地方在住者でも株主総会に参加できるメリットもあります。今まではリアルでの開催のみだったため、参加できる方に限りがありましたが、オンラインを組み合わせることで完全リモートでも参加できる仕組みを作ることができます。

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バーチャル株主総会を実施する方法【ツールなど】

ここからは、実際にガイアックスが開催した実例を踏まえて、バーチャル株主総会を実施する方法をご紹介します。

ツールはZoom+外部カメラ

バーチャル株主総会に必要なツールは、Zoomと外部カメラです。前提として、無料版のZoomでは参加人数・配信時間の制限がありますので、有料プランにアップグレードしておきましょう。Zoomでの配信に外部カメラを組み合わせるには、HDMI to USBビデオキャプチャーが必要です。外部カメラから送られる映像を、HDMI to USBビデオキャプチャーでPCに取り込みます。2カメラでワイプを使いたい場合は、スイッチャーを導入すれば切り替えることができます。また、複数のマイクを使いたい場合はミキサーを導入するようにしましょう。

現場では何人のスタッフを動員したか

ガイアックスが開催した株主総会では、株主の方々からの電話対応者2名・オンライン配信に対応するためのシステム担当者1名のスタッフを動員しました。当日は上記に加えて3名増員し、計6名でバーチャル株主総会を開催した形になります。ガイアックスの場合は、株主の方々からの質問を電話対応にしましたが、Web上での対応も可能なため、運営次第で人員を削減できる可能性はあるかもしれません。

開始前、休憩時はガイド画面表示

バーチャル株主総会の開催前・休憩時は「ガイド画面」を表示するようにしましょう。開催前では、例えば「株式会社ガイアックス 株主総会 12:00〜」のような案内画像を画面共有をするか、OBSやManyCamをで表示することができます。なお、OBSやManyCamを使用する場合、スポットライトビデオで固定することによって、画面共有同様に参加者の画面に大きく表示することも可能です。

バーチャル株主総会実施において気をつけること

ここからは、バーチャル株主総会実施において気をつけることを解説します。

  • インターネット回線・使用ソフトが落ちてしまうことへのリスクヘッジ
  • 株主の本人確認
  • 事前の議決権行使について
  • 株主からの質問の取り扱いについて
  • 発言したい株主を見落とす可能性

それぞれのポイントを順番に解説していきます。

インターネット回線、使用ソフトが落ちてしまうリスク

これら2つのリスクに対しては、2つの解決方法があります。

  • インターネット回線を光回線をLANケーブルで接続すること
  • できればハイスペックなデスクトップPCを使用すること

インターネット回線については、目安として「上り&下りで100Mbps」を超えていたら非常に安心です。悪くても、本番の配信を行うのであれば、40Mbpsはほしいです。PCに関しては、株主総会の規模にもよりますが、デスクトップPCを使用することが望ましいです。ノートPCだと、Zoom以外にもソフトを動かしていると処理能力が不足することがあります。配信の遅延やトラブルはできるだけ避けたいため、それなりの機材を用意することが重要です。

株主の本人確認

株主総会に出席し議決権を行使できる株主は、基準日現在で議決権を有する株主として株主名簿に記載されている方のみです。リアルとオンラインのハイブリッドであるバーチャル株主総会では、当日の出席者の本人確認について、バーチャル株主とリアル出席株主の2方に対して行う必要があります。各株主に固有のID・パスワード等の発行・2段階認証などを導入することで、なりすましなどのリスクを軽減させられます。

事前の議決権行使について

リアルで開催される株主総会では、受付通過時に出席株主数をカウントし、それによって株主数・株式数を確認する方法が一般的です。しかし、バーチャル株主総会の場合は「隙間時間での、株主総会への途中参加」などが起こる可能性が十分に考えられます。また、始めから参加している方の途中退出なども考えられます。こういったリスクを踏まえた上で、リアルでの株主総会のように「ログインを持って出席」とカウントし、その時点で事前の議決権行使の効力を失わせてしまうと、無効票を増やしてしまうことに繋がります。これらを解決する具体的な例としては、下記が挙げられます。

  • ログイン画面に「傍聴のみ」をしたい方向けの入り口を作る
  • ログインをしたものの、採決をしなかった場合は議決権行使の効力を維持させる
  • 議決権行使の取り扱いについて画面共有を行う・事前に通知などをしておく

バーチャル株主総会では、リアルでの総会と議決権行使の取り扱いが異なるため、事前に通知しておき混乱を招かないことが大切になります。

株主からの質問の取り扱いについて

リアルの株主総会では、挙手制で質問・動議などを取り上げるシステムになっていますが、バーチャル株主総会の場合、「チャット」などのテキストによる質問が可能になります。質問などを予めテキストで受付しておき、議長が代表的な質問を取り上げることで、株主との建設的会話が可能になります。しかし、議長が経営陣営に対しての敵対的な質問を故意的に取り上げないなどのリスクも考えられる他、質問者が匿名でテキストを使って個人を攻撃する可能性も考えられます。これらのリスクを回避するためには、下記の解決策を実施してみましょう。

  • 株主1人が送信できる文字数・回数に制限を設ける
  • 複数回の送信ができないようにする質問送信フォームを設ける
  • 議長が取り上げる質問に関して予めルールを定めておく

運営側も様々なリスクヘッジを行い、開催している全員が建設的な会話ができるよう配慮することが大切です。

発言したい株主を見落とす可能性

リアルでの株主総会・バーチャル株主総会のどちらの場合でも、時間等の都合ですべての株主が発言できるわけではありません。そのため、事前にすべての株主が発言できるわけではないことを通知しておく必要性があるでしょう。また、上述した株主からの質問の取り扱いについてと同様、テキストでの質問や、質問送信フォームを用意しておくことでリスクヘッジができます。

ガイアックスではどのように実施したのか?

記事の冒頭でも書いたように、ガイアックスは前例のないバーチャル株主総会を、準備期間1日で成功させました。具体的な手順としてはシンプルで、下記の4つです。

  1. 総会の成立要件に関してのディスカッション
  2. 総会メンバーのアサイン
  3. 信託銀行・弁護士の方と連携し、成立要件に関して擦り合わせ
  4. Zoomを使って実際に開催

準備期間が1日だったため、スピード感を持って取り組むことが最重要でした。社員は日常的にオンラインMTG・オンラインイベントの開催を支援していたため、オンライン化に関して自社内での課題が一切なかったことがガイアックスの強みです。

引用(「株主総会のオンライン化を1日で達成?!当たり前を疑うカルチャーにより実現」より)

株主総会の2日前に小池都知事の記者会見で「平日の仕事は自宅で、夜間は外出を控えるように」「週末の外出も控えるように」との発表がありました。

それを受けて、その発表の翌朝、上田さんから「株主総会をオンラインでやりましょう」という提案をもらいました。
コロナウィルスの感染拡大前から、株主総会のオンライン化については話題には上がっていましたが、私はそもそもバーチャル株主総会の開催に反対だったんです。オンラインで株主総会を開催するとなると、技術面でも法律面でも障害がたくさんあるので、総会自体が成立しないリスクが大きかったからです。

とはいえ、今のこの状況では、法律に従って通常通り株主総会を開催することによりクラスターが発生することも避けないといけない。会社として感染拡大に寄与するわけにはいかないし、先進的な働き方に取り組んでいるガイアックスとしてオンライン化にもチャレンジしていきたい、というの上田さんの話を受けて、どうすれば開催できるのか、という考えにシフトしました。

社外取締役の方々にも相談をし、「総会の成立要件を満たせればいいのでは」という声をいただいた上で、GOサインをだしました。

ライター:伊藤仁(@jinblog_jin

ガイアックスではバーチャル株主総会の企業向け支援を行っています

オンライン配信事業

ガイアックスでは、実際にバーチャル株主総会を開催した実績を基に、バーチャル株主総会の企業向け支援を行っています。

他にも、社内イベント・ワークショップのオンライン化・社員研修・社員総会などのオンライン化もサポートしています。オンライン可のコンサルティング・Zoomホスト講座の開催・配信代行や配信機材の貸し出し・現場への出張サービスもご用意しています。

オンライン化に関して興味がある方は、まずはオンラインにて無料ヒアリングを行っています。お問い合わせは下記のページから承りますので、ぜひお気軽にご相談ください。

オンラインイベントの企画〜配信サービス

廣山 晃也

廣山 晃也

20卒入社。学生時代からブログ・YouTube・SNS運用とそのコンサルティング経験を持ち、ソーシャルメディア運用の領域から新規事業に参画。ブランドチームにおける公式サイトのSEO改善と、法人向けオンライン配信事業の立ち上げに携わっている。